2019年6月30日日曜日

予想の斜め上を行く展開を見せた大阪G20開催の週末。
月曜からの金融市場はリスクオンスタートでしょうか。

最大のサプライズはG20というよりその後の米朝会談。

【突然の米朝首脳会談】

G20の最中の29日土曜の朝 7:51、
「中国の習主席との会談などいくつかの重要な会談の後、私は日本から韓国(文大統領と)に向けて出発する。その間、北朝鮮の金委員長がこれを見たなら、DMZ(軍事境界線)で会い握手して挨拶できるだろう。」
とTwitterに投稿。


↓ 実現しちゃった!

トランプ氏、金正恩氏と面会 南北軍事境界線越える
https://jp.reuters.com/article/trump-kim-panmunjom-idJPKCN1TV083?feedType=RSS&feedName=special20

・米朝首脳面会は2月末のハノイ会談以来
・境界線超えは現職の米大統領として初めて

このこと自体はトランプ流のパフォーマンスにすぎない、
会談の内容は具体性がないと指摘する向きもありますが
ハノイでの米朝首脳会談は実質決裂しており膠着状態だったものが
交渉再開するというだけでも、十分かもしれません。

これまでにないやり方で膠着状態にあった問題に
揺さぶりをかけて動かしていく、その行動力には驚かされます。
トランプ大統領はサプライズを演出していますが、
水面下で綿密に練られたシナリオなのかもしれませんけど。

日本外務省は寝耳に水だったようですが~

「首脳会談がツイートから始まるとは…」日本外務省
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190630/k10011976111000.html


【G20最大の注目米中トップ会談:追加関税見送り】

貿易交渉再開で合意=追加関税見送り-最悪の事態回避
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062900436&g=pol

①貿易戦争の休戦を宣言、交渉再開で合意
 (交渉は5月に決裂していた)

②中国からの輸入品3000億ドルへの「追加」関税第4弾見送り
 (発動済みの措置は維持)

③ファーウェイへの米国企業の輸出禁止措置緩和
 (安保上問題のない物に限定か)

米中会談は29日土曜の約1時間20分。

27日に香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが伝えた
「米中、貿易戦争の一時休戦で合意 G20控え」
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-truce-idJPKCN1TS0CT

このニュースはフェイクではなかった、ということになります。
むしろ、その直後に中国外務省がこれを否定したことの方がフェイクだった、
ということです。
米国側から、その旨事前に漏らすなと言われていたんでしょうか。
これをすっぱ抜かれたから否定した、ということかもしれません。。。

このニュースが出た際、株も為替もリスクオン相場になりましたが
否定されたことでしぼんじゃいましたよね。
これを信じるなら、そのままリスクテイクポジション維持でよかった
ということになります。やれやれ。


◆ただし、、、◆

トランプ劇場はまだ終わっていない可能性も。
自国に帰って態度を翻すこともままありますね。
実際に、輸出規制は緩和とは言いましたが、
「安全保障上問題がないもの」に限定されているほか、

・「エンティティー・リスト(EL)」から外すかどうかは
まだ習氏と話していないとことを明らかにしており、
実質どの程度の製品が許されるのかが不明。

EL=http://www009.upp.so-net.ne.jp/kgm1_ear/Lists_of_Parties_of_Concern/Entity_List.htm

・米国の反応:マルコ・ルビオ上院議員のtweet
https://twitter.com/marcorubio/status/1144979771073454080

もし、トランプ大統領がファーウェイに対する制限を放棄したのなら
我々はそれらの制限を立法を通じて元に戻さなくてはならない。
そしてそれは拒否権の行使に対抗できる多数派の支持で通過するだろう。

中国に対しては、トランプ大統領が、というより
米議会も強硬なんです。議会がこれをひっくり返してしまうかもしれません。

ということで、ファーウェイに関して長期的な安心感を得られるような
話ではないと思っていますが、
週明けのマーケットは、短期的にこれを好感すると思います。


【日本、韓国へ対韓輸出規制、経済制裁へ】


半導体材料の対韓輸出を規制 政府 徴用工問題に対抗 
https://www.sankei.com/world/news/190630/wor1906300013-n1.html

→7月4日からフッ化ポリイミドや、レジストとエッチングガスの
 計3品目の輸出規制強化(1日発表)

→先端材料などの輸出について、輸出許可の申請が免除されている
 外為法の優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外

これ、タイミング的に、日本はG20で関係国らに確認を取ったんでしょうね。
そしてその背景にあるのは記事中に解説されている

~徴用工訴訟に関する韓国最高裁判決をめぐり、日本側は日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置を求めたが、韓国は問題解決に向けた対応策を示さないため、日本政府が事実上の対抗措置に踏み切った。

これに尽きると思います。

韓国は大変ですよ、
半導体洗浄用フッ化水素の90%を日本に依存しているとか。

韓経:韓国、半導体洗浄用フッ化水素の90%を日本に依存
https://japanese.joins.com/article/359/251359.html

フッ化水素を製造しているのはほぼ日本です。
なんと世界シェア率80%

3社あるうちの1社が市場をほぼ独占しています。
森田化学工業株式会社だそうです。

フッ化水素の輸出禁止で制裁?韓国の反応は?なぜ韓国は製造できない?
https://takiro-pj.com/talent/hukkasuiso_korean#80

韓国の半導体産業、スマートフォン(サムソン)などはどうするんでしょうね。。。
明日、韓国株は大きく下がると思います。


【G20 番外編 大統領選挙とロシア】

ロシアの米大統領選介入問題について記者に問われたトランプ米大統領。

人差し指でプーチン露大統領を指し
「干渉するなよ、大統領。干渉するなよ」と発言。

https://www.youtube.com/watch?v=LizN-fBEPc8

プーチン大統領は、、、、これは苦笑いかな?!
めっちゃ面白い…。


マーケットと明日以降の戦略、ポジションについては
長くなるので後程。
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