2019年9月8日日曜日

どれもこれも本質的な解決をみたわけじゃないのですが
先週出てきたいくつかのニュースがマーケットのセンチメントを好転させたようです。

①米中貿易問題、10月閣僚級交渉開催

米中は9月1日互いに追加関税を課したばかり。
5月に交渉が暗礁に乗り上げて以降、報復の応酬が繰り返されています。
交渉が再開されるというだけですが、、、。

②香港政府、逃亡犯条例を正式撤回

香港デモ、米総領事館に行進=政府への「圧力」求める
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090800396&g=int
結局デモは鎮静化していません。。。

③10月31日の合意なきブレグジットリスク後退

英議会が離脱延期法案を成立させたことで
ジョンソン首相は2020年1月末まで離脱を延期することを
EU側に要請しなくてはなりません。

しかし、首相がそうしないで済むシナリオが、2つあるとか。

1・下院がまた「意味ある投票」を行い、ブレグジット協定を承認する
2・下院が合意なし離脱を承認する

そして、当初は3月末だった離脱期限が6月、10月末と何度も延期されている事態を
EUは受け入れてきましたが、欧州各国の首脳が再度の離脱を受け入れるのか。

それでもまだ10月31日に合意なしブレグジットはあり得るのか?
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-49616998

ということで一見すると地政学、政治のリスク後退の朗報ですが
根本的な解決をみたわけじゃないので、もし先週のリスクオン相場が
これらの材料によるところが大きかったとするならば注意が必要なのですが、
ただ、主要国の長期金利を見ていると、短期的には底入れしたようにも見えるんです。


※長期金利一覧


特に、オセアニアの長期金利の反発が大きいですね。
豪州は米中貿易交渉の再開を好感したものと思われ、豪州金利が動いたことで
相関の強いNZの金利も上昇してきたということなんだと思いますが
何故か、マイナス金利の深堀も選択肢であるとしている
ECB、BOEのスタンスにも
ドイツ長期金利と日本国債長期金利も上昇しています。
英国は、、、ブレグジットという独自材料もあるので読めないわね。

もし、本格的に金利が上昇する流れとなるなら、
クロス円の反騰が大きくなる可能性がありそうです。

そして9月18日FOMCに注目が集まる米国債利回りですが、
勢いは地味ながらこちらも反転した?!

週末の8月の雇用統計ですが、

NFP非農業部門雇用者数:前月比+13.0万人(予想:+16.0万人)
                  (7月:+15.9万人← +16.4万人下方修正)
平均時給:前年比+3.2%(予想:+3.0%、7月:+3.3%←+3.2%)
失 業 率:3.7%(予想:3.7%、7月:3.7%)

平均時給は前月比+0.4%と、予想外に7月の+0.3%から伸びが拡大。
2月来で最大の伸び。前年比では+3.2%と、予想+3.0%を上回る伸び。

NFPは予想を下回り、雇用の鈍化が気がかりではありますが
金利先物市場では9月の利下げは0.25%に留まるとの予想が大勢。

パウエルFRB議長はこの日チューリッヒで講演し
講演を受けて為替市場はややドル買いの反応となっています。

「米経済は非常に良好で、FRBは景気後退を予想してない」としながらも
「FOMCは適切に行動する」と発言しています。

これは9月に利下げをするも
大胆な利下げはない、と受け止められたということか。

ということで、米国債利回りの本格反転があるようだと
結局ドル高基調に回帰する可能性もありますので
ホント、どうなるか先行き難しいのですが
今週は12日にECB理事会。
すでにマイナス金利ですが、利下げが予想されているのと
QE再開見込みとあって、ユーロは売られてきたのですが
フランス中銀のビルロワドガロー総裁が9月3日に
「すべての政策手段を同時に使う必要はない」と発言しており
今回利下げはあってもQE再開は見送られる可能性もありそう。
その場合もユーロの買戻しが大きくなりそうですので、
今週は、ユーロの反発に注目でしょうか。

米株が直近の短期レンジを上に抜けているので、
押したら買ってみよう(短期で)とも思うのですが、、、
9月は米国、欧州が利下げするので、相場が支えられる可能性がある、
と思っていますが、その賞味期限も9月まで。
10月の米中交渉再開で、何も決められないようならまた崩れるでしょう。
株やクロス円は短期的には押し目買いですぐに利食う、戦略かな。

ポンドドルロングはまだ継続です・・・・。
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北朝鮮建国記念日 ミサイル飛ばすリスク?!

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