2019年9月19日木曜日

CME Fed Watchの急激な利下げ織り込みの低下はこれに起因しているようね。
このニュース見落としていました。

米短期金融市場で金利急上昇、FRBは臨時で資金を供給
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-repo-idJPKBN1W22TH

~銀行や企業が資金調達する際に支払う翌日物レポ金利が前日に続き上昇し、一時10%を付けた。四半期の法人税納付や国債入札の決済が立て込むなか、今週に入って短期市場に混乱がみられており~


米国内で銀行間で短期資金を調達する主要な市場である
レポ市場で金利が急騰しているのです。
レポ金利は通常、FF金利に近い水準で推移します。
FF金利は現在2.0~2.25%ですね。
これがいきなり10%に上昇したわけですから尋常じゃありません。
つまり、ドル需要が旺盛であるため調達コストが上昇しているということ。
ドル不足ってわけね。

これを受けてNY連銀は17日、銀行の持つ国債などを担保とするレポ取引を通じ
531億5000万ドルを市場に供給。18日も最大750億ドルを供給すると表明、
混乱の収拾をはかりましたが、この米国短期市場の混乱は世界のドル調達コストをも
引き上げてしまいました。当局がレポオペを実施するのは10年ぶりだとか。
リーマンショックの時以来、ということになります。
ちょっとちょっと、大丈夫?!(;'∀')

何故、急にドル不足が生じているのか。

レポ金利の急上昇やまず、世界的なドル調達コストに波及
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-17/PXZ8QZ6TTDS001

①16日は企業が四半期の法人税を支払う期限、短期市場から資金を引き出した
②16日米財務省は入札国債の受け渡しを予定、780億ドル(8兆4300億円) 
 この入札の決済に資金が必要となった

この2つが重なったため、と解説されています。
米国の大手金融機関は、米国債入札に伴う市場の資金需要に
見合うだけの十分な手元現金が潤沢ではないってこと?!

まあ、今回のように当局が市場に資金供給を行えば問題はないのだけれど。

これがフェドウォッチの利下げ織り込み確率に影響を及ぼしたものとみられます。

ロイターもフェドウォッチの利下げ確率の低下に言及していますが、

市場が織り込む米利下げ確率、ほぼ五分五分まで低下
https://jp.reuters.com/article/%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%8C%E7%B9%94%E3%82%8A%E8%BE%BC%E3%82%80%E7%B1%B3%E5%88%A9%E4%B8%8B%E3%81%92%E7%A2%BA%E7%8E%87-%E3%81%BB%E3%81%BC%E4%BA%94%E5%88%86%E4%BA%94%E5%88%86%E3%81%BE%E3%81%A7%E4%BD%8E%E4%B8%8B-idJPL3N2684VZ

「ごく限定的な取引の影響があったためで、市場心理の本格的な変化を示してはいないかもしれない。」と締めくくっていますね。
ですから、FOMCの金融政策における利下げを予想する上での
参考にはならないものと考えています。

こうした一連の騒動が、サウジの石油施設爆撃と重なる時期であったため
利下げ織り込みの低下は原油急騰と関係があるのでは。。。
などと考えたりもしたのですが、
たまたまドル資金需要が高まる要因が重なっただけです。

ただし、米国内の金融機関には潤沢なドルがない
ということが明らかになったわけで。
何か大きな事件があって一斉にドル需要が高まったら大変ですね。
米国内でも不足するわけですから、海外金融機関はもっと大変よ。

あと1時間半ほどでFOMCですが、それを受けてはまた明日。
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