2019年11月25日月曜日

週末22日㈮の米株市場は意外としっかり。
先週は米国上院でも香港人権法案が可決され、
後はトランプ大統領の署名を待つばかりとなったことで
これが成立してしまうと米中通商協議における第1段階合意が
難しくなり、期待で上げてきたマーケットには手仕舞いの嵐が
吹き荒れるのでは??という警戒感もあったのですが、
市場はまだ悲観に傾いてはいないのね。

※ダウ


トランプ米大統領が
「中国との合意は非常に近い」
「香港と立場を共にするが貿易合意も望む」などと述べた他、
習近平国家主席も
「相互尊重と平等の原則に基づいて米国と第1段階の通商合意をまとめたい」
と述べたたこともあって
大統領選挙を来年に控えるトランプ大統領が株価を崩す選択をするはずがない、
また、香港問題で求心力が問われる週国家主席も成果を急ぎたいはず、
と考える市場の楽観が残っているということなのでしょうか。

トランプ大統領は「香港人権法案」に署名するかどうかについて
まだスタンスを明確にしていないほか、
中国は知的財産権侵害に対する罰則を強化することを明らかにしています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-24/Q1H3WM6JTSE801

これは合意に向けた対処と言えるでしょう。
つまり決裂は考えにくい?!🤔
リスクオフで株価が崩れる、という相場にはなかなか発展しません。
米株がもう少し調整してくれれば拾いたいのですが、、、。
ということで、株価インデックスにはなかなか手がでません。

また、11月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことや
11月米消費者態度指数確報値も速報値より良かったことなども
支援材料となりました。

                <結果>    <前回>
11月米製造業PMI速報値       52.2      51.3
11月米サービス部門PMI速報値    51.6      50.6
11月米総合PMI速報値        51.9      50.9
11月米消費者態度指数・確報値    96.8      95.7
                  
ということで、なかなかドル安にはならないですね。
通貨インデックス一覧を見ると、先週末はドル独歩高。


一方で売られたのが欧州通貨。

週末22日金曜はユーロが随分売られましたね、、、、

ラガルド新ECB総裁の講演が注目されたようですが
「経済が回復している間は緩和的な政策スタンスが主な原動力となる」
という発言を取り上げて、現在の緩和的金融政策が長期化するとして
ユーロ売りが加速した、という指摘もあるんですが、、、
う~ん、ラガルドさんの発言で重要なのは金融政策に対してではなく
財政出動に関しての発言じゃないの、と私は腑に落ちません。

ラガルドECB総裁「成長へ投資を」 財政拡大を要請
就任後、初の講演で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52521080S9A121C1FF8000/
・「カギになるのはユーロ圏の財政政策」と財政拡大の必要性を強調
・政策金利(中銀預金金利)がすでにマイナス0.5% 
 ~金融政策が限界に近づいている

欧州には新たなポリシーミックスが必要-ラガルドECB総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-22/Q1DA266TTDS001
・金融政策の負担軽減を図るため、公共投資を増やすべき

財政拡大は国債供給の増加で債券市場では警戒感が広がり
金利上昇を生むため通貨高となり、
反対に財政緊縮は金利低下で通貨安との教科書的解釈があります。

ドイツが財政を拡大して債券利回りが上昇すれば、
マイナス金利に苦しむ銀行や保険、年金基金は一息つくことができるため
欧州にとって好材料ですが、通貨にとっては上昇要因のはず、、、

ラガルドさんの発言によって次の政策手段に対する期待が金融政策ではなくて
財政政策だ、ということになればマーケットの反応はユーロ高となるんじゃ
ないかと思うんだけどな。

しかも、緊縮派のドイツのバイトマン氏もラガルドさんの発言を受けて

バイトマン氏、ECB戦略見直し計画支持-ラガルド総裁に「完全同意」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-22/Q1DIQGT1UM0W01
・金融緩和の長期化が及ぼす副作用を見過ごすべきでない
・ラガルドECB総裁金融政策の「戦略的見直しを近い将来に開始する」

と現在の金融緩和の副作用に言及しています。
この記事を見るとラガルドさんは金融政策の戦略的見直しに言及しており、
これって、ユーロ高要因じゃないの?!

22日発表の仏・独・ユーロ圏のPMI速報値は製造業が改善する一方で、
非製造業が悪化したことでユーロ売りとの解説もあるようですが、
週末要因、あるいは月末も近いので月末要因からのユーロ安だったんじゃないか
と思うんですけどね、、、。

ユーロ買いのチャンスを待っていたので、これは好機なんだけど
ユーロって月末フローで特殊な動きをすることが多いので
今週の値動きには特に注意が必要。
下がったところは狙って拾いに行こうかと思います。

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そしてポンドも弱かった、、、

11月英サービス部門PMI速報値 48.6、予想 50.0

予想より弱く、しかも景気判断の境目である50を下回ったのですが、
この数字が10-12月期の英GDPが前期比マイナス0.2%になることを
示唆しているとかなんとか、、、、
英利下げの可能性が意識された模様。

ブレグジット絡みでは12月の総選挙に向けて保守党優位であれば
ポンド買い、というシナリオなんですが、
利下げ観測がテーマとなれば下落が続くリスクも否めません。
それでもまだ、高値圏でのレンジですね。

レンジ下限までの下落すれば拾ってもいいかな。
200EMAまでの下落リスクも想定してちょっとづつ買い下がるか。。。

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原油先物が2カ月ぶり高値、減産延長巡る報道などで
https://jp.reuters.com/article/global-oil-idJPKBN1XV2IJ
OPECとロシアなど非加盟国で構成するOPECプラスが、2020年半ばまでの協調減産延長を12月5日の会合で決める公算が高いことが分かった。

ロシアのプーチン大統領は20日、原油市場の安定と予見可能性を維持する目標をロシアはOPECと共有していると述べ、引き続き協調減産に協力する姿勢を示した。


原油がしっかり、ということであれば株価にもポジティブ。

また産油国にとってもプラス。
今週はカナダのGDPにも注目。

カナダ中央銀行は10月会合で今年の成長率見通しを引き上げています。
GDPが良ければカナダドルが上がるか?!

29日 カナダ7-9月期GDP (4-6月期:前期比年率+3.7%)
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