20日、日本市場は春分の日で休場でしたが、
19日木曜に原油価格が24%も上昇したことで、センチメントが好転したのか、
休日取引で動いている日経やダウCFDも上昇、
ドル高も止まって、他通貨が巻き返す反転の兆しがあったのですが、、、
祝日の東京時間だけの典型的なダマシの動きに終わりました。
20日金曜はNY州のクオモ知事が、住民に対して外出禁止措置を発令。
19日にはカリフォルニア州が同様の措置を出していましたが
週末リスクを避けたい投資家も多かったと思われ
20日金曜、ダウは結局下落 19173.98ドル ▼913.21ドル ▼4.55%
リーマンの時は高値から44%下落しましたが
今回の下落は高値から35%にもなりました。
リーマン級の下落(日)数いています。
というよりも、トランプ米大統領が就任した17年1月20日の終値
1万9827ドルを下回り、トランプラリーは完全に行って来いとなりました。
これは大倉キャンプテンの予想通りの展開。
まさか、、、と思って聞いていましたが、本当にそうなってしまいました。。。
トランプラリーを帳消しにしたコロナショック(NY特急便)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57058760R20C20A3ENI000/?fbclid=IwAR3PpxkClhnL_7XzT5SHjqxH8XjnekV7H_qdHQfndvArpxHSzisLk2Wgk5I
・ゴールドマン・サックスは4~6月期GDPが前期比年率24%減ると予想7
・金額では1兆3000億ドルの所得がなくなる計算
米国は確定申告締切日が4月15日から7月15日に変更を発表していますが
この措置は4月以降の税金支払いのための株売りを和らげたい狙いだとか。
一定の効果はあるでしょうけれど、4月になると実体経済の悪化を示す経済指標が
どんどん出てくると思われるのが憂鬱ですね・・・。
◆特に今週注目されているのが
26日に発表される米新規失業保険申請件数です。
3月15日-21日分の数字ですがかなりレイオフが進んでいると見られます。
この数字は、おおよそ20万~22万件程度で推移してきたのですが
前週は 28.1万件に急伸んしており、今回分の予想が凄まじい。
ゴールドマンサックスは225万件、
バンクオブアメリカは300万件を予想しています。
一気に10倍に跳ね上がる?!
ちなみに過去最大は1982年の69.5万件=第2次オイルショックだとか。
また先週はFRBのバランスシートが過去最大に記録更新。
RBのバランスシートは過去最高の4兆7000億ドルに達しました。
リーマンショック後のQE総額を上回ってしまったのですが
驚くべきはそのスピードですね。
これはまさにクレジットクランチ、信用収縮が起きているということでしょう。
これだけ資金供給を行っていても、ドル不足って不思議でしょ。
お金はあるところにはある、でも、あまりに一機にドル資金を求める動きが加速し
これにより資金繰りができないところは破綻のリスクが出てきたことで
信用不安にまで一気に広がっていったということ。
つまり疑心暗鬼で市場にお金が出てこなくなっているんだと思います。
https://www.zerohedge.com/markets/historic-day-fed-buy-record-107-billion-securities-today-alone-fed-balance-sheet-explodes
ダウと比較してみると、、、、
昨年10月からのバランスシート拡大第1派では株も上昇していたのですが
足下の第2波は、緊急事態。
資金を潤沢に供給しつづけているのに株が暴落しています。。。。
直近の動きは「ワニの口」ですね。今話題みたいですが、ワニ。
こうしてみると絶望的な気分になりますが、
今回のコロナショック、現時点で経済活動が停止しているわけで
金融政策で支えられるものではありません。
人々の生活、企業の資金繰り支援などが求められるわけですが
米国は財政政策に打って出るのもスピーディ。
トランプラリー相場、行って来いとなったこともあり、
そろそろ暴落第1派は終了で、戻り局面に入るんじゃないかな・・・。
トランプ政権、思い切った経済対策を打ち出しましたが
明日23日月曜には議会で承認を得たい考え。
米経済対策は最大2兆ドル 週明け採決、給与補助など盛る
(23日月曜に上下両院での採決を目指す)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57079660S0A320C2000000/
・大型景気刺激策が最大2兆ドル(約220兆円)(米名目GDPは21兆ドル)
・連邦政府が1.3兆~1.4兆ドルの財政支出
・米連邦準備理事会(FRB)などの追加支援で2兆ドルに積み増す
・08年の金融危機後の経済対策(7000億ドル)を大幅に上回る
~中小企業支援に3000億ドル
~コロナの影響が大きい産業にも2000億ドル
~大人で最大1200ドル、子供は500ドルとした現金給付策
~給与税は、徴税を1~2年猶予する方向
承認されれば、いったんは戻り局面入りするんじゃないか、と。
経済指標が悪いのは、すでに予想されており、
ある程度マーケットに織り込まれていると思うのよね。
もちろん、悪い数字が出た直後は下がるかもしれませんが、、、、
それと、この大型財政出動で、米国はさらに赤字を拡大させるわけです。
これが米国債市場で嫌気されるムードとなり
国債が売られるフェーズに入ると、それこそ本格的にまずいのですが
週末の米長期債を見ると、まあ、、、、大丈夫かな??
9日に0.31%まで大きく低下(債券価格の上昇)、これはリスクオフ時の典型的な動き。
しかし、先週は債券までもがが売られる(多分換金売りだと思われますが)
1.25%前後まで長期債利回りが上昇する局面がありました。
週末はまた債券買いが旺盛となり金利が低下していますが、
今後、金利の急上昇にだけは気を付けておきたい局面です。
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ただ、中長期的な懸念材料は原油価格ですね・・・
19日木曜には24%と過去最大の上昇率を記録した原油ですが
このダマシもひどかったですね。。。
20日に一時1バレル20ドルを割り込む強烈な下落に見舞われました。
これはあかん・・・。
原油供給過剰が最大に 一時20ドル割れ、安値長期化も サウジなど増産/細る需要
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57074750R20C20A3EA2000/
・4~6月は日量500万バレル(世界需要の約5%)規模の余剰が発生する見込
・1980年代後半以降最大、過去20年で最多の18年10~12月よりも7割多い
・1~3月でも既に供給が需要を約350万バレル上回った
・サウジは4月から2割増産し日量1230万バレルとする計画
(OPEC4位のクウェートの産油量に匹敵)
・アラブ首長国連邦(UAE)が同100万バレル、ロシア30万バレルの増産に動く見込
(400万バレル程度の生産量が4月以降上積みされる計算)
・需要は減少見込み~IEAは4~6月の需要を日量9920万バレルと予測
ロシアもこの増産チキンレースに立ち向かう姿勢を見せているようで・・・。
プーチン大統領、原油生産でサウジの「脅し」に屈しない
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-20/Q7HDSMT0AFB701
・プーチン政権は今回のような危機のための準備金を数年間かけて積み立ててきた。
~サウジよりも長く持ちこたえられることに自信
・国家予算は原油価格40ドル強を前提としているが・・・
ということで、原油価格が20ドル前後をうろうろすると
シェール企業が破たんするリスク、
中東産油国の財政逼迫、オイルマネー、政府系ファンドの売り圧力、
中東産油国の政情不安からの暴動リスク
などなど、警戒すべき事項は山ほどありますので
決して将来的にリスク資産に強気できる状況にはありません。
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結局、週末はドル高に回帰してNYクローズとなりましたね。
でも、原油が反発した20日の東京時間に
ポンドショートとユーロドルショート、一回切らされました😢
ユーロドルショート 1.08673ドル ⇒ 1.0788ドル で買い戻し、利食いですが・・
ポンドドルショート 1.17014ドル ⇒ コストでカット
でも結局、下がってきたのよ、、、、ロンドン、NY時間にヽ(`Д´)ノプンプン
通貨インデックス
一旦、巻き返すように見せてからの、、、結局ドル高。
全て下ヒゲがついていますね。
しつこくポンドを1.1741ドルで再ショートしました。
やっぱりまだドル不足状態ですし、ドル高は変わらないと思って。
ただポンドはボラが大きいので、つらい・・・・。
戦略としては、ここからユーロショートを思案中。
先週はメルケル首相が「第2次大戦以来最大の試練」と発言し、
均衡財政一時撤廃、財政政策に踏み込む姿勢を明らかにしました。
ドイツ、追加予算18兆円規模に 借金ゼロは棚上げ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57079960S0A320C2MM8000/
・1500億ユーロ(約18兆円)規模の追加予算を計上
・メルケル政権は19年まで6年連続で新規の国債発行をゼロとしてきたが、
今週24日にはドイツ、ユーロ圏、英国などの3月分の製造業・非製造業PMI
(購買担当者景気指数)が発表されますが、この数字がいいワケがない。
まあ、予想が40と随分低いので、これより低くなければネガティブじゃない
という見方もありますが、、、、
ドイツPMI推移 青色ガクンと下がってます、今回予想がすでに酷い。
ユーロ圏PMI推移 もっとひどい。むしろ何で先月上がってんの?
予想よりマシな数字でも出て、ユーロが上がるようなら、
ショートチャンスかな。
※ユーロドル週足
ユーロドル相場は2017年4月以来2年11カ月ぶりの安値を更新していますが
まだまだ下がる予感。
2018年前後から続く下落トレンドチャネルの上限突破に失敗し
真っ逆さまに下限を下抜け。
この下落チャネルに回帰したとしても、結局下落トレンドです。
それを週足で下抜けてるってことは相当に弱いと判断。
中国との貿易量を増やしてきた欧州の経済の悪化も相当なものと思われ・・・。
ということでユーロドルショート戦略とします。
まだ売ってないけど。
各国の経済対策
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2020年3月23日月曜日
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