2020年3月8日日曜日

日経平均のPBRが3月6日(金) 1 を割り込みました。

アベノミクスがスタートした2013年以降で1を割ったのは過去2回、今回3回目。
2016/02/12 PBR0.99
2018/12/25 PBR0.99

PBRとは企業の資産面から株価が割高か割安かを判断する指標です。

詳しくは割愛しますが、過去の経験則でPBR1割れの時に株を拾っておくと
市場が落ち着きを取り戻し株価がPBR1に戻る過程で利益を手にできるとして
岩盤としてサポートし続けてきた目安でもあります。

ではここで、日経平均は下げ止まって買い、でいいのでしょうか。

こんな見方も。

株、日経平均は「割安にあらず」 PBR1倍は1万3600円、さらなる調整も
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL06HFA_W0A300C2000000/

PBRは加重平均で出してるから単純平均ではもっと低いという考え方ですが、
う~ん。新聞の論調でここまで悲観論が出てくるといったん反発するのかも
なんて思ってしまいますが、まあ、ちょっとまって。

日経平均の反発の燃料がないこともない。

2月第4週(2月25~28日)の日経平均先物とTOPIX先物の
投資部門別売買動向、
海外投資家の合算売越額は1兆1189億円にも上りました。

@fujisan3bさんのtweetに分かりやすいグラフが
https://twitter.com/fujisan3b/status/1236327474373353472

先物の売りは決済期限までには買い戻されますので、
反発の材料ではありますが、
PBR1倍割れたからといって
それが今週起きるというわけじゃありません。

2011年8月PBR1倍割れとなった折には
2012年2月くらいまで1を割り込んだまま推移。

2012年5月にPBR1倍割れとなった折は
2012年12月まで1を割り込んだまま推移しました。

※PBRと日経平均

どちらもアベノミクス前のことでしたし震災後の景気低迷が長期化した時期。
2012年11月民主党が解散、12月26日から第1次安倍政権がスタートするのですが
政治の転換という大きな材料があって初めて株価上昇に弾みがつきました。

今回はどうでしょう。

PBR1割れの状態は長期投資目線では買い場かと思いますし
何年もに渡って長期化することはないとしても、
半年程度常態化した事例はあるのです。

ということを考えると、慌てて買いに行くこともないかと思います。
新型コロナウイルスは中国では収束に向かっているという報道もありますが
米国、欧州は感染拡大がニュースとなっていますね。

このように市場がパニックになっている時には
適正水準、バリュエーションはあまり意味がありません。

個別銘柄で売られ過ぎだと思うものをコツコツ拾うのは悪くないですが
ここが底だ、と決めつけて1点集中買いはせず、
資金を分けて買い下がるつもりでいないとあっという間に資産を失います。

私も今回の相場で個別株で割安になったものを狙っていますが、
まだ今週買うつもりはありません。半年見てもいいかな?

そもそも今回のコロナショック、
2018年年末の下落時よりも下落率は低いんです。

2018年、米長期債利回りが3%まで上昇した10月に株価も利回りもピークアウトして
クリスマスに向けて米株、日本株は急落を強いられたのですが
この時の日経平均の下落率は21%、今回はまだ14%くらいですので
暴落しているとはいえ、まだ極まったとは考えにくい。

収束の兆しがあるというならまだしも
日を追うごとに世界への感染拡大が深刻となっています。

新型コロナ、NY州が非常事態宣言-イタリアもミラノなど封鎖へ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-07/Q6SPC9DWX2Q701


すでに3月3日にFedは緊急利下げを実施、0.5%も金利を引き下げ
1.0~1.25%へと米国FF金利は引き下げられたのですが、
市場はさらに利下げを催促しています。

CME FEDウォッチ


あら~3月18日のFOMCを前に、
金利先物市場ではさらなる利下げを織り込んでいます。
0.5~0.75%が71.6% 0.25~0.5%が28.4%ってことは
マーケットは 3月のFOMCで0.5%の利下げを
100%織り込んでいるということか。

債券市場が歴史を更新する高値を付け、
利回りはひどい低下となっていますので
そりゃそうなりますね、ってことですが、
今回のショックで、米国がゼロ金利時代に逆戻りとなる可能性が出てきた。

7日からFOMCメンバーはブラックアウト期間に入っているため
要人らは金融政策に関するコメントができません。
あるとすれば、メディアの観測記事という形かな。
トランプ大統領はお構いなしに発言する可能性はありますが。

3日に0.5%も利下げして18日にさらに
0.5%の利下げを実施するとは思えませんが
この市場の期待に応えなければ、
マーケットはさらなる下落を強いられるかもしれません。
期待にどのように応えるか、、、
市場の一部にはQE(資産買入れ)再開の予想も

ガンドラック氏、米金融当局は今月0.5ポイント追加利下げの公算大
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-05/Q6QLL6T0AFBA01

さらに0.5%の利下げをして、さらにさらにQE再開とな。

それもマーケット動向次第ですが、
18日のFOMCまでは、市場の催促が強まる可能性があることにも
留意しておきたいですね。

あ、先週末の雇用統計、よかったんだけど
パニックに陥っている相場では、
こうした遅行指標が材料になることはありません。

最終的には、債券投資に妙味がなくなるなら
割安になった株の益回り、配当利回りが魅力となり
株式市場が見直されて大きく上昇するシナリオもありますが、
これから企業業績の下方修正が出てくるでしょうから
新型コロナウイルスショックが落ち着くまでは、飛びつくこともないかと。

本格的に新型コロナの影響が出てくるのは今期1-3月でしょうから
4月以降の企業業績と今後の見通し修正がどの程度かということを
織り込む相場でさらなるショックがあるかもしれません。

日銀短観の12月調査で、大企業・製造業の2019年度の下期
想定為替レートは106円90銭。現在のレートは105円台・・・。

そして私が何より懸念しているのは原油市場です。

なんと、サウジとロシアが減産拡大での合意に至らず決裂。

5日のOPEC総会では、日量150万バレル追加減産合意と報道があったのですが
翌日のOPECプラス(非加盟国らとの会議)の合意が条件となっており
150万バレルの追加減産合意の報道にも原油、下落していたんですよね。。。

それまでは日量60万バレルの追加減産を検討、というのが報じられていましたので
150万バレルもの追加減産となるならポジティブサプライズとなるはずなのに、です。

不穏なムードの原因はロシア。
ロシアが難色を示しているというのは随分前から報じられていましたが、
まさか、減産拡大強力を拒むとは。。。

産油国協調、崩壊の瀬戸際
OPEC減産強化案、ロシアが拒否
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56522540X00C20A3EA2000/
OPECプラスが現在実施している合計日量210万バレルの協調減産は
3月末が期限ですが
OPECは4-6月(第2四半期)に限定し、
さらに日量150万バレルの減産を提案するも
ロシアなど非OPEC産油国の同意は得られなかったのです。


これを受けて、週末の原油価格は何と1日で10%もの下落

※原油日足


これだけなら、、、まだいいです。

もっとマズいニュースが週末に出てきたのです。

サウジ1000万バレル超えの増産計画と関係者-「価格戦争」突入も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-07/Q6UIDUDWRGG401
・アラムコが過去20年で最大の値下げに踏み切る
・サウジアラビア現行日量970万バレル→日量1000万バレルへの増産を4月に計画

減産拡大決裂だけじゃなく、なんとサウジが増産するというのです。

OPECプラスでロシアとの交渉が決裂したことで
サウジの目的が、減産によって価格を支える→シェアを奪還するに変わりました。

これを受けて、サウジの株価が急落しています。
※サウジ市場は金・土曜日は休場ですが日曜日は取引があります。

サウジの株価急落 協調減産決裂で原油安加速も
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56542130Y0A300C2MM8000/

 ※これはサウジの株価 タダウル全株指数日足
 

 さらにクウェートでもサーキットブレイカーが発動している模様。

クウェートは、インデックスが10%下落したため、
主要市場での取引を一時停止しています。
https://twitter.com/Schuldensuehner/status/1236581930705063936

サウジは19年12月アラムコのIPOをしたばかりでしたが
公開価格32リヤルを下回ったようです。

アラムコ株、公開価格割れ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56542160Y0A300C2FF8000/

ということで、今日8日㈰、中東市場が大荒れです。
原油マーケットは今日動いていませんが、明日、大きく下がることが予想されます。

原油価格が下がれば、オイルマネーの撤退が懸念されます。
中東、産油国の株価下落は財政を直撃します。

リスク資産の一段安を覚悟せねばなりません。

それだけではありません。

米国も産油国です。
そう、シェール革命によって米国は石油の純輸出国となりました。

米国にはエネルギー産業が多く、これらの株価下落も懸念されますね。
NYダウの構成銘柄にはエクソンモービルや
シェブロンなどの石油関連株が含まれています。

また、ハイイールド債市場にもリスクが。
利回りの高いハイイールド債、これはジャンク債とも呼ばれますが、
この市場の10%ほどをシェール企業が占めています。

シェール企業は原油価格が高いことで利益が得られる構造ですが
このところは技術革新でWTI原油価格50ドル台で採算が合うとされています。
革命が起きた2008~9年は70~80ドルないと掘れないと言われていたので
随分生産性は向上していますが、現在40ドル割れ目前。
50ドル台ないと、米シェール企業と手採算があいません。

となると、ジャンク債市場はどうなるでしょう。

※ハイイールド債価格チャート月足(利回りではない)下落開始?!

こんなニュースも見つけました・・・

米社債やローンのファンドから122億ドル流出-過去10年で最大
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-05/Q6QNA4T0AFBG01
・米国ファンドから過去1週間に計122億ドル(約1兆2950億円)引き揚げ
・高格付け債ファンドからの資金引き揚げは48億ドル
・ジャンク債ファンドは51億ドル流出

高利回りであるジャンク債市場が破裂すれば、
これは債券市場全体に波及します。

仮に債券バブルが破裂して、足下異常な高値となっている債券価格が暴落し
金利が急騰したらどうなるでしょうか?
このフェーズでは株は買えません。すべて売りの世界ですね。
そのリスクが、原油価格のさらなる下落によって引き起こされかねないのです。

ということで、まだ新規買いはしません。

マーケット展望、ポジションについては長くなったので
記事を分割して後程UPします。(これから書く)
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