この週末の最大のニュースは22日開幕した中国の国会「全人代」
そもそもは3月開催予定でしたが、
新型コロナウイルスの影響で延期されていました。
これが開催できるということは
ウイルスの克服に成功したことを世界にPRすることに等しい、
という見方もありましたが、
実際には、抑え込みへの成果を強調したものの
「感染はなお収束していない」ことを認め
終息宣言を出すということはありませんでした。
※しかし23日、中国政府の国家衛生健康委員会は
中国本土で22日新規感染者がゼロになったと発表しています。
これは1月20日以降初めてですが、
全人代に合わせてゼロになるとは何たる奇跡…。
別途集計の無症状感染者はプラス28人だそうですが💦
全人代、特筆すべき事項は
①GDP実質成長率の目標見送り(異例)
②GDP比財政赤字3.6%以上に(初めて3%超え)
③特別国債1兆元発行
④財政出動を前年より計3兆6千億元(約54兆円)拡大
⑤雇用目標、失業率6%前後(19年は5.5%)
⑥テクノロジー投資6年間で1.4兆ドル(約150兆円)投資
⑥「香港国家保安法」草案審議入り
GDP成長率目標を示さないという異例の事態となったことに加え、
中国政府に対する「反逆、分離、扇動、転覆」を禁止する
「香港国家保安法」が審議入りすることで
香港が中国から独立した法の支配と、言論・集会の自由を
失うことへの警戒がマーケットに及んだようです。
1国2制度は1国1制度に
1997年7月に英国から返還された香港に対し、
中国は外交・防衛を除く分野で高度の自治を
50年間維持すると約束しており、
2047年までは一国二制度が適用されるはずですが
中国共産党はこれを待たずに香港を飲み込もうとしています。
※香港ハンセン指数
これに対して米国ポンペオ米国務長官は
香港の自治に「死を告げる鐘」になると非難。
また米国は2019年、香港の民主派デモを支持する
「香港人権民主主義法」を成立させています。
これはアメリカ国務省が「香港が一国二制度のもとで
高い自治を維持しているか?」を毎年確認し議会に報告するものです。
香港では再びデモが拡大していますが香港の問題は
米国を巻き込んで米中対立激化の懸念材料として改めて
浮上してきました。
トランプ大統領は香港に関して適切な時期に
声明を発表すると述べていますが
この国家安全法は28日に採決が行われる見通しです。
これが材料視されるようなら、今週の株式市場には注意が必要ですね。
また、テクノロジー投資額は1年で20兆円を超える計算で
この分野で世界の主導権を握ろうという姿勢も明らかにしていますが、
米国は米国製の製造装置や技術を使って海外で
生産・開発された半導体製品を、ファーウェイに販売することを規制する
など、中国企業制裁を強化しています。
さらに米上院が先週21日、
中国企業の米国上場廃止につながり得る法案を可決、との報道も。
アリババや百度などの米市場上場を禁止することに
繋がる法案とのことで、もし、これが現実となると
ソフトバンクも危ないんじゃないの…
米上院、中国企業の米国上場廃止につながり得る法案を可決
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-20/QANBNZT0G1KX01
米、中国33企業・機関を禁輸対象に 人権侵害や軍資材調達支援で
https://jp.reuters.com/article/usa-china-blacklist-idJPKBN22Y2WT?feedType=RSS&feedName=businessNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPBusinessNews+%28News+%2F+JP+%2F+Business+News%29
また、先週22日は臨時の日銀の金融政策決定会合がありましたが
中小企業に対する新たな資金繰り支援制度の導入を決定。
CPや社債買い入れ、既存の貸し出し措置と合わせ
総額は約75兆円を資金繰り延長のための特別プログラムで
期限を従来の9月末から2021年3月末まで半年延長しました。
このうち新たな資金供給対象は30兆円となりましたが
市場はもっと期待していたんでしょうか、
これが発表された後、円高ドル安が進行する結果に。
また、22日は日銀黒田総裁と麻生財務大臣が揃って談話を発表。
麻生財務相と日銀総裁が政策総動員で一致-コロナ連携で共同談話
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-22/QAQ7L5T0AFBD01
「事態を収束させるためにあらゆる手段を講じる」
「一体となって取り組んでいく」
連携を強めて何でもやる、という姿勢を示したことには
意味がないとは言いませんが、新味はなし。
肝心の2次補正予算ですが 24日、西村経済相が
ワクチン開発や生産を支援する費用を盛り込む、とし
「日本全体として研究、開発、生産ができる体制を整える」
スタンスを示しましたが、具体的金額はこれからです。
※4月に成立した第1次補正予算では
治療薬に200億円、ワクチンに100億円の開発予算を計上
一部にはウイルス第2波、3派に備えて
数兆円程度の予備費を2次補正に計上することを提言する
との話もあるようです。10兆円予備費に、との声も?
政府は2次補正を27日ごろに閣議決定し、
6月17日までの今国会での成立を目指すとしています。
資料■令和2年度第2次補正予算の編成に向けて
自由民主党政務調査会 PDF
https://foimg.com/00049/racKLP
今週の戦略ですが、
日経平均CFD 20093円L継続していますが
香港、上海株が脆弱となってきており
これが世界に波及するリスクもあるため
週初、月曜の値動き見て、手仕舞うかもしれません。
月曜は米国市場休場なので小動きかもしれませんが…。
ポンド円132.21円S 継続です。
豪ドルドル0.6534ドルL
これはリスクテイク方向のポジションなので
日経平均同様に、アジア市場の動向次第では
手仕舞いした方がよさそうですね。
0.6500割れでやめます・・・。
通貨インデクスを見てると何もかもレンジなので
ホントやりにくいですよね。
※通貨インデックス一覧
■5/25(月)
政府、緊急事態宣言の解除を判断する方針
・独 5月 Ifo 景況感指数(17:00)
※休場 :米、英、シンガポール、インド、など
■26(火)
・4月企業向けサービス価格指数(8:50)
・3月全産業活動指数(13:30)
・米 4月シカゴ連銀全米活動指数(21:30)
・米 3月 FHFA 住宅価格指数(22:00)
・米 3月 S&P コアロジック CS 住宅価格指数(22:00)
・米 5月 CB 消費者信頼感指数(23:00)
・米 4月新築住宅販売件数(23:00)
■27(水)
・第 2 次補正予算案を閣議決定する方針
・ベージュブック
■28(木)
・米 1-3月期 GDP 改定値(21:30)
・米 4月耐久財受注(21:30)
・米 4月中古住宅販売仮契約(23:00)
■29(金)
・4月失業率・有効求人倍率(8:30)
・4月商業動態統計(8:50)
・4月鉱工業生産(8:50)
・5月消費動向調査(14:00)
・インド 1-3月期 GDP(21:00)
・トルコ 1-3月期 GDP(16:00)
・WTO 一般理事会(再開 6/2 ジュネーブ)
・米 4月個人所得・個人支出(21:30)
・ブラジル 1-3月期 GDP(21:00)
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★足下では再び膠着気味ですが、この騒動が落ち着いたら
ドル/円相場にダイナミズムが生れるかもしれません。
JPモルガンチェース銀行 市場調査 本部長 佐々木融氏に
お話しを伺いましたので、是非ご覧ください。
【歴史は繰り返すのか】
『ポストコロナのドル円相場見通し』
https://youtu.be/Il1k9RSxYRA
1. 日本は再びデフレに?日米の政策対応
2. 米国がマイナス金利を導入したら・・
3. これまでの円安ロジック崩壊
4. ポストコロナの為替展望
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金ETF市場には資金流入が続いており、残高は過去最高に。
米株も堅調ですが、金は他資産との相関が低く
年金基金など機関投資家らのヘッジニーズが強いのです。
と、WGC顧問/森田アソシエイツ代表 森田隆大氏が
解説くださいました。
2020年第1四半期のWGCの金の需給レポートが出ています。
森田さんに特筆すべき事項を解説いただきましたので是非ご覧ください。
2020年5月24日日曜日
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