6月雇用統計は市場予想を上回る好結果。
今回は予想を上回る好結果になるだろう、という予想はありましたので
それほどサプライズはないような気もしますが
米株は上昇で終えました。
S&P500種は7営業日連続で終値ベースの最高値を更新。
これは1997年以来初めてのことなのだそうです。
※S&P500 ナスダック総合も史上最高値更新です~
◆雇用統計(6月)
NFP 85.0万人(予想 72.0万人 前回 58.3万人(55.9万人から修正)
⇒10カ月ぶりの大幅増加
失業率 5.9%(予想 5.6% 前回 5.8%)悪化。
⇒自主的に離職する人や職探しをする人が増え失業率上昇
平均時給 前期比 0.3%(予想 0.3% 前回 0.4%(0.5%から修正)
平均時給 前年比 3.6%(予想 3.6% 前回 1.9%(2.0%から修正)
労働参加率 61.6%(予想 61.7% 前回 61.6%)
失業率の悪化の数字がむしろ株高をサポートしたとの指摘もあるようです。
雇用環境の正常化が遅れていることが
のテーパリング開始時期を急ぐ必要がないとの思惑につながるということか。
NFP(非農業部門雇用者数)が良くても
失業率の改善が見られないと、駄目ってことなんですね、市場の判断は。
ということで、米国債券利回りはご覧の低下。
長期債利回りだけでなく2年、3年5年といった短い期間の利回りも低下し
これがドル安をもたらしました。
※通貨インデックス一覧
6月FOMCとブラード発言を受け、ドル安トレンドが終焉し
ドルの巻き返しに入ったかに見える為替市場ですが、
雇用統計を受けてのドル安が一時的なものなのか、それとも今後続くのか。
週末であり、米国の独立記念日に伴って商いが細る中で
雇用統計はドルショートポジションの巻き返しに過ぎないのでは?
とも思うのですが、今後、冴えない経済指標が出てくると
同じように反応する可能性があるとするならば注意が必要です。
4-6月の数字が前年同月比で良好なのは
20年のその時期コロナ禍ロックダウンの影響が強くでたために
去年と比較すれば数字が良くなるのは当然という部分がありましたが
7月を超えてくると昨年の経済指標も数字が戻り始めており
比較する母数が高くなるため、ここからでてくる経済指標はこれまでのように
超絶いい内容に見えにくくなるためですが、
まあ、この点は市場も織り込んでいるとしても
経済指標の数字が悪ければ悪いほど、出口が遠のくとして
ドル安=株高が続くという「ゴルディロックス」が続く可能性は
否定しないでおきましょう。
イールドのフラットニングは先々の景気回復期待が弱いということを
現しているとの見方もあり、FOMCでドットがややタカ派になったくらいで
本格的なテーパリングの号砲と見るのは時期尚早かもしれませんね。
とはいえ、まだポジションはドルロング継続です。
豪ドルドル0.7535ドルS
ポンドドル1.3859ドルS
豪ドル円83.30円S
豪ドルショートは、このまま継続でいいのかを占うのが
今週6日のRBA豪州の金融政策委員会。
・6日:豪準備銀行が政策金利発表(0.10%に据え置き予想)
1000億豪ドル規模の資産購入プログラム第2弾が9月に終了します。
これを延長するのかそのまま終了させるのかの議論が注目ですね。
今回はロウ総裁が会見を行うことでも注目度が高いようです。
前回会見が行われたのは20年11月。
この時は0.25%⇒0.1%利下げが決定され
量的緩和も拡大を発表しており、「量的緩和スタート」を発表した会合でした。
今回8ヶ月ぶりに会見があるということは
今回7月RBA会合がゲームチェンジを示唆するものとなる可能性が??
考えすぎでしょうか。
週明けから豪ドルが強含んでいくようなら一旦ショートを買い戻します。
豪州の4月CPIはプラス1.1%と米国の5月5%と比べてまだまだ低く、
米国より出口が遅いと考えられ、豪ドルが弱いトレンドは続くと思いますが
RBAをまたぐ今週はショートの巻き戻しが入る可能性も大きく、
一旦ポジション外しておいたほうがいいかも。
※豪ドルIMM通貨先物ポジション ネットショートになってきました
黄色の棒グラフ、下に伸びていればネットショート。
赤がショート、緑がロング、黄色がネット。
ネットショート=売り越し玉はまだ小さく、
買い戻しの上昇圧力もそれほど強くはないと思いますが、
それでも売りのほうが大きいため、イベントによる
買い戻しによる豪ドル高のリスクはありそう。
また豪ドルが上昇したところを売り直すスタンスで。
週明けの値動きをみてカットするかどうか判断します。
そのまま豪ドルが下がっていくようなら継続して様子見。
基本は短期の買い戻しがあっても中長期では
ネットショートが積み上がっていくトレンドだと思っています。
今のとこ。
あ、それから今週は6月FOMC議事録が出てきます。
すでに6月のドットチャートで相場が大きく動いていますので
織り込み済みかと思いますが、テーパリングの議論開始となっていたようなので
改めて確認されることでドル高になるような気がします。
水曜に出てくるFOMC議事録にも注意が必要ですね。
・・・・・今週の予定・・・・・
5日(月)
中国財新サービス業PMI(6月)
日銀支店長会議、黒田日銀総裁挨拶
日銀地域経済報告(さくらリポート)
米国市場は独立記念日振替のため休場
6日(火)
豪中銀政策金利
ドイツZEW景況感指数(7月)
米ISM非製造業景気指数(6月)予想63.8 前月64.0←過去最高
5月ユーロ圏小売売上高(5月)前月前月比▼3.1%
ECB戦略点検に関する特別会合開催(8日まで続く可能性も)
7日(水)
日本景気動向指数(5月)
欧州委員会経済見通し
米求人件数(5月)
米FOMC議事録(6月15日-16日開催分)
8日(木)
日本景気ウォッチャー調査(6月)
日銀生活意識アンケート調査
米週間原油在庫統計
9日(金)
中国消費者物価指数(6月)予想 前年比+1.4% 5月+1.3%
中国生産者物価指数(6月)
G20財務相・中銀総裁会議(10日まで)
ベイリー英中銀総裁とラガルドECB総裁が討論会に参加
先週のひろこのWeeklyGOLDはバーゼルⅢとGOLD。
市場の一部にバーゼルⅢ適用開始でGOLDが急騰する!!という噂が。
そもそもバーゼル合意とは?
バーゼルⅢでなぜゴールドが注目なのか。
貴金属スペシャリスト池水雄一氏に伺っています。
youtu.be/477Th_aHowE
人気ブログランキングへ