2021年12月20日月曜日

 1 ・週末17日㈮ダウ600ドル超下落、リスクオフ
  ~オミクロン感染拡大を警戒?
  ~ウォラーFRB理事のタカ派発言嫌気か
2・FRB、テーパリング加速決定
2・ECB、PEPPによる緩和政策3月で打ち切り正式けてい
3・BOE、まさかの利上げに踏み切る
4・欧米勢はクリスマス休暇へ~流動性低下に注意
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1・週末リスクオフムード強まる

日本ではあまり感染者数が増えていないのですが
世界はたいへんなことに・・・。

ロンドンで「重大事態」宣言…陽性者の8割オミクロン、「このままでは医療崩壊」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20211219-OYT1T50139/
米でコロナ感染再拡大、オミクロンの「津波」に警鐘
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-idJPKBN2IW27X

死者数は増えていない、とはいえ感染者数が増えれば重症者数も増え
医療リソースが逼迫する事態となるため、やはり行動制限が設けられる事態に
なるのではないかという見方が広がりつつあるようです。

加えて、この状況下で
金融政策の正常化+引き締めの議論が大きくなっています。
米国と欧州は足元のインフレに慌てているようです。

・ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「3月のFOMCでの利上げもあり得る」
「利上げ後すぐにバランスシートを縮小することも可能」

・ビルロワドガロー仏中銀総裁
「必要ならばインフレに対応することに躊躇しない」
「インフレを深刻に捉えている」

・ウンシュ・ベルギー中銀
「最新のECB経済見通しは物価が本質的に目標に達していることを意味する」
「ECBはインフレ高騰に立ち向かうことで他の中銀に大きく遅れ」
「ECBがインフレ問題を十分に認識していないことはリスク」
「ECBはインフレによる脅威を過小評価するリスク」

日本は、感染者数も増えていませんし
インフレ警戒も強まっていません。
海外からみたらとても不思議な国でしょうね日本て。

※ダウ平均日足 まあ、まだまだトップアウトしたチャートではないのですが。


※世界の長期債利回り 足元長期金利が低下中 
                               債券市場は先行きを不安視しています。

※通貨インデックス一覧 ドル独歩高 リスク回避でドルにレパトリ?


2・12月FOMC、テーパリング加速決定

■テーパリング加速 
  月額300億ドルペースで縮小加速=従来の2倍
  22年3月にはテーパリング=資産買い入れ終了

■ドットチャート(FF金利見通し)

  ・2022年 3回の利上げを示す~9月FOMC時点では1回
    22年金利中央値は0.875%(0.75~1.00%)
  ・2023年 3回 ~9月時点でも3回
    23年金利中央値 1.625%(1.50~1.75%)
  ・2024年 2回 ~9月時点2回
    24年金利中央値 2.125%(2.00~2.25%)

■声明
  インフレは一時的との表現削除。

市場が予想したよりややタカ派的内容だった、と思います。
12月FOMC:大半が予想していたものよりもタカ派的-市場関係者の見方
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-15/R44P8CDWX2PU01

ということで、これが週末にかけてのマーケットの下落要因となった可能性は強く、
このスタンスのまま変更されることなく22年に3回の利上げが実行され、
バランスシート縮小の開始までが急がれるようなムードが醸成されるなら
株価にとってはよくありません。金利は経済を崩さぬように慎重であるべきですが
どうもインフレ抑制を急ごうという姿勢が強く出過ぎているため
株を積極的に買う、という地合いでなくなりつつあります。
ひょっとするところなショック後のひと相場は一旦終わってしまったかも?

FOMCの利上げシナリオに市場は賛同せず、野心的過ぎるとの見方
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-19/R4CAMSDWRGG001
「政策上の誤りとなるリスクが高まっている」
~金融当局者が思い描いているような高い金利水準に米経済は対応できないため、
利上げ幅と米国債利回りの上昇余地は限られるといった見方を反映~

米国債券市場では、短期債利回りが上昇していますが長期債はて以下、
イールドカーブのフラットニングはあまりいいことではありませんね。

3・ECBも正常化へ舵

■PEPPパンデミック緊急購入プログラムを通じた購入を2022年3月末に終了
~PEPPを通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間は23年末→24年末まで延長
~再投資を柔軟に行うため、ギリシャ国債の購入も考えられる

PEPP終了で22年4月以降の資産購入額は現在の「半分以下に減る」見込み

■APP 従来からの債券・国債の購入プログラム
毎月の購入規模、現在200億ユーロを
→22年第2四半期(4~6月)に400億ユーロ
→第3四半期(7~9月)に300億ユーロに一時的に拡大
→22年10月から200億ユーロ規模で購入継続

■声明文
新型コロナウイルスの感染状況次第でPEPP再開することもあり得る

ECBもPEPPの打ち切りを決定したことで正常化に向けて舵を切りました。
通常のQE政策は継続されますので、FRBに比べれば緩和的であることには違いないですが
方向転換した、という事実はそれなりに大きいかと。
ただ、これでユーロ買いとなるほどのインパクトはありません。

4・BOE,G7で初の利上げ決定、18年8月以来、3年4カ月ぶり

■政策金利を0.1%→0.25%に引き上げ 8:1で決定

11月は期待に背いて利上げしなかったのに、、
コロナ感染状況と政治リスクからは英国経済の先行きが懸念される状況ですが
BOEはインフレ抑制することを選びました。

・11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5・1%上昇

12月14日に国際通貨基金(IMF)が英国経済の報告書で、
英国の物価上昇率が22年春に5・5%に高まると予測し、
「BOEには手段がある。(行動して失敗することを恐れ、行動しないことを選択する)不作為バイアスを
回避することが重要だ」とBOEに行動を促した。との指摘がありますが
しかし11月の前回会合では、直前の講演でベイリー総裁が利上げを匂わせておきながら
コロナ感染者増警戒から利上げを見送っていた(市場の利上げ織り込みが高めておきながら・・・)だけに
今回の利上げはサプライズでした。さすがBOE.です(よくあることなんです)

しかし英国はブレグジット問題にコロナ感染拡大、
そしてジョンソン首相の求心力低下と問題山積。
こんなときの利上げ決定は、よろしくないかと。

ジョンソン英首相にさらなる打撃、EU離脱後交渉の担当閣僚が辞任
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-19/R4C0TIDWRGG001
ジョンソン英首相にクリスマスパーティー開催疑惑、コロナ制限違反か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-08/R3T32IT1UM0Z01

5・先週の中銀ウィークを持って大きな金融イベントが終了

今週からは流石に欧米勢もクリスマス休暇に入るでしょう。
本当ならもっと早く休んでいるはずです。
市場への参加者が減り、流動性が低下すると値段が飛びやすくなります。
つまり思わぬボラティリティ上昇のリスクがある時期。

ポジション持つなら必ずストップ注文を忘れずに。
逆に言うと、こんな価格じゃ注文つかないだろうなぁ~っていう安いところで
買い注文を指しておく、とか(その逆も)そんな戦略はありかも。
まあ、のんびりやることです。薄い相場でTradingに励んでもいいことはありません。

日経平均CFDを28843円で売り参戦。
ユーロ円128.62円で売り参戦。
カナダ円89.67円S 89.43円S 89.11円S
豪ドル円82.01円Sです。

あ、先週の日銀は金融政策決定会合では
「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」の一部の期限を
来年3月末から来年9月末に延長することを決定しています。
日銀は安全運転です。インフレ警戒もまだ強くありませんしね。。。

本来なら、日本だけ長期間わが続く=円安要因ですが
為替市場は週末円高が加速。
これは市場がリスク選好ではない、ということえす。

年末年始は要警戒。
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