1・日銀、指し値オペの実施発表で円安加速
2・米1月CPI、インフレ更に加速で米長期金利2%台へ
3・ドルは一転下落、ユーロ急伸へ
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1・日銀 国債無制限買い入れへ 長期金利上昇で利回り調整
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220210/k10013478591000.html
・固定利回りで無制限に国債を買い入れる指し値オペの実施を発表。
オファー日は14日。
・「このところの長期金利の動きを踏まえ10年物国債金利の操作目標を
0%程度とする金融市場調節方針をしっかり実現するよう実施したものである」
世界のインフレが加速し、中央銀行の利上げ観測が強まっていることから
市場金利の上昇が加速しており、これが日本の金利にも上昇圧力となり
日本国債の10年債利回りも0.25%に接近してきていましたが
日銀は今日指値オペ実施、利回りを抑えるために
国債を無制限に購入するスタンスを示したことで円安が加速しました。
※0.25%がなぜ重要か。
YCC(イールド・カーブ・コントロール)政策とは
長期金利と短期金利の誘導目標を操作(中央銀行による国債の買入れ量調整)し
イールドカーブ(長短金利差)を適切な水準に維持すること。
国債買い入れオペレーション(公開市場操作)などを通じて長期金利を誘導、
長期金利(10年債利回り)をゼロ%近傍に固定。
その変動幅については上下共に0.25%ポイント程度を許容する、としています。
つまり0%から上下0.25%以上離れていきそうになったら
日銀が国債の買い入れ量をコントロールして
そのバンド内に抑え込むというわけです。
英国やNZ、カナダなどはすでに利上げを実施しています。
米国は3月の利上げがほぼ確定的で、その利上げ幅が0.25%となるのか0.5%と
なるのかが焦点となっている中、日本は金利は上げないことを改めて示したわけです。
世界と日本の金融政策のスタンスの違いが改めて異なることが明確に示された格好。
日本はまだまだインフレ2%にすら到達していませんので当然といえば当然です。
むしろ国債の買い入れ量増加ですので緩和強化ですね。
これは円安要因となりますね。
これでドル円、クロス円が吹き上がりました。
2・米国のインフレが止まりません。
・1月消費者物価指数:前年比+7.5%(予想:+7.3%、12月:+7.0%)
~米株伸び率は1982年2月以来の高さ:上昇率は4カ月連続で6%を超え
・1月消費者物価コア:前年比+6.0%(予想:+5.9%、12月:+5.5%)
~1982年1月以降40年ぶり最大
・1月消費者物価指数:前月比+0.6%(予想:+0.4%、12月:+0.6%←+0.5%)
・1月消費者物価コア:前月比+0.6%(予想:+0.5%、12月:+0.6%)
これを受けて3月FOMCの0.5%利上げ確率が一時50%を超えてきました。
3月15、16両日の次回FOMC会合の前に2月分の雇用統計とCPI発表が
ありますので、まだわかりませんけど。
7月までに1%の利上げ織り込むところまで金利市場が前のめりになっているようです。
※米国債券利回り一覧 20年債も21年の高値を超えてきたかな?
3・これでドル高になるかと思いきや、意外や意外、より上昇したのはユーロ。
※通貨インデックス一覧
この辺が為替の難しいところよね。
ただ、先週も何度か書きましたが米国利上げはよりピッチが
早められる可能性はありますが、FRBのタカ派シフトは昨年11月からのことです。
ECBのタカ派シフトに市場が驚いたのは先週のことでした。
要するに、どちらがより市場への織り込みが小さいかといえばユーロ上昇ですね。
ECBのタカ派シフトのほうが「鮮度」が高いのです。
米国CPIのさらなる上昇で、米国が利上げを加速させることとなるなら
欧州もそれに続くとの思惑が広がったものと思われます。
ドル金利だけが上昇しドル高が加速しユーロ安となれば
欧州圏のインフレはさらに加速してしまいます。
通貨安は物価高の関係にありますね。
インフレへの警戒が強まる欧州でユーロを安値放置するわけには行かない
ということでもあります。
今、インフレが脅威となっている国は
米国の金融政策にあまり大きく遅れをとるわけにはいかないのです。
この思惑が、米国だけでなく世界の金利上昇につながっているんですね。
※世界の長期最利回り一覧 世界の金利上昇が加速
こんな思惑がユーロをさらに上昇させたものと見ています。
というわけで、昨日ユーロを買い直しておいて良かった。
ユーロ円131.98円L
ユーロドル1.14285ドドルL
豪ドル円82.89円L
豪ドルドル0.7158ドルL
ドル円115.37円L継続です。
円安が進むとどうしても出てくる「悪い円安」論。
こちらの動画をぜひご覧ください。
【悪い円安は本当?】2022年のドル円相場と日本経済
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱利廣氏
https://youtu.be/Hg68tGIiuVI
今週のひろこのウィークリーGOLDは
ハイテク株とゴールド
貴金属スペシャリスト池水雄一氏に解説いただいています
<インフレ・金融政策・地政学リスク>
『ハイテク株とゴールド』
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◆MetaとゴールドETFの時価総額
◆近年の巨大ハイテク株の急落日とゴールド ほか
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