2022年2月21日月曜日

 1・北京五輪閉幕~ウクライナ有事緊張一層高まる
2・ロシア軍事侵攻は、株買いドル買いなのか?
3・日本の1月貿易収支、赤字額過去2番めの大きさへ拡大
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20日(日)北京五輪が閉幕。
ウクライナの緊張は一層強まっています。

ロシア軍は20日にベラルーシで大規模な軍事演習を実施。
その後軍を撤収するか否かが注目されていましたが撤収せず。

ロシア 合同軍事演習終了後もウクライナ国境から撤収せず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220220/k10013494061000.html

米大統領「プーチン氏がウクライナ侵攻決定」、数日中にも開始か
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-idJPKBN2KN2EQ

ウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」では
自動車やガスパイプライン爆発などが起こっています。
先週イラン核合意の再建合意間近であるとロイターが報じたことから
急落していた原油が再び上昇に転じるなど原油市場は乱高下。
ボラティリティが上昇しています。

イラン核合意 再建合意間近か ロイターが草案を報道
https://www.chunichi.co.jp/article/421115

・米国は最終的に、イランの石油部門への経済制裁に適用除外措置を
復活させることになる。この結果、日量約100万バレルの
イラン産原油の輸出が再開することに。これは原油の売り材料。

その後、パイプライン爆破などウクライナ情勢の緊張で
再び原油は大きく反発、、、、ついていけません💦

※WTI原油 トップアウトしたようにも見えますが、、、

ブリンケン国務長官はロシア側が争いを呼び込むため偽の挑発を工作する
していることを確認していると述べています。
「偽旗作戦」なとどいう言葉が踊っていますが
挑発行動は頻繁に繰り返されている模様でいつ軍事行動が開始されても
何ら不思議はないのですが、ここで意識されるのが
「遠くの戦争は買い」「戦争は号砲とともに買え」
あるいは「有事のドル買い」

2・有事となれば株買い、ドル買いなのか?

相場格言ですので、そのとおりになるということではありません。
しかし格言になるほどに、そうした経験則があるということでもあります。

「遠くの戦争は買い」
近くの戦争は別。しかし遠くであれば漁夫の利があるという意味の格言。
第一次世界大戦(1914年~1918年)では、戦禍に見舞われた欧州から遠い
米国や日本では「特需」が発生しました。

「戦争は号砲とともに買え」
噂で売って事実で買い戻せ、と同義。
この有事警戒で売り込まれていた資産が買い戻さえる可能性がある、
ということですが、逆に有事想定で買われてきた資産があれば
事実とともに手仕舞い売りで下落する可能性もあるということです。

「有事のドル買い」
最も流動性の高いドルキャッシュにしておくのが安全である、という意味。
1990年のクウェート侵攻、2006年のレバノン侵攻ではドル買いとなりました。

今回の場合、ウクライナ有事を懸念して売られていた資産というのが日米株なら、
軍事侵攻、本格開戦の報道で、一旦上がる(買戻がはいる)可能性がある、
と考えることもできます。短期ではそのような値動きが発生するかもしれませんが
今は同時に、インフレ退治に動くFRBによる金融引締めが始まるタイミング。
もし、上昇すれば戻りを売りたい向きも多いと思っています。

特需がどこに発生するか、という意味ではすでに原油市場などが
リスクプレミアムで上がりだしているとも言えますが
株式市場にそのような動きが中長期で見られるかどうかはわかりません・・・。

週末は債券市場に資金が逃げ込んだと見えて米金利は軒並み低下。
※米国債利回り一覧

3・巨額貿易赤字、円安材料になる日は来るのか
https://jp.reuters.com/article/column-tamaki-kazuhiko-idJPKBN2KM0HC
・1月の日本の貿易収支が2兆1911億円の赤字と過去2番目の大きさ
 ~この基調が続けば、2022年に10兆円規模の赤字を記録する可能性も

・この10年間で10兆円台の赤字を記録したのは、
 2014年の12兆8160億円:13年の11兆4683億円の2回。

・2012年から2021年までの10年間のうち、7年は貿易赤字を記録

・中国経済の変調。1月の対中輸出は前年比▼5.4%と19カ月ぶり前年割れ。
 数量ベースでは、昨年10月から前年比マイナスに転落していたが、
 今年1月は前年比マイナス17.7%と大幅に落ち込んだ。

・重要なのは「春闘における賃上げの行方」ではないか。
~賃上げが3%近くないしは3%に届けば、個人の購買力増となって
国内経済の好循環の起点になりうる。
しかし、賃上げ率が昨年以下に抑制されれば、結局は儲けの多くを
海外での投資などに回し、利益が海外に流出することになる。

コラムにあるように、円安メリットを享受した企業が賃上げに動かなければ
円安は消費者を苦しめる事象でしかない、という点。
今年の春闘でインフレに届かぬ賃上げに留まるようなら日本の将来は・・・。

ただ、ガソリン高などは元売りへの補助金と言う形でなく
減税すれば済む話です。日銀の金融政策への批判につなげるのは
お門違いだかと思います。実際まだインフレ目標は達成できていません。

日本の1月のCPIはまだ+0.5%です。

米国は+7.5%になってもまだ利上げしていないんです。
これからあわててやるわけですが、
21年5%超えが4ヶ月続いても動きませんでした。
日銀の出口論はまだまだ時期尚早です。

ドル円ですがコラムにあるように、日米金利差拡大、中国経済の変調で
日本の輸出が減少していること、エネルギー資源価格の高止まりが
続きそうな点から円安基調は継続するリスクが高いと思うのですが
一方で、4月新年度は金利が上がってきた円債への投資も
そこそこ出てくると思われます。

金利が上昇し価格が下落するリスクの高い米国債から金利が0.25%には
上がらない安心感のある円債へと資金が回帰する動きも出てくるんじゃないか、
と考えています。
そうでなくても、ウクライナ有事は資金回帰での円高を誘引する可能性も。

円安ドル高が今すぐに大きなトレンドになるというわけでも
なさそうなので、足元様子見です。

ダウCFDを35024ドルS継続
原油91.46ドルロングはイラン核合意再合意報道でロスカット(泣)

このところウクライナヘッドラインが市場のボラティリティを高めていますので
あまりリスクを大きく取りたくありません。

キャシュ比率を高めつつあります。

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