ロシアのウクライナへの軍事侵攻開始から10日以上経過。
プーチン大統領の当初の目論見からは大きく外れていると思われます。
ウクライナ軍が善戦しているとも言えますが、
追い詰められたロシアはEU最大の原発を占拠。
ゼレンスキー大統領は
「爆発があれば欧州の終わりだ。」としています。
ロシア軍、欧州最大級の原発制圧 核リスク顕在化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB046IM0U2A300C2000000/
ウクライナは53%を原発に依存。
ここをロシアが掌握したことが、欧州売りにつながっています。
このリスクが再び欧州売りを強めユーロ売り再開。
※ユーロドル
しかし、ようやくレンジを下抜けたユーロドル、ユーロ円より
顕著な下落トレンドとなっているのが
ユーロ/豪ドル・ユーロ/キウイなどで
欧州からオセアニアへの資金移動が如実に確認できます。
※ユーロ/オージー
米ユーロ/キウイ
地政学的に遠いオセアニアへ資金避難という指摘が見られますが
確かにドルストレート、クロス円でトレードするより
ユーロとオセアニア通貨を組み合わせるのがわかりやすかったですね。
豪ドル円83.94円ロングは継続です。
ユーロ円128.28円Sは週明けの動きをみて手仕舞うかもしれません。
ユーロドル1.1076ドルSは現在のところは戻りは
売り増そうかと考えています。
さすがに月曜からはユーロ下落の戻りもはいりそうですが。
ユーロドルよりユーロ円は思うように下げないかもしれない、
と思うのがドル円の底堅さにあります。
これだけのことが起こっているのにリスク回避の円買いになっていません。
それを言うなら、豪ドル円やキウイ円などのリスク回避時に弱い通貨ペアも
あまり下がっていないのですが、オセアニアが強いのは地政学背景として
ドル円が底堅いのはやはり資源高による貿易赤字の拡大懸念や
米国との金融政策のコントラストが明確であるため
金利差は拡大傾向にあると見る向きが多いせいかもしれません。
シカゴ連銀総裁、年末までに2%付近と言及-最大7回の利上げ示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-04/R885E7DWRGGE01
・金融当局は年内に政策金利を「中立」に近い水準へと引き上げるべきだとの見解
・中立金利とは、景気を加速も減速もさせない理論上の水準で
12月時点のFOMC参加者の中央予測値は「2.5%前後」
ロシアウクライナ有事とは関係なしに利上げをすべきとの見解。
シカゴエバンスさんは投票権はないのですが。
日銀審議員人事、出口模索論者の名前が上がっても
あまり円高に動く気配もなく、ロシア軍事侵攻でも円高とならず、
となると下値が高い印象で、
クロス円ショートは意外とワークしない可能性が。
ユーロを売るならドルストかな。。。
ドル円で円高の材料が出てくればユーロ円を売り増ししたいところですが。
しかし、かと言ってドル円、上値が重いのも事実。(レンジってことですが)
週末の雇用統計数字は米国利上げと引き締めのスタンスは
今回の有事とは切り離してタカ派的に行われるのではないか、
ということが想像できる強いものでした。
■2月非農業部門雇用者数:67.8万人(予想:+41.8万人、1月:+46.7万人)
失業率:3.8%(予想:3.9%、1月:4.0%)
平均時給(前月比)0.0%(予想 0.5% 前回 0.6%(0.7%から修正)
平均時給(前年比)5.1%(予想 5.8% 前回 5.5%(5.7%から修正)
パウエルFRB議長は先週議会証言で金融正常化を進める姿勢を示しており
3月FOMCでの利上げは確実視されていますが、
週末はNYクローズにかけてドル円も下落して取引を終えています。
※ドル円 何度も言うけどレンジなのよ、レンジ・・・・
ただ、IMM通貨先物ポジションからは円ショートが溜まっているので
トリガーがあれば円高に走りやすいように思うのですが。
6.8万枚くらいだとそれほど溜まっているわけではないけど。
(過去最大で2007年の18万枚台)
IMMポジションでいうと、ユーロがそれほど売られていないのよ、まだ。
2010年に5.7万枚の売り越しとなったのが過去最高の投機筋のユーロ売り。
現在3/1時点ではなんと6.4万枚のユーロ買い越し状態です。
ロシア、ウクライナ情勢も重要ですが3月FOMCが近づいていることと
今週はECB理事会もあるため、欧米の金融政策のスタンスも
為替市場を動かす材料となりそうです。
ちなみに、今上昇している豪ドルですが積極的に買われているというより
これまで中国減速リスクで売られていた豪ドルが買い戻されているだけ
という可能性もあります。投機筋のショートポジションというのは積極的な
投機ポジションであって、有事の際には解消しておこうという動きが出るだろうし。
豪ドルはこれまで随分売りが溜まってきました。
未だネットショート(売り越し)状態です。
これが解消されるだけでドル高になる可能性が大きいということでもあります。
*******来週の主な予定******************
■7日(月)
中国貿易収支(2月)
エネルギー国際会議(CERAウイーク)(ヒューストン、11日まで)
■8日(火)
日本景気動向指数(1月)
日本景気ウォッチャー調査(2月)
ポーランド中銀政策金利
米アップル、新製品発表イベント開催
■9日(水)
中国消費者物価指数・生産者物価指数(2月)
■10日(木)
★★ECB政策金利、ラガルドECB総裁記者会見
前回会合では、3月会合で新たな見通しとともに政策を見直す、と述べて
いたラガルド総裁。この時の会見でECBもタカ派シフトか?と色めき立ち
ユーロ急上昇となりましたが、EUへの経済波及が免れないウクライナ危機、
ロシア制裁などからスタンスが再び変わる可能性があります。
再び慎重姿勢が強まればユーロ安へつながる可能性がありそうです。
米消費者物価指数(2月)
EU首脳会議
■11日(金)
カナダ雇用統計(2月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(3月)
13日(日)
米国市場は夏時間へ移行
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ロシア、ウクライナ情勢について
戦費が1日1兆5~6000億円かかると試算されており
ロシアも持久戦に持ち込むには体力がありません。
せいざいあと3週間という指摘もある中で
窮鼠猫を噛む、ロシアが最悪の選択をしないよう各国が働きかけています。
しかし、うまくいっていません。
どのような帰結となるか、誰にも予想がつきません。
■イスラエルのベネット首相とプーチン大統領会談
・ベネット首相がモスクワ訪問、会談は3時間に及ぶ
・ロシア制裁は、イラン核合意協議の障害になったとプーチン大統領
(イスラエルはイラン核合意の復活に反対している)
~イスラエルが仲介を提案するも、目立った成果は見られなかった模様
■ロシア、プーチン大統領とトルコ、エルドアン大統領電話会談
「ロシアによる特別作戦の"停止"は、キエフが戦闘を停止し、
ロシアの要求を満たす場合にのみ可能である」
~武器を捨てロシアの要求を飲め、といっているわけで
実質この会談による成果はなかったようです。
各国がプーチン大統領に働きかけルも振り上げた拳は下ろせないプーチン大統領。
ウクライナとの停戦交渉もただの時間稼ぎにしか見えません。
マリウポリから20万人を避難させるための人道回廊ルート上でも
ロシアによる攻撃が確認されており、一時停戦合意に違反しています。
ウクライナ、7日の再交渉をロシアに提案していますが
交渉による成果が見込める状況にはないようですね。
■バイデン米大統領、ゼレンスキーウクライナ大統領電話会談
・ウクライナ支援を拡大すると表明
・ポーランドと協力しウクライナへの軍用機提供を検討
■ブリンケン米長官、中国王毅外相とウクライナ情勢で電話会談
・米国が中国に対し、ロシアにより厳しい姿勢を示すよう求めた
■民間企業の動き
・ビザとマスターカードは、ロシアでの業務を停止
・スペースX(イーロン・マスクCEO)はインターネット機材の追加提供
・韓国サムスン電子、ロシアへの製品輸出を停止
・CNN、ロシアでの放送を停止へ-状況を精査
・英BBC、ロシアでの全ジャーナリストとサポートスタッフの業務を一時的に停止
・マイクロソフト、ロシアで製品・サービスの新規販売を停止へ
・S&P、ロシア株を指数から除外-MSCIやFTSEに追随
■ロシア大統領、ルーブルでの対外債務返済を容認-デフォルト回避探る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-06/R8AZQRT0AFB501
ドル建ての債務はドル建てで返して~
ルーブルを受け取る国はないでしょう。
■ロシア連邦政府は、3月1日から市民の貴金属に対するVATを廃止する決定を支持。
3月4日、法案は下院によって審議されるとの一部報道。
これをもってロシアが金本位制になるとのツイートが散見されますが
銀行から金の購入する場合の20%の付加価値税を免除されるだけです。
日本も金にかかる消費税なくしてほしいですね。
■ロシアの複数の銀行が日曜日に、中国の銀聯カード運営会社のシステムと
ロシア独自のMirネットワークとを組み合わせたカードの発行をまもなく開始すると
発表。ロシア最大の貸し手であるズベルバンク、アルファ銀行、ティンコフなど。
中国はウクライナともロシアとも近いとされており
仲介に打って出てくれればいいのですが、ロシアとともに西側を敵に回すような
ことがないといいのですが、、、、。
■金融面でのロシアの体力。デフォルトリスクについて
ロシア債務、3月中旬期限「不履行の恐れ」 米銀分析
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02ER00S2A300C2000000/
・最初の支払期限は3月16日:猶予期間は30日
・3月だけで利払いと元本で合計約7億ドル(約810億円)
先週のひろこのスペシャリストに聞く!
エネルギーアナリスト ポスト石油戦略研究所 大場紀章氏
ロシア・ウクライナ有事でのロシア制裁について。
そしてエネルギー高だけでなく影響のあるコモディティは?
世界は脱炭素政策を見直す機運となるでしょうか?
英国ドイツは意外な方向へ向かっていきそうです・・・。
<ロシア制裁とエネルギー価格>
『ウクライナ情勢がマーケットに与える影響は』
https://youtu.be/KPxFcE2RkmA
◎ロシアが生産する重要資源
◎半導体がボトルネックに?
そして【ひろこのウィークリーゴールド】
森田アソシエイツ代表/WGC顧問 森田隆大氏登場!
<金融引締めでもゴールドは高値を維持>
『パンデミックで再評価の金』
https://youtu.be/SrTsrvwI5Zc
◆ 増加する中長期投資家
◆ プラス要因&マイナス要因
◆ 金融引き締めと金
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