1・日本、全国消費者物価指数2%超えも…
2・ダウ8週連続安/1932年世界恐慌以来最長の下落
3・ECBラガルド総裁、7月利上げの公算
4・NZ、RBNZ 5会合連続利上げの見込み
5・豪州、9年ぶり政権交代
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大注目の日本のCPI、総合/コア指数は2%超えてきました。
1◆日本4月 全国消費者物価指数
[前年同月比] 2.5%(予想:2.5%、前回:1.2%)
[前年同月比] 2.1%(予想:2.1%、前回:0.8%)
◆コアコア(生鮮食料品・エネルギー除く)
[前年同月比] 0.8%(予想:0.7%、前回:▼0.7%)
CPIの上昇幅拡大は携帯電話通信料値下げの影響剥落の影響が大きいことと
上昇寄与度が高いのはエネルギーと生鮮食品除く食料が中心です。
つまりエネルギーと食料品を除いたコアコアは 0.8%
1%にも届いていません。
つまり食料品とエネルギーが物価を押上げ、景気を圧迫する可能性が高い状況で
日銀が目指す安定的に2%を超える物価上昇を達成したとは言えません。
よって、これを受けて日銀が政策転換をするとは考えられませんが
このところの急激な円安進行でメディアに踊った悪い円安論が
一層派手に囃し立てられることがないように願いたいですね。
日銀に物価上昇の責任を押し付けるようなものです。
日銀黒田総裁のスタンスは明確に緩和継続ですので心配ないと思いますが。。。
安定的な2%ではない、YCC軸に緩和続ける-黒田日銀総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-20/RC5VFHT0G1L101
今回のCPI上ブレは予想されていたものですのでサプライズはないのですが
今後の趨勢が重要となってきます。これが5,6、7月とどんどん上昇が加速して
行くようだとムードも変わってくるでしょう。
また、生鮮食料品、エネルギーを除いたコアコアが本格的に2%に向かう強さが
あるのかどうかも重要ですね。まだ0.8%しかないわけで
実質インフレとは言い難いのが実態です。
マーケットが今回日本のCPIに反応したかというと~
ほとんど関係なかったように見えます。
今はドル金利動向が重要なフェーズですね。
まだ日銀の政策転換がテーマになるには早いということです。
そのドル金利ですが、先週までのマーケットは株の下落が続くリスクオフ。
リスクを回避しようとするマネーが債券市場に向かったこともあり
米金利は上昇ストップ、むしろ低下圧力が強まったために
ドルが全般下落する展開となりました。
※米国債利回り一覧
※通貨インデックス一覧 ドル高の修正
ドル高修正でドル円も下落してきました。
黄色の点線であるネックラインを割り込むと
125円くらいまで下げても不思議はないチャート。
2・米株軟調地合い続く、ダウ8週連続安は1932年大恐慌以来
米国株市場のETFと投信をあわせた投信全体の資金流出入額は
5月11日までの1週間に266億ドル(約3兆4000億円)の純流出、
6週連続のマイナスとなっています。
4月月間の純流出額は約830億ドル。
これは2020年3月のコロナショック時3400億ドル流出超過以来の高水準だそう。
個人マネーが米国株市場から抜けています。
これがまだまだ続くのか、それともマインドが好転する可能性はあるのか?
いつまで続くか個人投資家の売り(NY特急便)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN200770Q2A520C2000000/
米個人マネー、バブルに幕 話題先行「テーマ株」下落
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB132FV0T10C22A5000000/
・貯蓄率 20年4月 34%➡21年3月 27%➡22年3月 6%にまで低下
米個人の貯蓄率が著しく低下、投資余力が低下しています。
さらに米国株式市場のマージンデッド(証拠金残高)は
まだまだ高水準にあります。
マージンデットとは
投資家が借金をして株式を購入している債務残高です。
ITバブル崩壊、リーマンショック時にはマージンデッドの膨張が
急激に整理される過程の中で株価も大きく下落しました。
今回22年に入ってからマージンデッドは縮小を始めており
これが続くようならポジションの整理はまだまだ続くということで
株価の調整も続くだろうと考えられます。
これから金利が上がり、景気減速懸念が台頭する中で
債務を増やして株をやろうという個人は多くないと思われます。
ただし、ダウ8週連続安は大恐慌以来の長期下落ということで
短期リバウンドもあるでしょう。
3・ラガルド総裁、ECBは7月利上げの公算大-0.5ポイントには否定的
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-21/RC7SRGDWLU6901
ECBの7月利上げの可能性と言うのは繰り返し報じられており
新味はないのですが、これまでは為替市場での反応が鈍かった。
しかしながら、足下では米株が下落=米金利低下基調にあることで
意外とこのテーマにユーロが反応し易い地合いとなってきているかも。
※主要国2年債利回り一覧
米国はじめ、オセアニア、資源国通貨の金利には低下圧力が強い中、
これまで低位で放置されてきた欧州通貨の利回りが浮上してきた印象。
今週はユーロの押し目買いも面白いかも。
4・今週RBNZ会合、NZは5会合連続利上げの公算
これまでNZ中銀は4会合連続で利上げを実施しています。
前回は利上げ幅を0.5%に拡大し引き締めを強化。
今回も0.5%の利上げ見込みですが、これだけ金利が高くても買われない。
NZドルは弱いとしか言いようがありません。
その理由は景気が弱いのにインフレが強いため利上げせざるをえないため。
景気が弱いなら本来利下げが必要ですよね。
しかし、金利を低いままにしておくとインフレが、、、
ということで、NZの景気の先行きには不安が大きく物色されません。
NZドルは売りスタンス継続でいいかと思っています。
先週NZドルショートは買い戻してしまっていますが
利上げで上がる場面があれば、再度売りたいかな。
5・豪、9年ぶり政権交代へ 労働党が総選挙勝利
https://jp.reuters.com/article/australia-election-idJPKCN2N800D
・中道左派の野党・労働党の勝利
・気候変動対策やジェンダーの平等などを訴えた無所属候補や緑の党が躍進
正直この選挙の結果が豪ドルにどのようなインパクトがあるのかわかりません。
これまで中国に対しては強硬スタンスでしたが、これが融和的となるなら
豪州にプラスと考える投資家もいるでしょうか?
しかし、中国は今決して世界景気を牽引する存在ではありません。
中国はゼロコロナ政策で疲弊した経済を立て直すための刺激策を
発表していますが、、、
中国の刺激策、700兆円に迫る-ゼロコロナ堅持で5.5%成長に十分か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-20/RC5KZUT0G1KW01
・今年、35兆5000億元(約676兆円)規模の景気対策を実施する
(中国の経済規模17兆ドル(約2172兆円)の3割強の規模)
パンデミック20年の景気刺激策よりも小規模のため、さらなる対策もあるか?
しかし、これが起爆剤となるとみる投資家は多くないようです。
中国の刺激策、08年のように世界経済救わず-足かせになるリスクも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-11/RBP0YRDWX2PT01
中国、政策金利を小幅下げ 景気減速でも本格緩和に踏み込まず
https://mainichi.jp/articles/20220520/k00/00m/020/090000c
中国が本格的に復調できるにはロックダウンの全面解除が必要でしょう。
というわけで豪ドルもあまり強気にはなれないのですが
全般ドル安基調となるなら、多少の戻りが入る局面かもしれません。
ポジションは
ドル円130.38円S
ユーロ円136.10円S
ポンド円161.23円S 継続していますが、
ユーロ円、ポンド円は手仕舞おうかと思っています。。。
今週の主な予定
23日(月)
日米首脳会談
ベイリー英中銀総裁、アトランタ連銀総裁、講演
ユーロ圏財務相会合
世界ガス会議(27日まで)
24日(火)
NZ小売売上高(第1四半期)
英国製造業PMI速報値(5月)
ドイツ製造業PMI速報値(5月)
ユーロ圏製造業PMI速報値(5月)
米国製造業PMI速報値(5月)
日米豪印の4カ国「クアッド」首脳会合
EU財務相理事会
25日(水)
黒田日銀総裁「2022年国際コンファランス」で講演
NZ中銀政策金利
米耐久財受注(4月)
ECB金融安定報告
FOMC議事録(5月3日-4日開催分)
26日(木)
カナダ小売売上高(3月)
米下院金融委員会、デジタル資産と今後の金融に関する公聴会開催
27日(金)
豪州小売売上高(4月)
中国工業利益 (4月)
米個人所得支出(4月)
バイデン米大統領、演説
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