1・米雇用統計/ISM受け米金利上昇~ドル高へ
2・OPEC増産追加増産も原油下がらず
3・米天然ガス価格急騰、ドル高の一因に?
4・RBAと豪ドル円
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1◆5月米雇用統計
・NFP +39万人(予想+32万)
4月分は+43.6万に上方修正(← +42.8万)
・失業率3.6%(前月と変わらず)
・労働参加率 62.3%に上昇
・平均時給 前月比+0.3%(4月+0.3%)
前年比+5.2%(4月+5.5%)
※NFP推移
https://news.yahoo.co.jp/articles/e84d65c3712e17737f93e3fa848c14199e8c82e8
・5月非製造業総合景況指数 55.9-2ヶ月連続低下、21年2月以来の低水準
・新規受注 57.6に上昇(前回54.6)
・生産に相当する業況指数は4.6低下の54.5
数字だけをみると2ヶ月連続低下で21年以来の低水準なのですが
新規受注が上昇しており需要は好調も「供給面に制約がある状況」
需要を抑え込まないことにはインフレの抑制が難しいということで、
やはりFRBのタカ派スタンスが緩むことは考えにくいという内容でした。
雇用統計、ISMなど統計の発表を受けてドルと米国債利回りは大きく上昇。
※米債利回り一覧 短期ゾーンが急上昇
※通貨インデックス一覧
ドル高の調整、ドル安のフェーズが終わったのかどうか。
FRBの金融政策がハト派化するのではないか、
という期待が後退したことによるドル金利上昇=ドル高再燃です。
来週6/15(水)はFOMC。FOMCに向け再びドル買いが加速するのかどうか
足下の為替市場は、ともかくドル金利とドルの相関が強いので
市場の金利動向を見ていくしかありません。
ただ、金利だけではなくドル需要が強いというのも
昨今のドルが強い一因となっています。
なぜドル需要が強いか?!
それはコモディティの急上昇のせい。
原油はじめ国際商品の決済には基軸通貨ドルが使われるためです。
教科書的には、ドルとコモディティは逆相関関係にあるのですが
現在ドル高とコモディティ高が同時に起きています。
※CRBインデックスとドルインデックス2・OPECプラス「追加増産」を決定も原油下がらず
OPECプラス、増産拡大で合意 日量64.8万バレル
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR02CYT0S2A600C2000000/
・7月8月の増産幅を日量64.8万バレルへ引上げ(従来43.2万バレル)
・インフレに悩む米国からの強い圧力に配慮か
・次回協議は6月30日
追加増産とはやや驚き。7~9月に3か月かけて129.6万バレル増産する予定
だったものを7.8月の2か月で達成させる目標。増産ペースの加速です。
これまでは米国からの増産要請に応えず無視を決め込んでいたのですが、
記事中にあるようにイエメンの親イラン勢力との戦いで米国からの支援強化
という見返りの確約でもあったのでしょうか。
中間選挙を11月に控えガソリン価格が過去最高を更新し続けている米国、
バイデン政権の支持率はガソリン高騰で低下しています。
ガソリンの需給ギャップはFRBの利上げでは埋められませんので
(オーバーキルで景気後退、需要減となれば別ですが)
ロシア産原油の禁輸に踏み切った分、供給を増やすしかありません。
米国からの相当な圧力があったものと思われます。
ただし、記事中のグラフにあるように増産というっても
これはあくまで生産目標。目標を引き上げたところで
現実に生産できるかどうかはわかりません。
現状ですでに生産目標に届いていないのです。
※OPECプラス生産未達
この記事も。
ロシア石油の締め出し加速 英EU、タンカーへの保険禁止
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61345720R00C22A6EA2000/
・ロシア産の石油を締め出す動きが一段と加速
・「OPECプラス」や米国の増産により、ロシア産の減少分を穴埋めできるか
・「OPECプラス」の4月の産油量は日量3700万バレル強、計画を7%下回った。
※ロシア産の穴埋めには時間がかかる
※OPEC増産プラスでは増産目標に未達の国が多い
そもそも米国の原油在庫は過去5年平均を下回っています。
※雲が過去5年の平均在庫量。青のラインが今年の在庫推移。
というわけで、サプライズの追加増産でも原油は下がらなかった。
増産ですのでけっして買い材料ではないのですが、、、原油更に上昇していますね。
これは困った・・・・
3・米天然ガス価格急騰、ドル高の一因に?
米ガス価格急騰「シェール前」水準 欧州輸出で需給逼迫
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN31DXC0R30C22A5000000/
・米国の天然ガス価格が急上昇~2008年7月以来約14年ぶりの高値
・液化天然ガス(LNG)の欧州向け輸出、1~5月に前年同期比2倍超
・米国ガス在庫急減
注目すべき記述は
「液化天然ガス(LNG)の欧州向け輸出、1~5月に前年同期比2倍超」
とにかく欧州はロシアからのエネルギー供給が途絶えた分は
ロシア以外の国から買うしかない。
そして米国から欧州にガス輸出が急増、結果米国のガス在庫が急減。
これが米国のガス価格を急上昇させているという話ですが
そりゃ米国のインフレが加速するわけです、何やってんだか。
これ為替でいうとユーロ売りドル買い要因ですね。
欧州は米国のガス輸入を増やしているのですから。
※天然ガス価格
この傾向が続けばドル需要が強い状況が続くということになり
なかなかドルは下がらないということになります。
ECBの利上げ観測が強まっても
なかなかユーロが大きく上がらないわけです。
ポジションは
カナダ円101.03円L 継続
ユーロドル 1.05843ドルL 継続
ドルカナダ1.27044ドルS 継続
◆今週の主な予定◆
★7日(火)RBA 豪州準備銀行金融政策
Doves turned hawks think RBA should be ‘aggressive’ on rates
https://www.afr.com/policy/economy/doves-turned-hawks-think-rba-should-be-aggressive-on-rates-20220602-p5aqi2
・大半のエコノミストは、6月のRBA理事会で0.35%から0.75%に引き上げ、さらに2023年初めまでに3%まで引き上げるべきとの見方を示しています。
・金融市場では、6月の公定歩合は3分の2の確率で40ベーシスポイント(0.4ポイント)上昇し、今後12ヶ月間のピーク金利は3%を大きく上回ることが示唆されている。
RBAレート・トラッカーを確認してみると~
https://www2.asx.com.au/markets/trade-our-derivatives-market/futures-market/rba-rate-tracker
※RBA Rate Indicato
オーストラリア準備銀行が設定するOfficial Cash Rate(OCR)の
変化に対する市場の期待値。
現在の0.35%から0.75%への 0.4% の利上げが71%織り込まれている状況。
というわけで、急激にタカ派シフトするRBA政策をバックに
豪ドルを買ってもいいんじゃないかと思っています。
気をつけておきたいのは世界の株式市場の動向。
豪ドルはリスク通貨として知られています。
リスク資産である株式市場が弱いと豪ドルも売られるという特徴があります。
株が再び大きく下がることがあれば豪ドルも下がるリスクがあるのですが
株式市場が落ち着いていれば、資源通貨として買われやすい側面があります。
ちなみに豪州は2021年のLNG輸出量世界一です。
この点に置いては豪ドルは買われやすいと考えていいでしょう。
ただし、豪州LNG輸出前年比増加率は1%程度でしたが
21年第3位のアメリカの輸出量は前年比52%も増加していました💦
前述した欧州向け輸出が増えた結果でしょう。
米ドルが強い背景でもあり、取引するなら米ドル/豪ドルの組み合わせより
輸入するしかない日本円を組み合わせた豪ドル円がいいですね。
ちなみに先週1日利上げしたカナダ円が強いですが
カナダ円、月足で見ると長年のレジスタンスを超えているんですよね。
※カナダ円月足
豪ドルはというと、、、
※豪ドル円月足
ちょうどレジスタンスでひっかかってるところ。
カナダに遅れているのは中国景気後退リスクに引っ張られていたためかと。
カナダは米国に隣接する国であるため米国の好調な景気に連れ高となり
先に上昇を始めていたと考えられます。
中国上海ロックダウンが解除されつつあることからみても
豪ドル円、今週の押し目を拾ってみようかと思います。
★9日(木)ECB理事会 現行の金融政策を維持する見通し
今月は政策の変更は見込まれていませんが
7月の利上げがほぼ織り込まれています。
声明やラガルド総裁の記者会見で7月利上げ幅とその後のスタンスについて
どのような言及がなされるかによってユーロはどちらかに大きく動きそう。
今週はユーロドルのロングを何処かで手仕舞っておこうかと思案中。
◆6/06(月) *ニュージーランド休場
前回 予想
10:45 中国5月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI) 36.2 46.0
◆6/07(火)
前回 予想
21:30 カナダ4月 貿易収支 24.9億カナダドル 26.0億カナダドル
21:30 米国4月 貿易収支 -1098億ドル -890億ドル
◆6/08(水)
前回 予想
8:50 日本4月 国際収支・経常収支 2兆5493億円 5132億円
8:50 日本4月 国際収支・貿易収支 -1661億円 -7350億円
17:30 イギリス5月 建設業購買担当者景気指数(PMI) 58.2 56.6
23:00 米国 4月卸売売上高(前月比) 1.7%
◆06/10(金)
前回 予想
7:45 NZ1-3月期 四半期製造業売上高(前期比) 12.0%
8:50 日本5月 国内企業物価指数(前月比) 1.2% 0.5%
8:50 日本5月 国内企業物価指数(前年比) 10.0% 9.9%
10:30 中国5月 消費者物価指数(CPI)(前年比) 2.1% 2.2%
10:30 中国5月 生産者物価指数(PPI)(前年比) 8.0% 6.5%
21:30 カナダ5月 新規雇用者数 1.53万人 2.50万人
21:30 カナダ5月 失業率 5.2% 5.2%
21:30 米国 5月消費者物価指数(CPI)(前月比) 0.3% 0.7%
21:30 米国 5月消費者物価指数(CPI)(前年比) 8.3% 8.3%
21:30 米国 5月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比) 0.6% 0.5%
21:30 米国 5月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年比) 6.2% 5.9%
23:00 米国 6月ミシガン大学消費者態度指数・速報値 58.4 58.3
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