2022年6月17日金曜日

 マーケットへの衝撃は「サプライズ」が効くわね。
FOMCよりSNB(スイス中銀)突然の利上げでドル円が下落開始。
日本国債利回りが大変なことになっています。
~明日の東京市場も荒れますよ(*_*)

1・FOMCで株反発となるもSNBでリスクオフ再開
2・英中銀、政策金利を1.25%に引き上げ
3・欧州ガス急騰、ロシアがガス供給止める
4・錫(スズ)価格急落、半導体市場の異変
**************************
1・FOMCで株反発となるもSNBでリスクオフ再開

6月FOMCでは一気に0.75%の利上げを決定
先週末10日金曜に発表された米CPIでさらなるインフレ高進が確認され
急激に0.5ではなく0.75%の利上げの可能性を織り込む動きが加速。
FOMC直前には1%の利上げの可能性まで
織り込み始めるといった塩梅でした。

月曜、火曜と急激な金利上昇に見舞われ
すでに米株は大きく下げていたことで
実際に0.75%の利上げが発表された後は、
1%じゃなくて良かった、とばかりに
米株が買い戻されるなど、出尽くしでのショートカバーが市場を席巻。
今日16日木曜の日本株市場も全面高でスタートするなど堅調地合いは継続しました。
ただし、日経平均は場中の500円高が100円高程度にまで
上げ幅を削る展開でしたが。

7月も0.5,もしくは0.75%の利上げをやる、
とパウエル議長が話していますので、
これもすでに織り込み事項となりつつあります。

FOMCについて詳細は、あらゆるアナリストがやっていますので
ここでは割愛しますが、マーケットを大きく揺るがしたのは
今日のSNB。スイス中央銀行のせいせく決定会合です。
なんと市場が全く予見していなかった利上げを発表。
15年ぶり、0.5%もの利上げです。
しかも、さらなる利上げを示唆。
(しかし0.5%利上げしても政策金利は▼0.25%~▼0.75%でマイナス圏)

◆スイス国立銀行(中央銀行、SNB)声明
「インフレ圧力の高まりに対抗するため金融引き締めを実施」
「インフレを安定させるため、当面は政策金利の更なる引き上げが必要となる可能性」
「適切な金融環境を確保するため、必要に応じて外国為替市場にも積極的に関与」
「欧州エネルギー供給に悪影響が生じた場合、スイス経済に深刻な影響が及ぶ可能性」
「住宅ローンと不動産市場の動向を引き続き注視」

◆ジョーダンSNB(スイス国立銀行)総裁
「スイスフランが下落すれば外国通貨売却を検討する可能性がある」

さて、なぜスイスの利上げがドル円の下落をもたらすのでしょうか。
影響はドル円相場だけではありません。
今夜の米株市場、昨日のFOMCでは反発上昇していたのに
今夜は今年の安値を更新する下落、ダウは30000ドルを割り込みました。
日経平均も夜間取引で25000円台に崩れてきています。

ヒントはこの記事の最後のパラグラフ。
そして日経新聞解説員の滝田洋一氏のコメントにあります。

スイス中銀が15年ぶり利上げ 政策金利マイナス0.25%に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR15DVT0V10C22A6000000/

「マイナス金利政策を導入する主要中銀は、スイス以外では欧州中央銀行(ECB)や日銀、デンマークにとどまっている。スウェーデンは19年12月にマイナス金利政策からの脱却を決め、22年5月には政策金利をプラス0.25%まで引き上げた。ECBは9月にもマイナス金利政策を終える見通しだ。」

◆滝田氏ひとこと解説

「~スイスフランと日本円を結ぶ共通項があるからです。それは「キャリー取引」の巻き戻しです。マイナス金利のスイスフランを元手に様々な資産に投資するキャリー取引が、利上げを機に解消を迫られ大騒動になっているのです。日銀もいつまでも長短金利操作の孤塁を守れないとの思惑から、円を元手にしたキャリー取引も解消の波が。~」


スイスと日本、そして欧州ECBはマイナス金利導入国でした。
これらの通貨は「キャリー通貨」だったのです。
つまりこれらの通貨で資金調達して利回りのある資産に投資刷れば簡単に儲かる。
スイスフラン売り、日本円売り、ユーロ売り➡ドル高だった、とうことね。

これがスイスの利上げをトリガーにして巻き返され始めたということ。

スイスもインフレにたまりかねて通貨安防衛に動いた、ということは
日銀も…?という思惑も市場に広がったと思われます。

そして今日本の長期債利回りをみると、、、

なにこれ。0.45%まで上がっているんですけど💦

YCC政策下では明日これを日銀が潰しに来ることはわかってはいるのですが
HF勢に挑まれていますので、ひょっとして日銀は白旗をあげるのでは・・・

という思惑が広がるのも無理はありません。
こんな金利急上昇をみせられるとね。

明日の日銀会合での黒田総裁の緩和継続の覚悟をみて
ドル円が再上昇する可能性もありますが、
ドル円133・07円で売り参戦してみました。ちょっと乗り遅れたけど・・・

キウイ円ショートは継続ですが、
ポンド円165.98円Sは 162・02円で買い戻し手仕舞いました。
ポンドドル1.2289ドルSも 1.2158ドルで手仕舞っています。

というのも英国も今夜利上げに動いてポンドが跳ねているんです💦

2・英中銀、政策金利を1.25%に引き上げ-必要ならより大きな動きも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-16/RDKHKXT0AFB501
5会合連続の利上げ
インフレ予想を再び上方修正-11%を「若干上回る」
6人が0.25ポイント利上げ支持、3人が0.5ポイント主張

ポンドドルって、月足で見るとこれ以上下がると本当にヤバいとこにいるのね。
インフレが11%予想だっていうのに、このレベルを底抜けて通貨安になると
本当にハイパーインフレになりかねないじゃないの・・・

ってことで、景気後退リスクとか言ってられません、利上げを急ぐスタンスで。
というのはFRBと変わらぬスタンスなんだろうと思います。

ポンドドル月足 ポンドの巻き返し局面入りかな

3・欧州天然ガス価格が急伸、一時24%高-ロシア産ガス供給が減少
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-16/RDKJLNT1UM0W01
ロシアが欧州向けの主要なガス輸送ルートで供給を絞り

まだ欧州はロシア産ガスの供給がなければやっていけませんってことね。
※欧州ガス価格

利上げしてもロシア産ガスに代わる供給源が確保できなければ
ガス価格は下がりませんよね。
むしろ、景気を壊すだけ、、、あ、景気を壊して需要減退を誘うしかないのか。

これでは株などのリスク資産が買えるはずがありませんね。

4・すず価格1年ぶり安値 半導体向けの需要減懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1562P0V10C22A6000000/

~米利上げに伴う世界景気への減退懸念から、半導体の接合に使う「はんだ」向けの需要が落ち込むとの見方が出ている。投資家が非鉄金属を含めたリスク資産から資金を引き揚げる動きが出るなか、流動性に乏しいすずの下落幅が大きくなった側面

錫先物チャートを確認すると~
え~コロナショック安値からの上昇トレンドの高値から
半値になっているじゃないの💦
半導体需要は旺盛なはずじゃなかったの?
赤のラインが今回のコロナショック以降のトレンドの50%押し水準

金利上昇、過剰流動性の終焉で流動性が低下しているせいかもしれませんが
本当に需要が旺盛ならここまで下がりませんね。
世界不況のシグナルなのかもしれません。

キウイ円85.52円S 継続ですが
キウイドル0.6341ドルS➡ 0.6265ドルで買い戻しました。
全般にこれまでのドル高がスイス利上げで巻き戻されて売られています。

※通貨インデックス一覧 ドル売りマイナス金利通貨高へ

のひろこのスペシャリストに聞く!は必見です。
日本の借金が膨らみすぎているため増税も仕方ない、、、
と思っている方、動画をみて。
日本の過去2年の税収は過去最高を更新しているんですよ。。
そして思い切った財政出動もしていません。つまり~・・

日本病「4低」
低所得、低物価、低金利、低成長

何故30年も続いているのか。
マクロ安定化政策が如何に大切か。

<日本経済、今こそ重要な財政政策>
『「日本病」克服の処方箋』
http://youtu.be/dop_LFGIKYk
第一生命経済研究所  首席エコノミスト 永濱利廣氏に伺いました。

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ

※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社