2022年7月15日金曜日

 1・7月FOMCの利上げ幅は?
2・ドル円139円、ユーロドルパリティ挟む攻防
3・イタリア債下落ドラギ政権崩壊の危機?
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1・7月FOMCの利上げ幅は?

昨日発表された米消費者物価指数CPI前年同月比+9.1%の衝撃は大きく
金融市場には7月FOMCでの1.0%利上げの可能性を
急速に織り込む動きが見られました。
今日は1%利上げの確率はやや低下ています。

FedWatchツールを見ると7月27日FOMCにおける
1.0%の利上げの確率は63.1%(CPI発表直後の昨日は80.3%)



※FedWatch=シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが
 FF金利先物の動向に基づき算出するFF金利が変更される可能性を
確率で表した数値。70%超えると利上げの可能性が高い。

というのも、セントルイス連銀のブラード総裁
ウォラーFRB理事が7月0.75%利上げを支持。

◆連続0.75%利上げを支持 米連銀総裁、1%上げは否定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1401O0U2A710C2000000/

ブラード総裁はタカ派で知られていますが1%を否定。

◆ウォーラーFRB理事の7月は0.75%、今後データー次第では1%もありと
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-waller-idJPKBN2OP1HE?feedType=RSS&feedName=businessNews&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

これでドル高がやや落ち着いています。
ドル円はその前に139.24円まで上昇していましたし
ユーロドルは0.999ドルまで下落していました。
かといって、ドル高の大局の流れが変わるということはないでしょう。

ということで
ユーロドル1.0439ドルS
キウイドル0.6226ドルS 継続。
ユーロドル1.0040ドル追随売り。
キウイドルを0.6117ドル追随売り。
ポンドドルを1.1820ドルで新規売り参戦。

ユーロドルはもうちょっと戻る可能性もあるので軽めに追加。
パリティ割れでも下方向に走らないのが気になりますね。
どうも抵抗して下げさせたくない向きのポジションがしつこいです。。。

※ドル円139円台 月足 やっぱ140円超えるのか・・・
※ユーロドルパリティ攻防 ユーロドル5分足 ピンクラインがパリティ

3・イタリア債下落、ドラギ政権に崩壊の危機-連立の足並みに乱れ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-14/RF04IZT1UM0W01

イタリア長期債利回り、めっちゃ上がってるのよね。
ドイツやフランスの金利との格差が大きくなっています。
ようするにイタリア国債は売り圧力が強い、
ECBは6月下旬に臨時会合を開催し、国債利回りの格差拡大による
ユーロ圏市場の分断を防ぐ措置を検討すると表明しています。

ECBの利回り格差抑制策、詳細公表の是非を議論=関係筋
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-bonds-announce-idJPKBN2OA0A7
・利回り格差抑制策は7月21日に約10年ぶりとなる利上げと併せて発表される予定
・金融市場の分断に対するECBの決意を示せるか?

➡ところがドイツが慎重な姿勢を示している

独連銀総裁、ECB利回り格差対策に警告 「物価対応に焦点を」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb419c7e125c3cb0fdda417cca6522bbd5b73134

金利上昇を抑え込むためにイタリア債の購入を増やす、ということになると
これは緩和の強化ということですから、インフレ抑制とは逆の政策。
ドイツはインフレ抑制に専念しろ、と言っているわけです。

このように南欧と北欧の経済が異なるため同じ金融政策では
うまくまとまらない、という構図は欧州債務危機時を思い起こさせますね。
債務危機で下げ止まらないユーロは当時のECB総裁であったドラギ総裁の
「Believe Me」なんでもやる発言で下げ止まって反発するのですが
そのドラギ総裁は今イタリア首相。
イタリア崩壊の危機をドラギさんはどのように救えるか、、、って
もう金融政策を司っているのはドラギさんではないですね。

というわけで、やはりユーロは買えない通貨。

NOTE
中国が豪州産石炭禁輸の打ち切り検討、ロシアからの供給懸念-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-14/RF01QPT1UM0W01
禁輸措置は約2年前に始まったが中国当局は昨年のような電力供給混乱の再発を回避したい

➡これは豪ドル上昇要因ですが、いつ実際に効いてくるか。

海外投資家が3週連続で中長期債買い越し、YCC修正観測が沈静化か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-14/REZTYZT1UM0W01?srnd=cojp-v2
YCC修正観測から6月の日銀前の12日~18日に
過去最大の4兆8112億円を売り越したが・・・
7月会合で日銀が動くとの見方はかなり後退している

➡ヘッジファンド、もう諦めたの?

原発、冬に最大9基稼働 消費電力の1割
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA133Z30T10C22A7000000/

おお、岸田首相、腹を決めたか。
ただ、そもそも原発は全25基あるうち10基が再稼働していたのですが
定期検診やテロ対策のための安全策を講じるための措置で
5基が再び稼働を停止しており、現在稼働しているのが5基しかありません。

それを9基まで稼働箇所を上げるよう指示した、という話で
追加で新たに9基動かせと政治指導したということとは異なります。

ただ、関西電力や四国電力、九州電力では
冬に原発9基を動かす体制をめざしていたものの、
首相が明言することで実現の可能性が高まった、ということのようで
やはり反対の声が大きくなかなか進まない側面も大きい実情が透けて見えます。

その意味では岸田首相がこれを会見で明言したことの意味は大きいのでしょう。
節電ポイントとかなんとか言っているよりはずいぶん頼もしく映りました。

そうそう、こうしてエネルギー自給率が高まれば
ドル円相場の円安圧力も和らぎます。

今日はまだこの件でドル円が下落する、ということはないようですが・・・
(瞬間ちょっと反応したかな)
今週の【ひろこのウィークリーゴールド】は
貴金属スペシャリスト  池水雄一氏

利上げはゴールドにとって逆風?
過去の値動きを検証すると、、、

リセッション時の米株とゴールド、
どちらのパフォーマンスが優れている?

<景気後退期のゴールド、今回はどうなる?>
『ゴールドとリセッション』
https://youtu.be/7S1lDuPjK0s
◎景気後退時のゴールドの価値
◎2022年は輝く年になるのか?


【ひろこのスペシャリストに聞く!】
EUのガス指標オランダTTF価格と
米国ガス指標ヘンリーハブ価格は全く違う動きをしています。

欧州ガス価格が高いからといって原油が上がるワケではない?
ここからの原油価格を読むヒント満載です。

<EU、ロシアからのガスが止まる?>
『原油はもう、下がらないのか』
https://youtu.be/KebyaHeAKAI
エネルギーアナリスト ポスト石油戦略研究所代表大場紀章氏

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