2022年7月7日木曜日

 1・欧州ガス価格再び急騰、ロシアからのガス供給懸念
2・英ジョンソン首相への辞任要求、信任投票来週実施の可能性
3・米株は7月~8月上昇アノマリーが
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1・欧州ガス価格再び急騰、ロシアからのガス供給懸念

米国ヘンリーハブの天然ガス価格はご覧のように下落しているのですが

欧州のガス価格指標のオランダTTF天然ガス価格は急伸しています。
TTF再急騰は6月半ばから始まっていますが何があったか。

ロシアのガス会社がドイツ向け天然ガス供給を6割削減と発表(6/16)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220616/k10013674071000.html
ロシア最大の政府系ガス会社ガスプロムは、
ドイツ向けの主要なガスパイプライン「ノルドストリーム」を経由する
天然ガスの供給量を減らすと2日連続で発表。

現在、ロシアから欧州への天然ガス供給は6割減の状態なんです。
そりゃ価格が上がらないわけがありません。

こんな状況にあるというのに
ノルドストリーム1は、今月11日から定期検査で運転を停止する予定なのです。
定期修理、検査は例年行われるものですのですが、
市場では検査が終了する21日に供給が速やかに回復するか警戒する声が
上がっている、というのです。

定期修理でロシアからのガス供給が止まるのですが
ロシアはそのまま供給を再開しないのではないか、という懸念が強まっている模様。

日本もロシアからのガス供給停止リスクにさらされていますね、

サハリン2の資産をロシア企業に無償譲渡させる大統領令
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0701_2

ロシアならやりかねない、ということで欧州売りが広がった、
というのが足元のユーロ下落の背景にあるようです。

こんな中、産油国ノルウェーでは石油ガス労働者のストライキ騒動が、、、

ノルウェー石油ガス労働者がスト突入、生産減少へ
https://jp.reuters.com/article/norway-oil-strike-idJPKBN2OF1HP

政府介入で終結したようですが⬇

石油・ガス関連労働者のスト、政府の強制仲裁で終結へ
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/07/cc0941c40347ffba.html

すでにロシアからのガス供給が6割減となる中ストライキとは。
これもここ数日のユーロ売りを加速させた一因だったようです。

ノルウェーのストの件はひとまずリスクから外れたものの
ノルドストリーム定修後にロシアからのガス供給が再開されないリスクが
警戒されており、ユーロはとても買えない通貨となっています。

2・英ジョンソン首相への辞任要求、信任投票来週実施の可能性

英保守党、首相信任投票の再実施を協議へ-首相は辞任要求に屈さず
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-06/RELER9DWX2PS01?srnd=cojp-v2
・財務相と保健相に続き10人が要職を辞任、首相周辺は追い落とし警戒
・保守党議員委員会は午後会合、規約変更なら信任投票は来週実施も

スナク財務相とジャビド保健相が辞任したのが昨日5日。
その後閣僚が10人も辞めてるんですって?!
何が起きているんですか、英国(+_+)

しかも、与党は本気でジョンソン首相を降ろすつもりらしい。

首相に対する信任投票を再び行えるよう党の規約を変更するかどうかについて、
党内の委員会が6日午後に会合を開き、過半数がこれを支持する場合、
来週にも信任投票が実施される可能性が出てきました。

お、今新しいニュースが。

英首相の信任投票、今週は行われず 保守党議員委の幹部選挙待ち
https://jp.reuters.com/article/britain-politics-johnson-1922-idJPL6N2YN0BL
委員会の新たな幹部を決める選挙を11日に実施することを決定、
これが終わってからということで
信任投票は少なくとも来週まで実施されない見通し。

英国では6月6日にジョンソン首相に対する信任投票を実施しており
ジョンソン首相は59%の信任を獲得し、続投が確定しています。
党の規約で、ジョンソン首相に対する信任投票は向こう12カ月間は実施できない
のですが、この規約を変えて信任投票をやる!という動きが出ているのです。

このゴタゴタが足元のポンド売りの背景にあるようですが、
エコノミストらはジョンソン氏の退陣はポンド上昇要因と見ているようです。
今ポンドショートポジション持っていますが
事によっては(信任投票実施の決定、そして投票後ジョンソン氏辞職)
瞬間ポンドが吹き上がるリスクも出てきました。

その後はまた下がると思うんですけど
(後任が誰なのか?インフレ、景気減速は首相が変わったくらいで
 解決できる問題ではありませんね)
BOE英中銀はインフレ抑制に躍起になっていますが
どれだけ利上げしてもポンドは買われません。

英中銀はインフレに対して「強力に」行動する用意-カンリフ副総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-06/REL86TDWLU6901?srnd=cojp-v2
・より大幅な利上げを検討する可能性を

今日はロンドンの松崎美子松崎美子氏 @LondonFX_N20
さんにお話を伺い
本当に欧州のエネルギー危機は深刻だということと
英国民がジョンソン首相を支持していないことがよくわかりました・・・・。

ポジション全て継続ですが
ポンドショートは急反騰リスクに備え
コスト割れしないように逆指値をしっかり確認しておくことが重要。
ポンド円164.99円S
ユーロ円142.22円S
ユーロドル1.0439ドルS 
キウイドル0.6226ドルS 

3・米株式市場の果てしない動揺、押し下げ続く底値のめど
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-06/REKH9ZDWLU6C01
S&P500種は3300に下落へ-ドイツ銀行の投資家調査
弱気相場の底入れと確信を持って主張するのは難しい-ストラテガス

米国株に底入れの予感、空売りペース和らぐ
https://jp.wsj.com/articles/short-sellers-pull-back-on-their-bets-against-the-stock-market-11657068604
米国の空売り総額は6月に200億ドル増と、伸びは前月の610億ドルから減少

米株の今後の見方は分かれているようですが
7月って米株が強いアノマリーが。

アノマリーアナリスト 川崎ドルえもん氏@kawasakidoruemo
によると7月のNYダウは過去20年で15勝5敗。
ナスダック総合、S&P500 は14勝6敗です。
決算発表が好感されて買われる時期ということでしょうか。

NOTE
焦点:政府予算の繰越22兆円、「不用」も過去最大 規模ありきに拍車
https://jp.reuters.com/article/japan-budget-idJPKBN2OG08H
・21年度決算で、本予算や補正予算で計上した22.4兆円を次年度に繰り越す方針
・使いきれずに「不用」とする予算も6.3兆円と過去最大
・歳入の柱となる税収が67.0兆円、所得、法人、消費の「基幹3税」が
 20年度比でそろって増収となり、前年度に続いて過去最高を更新
・国債は21年度発行65.6兆円のうち8兆円を発行未済として処理。
 ~過去に例がない規模の減額処理

税収は過去最高、予算は使い切れず繰越とは一体。。。
コロナ禍の2年間、民から官へとマネーを過去最大に吸い上げておいて
予算未執行で余らせるとは、あまりにケチケチし過ぎです。
これでは需給ギャップは埋まりません。
記事中にも
「20兆円規模のGDPギャップの不足が残る現状に対処するため、
与党議員からは「真水50兆円」の追加を求める声が出ている。」とあります。

物価上昇で消費マインドが冷え込む懸念も強まっており
景気刺激策を講じるべきタイミングに来ていると思うのでうが
選挙後、岸田政権はどのような舵取りをするつもりでしょうか。

今週のひろこのウィークリーゴールドは
マーケットエッジ代表  小菅努さん。

<金価格は夏に上昇し易いアノマリー>
『G7 ロシア産ゴールドの禁輸で、どうなる金市場?』
https://youtu.be/oUHeqqfnUUA
G7でロシア産金の禁輸が決定
ロシアは世界第3位の金生産国。さて金市場に及ぼす影響は・・・?

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