2022年7月27日水曜日

 欧州時間に入ってユーロ売り再開。
きっかけは「ガス」
金融政策云々よりエネルギー供給不安がユーロを動かしています。

1・EU、8月からガス使用量15%削減で合意
2・世界の金利一段安、米金利低下でもドル高?
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1・EU、ガス使用量15%削減合意 ロシア供給減に危機感
https://www.tokyo-np.co.jp/article/191967
8月1日から来年3月末までの間のガス使用量を自主的に15%削減することで合意

ロシア産ガスの供給が数カ月にわたって減少し、価格が高騰していますが
各国のガス需要は合計でわずか5%しか削減されていないとして
一段の削減が緊急的に必要ということのようっです。

節約しないと底をつく、という逼迫した状況。
エネルギー使用量を減らせということは、経済活動の縮小を意味します。
つまり景気が上がるわけがない。

世界の金利が低下傾向にありますが、
特にEU圏金利の急低下が目立ちますね。

※主要国長期債利回り一覧



となればユーロが買われるわけがない。
ユーロドル、ユーロ円ショート継続しています。

再度パリティ割れてくる日もそう遠くないのでは…?

※ドルストレート通貨日足チャート

2・米金利にも低下圧力、米指標悪化にIMFの世界成長率下方修正

今夜でてきた米経済指標も予想を下回っています。

■消費者信頼感指数(7月) 95.7( 予想 96.9 前回 98.4←98.7)
            ~低下は3カ月連続
          
■新築住宅販売件数(6月)59.0万件~前月比8.1%減
          (予想 65.9万件 前回 64.2万件←69.6万件)

~20年4月以来の低水準。
~住宅価格とローン金利の上昇を受けた需要減退が改めて確認されました。

・住宅中間価格 40.24万ドル(前回44.45万ドル) 
・住宅平均価格 45.68万ドル(前回51.40万ドル)

■S&Pケースシラー住宅価格(全米)+19.7%(前回 20.6%)
                                   (20都市)+20.5%(前回 21.22%)
住宅価格も失速。

金利上昇が効いています。
需要が冷えて、インフレ抑制にジワリ効果が出ているということですが
明日のFOMCでの政策金利引き上げを前に市場金利はずいぶん低下してきました。
年内の利上げ想定が3.5%前後ですが、
長期債利回りは先んじて6月FOMC時点で3・4%台まで上昇しており、
それがピークとなって下げてしまっています。現在2.7%台。
来年の利下げを織り込んでいるということでしょうけど、、、

※米国債利回り一覧

金利のピークアウトとともに「ドル高」もピークアウトしたか?
それがまだわかりません。今日はユーロが独自に弱いことで
米金利低下でも ドル高になってしまっています。

※通貨インデックス一覧、左上がドルインデックス

リスクオフのドル買いという側面もあるでしょうか。
金利低下は債券買いが強いということで、株から債券へ?!
今夜は米株が弱いですね。

今日はアルファベット、マイクロソフト、ゼネラルモーターズ、マクドナルド、
スリーエム、コカコーラなどの企業の決算発表があります。
アルファベット(Google)とMicrosoftは引け後に発表されますが
リスクを取りたくない投資家がポジションを手仕舞っているのかもしれません。

今週はGAFA企業の決算が相次ぎますが
決算で大きく動くリスクがありますものね、

昨日25日月曜にはウォルマートの決算をうけてウォルマート株が急落しています。

ウォルマート株急落、在庫積み上がりや消費傾向の変化が重し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-25/RFLHCYT1UM0Y01
2023年1月通期の調整後1株利益が最大13%減少する見込みだと明らかにした

それと、IMFが最新の世界経済見通しを発表。

IMF
世界成長率予測を下方修正、リセッションの瀬戸際近いと警告
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-26/RFLRH4T0G1KW01
リセッションのリスクは2023年に特に顕著
今年の世界GDP成長率予測を3.2%に下方修正(4月予測3.6% 1月時点4.4%)
今年の世界のインフレ率予測を8.3%に上方修正(4月予測7.4%)

日銀は緩和を継続し続けて良かった、ということになりそうね。

IMFゲオルギエバ専務理事もこのように発言しています。

原油高などでインフレ率が2%台に乗った日本は「世界経済の減速を踏まえればインフレ率は再び2%未満になる」と予測した。持続的に2%のインフレ目標を達成できる状況にないことから「日銀の金融緩和が正しい選択であることに変わりはない」

不確実性が高まっている中において
ドルは一定のレパトリ需要があるでしょうから、
金利が低下しても意外とドル円は大きく崩れないかもしれません。

消去法的にはやはりユーロを売っておくのがいいんじゃないかな。

今週の【ひろこのウィークリーゴールド】
Seahawk代表 成田博之氏にGOLD市場のポジション需給を解説いただきました。

<ファンド筋のポジション変化に注目>
『ゴールドはインフレ預言者?』
https://youtu.be/qgBwjAbP52k
◎COTレポート分析
◎ TIPとNY金先物の急落
◎ NY金先物とユーロのスプレッド

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