2022年8月10日水曜日

 ドル円、明日10日発表の米7月CPIまでは膠着か。
9日のドル円の1日の値幅はわずか70銭あまりと小動き。

1・7月のドル円下落、円高の背景には・・・
2・株式市場は再び調整色を強めるか~半導体不況入り?
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1・7月のドル円下落、円高の背景には・・・

単純に考えれば、22年前半のドル円上昇が米金利上昇による
日米金利差拡大によってもたらされたとするなら
6月にトップアウトし低下し続ける米金利がドル円下落の背景ですが、
膨らむ貿易収支(赤字拡大)など実需玉がもたらす影響も重要。
実需による為替市場へのインパクトは輸出入業者による貿易だけではなく
機関投資家による外モノ(海外資産)投資や企業の設備投資、資金調達なども。

◆生保外債売り、7月は過去最大に 米金利上昇で損切りか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB086JR0Y2A800C2000000/

日本の生命保険会社の資産運用、外債投資も巨額ですけど
7月に過去最高の外債売りが確認されました。
中長期債を1兆5622億円売り越し。
売越額は単月として過去最大で、1兆円を超えるのも初めてだとか。

単純に考えるとドル売り円転(円買い)のレパトリがあった可能性がありますが
国内機関投資家の外債投資って為替リスクを避けるために
為替ヘッジ(ドル売り円買い)をつけているケースが多く、
これが同時に解消されていると仮定するなら為替市場への影響はないということに。

7月は139円から130円までドル円の調整(円高ドル安)が起きた月でもあり
その中に彼らの外債損切りの動きもあったことは事実でしょうけれど
どの程度円高に寄与する動きだったかはよくわかりません。

あるいはソフトバンクの資金調達が7月円高の裏にあったとの指摘も。

◆アリババ株、大量売却か ソフトバンクG、3兆円調達 英紙
https://news.yahoo.co.jp/articles/51660d3f2c00a8084c429ae2dcb5a29cfce556e8
アリババ集団の保有株を今後数年間で大量に手放す可能性のある取引を通じ、
220億ドル(約3兆円)の資金を調達したと英FT紙

この3兆円の資金調達の全てが実際為替市場に影響が及ぶ形で行われたかどうか
私にはわかりませんが、もしそうなら数円を動かすインパクトはあったでしょう。
ただし、これが影響しているなら円高圧力は一時的なもので終わった可能性もあるか。

貿易収支という観点から見ると6月までのコモディティ高は一服しており
(原油、穀物、素材価格は軒並み下落している)
ドル需要もピークアウトしていると考えられますが、
結局、米金利が再び勢いよく上昇してしまえばドル高回帰となりそう。
その意味では明日の米7月CPI発表は重要ですね。

※米長期債利回り

◆10日発表の7月の消費者物価指数(CPI)予想

前月比 予想 0.2%(前回 1.3%)
前年比 予想  8.7%(前回 9.1%)

コア・前月比 予想 0.5%(前回 0.7%)
コア・前年比 予想 6.1%(前回 5.9%)

ドル円ショートは明日CPI前に手仕舞うかも。

2・株式市場は再び調整色を強めるか~半導体不況入り?


今日の日経平均の下落250円のうち230円は
東京エレクトロンとSBGの2銘柄によるものでした。
ソフトバンクGはもはや投資会社ですが
その決算はブレが大きすぎて・・・・(゚゚;)

また東京エレクの減益決算を受けて、
アドバンテスト、SCRENなど半導体株の一角の下落が大きくなりました。

気がかりは半導体市場。
前日には米半導体銘柄エヌビディア株が決算を受け急落しています。

エヌビディア株急落、パソコン業界低迷が売り上げ直撃
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-08/RGASXPT0AFB401
・売上高は約67億ドルと、従来見通しの81億ドルを下回った。
・2年間の好況の後に電子部品の需要が急速に減退していることを示唆

5Gにメタバースに、と半導体需要は継続しているモノと思われますが
やはりこの市場にもサイクルがあります。

この記事が参考になります。
「コロナ特需」の終焉、それはシリコンサイクルの一現象だった
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71225

次に半導体銘柄が息を吹き返すまでは、ハイテクの一角であるナスダック総合なども
調整色を強めるリスクがあるんじゃないかな・・・と。
金利の再上昇も向かい風になりますしね。

※ナスダック総合指数 綺麗にレジスタンスに阻まれ反落中


※SOX指数も大きく下落しています。。。


というわけで日経平均も28000円のレンジ上限突破には
まだもう少し時間が必要でしょうか・・・・

NOTE

米株に楽観的になれない指標はボロボロ出てきています。

カード利用控える米消費者、家賃負担増し支出に下押し圧力-BofA
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-09/RGCQWXT0G1KW01
米1世帯当たりのクレジットカードとデビットカードの利用額が
7月に前年同月比5.3%増となり、6月の5.7%増から鈍化

米住宅在庫、過去最高ペースの伸び続く-ローン金利上昇で購入尻込み
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-09/RGCO39T0G1KW01
・販売中の物件数は7月に前年同月比31%増、3カ月連続の過去最高増加率
・売り手市場は終わり、買い手の交渉力増す可能性-不動産情報サイト

英国、冬に計画停電のリスク!!

英国、1月に企業・家庭の計画停電を検討-電力危機に備え緊急策
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-09/RGCS6ET0G1KX01

政府がまとめた最新の「妥当な限り最悪のシナリオ」

・平年を下回る気温やノルウェーやフランスからの電力輸入の減少により
  英国は1月に4日間の電力不足に陥り、緊急ガス節減策の発動を迫られる可能性
・石炭を使用する火力発電所を緊急稼働させても
  ピーク時の需要の約6分の1に相当する電力不足が生じる恐れ

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