2022年8月8日月曜日

 雇用統計はサプライズです🙀
予想を超える労働市場の強さ、
そしてインフレは長期化の気配・・・。

ということで、金利が急反騰。
ところが株式市場は底堅く推移、すぐには崩れそうにありません。

◆7月非農業部門雇用者数:+52.8万人
         (予想:+25.0万人、6月:+39.8万人←+37.2万人)
・7月平均時給:前年比⁺5.2%(予想:+4.9%、6月:+5.2%←+5.1%)
・7月失業率:3.5%(予想:3.6%、6月:3.6%)

~NFP6月分は+39.8万人と+37.2万人から上方修正:5月、6月の2カ月で2.8万件上方修正
~失業率は3.5%に低下し(4ヶ月連続で3.6%だった)パンデミック前20年2月水準に回帰。
~平均賃金、鈍化予想に反して6月と同水準維持。6月分5.1%から5.2%へ上方修正。
~労働参加率は62.1%と、予想外に62.2%から低下。失業率を下げた可能性

NFP



失業率
6月FOMCでパウエル議長は次回9月はデーター次第としていましたが
労働市場がこれだけ強いとなると引き締めを緩める理由はありませんね。
賃金上昇も続いていますのでインフレも全然抑制される気配がない。
手綱を緩めている場合ではない、ということで9月0.75%利上げ織り込み加速。

米FRB、0.75%追加利上げ検討すべき=ボウマン理事
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bowman-idJPKBN2PD027

というわけで、市場金利も急反騰。

※米10年債利回り 
まだ下落チャネルの中にありますが
金利上昇がトレンド化するかどうかに注目。
レジスタンス超えてきたら、ドル高もさらに加速するでしょうか。

その意味で、今週のCPI消費者物価指数発表は重要。
今回発表される7月CPI、予想は前年比+8.8%と6月(+9.1%)から
減速が見込まれています。
ガソリン販売価格がピークアウトしていますので多分落ちてくると
思うのですが、、、、予想より強ければ金利上昇は続きますし
予想を超えて低下すれば金利は再反落となるでしょう。

金利市場のボラティリティが高いので為替も大きく動きますね。

S&P500オプション(SPX)の価格をベースに計算される
ボラティリティ・インデックスであるVIX指数よりも
債券版恐怖指数とよばれるMOVE指数は高止まり。
債券市場の混乱が続いていることが窺えますね。

※VIX指数とMOVE指数
米金利上昇とともに欧州金利も上昇しているのですが
通貨市場ではドル独歩高ですね。
やはり基軸通貨国である米国の金融政策がテーマです。

※主要国10年債利回り一覧

※通貨インデックス一覧
しかし解せないのが株式市場です。
労働市場が強い=インフレが長期化しそう=FRBが再びタカ派色を強める
という観測が強まっているというのに…崩れません。

※米国主要株価インデックス一覧
一つの指摘として、6月からスタートしたQT、
FRBのバランスシート縮小のペースが計画の最大値に満たないことで
FRBが緩和的であるとの見方があります。

まいにちさんの自由研究🔍
@girl_on_wallst
 さんのツイートをお借りします。

①6月から開始したQT🇺🇸
②FOMC会見でパウエルは超適当な説明🎤
③FED のBS縮小は2ヶ月で404億ドル、0.45%だけ💦
④計画では月間減少額の上限は475億ドル
⑤よって進捗はたった42%で、米株には好材料‼️

更に8月は米国債の償還も多いので投資家は資金余剰となり金利低下しやすいです✨
https://mobile.twitter.com/girl_on_wallst/status/1555475882621280257

毎月最大で475億ドルのペースで減少させる計画で始まったQTですが
実際には最大値に満たない緩いペースでの縮小に留まっているんですね。

要するにマネーじゃぶじゃぶ状態にさほど変化がない。
これがなぜなのかはよくわかりませんが、
これほどインフレが問題になっているのならMAXで縮小させればいいのに。

株式市場が崩れなければ、インフレもなかなか低下しません。
逆に言うと、インフレの長期化が本格的な米国の景気後退をもたらすリスクに。

ただし、FRBが手緩いため株式市場は○○ショック、というような
急速な水準調整もなければ、将来の景気後退リスクを懸念して
最高値を更新するような強さも見せられないでしょう。
投資家にとってはやっかいな非常に難しいただのレンジ相場が長期化する気配。

ポジションですが
雇用統計サプライズで全てコストで消滅しています。

このままドル金利が上昇するのかどうかまだ確信が持てず
ドルロングにスイッチできていません。

というのも、インフレの長期化、イールドの逆転状態は
遠くない未来の景気後退リスクでもありますので
意外と金利が上がらない可能性も十分にあるんですよね。

今米金利で最も高いのが2年債ですよ。
10年、30年モノの金利より、2年金利のほうが高い。

※米国債利回り一覧
これでドル買いできるんだろうか?と疑問もあって。
雇用統計でカットされ、ノーポジで週超えです。

どちらかというと、ドル円、クロス円はもう一度売り直したいのですが
週明けの値動きを確認してからですね。

NOTE

◆純利益上方修正、1兆円に迫る 3月決算の50社超: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC043Z40U2A800C2000000
日本株には強気継続スタンスでいます。
米株が○○ショックというような急落に見舞われれば一緒に下がるリスクはありますが
今のようなそこそこしっかりしている値動きなら日本株優位ではないでしょうか。

◆バフェット氏の米バークシャー、最終赤字5兆円 4~6月
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN063QW0W2A800C2000000/
著名投資家バフェットのファンドも苦戦しています。
今年あまり上手くいっていなくても仕方ない、、、、。

◆岸田首相、来週の内閣改造を表明 旧統一教会との関係点検を指示
https://jp.reuters.com/article/japan-pm-cabinet-idJPKBN2PC01J
マーケットに直接影響が及ぶとは思っていませんが
元財務官僚で財政再建派とされる木原誠二官房副長官の処遇は気になりますね。

◆◆来週の主な予定◆◆
8日(月)
日本7月景気ウォッチャー調査(14:00)

9日(火)
日本7月マネーストック(8:50)
日本7月工作機械受注(15:00)
米中間選挙予備選
コネチカット州、ミネソタ州、バーモント州、ウィスコンシン州

10日(水)
日本7月企業物価指数(8:50)
中国7月生産者物価指数(10:30)
中国7月消費者物価指数(10:30)
米7月消費者物価指数(21:30)
ロシア消費者物価指数(7月)
シカゴ連銀総裁、講演
ミネアポリス連銀総裁、講演

11日(木)
山の日祝日のため東京市場は休場
米7月生産者物価指数(21:30)
サンフランシスコ連銀総裁、講演
OPEC月報

12日(金)オプションSQ
英国GDP速報値(第2四半期)
ロシアGDP(第2四半期)
米8月ミシガン大学消費者信頼感指数(23:00)

13日(土)
米中間選挙予備選(ハワイ州)

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