2022年8月2日火曜日

 ドル円相場は131円台まで下落。
7月14日に139円台がありましたが8円近い下落です。

ドル金利低下で説明できないこともないですが
台湾有事リスクが円高の背景にあるとの指摘も出てきています。

1・ペロシ議長の訪台、中国が軍事行動示唆
2・米ISM製造業景況指数、新規受注:在庫指数悪化
3・今週BOE(英国金融政策会合MPC開催)
===================================

1・ペロシ議長の訪台、中国が軍事行動示唆

ペロシ米下院議長、2日夜に台湾入りし3日に議員と会合
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-01/RFXTJIDWX2PS01

中国大陸と台湾は不可分の中華民族の統一国家「中国」でなければならない
とする「一つの中国」を主張する中国にとっては、米下院議長が
中国を差し置いて台湾へ米国下院議長が訪問することを断じて許せません。

米国下院議長という立場は大統領に何かあった場合の継承順位2位。
(1.副大統領 2・下院議長)米国政府のナンバー3、その意味は大きいのです。

中国はこれに反発し軍事行動も辞さぬと表明。

中国外務省「ペロシ議長が台湾訪問すれば強力な対抗措置」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220801/k10013746791000.html
中国外務省
「軍も決して黙って見ていない」

すでに人民解放軍が台湾周辺や東・南シナ海、黄海など
中国の周辺海域で複数の軍事演習を実施し牽制しています。
本日4機の中国戦闘機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入しています。

元陸軍将校で中国国営メディアのコメンテーター胡锡进氏が、
「forcibly dispel Pelosi's plane(ペロシの飛行機を撃ち落とす?)」と警告。

中国軍、台湾周辺や東・南シナ海で複数の軍事演習…米下院議長の訪台を事前にけん制か
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220731-OYT1T50101/

この中国の脅しに屈してペロシ下院議長が台湾訪問を取りやめれば
米国は世界的な信用を失いかねません。
21年8月、米軍アフガニスタン撤退によるカブール陥落は
米外交史上最大の汚点とまで批判されていますので、
米国はここで逃げるわけには行かないでしょう、、、たぶん。

ということで、ペロシ議長の台湾訪問が実現した際に
中国がどんな対抗措置に出るか、、、緊張が高まっているのです。

ではこれでリスクオフなのか?というと
VIX指数は全然動いていませんし、
今日の日本株市場も堅調、今夜の米国株市場もしっかり。
リスクオフ全開という相場ではありません。
※ VIX

※米株市場 1:20時点
ただただ、不気味に世界の債券市場に資金が戻る展開が続き
金利低下が止まらないのは気がかりですが。。。

※主要国長期債利回り一覧
この金利低下は、景気後退懸念から来年の利下げを織り込む動きに過ぎないのか。
それとも資金が債券市場に逃げ込んでいるのか・・・?

というわけで、金利差縮小からドル円、クロス円相場の下落が続きます。

円高でも日本株高、決して悪い相場じゃないですが
米国と中国の緊張の高まりを侮ってはいないかと心配です💦

※ただし、コモディティ市況は再下落の様相。
原油は8月3日のOPEC総会前にポジション整理?
それともサウジ増産の線濃厚なんでしょうか・・・?

2・米ISM製造業景況指数、新規受注:在庫指数悪化

ISM製造業景気指数(7月)
景気指数 52.8(53.0)
新規受注 48.0(49.2)
生産   53.5(54.9)
雇用   49.9(47.3)
入荷遅延 55.2(57.3)
在庫   57.3(56.0)1984年以来の最高水準に積み上がる

仕入価格 60.0(78.5)20年8月以来の低水準
輸出   52.6(50.7)

ISMは
「サプライチェーンにおける過剰在庫への不安が高まる中、
新規受注が2カ月連続で低下しており、景気軟化に対する懸念を表している」
としています。

今夜の金利低下はこの影響もあるのかな。
まだ景気判断の分水嶺50を下回ってはいませんが。

3・今週BOE(英国金融政策会合MPC開催)

今週にはいって木曜BOE開催のMPC会合で
英国の利上げが従来コンセンサスの0.25%ではなく
0.5%の利上げがあるのではないか、との見方が強まっています。

英中銀、27年ぶり大幅利上げへ-保有資産も売却し緩和から転換
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-01/RFX7ASDWLU6801
・27年ぶりの大幅利上げを実施か
~0.5%利上げ(1.75%に)確率70%織り込む動き
・過去10年間に提供した8950億ポンド(約145兆円)のQT発表
 ~保有債券の満期償還金の再投資を2月に停止している
・ポンドは今年ドルに対し10%下落

今回はバランスシート縮小開始の具体策も出てくるとみられ
利上げと資産売却は過去10年の金融緩和からの大きな転換となることから
足元、ポンドが買い戻されているという相場になっているようですね。
ポンドドルが大きく上昇していることに全般連れ高なのか?
明日はRBAが豪州の金融政策発表もありますが、豪ドルも強いですね。
ユーロまで上昇しているのは、単にドル安ってだけのことかもしれませんが、、、

カナダが弱いのは今夜原油が安いせいもあるでしょう。
カナダは売り狙いでしたが、OPEC総会前に下げだしちゃった・・・
まだ手を出せずにいます。

ポジションは
ユーロ円138・82円S 継続
豪ドル円95.18円S 継続
ドル円を132.48で軽めに売り参戦。

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ




※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社