2022年8月31日水曜日

1・米株続落、パウエルショックの余波続く
2・原油、鉄鉱石などコモディティ軟調、資源通貨下落
3・金利急上昇でも上がらぬポンド
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1・米株続落、パウエルショックの余波続く


※米主要株価インデックス

今日30日火曜、日本株市場は反発していましたが米株はまだ弱気継続。

9月の利上げ幅というより(0.5%か0.75%か、すでに織り込まれている)
9月からQT(バランスシート縮小)が加速するすることへの警戒も強そう。

FRBのQTが9月に「本格化」、9兆ドルのバランスシート圧縮加速
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-29/RHE7QEDWRGG001

米国債 300億ドル ➡ 600億ドル
住宅ローン担保証券(MBS)175億ドル ➡ 350億ドル 

600億ドル+350億ドル= 950億ドルへ 倍増

ただし米財務省の国債発行も減るため需給がバランスするため
金利への影響は大きく無いとしてきする向きも。
何がおきるかは始まってみないとわかりません。

FRBの量的引き締め加速、市場の流動性とリスク資産に脅威-チア氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-29/RHDPOWDWX2PS01?srnd=cojp-v2
リスク資産には未知の事態が待ち構えている~

今週は8月最終週ということもあり
足元の株下落にはリバランス玉などの影響もあるかと思います。
9月に入った途端、ガラリとムードが変わる可能性もあると思ったり。。。

気がかりなのは3ヶ月金利の上昇が止まらないこと。

※米国債利回り一覧
2・原油、鉄鉱石などコモディティ軟調、資源通貨下落

※WTI原油 このところ下値を切り上げていたが、、、今夜急落
その背景にはこんなニュースが。
イラク首相府で衝突、少なくとも15人死亡 有力指導者の引退発表で
https://www.bbc.com/japanese/62719984

イラクの政治空白が続いていますが、サドル氏、引退表明?
ますます混迷を極めるのでは、、、と不安ですが
今回の混乱で原油生産、輸出には影響がないことがわかったということで
今夜は原油価格が下落している模様。

イラクは昨年10月の議会選でイスラム教シーア派指導者ムクタダ・サドル師派が
最大勢力となりましたが、イスラム教スンニ派やクルド系などとの
協議が行き詰まリ、政治空白が続いています。
7月にはサドル師を指示する群衆が国会議事堂を占拠する事態に発展、
衝突が続いていましたが、とうとうサドル氏が引退を発表。

イラクはOPEC原油生産量2位(産油量日量450万バレル)
その存在と影響は甚大なのです。

Oil Slumps in Low-Volume Trading After Iraq Calms Supply Nerves
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-08-29/oil-holds-gain-as-investors-assess-supply-possible-opec-cut

イラクの国営販売会社が、
バグダッドでの激しい衝突による輸出への影響はないと発表。
イラクの国営石油販売会社SOMOのアラ・アルヤシリ事務局長
「イラクはすべての目的地への輸出を増やす能力があり、
石油の増産要請を拒否することはない」

ホッと一安心ではありますが、上記記事にはこのような指摘が。

「原油先物市場の流動性は6年ぶりの低水準に低下し続け
平均を下回る取引量となり値動きが大きくなっているため原油急落」

とあります。

原油市場はこのところ1日の値動きが5~10%近くもになることも多く
非常にボラティリティが大きいのですが
この背景には流動性の低下があるでしょう。

これは株式市場には効いてこなかったとされるQTの影響が
商品先物市場には大きな効果をもたらしているということかもしれません。

サウジのエネルギー相はこの事態に不満を表明しています。

エネルギー相が原油市場の動向に不満を表明
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/08/4768918fc4a4202b.html
~原油先物市場は、非常にわずかな流動性と著しい不安定さという
尽きることのない悪循環に陥り、効率的な値決めに不可欠な
市場の機能を損なうとともに、市場参加者のヘッジ費用と
リスク管理費用を法外なものにした。

こうした先物価格への不満は、減産と言う形で埋めようとする可能性が。。。

さて、イラクの混乱でイラク原油生産、輸出には影響がなさそう、
ということで原油価格、今夜は下落していますが
まだ原油市場を大きく動かしかねない火種はいくつもあります。

今夜0:59のIran International EnglishのTweet
https://twitter.com/IranIntl_En/status/1564644065588793346
「イランと米国は核合意再建の合意に達しており、
今後2、3週間以内に発表されるだろう」とIAEAの元職員。

となると、制裁されていたイラン産原油が市場回帰するとの思惑で
原油が下がるか、、、と考えがちですが
OPECはプラス諸国は減産の可能性に言及していますので
原油が崩れるとも考えにくい・・・。

インフレの指標ともなりますので原油価格動向は重要なのですが
趨勢としては世界の景気後退、中国の需要減などで価格の下落基調が続いています。
そろそろ産油国は増産から減産へシフトしてくるかもしれません。
次回OPECプラス会合は9月5日

そして、気がかりは鉄鉱石や銅などのコモディティ。

※鉄鉱石

※銅

その影響もあってか、今夜は資源通貨が弱い。

※通貨インデックス一覧

3・金利急上昇でも上がらぬポンド


英10年債利回り、月間上昇幅が1986年9月以来の大きさに
https://jp.reuters.com/article/idJPL6N3060CU?il=0

しかしポンドはあがりません。

必ずしも通貨は金利に相関するということでもありませんが
このところの金利とポンドの乖離はひどい。
どうにもインフレを止められないということを表しています。
※ポンドドルと英国10年債利回り
ドル円 136.05円L
NZドル0.6375ドルS  ポジション継続

ユーロは月末リバランスの影響もありやや強い展開。
オランダTTF(欧州ガス価格)がトップアウトしていることも
ユーロ買い戻しの材料となっているようです。

ユーロを売り直す機会待ちですがポンドも売るべきか?_

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