2022年8月15日月曜日

 1・米株市場、ブル相場転換?!
2・円売りは止まったか?今週は日本のCPIと貿易収支も
3・NZ金融政策会合
4・原油需給見通し
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 1・米株市場、ブル相場転換?!
S&P500は6月中旬の安値から17.7 %上昇。
ナスダック総合指数は安値から20%戻りを入れています。

世紀の空売りで著名となった投資家マイケル・バーリ氏は
2000年以降、ナスダックは02年の安値まで78%下げる間に
20%の戻りを7回試したと言及していますが、
20%も安値からラリーすれば強気相場入りだと見方を変える向きも出てきます。

「世紀の空売り」バーリ氏、米国の消費中毒は「冬到来」の前兆と指摘
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-12/RGICY7T1UM0W01?srnd=cojp-v2

S&P500は1月最高値から6月安値までの下げ幅の半値戻しを達成。
半値戻しは全戻し、という相場格言がありますが
果たして米国株は強気相場入りしたというのか?

少なくても足元では「戻り売り」から「押し目買い」に
戦略を変更する投資家も出てくるだろうということはわかります。

ショートカバーの勢いだけでここまで上がってしまっただけの
ような気がしますが、それであれば
ここまでの上昇に乗れていない投資家がほとんど。
相場は総強気となったことに天井をつけますが
今はまだ皆が買っているわけではないため
ここから新規買いがなだれ込んでくればまだ上がりそうな気もしますね。

弱気筋が踏み上げられて傷んでいるところですが
再度売り直す元気があるのかどうか、、、、。

まずは200SMAが抵抗となるとみられ、
早晩このラインのタッチしそうですので、そこでの攻防で反落するか
上昇加速するか、素直にその方向に従うまで、と考えていますが
利上げとQTを実施している中ですので
最高値を更新してさらなる上昇トレンドを形成するサイクルにはありません。

※ナスダック総合指数
※S&P500指数

ただし、マーケットはインフレのピークアウトを材料に
金利が抑制的となっていることを好感しています。

ここからは最高値と6月安値の間でのレンジ相場を形成するのでは?
つまり最も面白くなくて、難しい値動きがやってきます。多分。

その後、再度大きな下落が来ると思うのですが、
それは再度FRBがタカ派シフトせざるを得ない状況となる時でしょう。
~インフレはピークアウトしたものの
なかなかターゲットの2%まで下がらず
FRBがもっと踏み込んだ利上げを実施しなくてはいけない、
というような見方が台頭するころ~でしょうか。

今後もCPIの数字が重要だということよね。

先週のCPIに続いてPPIもインフレのピークアウトを期待させる内容でした。
これが足元の株上昇の背景にあります。

◆米7月企業卸売物価 前月比▼0.5%(20年4月以来初めてマイナスへ)
          (6月 +1.0%)
          前年同月比+9.8%(6月+11.3%)鈍化
          
 ~エネルギー製品の価格低下を背景に前月比は予想に反して低下、
  基調的なインフレは鈍化傾向。
 

 
ちなみに先週発表されたCPI消費者物価指数もピークアウトか。
         
◆米ミシガン大学8月の消費者信頼感指数(速報値)も株楽観を支援。
   結果55.1(7月51.1 予想52.5)

今週は16日(火)米住宅着工件数、17日(水)小売売上高、
18日(木)米フィラデルフィア連銀製造業景気指数などに注目。

ドル円という意味では日本の経済指標も重要です。

2・円売りは止まったか?今週は日本のCPIと貿易収支も


今週はドル円を占う日本の経済指標にも注目。
15日(月)4-6月期国内総生産(GDP)速報値 ★予想+0.7%(前回▼0.1%)

17日(水)7月貿易収支  ★予想▼1兆3963億(前回▼1兆3838億円)

19日(金)7月消費者物価指数 ★予想+2.6%(前回+2.4%)
            コア★予想+2.4%(前回+2.2%)
          コアコア★予想+1.1%(前回+1.0%)

貿易収支の赤字幅が予想を超えて大きくなれば円安バイアスが強まりますが
予想より小さければそれほど反応は大きくないかと思います。

CPIが予想より大きく上昇していれば円高バイアスが強まるか。
しかし市場がどれだけ日銀の早期政策修正を誘っても
黒田総裁は腰を据えて大規模緩和継続スタンスを示しているため
どんな数字が出ても反応薄、という可能性もありますね。

ドル円ショートポジション継続しています。
コスト135.34円

3・NZ金融政策会合

米国は22年3月から政策金利の引き上げに動いていますが、
NZは21年10月から利上げサイクルに入っており、
7月RBNZ(NZ準備銀行)の会合で6回目の利上げを発表。
政策金利を2.5%にまで引き上げています。
0.5%の利上げは3会合連続。

今週17日の8月RBNZ会合で
政策金利を2.50%から3.00%に引き上げる見込み。
0.5%の利上げですね。
4会合連続で0.5%利上げを決定するとみられるのです。

これで景気は腰折れしないのか…・・という点が懸念されていますが
まずは前年同月比+7.3%もの高いインフレを抑え込まなくては、
ということでしょう。

8月の政策決定会合では、最新の経済見通しが発表されるため、
景気への懸念、配慮が強いようなら
利上げサイクルの終焉を織り込むようなNZ売りが出るかも?
0.5%の利上げはすでに織り込まれてしまっているため
よほどタカ派的なスタンスを示さない限りは
短期的には材料出尽くしでのNZドル売となりそうな気がします。

4・原油需給見通し


◆国際エネルギー機関(IEA)8月11日公表の石油市場リポート
2022年と23年の世界の石油需要見通しを上方修正
22年世界需要見通し 前年比 +211万バレル(2.2%)日量9970万バレル
23年世界需要見通し 前年比 +211万バレル(2.1%)日量1億181万バレル
(それぞれ前回の7月時点より約50万バレル上積み)
~天然ガスと電力の価格が高騰し、一部の国で
 ガスから石油への切り替えを促しているため
 
◆石油輸出国機構(OPEC)8月11日公表 月報
22年世界需要見通し 日量1億3万バレル(7月時点から26万バレル引き下げた)
23年世界需要見通し 日量1億272万バレル(26万バレル引き下げ)

IEAとOPECの月報ですが予想がまちまちですね。

チャートを俯瞰して見るにWトップ完成での下落トレンドの中にあり
ここから再上昇するためには需要がさらに伸びる必要がありますが
秋~冬にガスからの代替需要として石油の需要が伸びる可能性は高いのでしょうか。。。

NOTE 台湾を巡る緊張再び?

8月11日、中国、台湾周辺での軍事演習を終了と発表
https://www.bbc.com/japanese/62501232
8月2日のペロシ下院議長の訪台に反発、これに報復する形で実行された
台湾周辺での軍事演習は4日~10日に渡って実施されましたが
11日にこれを完了したと発表していました。

米中両国ともに軍事衝突は避けたいと手打ちがあったのかと
見られていましたが、新たな火種。

アメリカ議員代表団が台湾を電撃訪問 あす蔡英文総統らと会談へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee708c0d786de603bc8d54475bfab5fa8f1affc6

ペロシ下院議長だけでなく米国議員代表団も台湾入り。
これは中国側としては寝耳に水では?

地政学リスクの高まりが為替市場に影響があるかにも注意。

◆◆今週の主な予定◆◆
15日(月)
日本GDP速報値(第2四半期)
中国小売売上高・鉱工業生産・新築住宅価格(7月)
米NY連銀製造業景気指数(8月)
ウォラーFRB理事
「Money, Banking, Payments, and Finance」イベント開会挨拶

16日(火)
豪中銀議事録(8月2日開催分)
ドイツ5年債入札
ドイツZEW景況感指数(8月)
ユーロ圏ZEW景況指数(8月)
カナダ消費者物価指数(7月)
米住宅着工件数(7月)
米中間選予備選挙(アラスカ州、ワイオミング州)

17日(水)
NZ中銀政策金利
英消費者物価指数・生産者物価指数・小売物価指数(7月)
米小売売上高(7月)
米FOMC議事録(7月26日-27日開催分)

18日(木)
豪雇用統計(7月)
トルコ中銀政策金利
米景気先行指数(7月)
米中古住宅販売件数(7月)
米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(8月)
ミネアポリス連銀総裁、討論会参加

19日(金)
日本消費者物価指数(7月)
英小売売上高(7月)
リッチモンド連銀総裁、討論会参加

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