2022年8月4日木曜日

 原油価格動いていますが、OPECプラス会合の結果より
週間在庫統計の中身のほうがサプライズだったようです💦

米国からの増産要請に対しOPECプラスからの応えは
あまりにもショボすぎて、一時原油は大きく上昇したのですが
その後あっという間に急落しています。

1・OPECプラス、9月からの増産幅はたったの日量10万バレル
2・EIA米石油週間在庫統計のサプライズで原油下落へ
3・ISM非製造業景況指数、良好で米金利一時上昇するも・・・
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1・OPECプラス、9月は小幅増産で合意 日量10万バレル
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03BMM0T00C22A8000000/

 7月、8月の増産は日量60万バレル。
 9月から 日量10万バレル。 増産量は9月から減少しちゃう!
 
 もともとパンデミックで原油価格が急落したことで
 OPECプラスは緊急で大幅減産に踏み切ったのですが
 これを21年から「減産幅を縮小する」という形で徐々に
 原油生産量を増やしてきました。
 
 小幅に増産を続けてきたのはあくまで
 経済のV字回復とともに需要も増加してきたためです。
 
 そもそもの計画ではこの減産幅の縮小と言うかたちでの増産は
 22年9月まで。
 しかし、ロシア問題もあり原油価格が急騰していたために
 6月のOPECプラス会合で7月と8月の増産量を拡大して対応していました。
 それが故に、増産は8月までで終了するのでは?という思惑もあり、
 バイデン大統領は増産拡大、継続要請をしていたわけですが~
 サウジとしても増産量拡大を発表することで
 一応バイデン大統領のメンツを立てたということでしょうか。
 9月の増産幅はたったの10万バレルですが。
 
 VettaFiのエネルギー調査部長Stacey Morris氏は、
 「OPEC+が発表した増産は、何もないに等しい」(きびし=)
 
 これを受けて、直後原油は急騰したのですが、
 あっという間に下落に転じます。
※WTI原油15分足

※WTI原油日足 下落トレンドが続いているだけ?200SMAを割り込み始めた
 
2・ EIA米エネルギー情報局が発表した週間在庫統計で
 4週間のガソリン需要平均が2月以来の低水準に低下していることが
 確認されたためです。
 
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)
原油 +446.7万(前週 ▼452.3万 予想▼60万)
ガソリン +16.3万(前週 ▼330.4万 予想▼160万)
留出油  ▼240万(前週 ▼78.4万)
クッシング在庫 +92.6万(前週 +75.1万)

在庫が増えているということは需要が鈍っているということです。

OPECプラスの回答がショボかったのも理解できないでもない。
だって、世界景気後退が懸念され始めているわけでしょ。
すでに原油価格は高値からは随分さがっており
(今年のWTI高値は130ドル、足元は90~100ドルのレンジ)
増産量を拡大しつづければ更に供給超過で原油価格が崩れるリスクがありますね。

中国はロックダウンを繰り返していますし、、、

というわけで今日の原油市場は供給量が増えないというショックより
需要がおもったより早く減少し始めるのではないか、という懸念を映し
下落しているというわけです。

需要減退は原油価格の高止まり➡ガソリン価格の高止まりのせいでしょうか。
インフレが続きすぎて景気が冷え出したのかも。
まあ、結果、需要が減れば価格は下がるのですけれど。


3・米ISM非製造業景況指数、予想外に上昇-3カ月ぶり高水準
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-03/RG1LLKDWLU6B01

ところが、ISMの数字が強かった。
7月は56.7に上昇、前月55.3-市場予想は53.5への低下でした。

ISM非製造業景気指数(7月)詳細 
総合   56.7(55.3)
事業活動 59.9(56.1)
新規受注 59.9(55.6)
雇用   49.1(47.4)
入荷水準 57.8(61.9)

仕入価格 72.3(80.1)
輸出   59.5(57.5)
輸入   48.0(46.3)

1日に発表された7月のISM製造業指数は約2年ぶりの低水準でした。
製造業は悪化しているのに、サービスは好調ということです。
モノへの需要が減少する反面、サービス支出を拡大ている。

この数字を受けて、米金利が急上昇しました。
これに連れてドル円相場も134.55円まで上昇しましたね。

ところが、EIA石油在庫統計で金利上昇はストップしてしまいました。

※米10年債利回り5分足チャート

この長期金利ですが、日足でみてみると6月14日にトップアウトして
長期金利は下落トレンドにあるんですよね。
この下落チャネルのレジスタンスを超える金利上昇がなければ
ドル円相場の本格上昇回帰はまだ難しいと思います。

リバウンドもそろそろ終わりかな・・・ということで

131.80円で買ったドル円は134.03円で手仕舞いました。

ユーロドル1.0214ドルS
豪ドルドル0.6956ドルS は継続です。

明日以降はドル円、クロス円を再度売る好機を探します。
8月は円高のアノマリーもありますし。

今週のひろこのウィークリーGOLDは小菅努氏。
マーケットエッジ代表 小菅努氏

<金価格急伸、利上げサイクルの織り込み終了か>
『4-6月期の金需給読み解き』
https://youtu.be/KLvb5ap_wFU
◆過去のインフレ指標で未来を語る
◆中国金輸入、金ETF投資残高に変化の兆候


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