英財務大臣更迭、財政政策大幅見直しでポンド乱高下
ドル円148円台へ、介入警戒広がる中で
米9月CPIインフレ加速、ミシガンインフレ期待上昇
※中国共産党第20回党大会16日開幕
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1・英首相、クワーテング財務相を解任 後任にハント元外相
https://jp.reuters.com/article/britain-politics-kwarteng-idJPKBN2R911T
~クワーテング氏は先月、財源の裏付けのない大型減税案を発表、
市場の混乱を招いていた
◆トラス英首相、法人税引き上げ凍結を撤回-財務相交代で方針転換
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-14/RJQSOADWX2PW01
・法人税率は来年に現在の19%から25%に引き上げられる。
(ジョンソン前首相とスナク元財務相が計画していた通りに)
・この方向転換で財政には年180億ポンド(約3兆円)のプラス
⬇
・しかし首相の会見後、ポンドは下げを拡大。英10年債は上昇から下落へ
⬇
・英国債市場を最終的に落ち着けるにはトラス首相の辞任が必要かもしれない
英市場、先週は14日期限の英国債買い入れを終了させるか延長させるかが焦点でしたが
14日に財務相が更迭されるというサプライズで市場は大荒れ。
情報が漏れ伝わる度にヘッドラインにポンドは乱高下となりました。
クワーテング財務相は、14日にBOEが債券購入を停止した後に市場が混乱すれば、
BOEベイリー総裁の責任だ、などとおっしゃっていましたが
自身が退く形になろうとはその時は考えもしなかったんでしょう。
財源を示さずに大型減税案をぶち上げたクワーテング財務相が辞め、
トラス首相が記者会見を行ったことで事が収まるとは
市場関係者は考えていないようで、
トラス首相の辞任にまで追い込む催促相場に発展するリスクもあるかも、
ってのが金曜の引け味の悪さでしたね。
9/23クワーテング氏が発表した450億ポンドの大型減税ですが
10/3に富裕層優遇との批判が多かった所得税の最高税率引き下げ方針を撤回
そして先週法人税率引き上げ凍結を撤回した、という流れですが、
さらに多くの部分を撤回しないことには財政への懸念は払拭できない、
ということのようです。巨額の国債増発なども掲げていました。
またBOEが市場安定化策として実施している国債買い入れの
緊急措置は先週金曜14日で終了することが決められており
一段の波乱が起きる可能性は否めません。
ポンドドル1.1089ドルLはトラス首相の記者会見がある、という報道で
手仕舞っています。会見で何が出てくるかわかりませんし。
手仕舞いは1.1279ドル。
ポンドの反発は短命に終わった感があります。
ここからパリティを目指す下落再開の可能性も。
キウイドル0.56112ドルロングはCPIショックで損切りです、0.5592ドル。
ところが、CPIショックで全面ドル高となるも
その日、木曜のNY市場はすべてのリスク資産がV字で切り返しており
損切りしなきゃ利食いができたって結果に。。。
この日は米株も大幅高でしたが、
翌金曜日には再び大きな下落に見舞われています。
ボラティリティが上昇しておりポジション管理が重要な局面ですね。
2・ドル円148円台へ、米インフレ上昇で米金利上昇続く
なかなか米国のインフレが止まりません。
◆9月の米コアCPI、40年ぶりの大きな伸び-大幅利上げに道筋
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-13/RJOYSGDWRGG401
・コアCPIは前年同月比6.6%上昇-1982年以来の大きな伸び
・前月(6.3%上昇)から伸び加速:前月比 0.6%上昇(市場予想0.4%上昇)
~住居費と食品、医療の指数の伸びが目立つ(ガソリンと中古車は前月比で低下)
コアCPIが加速、40年ぶりの伸びとなっています。
更に、ミシガン大学が発表するインフレ期待がドル高を加速させました。
◆米1年先のインフレ期待、7カ月ぶりに上昇-消費者マインド指数
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-14/RJQY02DWRGG201
・1年先のインフレ期待は5.1%に上昇(前月4.7%)-上昇は3月以来
・5-10年先のインフレ期待は2.9%(前月2.7%)
・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は59.8に上昇-半年ぶり高水準
これらの指標を受けて市場では年内残りの2回のFOMCでも
それぞれ0.75%利上げの可能性があるとの織り込みが進んでいます。
◆FOMC、11・12月に連続75bp利上げか-CPI後の市場織り込み
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-13/RJP01FDWLU6801
◆ブラード総裁、12月0.75ポイント利上げの可能性残す-予想は時期尚早
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-16/RJTQTGT0AFB401
・11月12月両会合で0.75%ずつ利上げを決める可能性を残す趣旨の発言
・月間最大950億ドル(約14兆1200億円)のペースで進めている
バランスシート圧縮、しばらくの間、現行ペースで続けることに支持
◆米政策金利のピーク、より高くなる可能性-ジョージ総裁らが見解
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-14/RJR1A8DWRGG001
過度に急速な利上げには慎重姿勢、カンザスシティー連銀総裁
4.5-5%への引き上げが最もあり得る-サンフランシスコ連銀総裁
これを受けてドル金利が上昇。
長期債利回りは一時4.08%へ。ドル高が進行。
ドル円相場は148円台へ。
日銀のせいにされがちですが、ドル高は世界のどの通貨に対しても進んでいます。
緩和を続ける円とドルのコントラストが最もわかりやすく
円売りドル買いが進みやすい側面もあるため
円が最も弱いというのも事実ではありますが、、、。
※通貨インデックス推移
米国のテーパリングの議論がスタートした21年3月からドル高がスタート
11月尼テーパリングが開始され、22年3月から利上げサイクルに入りました。
この過程でドル高が進行しているのですが、週末バイデン大統領は
◆バイデン米大統領「ドルの強さを懸念せず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN160CQ0W2A011C2000000/
とドル高を是正する必要はないと発言。
兎にも角にもインフレ是正が最優先とのスタンスを明らかに。
やはりドル高に逆らうべからず、でしょうか。
週明けからの戦略はドルロング。
このところ反発基調にあった、ポンド、ユーロ主軸でしょうか。
ドル円介入の可能性も意識されますね。
介入で急落したところはやはりドル買いになるのでしょう。
NOTE
◆中国共産党の習総書記、国際情勢で「危険な嵐」警告-党大会開幕
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-16/RJTQTGT0AFB401
◆習国家主席 台湾統一のためには武力行使も辞さない姿勢示す
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221016/k10013860291000.html
もはや中国による台湾侵攻はあることを前提に「いつ」なのかが問題。
*********今週の主な予定***********
16(日)
中国共産党大会開幕
17(月)
米10月ニューヨーク連銀景気指数(21:30)
《米決算発表》バンク・オブ・アメリカ
18(火)
中国7-9月期GDP(11:00)
中国9月鉱工業生産(11:00)
中国9月小売売上高(11:00)
米9月鉱工業生産(22:15)
《米決算発表》
ネットフリックス、J&J、ゴールドマン・サックス、ロッキード・マーチン
19(水)
中国9月新築住宅価格指数
英9月消費者物価指数・生産者物価指数
米9月住宅着工件数(21:30)
ベージュブック(米地区連銀経済報告)
《米決算発表》テスラ、P&G
20(木)
9月貿易収支(8:50)
9月首都圏マンション発売(13:30)
豪州9月雇用統計
米9月中古住宅販売(23:00)
21(金)
9月全国消費者物価指数(8:30)
《米決算発表》
アメリカン・エキスプレス、ベライゾン・コミュニケーション
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