2022年10月12日水曜日

 1・バイデン政権、対中半導体規制ショック
 ~世界の半導体企業時価総額35兆消失
2・IMF23年成長率下方修正
3・BOE緊急国債買い入れの対象に物価連動債追加
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1・バイデン政権、対中半導体規制ショック


連休明けの日本市場、
なんでこんなに売られるの、、ってくらい下げました。

※日本株主要株価インデックス

先週末に発表された9月雇用統計が強かったことから
米利上げピッチが緩まないという観測が米株売りをもたらしたことを受け~
という概況も間違いではありませんが、
東京エレクトロン(8035)SCREENホールディングス(7735)
アドバンテスト(6857)ディスコ(6146)レーザーテック<6920>
SUMCO<3436>ルネサスエレクトロニクス<6723>など
半導体製造装置株の下落が大きかった背景には米バイデン政権が発表した
対中半導体輸出規制の影響が大きかったものと考えられます。

◆中国の半導体業界を狙い撃ち、米の新規制が痛手に
https://jp.wsj.com/articles/u-s-chip-curbs-threaten-chinas-emerging-manufacturers-11665424136
スマートフォンやパソコン、データサーバーなどに幅広く使用される
先端半導体の製造装置や、パソコンなどに使われる基本的な演算処理用半導体を
製造する装置、先端半導体そのものも対象
「中国に半導体工場を持つ外国企業のリスクが高まっている」

◆米国による対中輸出規制の著しい強化について
https://www.cistec.or.jp/service/uschina/52-20221011.pdf
・かなりの部分が施行され、残りは、22年10月12日及び10月21日に施行される
・日本企業を含む各国の企業の取引(国内取引も含む)に影響を与える規制強化

米国技術を用いた半導体の一部、製造装置の禁輸、
ならびに14nm以下の半導体製造装置、技術を中国に輸出してはならない、
などなど、米企業だけでなく日本、韓国、台湾など外国企業も含まれます。

日本の半導体製造装置も中国に輸出できなくなります。

これを受けた下落と言っていいと思われますが、
何度世界の半導体企業の時価総額35兆円が発表後に吹き飛んだとか。。。

◆世界半導体企業の時価総額、35兆円吹き飛ぶ-米が新たな対中規制
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-11/RJKEE5DWLU6801?srnd=cojp-v2
・バイデン政権、米国の半導体技術への中国のアクセスを制限する措置発表
・世界の半導体企業の時価総額は2400億ドル(約35兆円)吹き飛ぶ

今夜11日火曜はダウは反発していますが
SOX指数はご覧の下落です・・・・。
今夜ダウやS&P500が反発基調にあるのは
米金利上昇が一服しているためかと思われます。

※米長期債利回り 再び4%大台乗せ示現も反落してきた
というわけで今夜はドル高が一服。

※通貨インデックス一覧
明日は9月分のFOMC議事録要旨が公表されるのですが
ここでどのような議論がされていたか
仮にターミナルレート5%台の議論がなされていたようなことがあれば
マーケットはネガティブに反応するリスクがありそうですが
明日は米国の生産者物価指数、明後日には消費者物価指数の発表を控えており
ポジション調整による値動きで、材料があっての値動きではなさそう。

今週のインフレ指標を確認したあとに長期金利が4%超えられなかったら
長期金利4%大台乗せでWトップ完成となる可能性が強まり
株の総弱気もムードが一変するのですが、、、、
インフレ指標が強いようだとやはり金利は上がっていくこととなるのでしょう。
今週のPPI,CPIは長期金利4%大台をどうこなすかを見極める上でも重要ですね。

2・IMF23年成長率下方修正

あまりに急ピッチな利上げの影響はここから本格化するとIMF

IMF、23年世界成長率予想を下方修正-最悪期はこれから
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-11/RJKEE5DWLU6801
・来年の世界成長率は2.7%に減速へ-世界経済見通し
・世界経済の3分の1は来年縮小の恐れ、政策の計算ミスのリスク上昇

1月時点見通し 3.8% 
7月時点見通し 2.9%
10月時点見通し2.7% と発表ごとに23年成長見通しが下方修正されています。

FRBの金融引き締めの影響が世界的に波及、
新興国通貨に対するドル高はインフレ高進や債務への圧力につながるとしています。

IMFと世銀のトップ、世界的なリセッションリスクの高まりを警告
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-10/RJJJL0T1UM1501
世界経済の約3分の1は
今年と来年に少なくとも2四半期連続でのマイナス成長に見舞われ、
生産高は2026年までに4兆ドル(約582兆円)縮小する

強すぎるドルの影響が世界経済を疲弊させる、というのは
誰もが懸念していることではありますが、

強いドル、新たな危機の引き金になり得る-JPモルガンのマイケル氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-11/RJL43ZT0G1KW01

ドル高による米国のみならず世界の景気後退リスクが強くても
FRBはインフレ抑制が最重要課題としていますので
IMFやOECDの世界景気見通しが下方修正されても
FRBのスタンスが変わることはないかとは思いますが、
世界の需要が縮小してしまうことでインフレが急速に低下する可能性はないのか?
あまりに引き締めをやりすぎると今度は需要不足からのデフレがやってきたりして。
その時はまた緩和するんでしょうけれどね。

3・英中銀、物価連動債の購入開始 金利上昇で対象拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1160W0R11C22A0000000/
11日から物価連動国債の買い入れを始める
【1日当たりの買い入れ上限】
物価連動国債 50億ポンド(約8000億円)
従来の国債  50億ポンド

これを受けてポンドが反発しています。
14日時限的な国債買い入れの措置が終了する予定ですが
BOEの買い入れがなくても問題ないという状態ではなさそう・・・
基本的にトラス新政権の財政拡張計画の修正がなければ
(富裕層の減税案撤廃では足りない)
英債券売りは止まないでしょう。

よって14日以降もQEは継続されるのでは・・・?

ポジションですが、ドルロングを手仕舞いドルショートにスイッチ。
ひとまず短期目線です。

ユーロドル0.9899ドルS ➡ 0.9729ドル買い戻し
キウイドル0.5782ドルS ➡ 0.5587ドル買い戻し

ポンドドル 1.1095ドルロング
キウイドル 0.5604ドルロング

手仕舞いも、ロングもチャートからのテクニカル的な判断。
ドル金利の上値が重くなることがあれば長期保有にしたいところですが
今週のPPI,CPIで動きそうですので、逆指値はコストにおいておく。

今週のひろこのスペシャリストに聞く!は
東大金融研究会主宰の伊藤潤一氏にご出演いただきました。
TVを見られる方はサンジャポでの伊藤さんのご活躍をご存知かも。

三和銀行、モルガン・スタンレーアセットマネジメント
ゴールドマン・サックスアセットマネジメントを経てヘッジファンドの世界へ。
ヘッジファンドで20年余りご活躍された日本人としては稀有な存在の伊藤さんですが
一貫して日本株のロングショートポートフォリオ戦略で運用をされてこられたとか。

今日は日本株、企業の選び方、考え方を丁寧に教えていただきました。
<日本株、いつ買うか?何を買うか?>
『チャンスを逃さぬ投資思考』
https://youtu.be/XqG8f-TiKW0
◎BS・PLから捉える"お金"の流れ
◎通期業績で特徴的なところの共通項を抽出

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