黒田ショック走る、日銀の緩和修正は出口に向けた市場混乱の始まりか
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-20/RN6LMLT0AFB401
日銀は、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策における
長期金利(10年国債金利)の誘導水準を0%程度に維持しつつ、
変動許容幅を従来の上下0.25%程度から同0.5%程度に拡大することを決めた。
YCC政策は 2016年に導入、当初は長期金利を0%±0.1%に維持するよう
国債の買い入れ量をコントロールするというものでした。
2018年、長期金利の変動幅拡大を容認 ±0.2%
2021年、長期金利の変動幅拡大容認 ±0.25%
実は YCC導入以降、
これまでも二度にわたって変動幅拡大の修正は行っています。
ですから黒田総裁が仰るように、今回の0.5%の変動幅拡大はあくまで
「金融緩和の効果をより円滑にするためのもので、利上げではない。
金融引き締めではない」
ということなのだと思います、日銀としてみれば。
しかしマーケットの受け止め方はどうでしょう。
137円台似合ったドル円相場がNY時間には 130円台まで
じつに7円近く下落したのですから、
サプライスであったことは間違いありません。
この年の瀬に、海外勢がクリスマス休暇で不在であるこのタイミングで
さらなるYCC修正を発表すると見ていた向きは少なかったと思います。
黒田総裁って、サプライズ好きだったな、、、と思い起こされるのですが
これまでのような緩和のベクトルでのサプライズは
株にポジティブに働きますので悪い印象はなかったのですが、
引き締め方向のサプライズは、株安円高を招くため
あまり歓迎されるものではない、というのが
今回の市場の応えだったと言えましょう。
〔マーケットアイ〕金利:国債先物にサーキットブレーカー、新発10年金利0.460%に上昇
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N33A0OA
債券市場、サーキットブレイカー発動です。
先週あたりから政府日銀の共同声明の見直し観測が
メディアに踊っていたことを思い起こせば
今回の日銀ではひょっとすればひょっとするかも、的な
準備ができていなかったことは反省しきりでございます・・・・
火のないところに煙は立たない、と警戒すべきでした。
不穏なリーク記事を受けて円高リスクがある、
ということまでは考えていたのですが
実際にポジションは作らずに様子をみていたのが悔やまれてないません、、、
黒田総裁は、利上げでも引き締めでもないと会見で述べられましたが
市場は「アベノミクスの終焉」と捉えているわけで
来年の日本株、ドル円相場の水準には警戒が必要かと思われます。
IMFやOECDの観測で2023年は日本が先進国ではもっともGDP成長率が高く
日本株は投資妙味が大きいと思っていましたが
増税、金融緩和の出口(引き締め)という材料が
日本株市場の重しになってくるでしょう。
ドル円は戻り売り方針です。
☞ひろこのTwitter
いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ