2023年1月16日月曜日

 今週の焦点は、18日㈬の日銀の金融政策決定会合。

ドル円が下落しているのは、さらなるYCC修正などの変更があるのでは?
という観測が高まっている&催促相場の様相を呈しているためです。

欧米の株価が上昇基調を強め始めた中で
日本株だけが弱いのも、アベノミクス相場の完全終了が意識されているのでしょう。

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1・BTC急騰、世界はリスクオンの様相を呈し始めた?

先週末にかけてビットコインが大きく上昇しています。



投機色の強い市場ですから、金融引締下では最も早く崩れてしまう特徴がありますが
FTXの破綻も追い打ちとなり、しばらくは資金流入が見込めないだろうと思っていました。

先週の上昇はなんでしょうね、ショートカバー?!
しかし、このところは中国株も、欧州株も上昇基調を強めており
米国株市場も立ち直ってきました。

※主要国の主要株価インデックス 英国、ドイツ、香港ハンセン指数が強い
しかし日本株はどうでしょう・・・・

※日本株主要インデックス  これは円高と増税論のせいでは?
13日㈮のNY市場での 225先物は東京現物市場の終値より下がっています。

※225先物終値  25837円 26000円を割っています
            (13日東京終値 26119.52円)
            
2・18日日銀会合に向けて円高、日本株安加速?

12月日銀会合でYCCの変動幅を従来の0.25%から0.5%に拡大しましたが
先週0.5%の上限を超えてきています。
金利を0.5%以下に抑え込むために日銀が先週購入した長期債は10兆円近くに。

日銀、国債購入5兆円超 2日連続で過去最大を更新
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1379C0T10C23A1000000/
・13日だけで5兆83億円購入、12日は4兆6144億円購入

長期金利、日銀の上限超える 一時0.545%に上昇
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB065K30W3A100C2000000/
・長期金利の指標となる10年物国債利回りは13日に一時、0.545%
(2015年6月以来、7年7カ月ぶり高水準)

このまま日銀が長期債を購入し続けていいものか?
すでに市場の半分の国債は日銀が保有しています。

日銀の国債保有、時価で初の5割超え 日銀公表
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB190SC0Z11C22A2000000/

というわけで、市場には今週の日銀会合でのYCCの撤廃の観測も出始めました。

軋む日銀YCC、長期金利が上限突破 次回会合で撤廃予想も
https://jp.reuters.com/article/crossmarket-boj-ycc-idJPKBN2TS0DG
・シティグループ証券、17─18日の日銀会合でYCCが撤廃されると予想

2月には日銀会合がないため、次の会合は3月。
黒田さんの人気は4月8日まで。
退任直前の3月に大きな制作変更をするだろうか?
また3月って企業の本決算時期ですのでそんな時期には大きな転換は避けたい、
となると1月に動くのではないか、と指摘する向きもあります。

どうする日銀!市場の“思惑”との大きな乖離【経済コラム】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230113/k10013948451000.html
大河ドラマ「どうする家康」にかけたタイトルなのかな・・・

12月YCC修正後でも日本国際のイールドカーブの歪みは解消されておらず
やはり世界の金利が大きく上がっている中で
日本の長期金利だけを低く抑えようという政策には無理が生じている、
と見る向きが増えており、今週の日銀で動く可能性は否定できないのです。

というわけで日銀会合に市場が注目する中で
会合に向けて円高、日本株売りが加速するリスクが高いので要注意。
※ドル円日足
ドル円129.31円で売り参戦しています。

ただし日銀会合の結果にもよりますが
今週あたりが一旦の底となって反発するかもしれないとも思っています。
一旦の、、、ですが。ポジションは柔軟に・・・

3・タカ派要人発言相次ぐもマーケットは楽観

ボウマンFRB理事
・金利をピーク水準でしばらく維持することを支持。
・インフレ抑制のために継続的な利上げが必要。
・インフレは最近低下したが、まだやるべきことがたくさんある。
・インフレがピークに達したという説得力のある兆候を求めている。
・利上げの規模とターミナルレート(最終到達点)はデータに依存。

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
・5%強への利上げと同水準維持を支持。

ブラード・セントルイス連銀総裁
・できるだけ早く金利を5%超にすることを支持。
・インフレ低下予想、市場の楽観は行き過ぎ。
・高い名目金利の時代に入りつつある。

欧州からも

ECB経済報告
インフレ率は依然として高すぎ、目標を超えて長く続くと予想
インフレ見通しの大幅な上方修正により、さらに引き上げること想定

シュナーベルECB理事
・金利はまだ大幅に上昇する必要
・金利上昇は安定したペースであるべき
・インフレはそれ自体では収まらないだろう

特に欧州株が強い背景には中国の経済正常化があると見られます。
今週は17日㈫に中国のGDPなど経済指標が多数発表されますが
過去データーですので悪いことはすでに織り込まれていると思われますが
あまりに悪ければ一旦リスク選好相場の押し目を形成するか?

4・米国債務上限問題再び

早くも米国政府債務が法定上限に達する模様。
特別措置を講じるため本当の危機は夏頃になると見られます。

米財務長官「政府債務19日に上限到達」 議会に対応要請
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13DS80T10C23A1000000/

問題はねじれ議会となったこと。
上限引き上げで合意ができないとなると
2011年8月に起きたS&Pによる米国債格下げによる株の暴落が脳裡をよぎります。

米国債ショック
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E5%82%B5%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF

世界経済を危機にさらすケビン・マッカーシー米下院議長の混乱
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bb1c4f7a17a150b5117f6a21df192d770f5ca0f

マッカーシー氏を下院議長に選出するだけで15回も投票を繰り返した共和党、
一枚岩ではないことが懸念されます。
債務上限の停止・引き上げを巡る調整も難航が予想されており
夏にはこの問題が本格的にマーケットを冷やすリスクが到来しそうですね。

足元はまだ大丈夫。
先にマーケット大暴落前の飛び込み台を上げておくような相場が来るのでは?
米国株は思わぬ高値を示現してから崩れるのが今年の相場のような気がします。

今週の主な予定

1/16(月)
●12月国内企業物価指数(8:50)
●12月工作機械受注(15:00)
●世界経済フォーラム(ダボス会議)(〜20日)
●休場:米

17(火)
●日銀金融政策決定会合(〜18日)
●11月第三次産業活動指数(13:30)
●中国 12月工業生産、12月小売売上高、12月都市部固定資産投資、10-12月期 GDP(11:00)
●独 1月 ZEW 景況感指数(19:00)
●米 1月 NY 連銀製造業景気指数(22:30)

18(水)
●黒田日銀総裁会見
●日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)
●11月機械受注(8:50)
●12月訪日外客数(16:15)
●米 12月生産者物価(22:30)
●米 12月小売売上高(22:30)
●米 12月鉱工業生産・設備稼働率(23:15)
●米 1月 NAHB 住宅市場指数(19日 0:00)
●ベージュブック(米地区連銀経済報告)(19日 4:00)
●米 11月対米証券投資(19日 6:00)

19(木)
●12月貿易統計(8:50)
●トルコ中銀金融政策決定会合
●米 12月建設許可件数(22:30)
●米 12月住宅着工件数(22:30)
●米 1月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(22:30)

20(金)
●12月消費者物価(8:30)
●米 12月中古住宅販売件数(21日 0:00)
●休場:台湾(〜27日)

21(土)
●中国春節休み(〜27日頃)

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