2023年2月20日月曜日

 2月前半のNASDAQの上昇はほぼショートカバーだったか?
売りポジションの買い戻しで上昇が演出されたものと考えられます。

ゴールドマンは顧客向け資料で
「1月31日から2月15日までの米ハイテク株のショートカバーは、
12営業日の合計取引高として過去10年間で2番目の高水準だ」と指摘。

ヘッジファンド、2月前半にハイテク株の空売り買い戻しに奔走
https://jp.reuters.com/article/hedgefunds-strategy-idJPKBN2UR06G

JPモルガンは顧客向け資料で、空売りの買い戻しは通信サービス株と
情報技術(IT)株が中心だったと分析しています。

確かに2月前半、ダウ平均は横ばいで全く上昇していませんでした。
買い戻しで上昇したのはハイテク系中心?
さて、ここから。
売りの買い戻しだけでなく
新規でリスクをとってハイテク銘柄を買う投資家が出てくるか?

BofA Survey Shows Investors Expect Stock Rally to Fizzle Out
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-02-14/bofa-survey-shows-investors-don-t-expect-the-stock-rally-to-last

バンク・オブ・アメリカは2月2日から2月9日まで、
262のファンドマネージャー(運用資産7630億ドル)を対象に調査を行い、
利益期待は改善しているものの、依然として弱気であることを明らかにした。

参加者の83%が、今後1年間の経済成長率はトレンド以下、
インフレ率はトレンド以上と予想しており、
スタグフレーションが最も可能性の高いマクロ環境であると見ている。
過去1ヶ月間、ファンドマネジャーは公益事業、ヘルスケア、消費財などの
ディフェンシブ銘柄から、新興市場の資産や景気に敏感な
シクリカル部門にローテーションを行いました。

ということで、機関投資家は弱気のままです。

ただ、先週のブログにも書きましたが
http://hiroko.yutaka-shoji.co.jp/2023/02/134.html
(金利高でも米株高、資金が入りやすい時期)
2月から確定申告の還付金が株式市場に流入する時期でもあり
5月のセルインメイまで株高が続く可能性も否定できません。

1月の雇用統計の数字やCPIなどの数字を受け
米金利が上昇する中でも大きく崩れていない米株市場、
このまま強気が継続できるか疑問はあるのですが
では、慌てて買い戻した投資家らが、ここから改めて売り直すだろうか?

相場は弱気の中で育つものなのかもしれません・・・。

今週は米金利が更に上昇するか、上昇が止まるのか
24日発表のPCEからデフレータの数字に注目です。

市場予想
PCEデフレーター予想 前年比+4.9%(前月+5.0%) 
コアデフレータ 予想 前年比+4.3(前月+4.4%)
先月までの推移⬇ブルームバーグ


ここでインフレの鈍化傾向が継続しているならドル高基調が止まるかも。
逆にインフレ再加速の兆候があればドル金利上昇でドル高加速。
※米国債利回り一覧

24日は東京時間9:30の日銀の新総裁候補の所信聴取にも注目です。
午後には氷見野、内田副総裁候補の所信聴取が。
就任前にマーケットを揺るがすことはないと思いますが
市場の関心は並々ならぬものがありますので
些細な言葉尻でボラティリティ上昇はあるかもしれません。

ドル円131.51円ロング
豪ドル円91.81円ロング 継続中。
ボラ上昇ならフレキシブルに手仕舞う予定。

■ユーロにも注目です。

ECBインフレ勝利程遠い、3月50bp利上げの公算-シュナーベル氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-17/RQ6YZLDWRGG201
・3月はほぼ全ての妥当性の高いシナリオの下で50bp利上げが必要
・利上げへの経済の反応が過去の例より弱ければ一層強く行動する必要
・量的引き締め(QT)は6月より後に「加速があり得る」

ECBピーク金利、市場は3.75%を完全に織り込む-理事がタカ派発言
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-17/RQ7WGZDWX2PS01
・独10年債利回りは一時9bp上昇し2.57%-11年以来の高水準に迫る
・年内利下げ見通しも後退-昨年12月半ば以来の低い確率

~ECB中銀預金金利が10月までに3.75%となる確率を100%織り込む。
 2月ECB理事会後は3.4%。
 
2月入りからユーロは大きく調整しています。
米金利上昇でドル高基調が強まったことで全般ドル高となったためですが
欧州の金利も上がっているんですよ。
特に短期金利、フランス・ドイツは昨年8月からきれいな上昇トレンド継続。
足元では米金利が再浮上したことに負けてドル高ユーロ安となったのですが
ドル金利上昇が止まり、欧州金利上昇が続くようなら
再びユーロが買い戻される可能性はあるかと思います。
その意味で、今週末の米PCEの数字は注目ですね。
欧州の金利上昇が止まればその限りではありませんけど・・・

■22日火曜はRBNZインフレ NZの金融政策決定会合です。

New Zealand Inflation Expectations Drop Before RBNZ Rate Review
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-02-14/new-zealand-inflation-expectations-drop-before-rbnz-rate-review

今回会合は 0.5%と0.25%とで利上げ予想が分かれていますが
気をつけなくてはいけないのが大災害後の会合だ、ということ。

サイクロン「ガブリエル」によって、
北島全域で洪水や地滑りなどの大きな被害を受けていますが、
先週14日、史上3度目の国家非常事態が宣言されました。

ニュージーランドが史上3度目の非常事態宣言…サイクロン被害拡大、停電も
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230215-OYT1T50032/

外為どっとコム総研さんによると
過去2回の同宣言の後、RBNZは利下げしており、
今回も利下げに踏み切る恐れがあります。
https://twitter.com/gaitame_com/status/1626485777504026627

過去2回の非常事態宣言後のRBNZインフレでは利下げしていたと。
さて今回は・・・ということになりますが
前提として、インフレが高止まりの中での利下げは難しいか?
今回の利上げを見送る、という可能性はあるか?

しかしながら市場は0.25,もしくは0.5%の利上げ予想がコンセンサス。

NZの総合インフレ率は月次での伸びは鈍化しているものの、
Q3,Q4と前年同月比では7.2%と高止まり中。
また前年同月比でコアインフレは加速していますので

タカ派スタンスを緩める訳にはいかないと思いますが
NZにとって未曾有の大災害後のRBNZインフレだけに
サプライズには警戒しておきたいですね。

NZDJ/USD Wトップをつけて下げだしたようにも見えますが、、、
200SMAでサポートされるか、1/6の安値を割れると下落が加速しそう。

**********今週の予定***********

2/20(月)
・米国市場休場(プレジデンツデー)
・ブレイナードFRB副議長、退任予定

21(火)
・独 2月 ZEW 景況感指数(19:00)
・英2月製造業PMI速報値
・ドイツ2月製造業PMI速報値
・ユーロ2月圏製造業PMI速報値
・カナダ1月消費者物価指数
・米2月製造業PMI速報値
・米 1月 中古住宅販売件数(22日 0:00)

22(水)
・ 22(水) 1月企業向けサービス価格指数(8:50)
・NZ 準備銀行金融政策決定会合
・1月 31日・2月 1日開催の FOMC 議事録(23日 4:00)
・独 2月 Ifo 景況感指数(18:00)

23(木)
・天皇誕生日 日本休場
・トルコ中銀金融政策決定会合
・米 10-12 月期GDP改定値(22:30)
・20 カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(〜25日インド)

24(金)
・1月消費者物価(8:30)
・1月全国百貨店売上高(14:30)
・日銀総裁・副総裁候補者に対する所信聴取が衆議院で実施(参議院は 27日)
・ロシアのウクライナ侵略開始から1年
・米 PCE1月個人所得・個人支出(22:30)
・米 1月新築住宅販売件数(25日 0:00)

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