2023年4月9日日曜日

 週末はイースター休暇で株式市場は休場、債券市場は半日取引。
雇用統計を受けた反応が重要と注目していましたが
米金利が大きくリバウンドしましたね。

予想を上回る雇用統計の内容で
このところの悪い指標の連鎖に歯止めがかけられました。

■米雇用者は堅調なペースで増加、失業率低下-5月利上げの道開く
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-07/RSQW8CDWRGG001
【米3月雇用統計】
非農業部門雇用者数:前月比+23.6万人(予想:+23.0万人)
      失業率:3.5%(予想:3.6%) 
     平均時給:前年比+4.2%(予想:+4.3%)
    労働参加率:62.6%(予想:62.5%)

■先週発表された予想より悪かった経済指標は軒並み悪かったが、、、

・JOLTS求人件数:63.2万件減の990万件と、21年5月以来、約2年ぶりの低水準
・ISM非製造業総合景況指数:総合51.2(前回55.1)予想54.4、予想を大きく下回る
         雇用指数:51.3(前回54.0) 
・3月ADP雇用統計:+14.5万人 予想を大きく下回る
                 (予想:+21.0万人、2月:+26.1万人←+24.2万人)
                 
結局、週末の雇用統計の数字が良かったため、
金利低下に歯止めがかかりました。

※米国債利回り一覧

そしてFedウォッチを確認すると5月FOMCでの利上げ折込みが急上昇。
75%の確率で利上げに急転換。
雇用統計の数字が悪くなかったというのがこれほどセンチメントを変えるものか。
という意味で注目していたわけですが、
ドルが巻き返しのフェーズにはいるかもしれません。
ただし、今週も重要なインフレ指標が発表されます。
あまりにインフレが鈍化していた場合、またセンチメントが
ガラリと変わるかもしれませんので、ドル金利上昇は短命に終わる可能性も。

■今週の注目
・12日(水)米3月消費者物価指数:予想=前年比+5.2% 前月比+0.3%
                (前回=前年比+6.0% 前月比+0.4%) 
           CPIコア指数:予想=前年比+5.6% 前月比+0.4%
                 (前回=前年比+5.5% 前月比+0.5%)

・13日(木)米3月生産者物価指数:前回=前年比+4.6% 前月比▼0.1%
              コア:前回=前年比+4.4% 前月比0% 
                      
・14日(金)米3月小売売上高:予想=前月比▼0.5%(前回▼0.4%)
            コア:予想=前月比▼0.5%(前回▼0.1%)
               
また12日には3月分のFOMC議事録が発表されます。
3月FOMCはSBV破綻など金融システム不安の渦中で開催されたこともあり、
0.25%の利上げは決定したものの、今後の利上げについては慎重な議論が
かわされた可能性もあり、内容によっては5月利上げ折込が急速に低下する可能性も。

今週は金利が大きく動きそうです。

ドル円132.85円ショートは雇用統計前に131.66円で買い戻しました。
ノーポジです。
金利上昇で今週の米株がどのように動くかに注目ですね。

■米銀の融資、2週連続で急減-信用状況の逼迫を示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-07/RSRITYDWLU6F01?srnd=cojp-v2
・商業銀行の貸し出しは3月29日終了週に450億ドル(約5兆9500億円)余り減少
・商業銀行の預金が同じ週に647億ドル減少したことも分かった。減少はこれで10週連続。
・先月29日までの2週間で商業銀行の貸し出しは1050億ドル近い減少、
 1973年からのFRBデータで記録的な落ち込み

中長期でみて米国の景気が失速するであろうリスク。
こうなると米中小型銘柄への投資は避けるべし。
ビックテック以外は景気悪化の影響を被ると考えられます。
というわけでナスダックは悪くない、というのが岡崎氏の考察。

■中国、金保有5カ月で120トン積み増し 3月末
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM076RC0X00C23A4000000/
・3月末時点の外貨準備高、前月比510億ドル増の3兆1840億ドル
・金の保有量は約2068トンと2月末から0.9%増
・5カ月連続増加、この期間に120トン積み増し

豊トラスティ証券さんのレポートにわかりやすいグラフがありました。
https://is.gd/bDOx0u
■中国の金準備推移
この5ヶ月で急ピッチに中国が金準備を増やしていることが伺えます。
それ以前のグラフが平坦が続き、急増するという形になっているのは
中国中央銀行は金購入量の発表が気まぐれであるためです。
IMFが中国人民元を特別引出権バスケットに採用した2016年にむけては
毎月発表(報告)していた時期がありましたが、、、、。
中国は金購入をある時突然発表し、またピタリと公表しなくなる、ということを
繰り返してきたため、残高が変わらない期間があるのです。
ここ5ヶ月はきちんと発表するようになりましたね。
この5ヶ月のその購入ペースも尋常ではないのですが、
その事自体になにか意味がありそうで不気味でもあります。

こうして金の現物の需給が締まっているところで
米国の利上げが一服し利下げが催促されるようになれば
金がさらに上るだろうことは想像に難くないですね。
※ただし雇用統計の結果をうけて短期的には金利が反発しているため
週明けのゴールドはやや売り優勢スタートとなると思われます。

【金現物の動向に注目】
ゴールド需給の地殻変動(Seahawk代表 成田博之氏)
https://www.youtube.com/watch?v=PdssQrRBKFs

それと、中国は金準備を増やす傍らで米国債保有を減らしています。
https://is.gd/bDOx0u
ロシアが2018年に米国債をほぼ売り払っていましたが
その後に起きたことを考えると・・・。
後はサウジの米国債保有が減ることがないか、注視しておきたいですね。
********今週の主な予定*********

4/10(月)
●3月景気ウォッチャー調査(14:00)
●植田日銀新総裁、就任記者会見予定
●IMF・世銀、春季総会(〜16日ワシントン)
●イースターマンデーにより欧州、香港、豪、NZ などが休場

11(火)
●2月工作機械受注(15:00)
●中国 3月消費者物価(10:30)
●中国 3月生産者物価(10:30)
●米比合同軍事演習(〜28日)

●バイデン米大統領、英国とアイルランドを訪問(〜14日)
   ↑これ、ポンドの買い要因となるやもしれません。 
    下手にポンドは売らないほうがよさそう。

12(水)
●3月国内企業物価指数(8:50)
●2月機械受注(8:50)

●米 3月消費者物価(21:30)
●3月 21・22日開催の FOMC 議事録(13日 3:00)
●G20 財務相・中央銀行総裁会議(〜13日ワシントン)

13(木)
●3月マネーストック(8:50)
●中国 3月貿易収支
●米 3月生産者物価(21:30)

14(金)
●オプションSQ
●米 3月輸出入物価(21:30)
●米 3月小売売上高(21:30)
●米 3月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)
●米 4月ミシガン大学消費者マインド指数(23:00)
●休場:インド

15(土)
●G7 気候・エネルギー・環境相会合(〜16日札幌)
●東京ディズニーランド開園 40 周年
●米財務省、半期に一度の為替報告書の議会提出期限

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