2023年5月22日月曜日

 G7サミットを受け、岸田内閣の支持率が上昇しています。

■岸田内閣の支持率56%、サミット効果で9ポイント上昇…読売世論調査
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20230521-OYT1T50112/

■岸田内閣支持率45% 前回から9ポイント上昇 毎日新聞世論調査
https://mainichi.jp/articles/20230521/k00/00m/010/120000c

岸田首相の外交成果が評価されたG7。
こうなると、解散総選挙への思惑が強まります。

G7後の会見で岸田首相は
「従来と変わらず今、解散・総選挙については考えていない」と述べていますが
政治上の好機となるならば、その可能性は残ります。
会期末の6月21日までは解散の可能性が取り沙汰され続ける、との見方も。

先週の日本株は独歩高の様相を呈しましたが
(日経平均は7営業日続伸で3万円大台を回復)
(TOPIXはバブル後の高値更新)
円安効果、バフェット効果、PBR修正、海外リスクからの受け皿など
株高の背景は説明が可能ですが、
G7後の解散総選挙を睨んだ海外投資家のマネー流入という見方もあるでしょうか。

■堅調の夏?日本株の夏
サマーラリーを予感させる3つの理由
https://www.smd-am.co.jp/market/daily/focus/2023/focus230518gl/
(三井住友DSアセットマネジメント レポート)
1969年以降2021年まで計17回の総選挙では、
解散前営業日から選挙前営業日までの日経平均株価の勝率は100%、
平均リターンは+3.9%
(現在相場に引き直すと1000円以上の上昇が期待できる)

5月12日までの一週間で海外投資家の日本株買い越し額
現物:5,659億円、
先物:2,168億円、現物の大きさが目立っています。

新年度4月第2週からの累積値では
現物:2.2兆円、
先物:1.4兆円。

決して先物主導の上昇ではない、
というのが急落リスクが小さいことを示しています。
ただし、テクニカル的には移動平均線からのカイリ率も大きいこともあり
高値を追いかけては買いたくないですね。
押し目を待ちたいですが、、、、

ひょっとすると今週は外部環境の悪化から
株に大きめの調整が入るかもしれません。

■米債務上限問題。

先週半ばまでは債務上限問題への警戒が薄れる中で
米株も上値を追う展開となりましたが、
週末には一転して両者の隔たりが報じられています。

■米債務交渉、週末も継続へ-共和党退席でいったん中断後に再開
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-19/RUWVVHT0AFB401?srnd=cojp-v2
■米大統領が下院議長と21日午前に電話会談、債務上限巡り-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-20/RUZ5U9DWRGG001

米共和党のマッカーシー下院議長
「昨年を下回る歳出が望ましい」
「バイデン大統領とは話していない」
「(債務上限交渉について)何も進展していない」

バイデン大統領がG7から帰国。
今週話し合いは再開されますが
イエレン財務長官が示したデットライン6月1日が迫ります。

結局は合意するだろうという楽観から米株は
ほとんどこのリスクを織り込んでいません。
確かにに結局は合意するでしょうから
何も起きない可能性もありますが、
事によってはリスクオフ相場となる可能性に備えておきたいですね。

そしてドル円相場。
先週は、強かった小売売上高の数字などを受け、
6月OFMCの利上げ確率が上昇し、年内の早期利下げ開始期待が
後退する中で、ドルが上昇基調を強めました。

が。

週末金曜日、急速にドルが売られてNYクローズ。
今週はドル高が一服し、ドル安基調が強まるかもしれません。
というのも、6月利上げの可能性が大きく後退したためです。

■FRB議長が6月利上げ休止の明確なシグナル-「分析する余裕」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-19/RUWWNVT0AFB401
・議長の発言後、6月FOMCの利上げ確率は33%➡13%前後に低下
(一方、ボウマン理事やクリーブランド連銀のメスター総裁などは、
 利上げを継続すべきだとの見解)

しかしFOMCメンバーの見解は別れているようで
まだ利上げの必要がある、というメンバーもあれば
6月休止でも、再利上げが必要となる、というメンバーも。

■FRB、6月は利上げ1回見送りとする案浮上か-当局者の見解割れる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-18/RUVEYOT0AFB401

ブラード米セントルイス連銀総裁
「インフレに対する保険政策として利上げを続けることを支持」
ダラス連銀総裁
「6月利上げ停止、まだその状況に達していない」
アトランタ連銀総裁
「利上げ休止に傾いている」

しかし、議長が6月利上げ休止の可能性を示唆した意味は大きいと思われ、
今週はこれが為替市場のテーマとなるかも。
つまり、ドル高の修正です=ドル安。

一方、日本。
■拙速な政策転換、2%達成の芽つむコスト極めて大きい-日銀総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-19/RUX0Y4T0G1KW01
「粘り強く金融緩和を継続していく姿勢は不変」
「必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」
「拙速な政策転換により、2%達成の芽を摘んでしまう場合のコストが極めて大きい」
「出口に向けた金融緩和の修正は時間をかけて判断していくことが適当」

植田総裁、拙速な政策転換を否定。円安要因ですね。

ドル安、円安でドル円はあまり大きな動きはないかもしれませんが、
ECBやBOCからはタカ派コメントが。

■ラガルドECB総裁
「政策金利は依然として持続的に高水準である必要がある」
「インフレが緩和し始まるか重要な局面にある」

■マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「利下げについて考えるのは時期尚早」
「4月CPIは予想を上回った。食料価格のインフレは依然として高すぎる」
「6月の金利決定は経済データに基づいて決定される」

クロス円は上昇傾向が続くかもしれません。

カナダ円101.67円ロング継続。(101.50割れたら手仕舞います)
ドル円136.14円ロング継続。(137.70割れたら手仕舞います)
ユーロドル1.0908ドルショート継続。「1.0831超えたら手仕舞います)

NOTE
■首相、半導体投資を要請 米台韓の大手7社幹部と会談
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA176U00X10C23A5000000/
~政府は国内での半導体関連の売上高を
   30年に足元の3倍の15兆円にする目標を掲げている。
  
■半導体大手、対日投資2兆円超 東アジアの経済安保強化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA184HX0Y3A510C2000000/
日本への直接投資が2兆円にも。
同時期に一気に為替が起きるわけではないのでそのインパクトは
見えづらいのですが、円買い要因であることには違いないでしょう。

現状ではそれ以上に貿易赤字が問題となっているのですが、
しかし、貿易赤字も縮小傾向にある、ということはおさえておきたいポイント。

■4月の貿易収支 4324億円の赤字 21か月連続の貿易赤字
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230518/k10014070821000.html
1月は正月や春節の影響で赤字が突出するのは例年のことなので
1月の巨額な赤字に驚くなかれ。

日本は円安が止まらない構造に変化してしまった、という声が聞かれますが、
再び日本が稼ぐ力を取り戻せばその構造はまた変わります。
確かにIT・クラウドのサブスクに支払いなど新たな円安ドル高要因が
膨らみつつもあるのですが、貿易収支は再び黒字になる日が来るかもしれません。
原発の再稼働がなくても。

*********今週の主な予定********************
22日(月)
中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート、1年・5年)
ユーロ圏消費者信頼感(5月)
セントルイス連銀総裁、講演
リッチモンド連銀総裁、講演
アトランタ連銀総裁、講演

23日(火)
日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(4月)
ユーロ圏製造業PMI速報値(5月)
独製造業PMI速報値(5月)
英製造業PMI速報値(5月)
米製造業PMI速報値(5月)
ダラス連銀総裁、講演

24日(水)
NZ中銀政策金利
NZ小売売上高(第1四半期)
英消費者物価指数・生産者物価指数(4月)
ベイリー英中銀総裁、講演
FOMC議事録(5月2日-3日開催分)

25日(木)
トルコ中銀政策金利
米GDP改定値(第1四半期)
アジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合

26日(金)
東京都消費者物価指数(5月)
豪小売売上高(4月)
米個人所得支出(4月)
米PCEデフレータ(4月)

27日(土)
中国工業企業利益(4月)

28日(日)
スペイン地方選挙
トルコ大統領選決選投票

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