2023年5月15日月曜日

 先週のブログでドル高が来そうだ、と書きましたが
ほんと、ドル独歩高の様相を呈し始めました。

※通貨インデックス一覧

それにしてもNZドルの弱さよ・・・。

■NZが特に弱かった背景に、RBNZの四半期調査でのインフレ期待の低下が。

NZ中銀四半期調査
1年先 インフレ期待 +5.11%➡+4.28% 前回調査から低下
2年先 インフレ期待 +3.30%➡+2.79% 2021年9月以来の低水準に低下
10年先インフレ期待 +2.19%➡+2.28% 前回よりやや上昇

1年先、2年先のインフレ期待が低下したことを受け、
NZがドル大きく売られる展開へ。

■ポンドの弱さは利上げ停止示唆が?
英国金融政策(5月MPC)-0.25%ポイント利上げ、金融不安の影響は限定的
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=74809?site=nli

ベイリー英中銀(BOE)総裁
「利上げを一時停止できる時期に近づいている」

※エコノミストによっては利上げ継続の可能性が示唆されたと
 解説する向きもあり、受け止め方が分かれているようですが、、、、
BOEも利上げ継続の可能性を示唆
https://www.dlri.co.jp/report/macro/250062.html

■カナダドルの弱さの背景には原油安?

※WTI原油日足 再び70ドルを割り込みそう…
原油がなぜ弱い?
OPECプラスが追加減産するって言ってるのに下げています。
安価なロシア産原油の闇輸出のせいで世界需給がゆるいままなのか?
それともそもそも世界の石油需要が弱いのか?

味ポンさん(@ajipondu)のTweetからは中国の景気が失速しつつあることが伺えます。
https://twitter.com/ajipondu/status/1657533943665815552
また、そもそもカナダは1月の利上げを最後に4.5%で利上げ打ち止め
3月.4月のBOC会合では利上げを見送っています。
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一方、なぜドルが強かったのか。
はっきりとした理由がないのですが、一部で指摘されているのが
NZの下落の材料となったインフレ期待ですが
米国では上昇したことが背景とも。

■米消費者の長期インフレ期待、12年ぶり高水準に加速-ミシガン大

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-14/RUMLEUDWX2PS01

消費者マインド指数 63.5 ➡ 57.7(低下)

期待インフレ率
短期1年 4.6%➡4.5%(小幅低下)
長期5年 3.0%➡3.2%(予想 2.9%)2011年以来の高水準

ミシガン大学消費者態度調査で示された
1年先及び5-10年先インフレ見通しが市場予想を上回る強さに。
米金利には全般上昇圧力がかかりました。
1ヶ月ものの急騰は債務上限問題絡みなのか・・・。
ひどい動きです。金利急騰は債券が売られているということ。

そして短期金利市場ではNZの金利だけが大きく低下。
これがNZドルがより大きく売られている背景ですね。

※主要国 2年債利回り
このままNZ金利が低下していくなら
ここからまだまだNZドル売りが妙味あり。

それと、これでドル下落がボトムアウトしてドル上昇が本格化すると
考えた場合、ここからの下落が大きいと考えられるのがユーロ。

通貨先物市場のネットロング(売りと買いを相殺)ポジションが
18万枚近くにも積み上がっています。
http://www.forexwatcher.com/cmepos.htm
これまで米国の金融政策のピボットと欧州のインフレ率の高さから
ECBのタカ派スタンスがユーロロングを積み上げてきたと見られ
仮にこれが逆流すると大きなユーロ下落リスク・・・・

ユーロ円147.75円売り継続ですが
ユーロドル1.0908ドル売りも追加。

ドルの利上げ停止がほぼ見えたことで、ドル売りが止まった可能性が。
これぞ「噂で買って事実で売り(噂で売って事実で買い)」か。

さらにミシガンインフレ期待が強く、
年内利下げの可能性が少しづつ後退することで
ドル安の修正が起きる可能性が出てきました。
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債務上限問題、何ら解決の糸口が見えぬままです。

米財務長官、議会にデフォルト時期巡る最新情報を2週間内に提供
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-13/RUKPLZT0AFB401?srnd=cojp-v2
・5月1日時点では「6月1日」にデフォルトのリスクありと議会へ書簡を送っている

国債の支払いは継続か、「Xデー」後の場合のイエレン長官の選択肢
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-12/RUINPPDWRGG001
「議会による引き上げがない場合、今ある資源で何をするかについて大統領は何らかの決断を迫られるだろう」と述べ、複数の選択肢の存在を実質的に認めた。

~財務省が手元資金や歳入を使い、政府債務の支払いを確実に行うというものだ。
~財務省が米国債の支払いを続けると想定した場合、バイデン政権はその次に社会保障給付や国防関連、連邦職員給与など他の多額の支払いを継続するかどうかも決めなくてはならない。

バイデン大統領、幾つかの変更について真の議論-米債務上限巡る交渉
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-14/RUMLEUDWX2PS01

6月1日にデフォルトというのは早計で
イエレン財務長官が議会に早く決めて!と発破をかけたものと思われます。
ただ、今年は所得税の税収が見込みより少ないということが明らかとなっており
これが従来秋口まで持つだろうとみられていた資金繰りが
前倒しで切れてしまうリスクであるようで、
2週間以内には本当にデフォルトリスクのある期限について
情報を出すとイエレン財務長官。

バイデン大統領はG7に向け広島に来られるのか。
今週もこの話題からは目が話せません。
このリスク、米株式市場には全く織り込まれていませんが💦

ダウCFD33486ドル売りはカットしました。
もし、解決した場合の踏み上げリスクのほうが大きいと感じるので・・・。
逆に急落局面では連れ安した日本株を買いたいと思います。

-------------今週の主な予定:要人発言多め-------------------------
15日(月)
日本国内企業物価指数(4月)
中国中期貸出制度(MLF)1年物金利
欧州委員会春季経済予測
米NY連銀製造業景況指数(5月)
ユーロ圏財務相会合
クックFRB理事、講演
ミネアポリス連銀総裁、討論会参加
アトランタ連銀総裁、金融市場に関する会合で挨拶

16日(火)
中国小売売上高・鉱工業生産(4月)

■米小売売上高(4月)
 予想前月比+0.7%、前月から改善の見通し。3カ月ぶりプラスとなるか
 (3月は前月比▼0.6%と2か月連続の減少だった)

カナダ消費者物価指数(4月)
EU財務相理事会
欧州評議会首脳会議
欧州復興開発銀行(EBRD)年次総会
米下院金融サービス委員会米銀2行破綻巡る公聴会 
 バーFRB副議長や米銀規制当局トップ、破綻銀前経営者ら出席
ダラス連銀総裁、アトランタ連銀主催年次金融市場会議司会進行
NY連銀総裁、討論会参加
クリーブランド連銀総裁、講演

17日(水)
日本GDP速報値(第1四半期)予想 前期比年率+0.8%
豪州賃金指数(第1四半期)
中国新築住宅販売価格(4月)
米20年債入札(150億ドル)
シカゴ連銀総裁、アトランタ連銀総裁、アトランタ連銀主催年次金融市場会議出席

18日(木)
豪州雇用統計(4月)
ECB経済報告
米景気先行指数(4月)

■米フィラデルフィア連銀景況指数(5月)
  予想▼21.1 前月▼31.3から改善予想もマイナス圏か
  
米上院銀行委員会米銀2行破綻巡る公聴会 
バーFRB副議長と連邦預金保険公社(FDIC)総裁、破綻銀前経営者が出席
ジェファーソンFRB理事、全米保険監督官協会(NAIC)出席
ダラス連銀総裁、講演

19日(金)
日本消費者物価指数(4月)予想 前年比+3.4%(3月は 前年比+3.1%だった)

G7広島サミット(21日まで)
ラガルドECB総裁、スペイン中銀総裁、ブラジル中銀主催会議参加
パウエルFRB議長、NY連銀総裁、バーナンキ元FRB議長、FED主催金融政策研究会議出席
ボウマンFRB理事、討論会参加
アラブ連盟首脳会議
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note

■トルコ大統領選 開票始まる 物価高騰や大地震対応で現職に逆風
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230514/k10014066891000.html
エルドアン政権退陣となりそう。
トルコリラが急変動するリスクがありますのでご注意。
エルドアン退陣で必ずしもリラが上昇するとは限りません。

■G7、金融システム強化とサプライチェーンの新枠組み設置で合意
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-13/RUIWX0T0G1KW01
共同声明
・銀行セクターの動向を注意深く監視し、金融システムの強靱性維持のために
「適切な行動を取る用意がある」と明記

・「RISE(強靭で包摂的なサプライチェーンの強化)」
中国に依存する再生可能エネルギー関連部材の
サプライチェーンを多様化することで合意

・来年の早い時期にかけてウクライナへの支援を440億ドル(約6兆円)に
 引き上げることを合意

■日銀参与に吉川洋氏、大規模緩和に否定的な経済学者
https://jp.reuters.com/article/idJPL4N3790PM
ちょっと心配。

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