2023年6月19日月曜日

 日銀はサプライズなし。
異次元緩和の継続を決定しました。
ただインフレの低下の速度が「想定よりやや遅い」ことを懸念していることと、
YCC修正・解除に関しては「ある程度のサプライズはやむを得ない」と
植田日銀総裁が口にしたという点は気になりますね。

インフレが思うように鈍化しない、あるいは再浮上/加速するなら
サプライズ的なYCC修正/撤廃の可能性はある、というメッセージではないか、と。
もちろん今直ぐにということではありませんが
今後出てくるインフレ指標次第ではYCC修正への思惑が強まり
円高に反応しやすくなる可能性があるかも、、、

とはいえ、足元ではそうした指標を見極めたいということで
政策変更無しを決定したばかりですので
市場は、緩和継続の日銀、場合によっては再利上げの可能性があるFRB,
7月も利上げする可能性を強調しているECBという材料は
ドル円とユーロ円などのクロス円の上昇を加速させています。

日銀総裁「サプライズやむを得ない」 YCC修正で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB163090W3A610C2000000/
・足元の物価の動きについては「下がり方が(想定していたよりも)やや遅い」と述べ、物価シナリオが揺れ始めていることを認めた。

・長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正に関しては「(市場との丁寧な対話を心がけるものの)ある程度のサプライズはやむを得ない」と述べた。

ドル円は足元のレンジ上限をブレイクしました。
トレンドは円安ですね。
押し目買いでいいと思いますがまた日本の通貨当局からは牽制があるかも。
介入が入るレベルは145円を超えてからではないかと思いますが。

※ドル円 クロス円日足チャート

日経平均は10週連続で上昇。
10週連続上昇はアベノミクス以来のことです。
外国人投資家は9兆円程度日本市場に資金を振り向けてきましたが
アベノミクスの時は27兆円程度日本株を買ってきました。
まだ買い余力はある、と見ることができるのですが
このまま踊り場、休憩もなく上がるかどうか・・・。

日経平均CFDは金曜夜間取引で34000円大台タッチしています。

そして気がかりなのが、米株市場。
6月16日金曜日は米株市場のトリプルウィッチングでした。
先物取引、オプション取引、個別株オプション取引の精算日。
(3.6.9.12月の第3金曜日)
加えてストック・オプションの取引最終日も重なる
クアドルプルウィッチングでもあり、節目となりやすいとされています。

といわけで米株市場も、踏み上げが一服する可能性も。
主要株価インデックスは金曜、軒並み陰線を示現しました。
さらに週明け月曜は奴隷解放記念日(ジューンティーンス)祝日のため
米国市場は休場です。

米国株、大きな上昇の後に大崩れ来る-BofAハートネット氏予想
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-16/RWC8S4T0G1KW01

現時点では米株が大崩れする、とは思いませんが
調整がほしいと思っている投資家は多いと思われます。
そういう時って調整がなかなか来ないものでもありますが
今週は日本のMSQにあたるクアドルプルウィッチング明けということもあり
これまでの上昇の勢いは薄れるかもしれません。
そこを狙って売り方が参戦してくれば意外と大きめの下落がくるかも?

米株上昇が一服するなら日本株も、、、って流れも想定されます。
売り参戦は怖い相場ですので止めておきますが
買いそびれていた向きには押し目買いの好機となるか。
その場合、ドル円、クロス円にも調整が入る可能性もありますね。

■今週は英国中央銀行(BOE)の金融政策決定会合MPCが開催されます。

2021年12月に利上げを開始し12会合連続利上げを継続中。
今回、13会合連続利上げが予測されています。
0.25%引き上げて4.75%になる観測ですが
その後8月、9月、11月、12月の残り4会合でも
それぞれ0.25%の利上げが織り込まれています。
合計であと1.25%の利上げで年内5.75%まで政策金利は引き上げられる見込み。
来年2月さらに0.25%で最終的には6%になるとの折り込み確率が50%程度あります。

というわけでポンドが強い。
先週ポンドドルを1.2675ドルでロングしていましたが
狙っていたポンド円を日銀会合後にロング。
コストは179.82円。
豪ドル円92.81円ロングも継続です。

調整があれば、追加で買おうかな。
下落のスピードが早い場合は、一旦利食いで逃げるかも。

NOTE
米1年先のインフレ期待、2021年以来の低水準-ミシガン大調査
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-16/RWCMWNT0AFB401?srnd=cojp-v2
・1年先のインフレ期待は3.3%に低下(前月4.2%)
  ~2021年3月以来の低水準に
・5ー10年先のインフレ期待3.0%(前月3.1%)

********今週の主な予定**********
■中銀会合目白押し 
利下げから大幅利上げまで各国の状況の差が鮮明に
https://fx.minkabu.jp/news/265887
  火曜:中国、木曜日:スイス、英国、トルコ、メキシコの会合
(ハンガリー、ブラジル、フィリピン、インドネシア、ノルウェーも)

19日(月)
奴隷解放記念日(ジューンティーンス)祝日のため米国市場は休場

20日(火)
中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート、1年・5年)
ウィリアムズNY連銀総裁、講演
ブラード・セントルイス連銀総裁、講演

21日(水)
通常国会会期末
日銀議事録(植田総裁初会合の4月27日-28日開催分)
★英消費者物価指数(5月)
パウエルFRB議長、下院金融委員会で半期に1度の議会証言
グールズビー・シカゴ連銀総裁、講演

22日(木)
★★英中銀政策金利
スイス中銀政策金利
トルコ中銀政策金利
パウエルFRB議長、上院銀行委員会で半期に1度の議会証言
ウォラーFRB理事、ボウマンFRB理事、講演
メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
バーキン・リッチモンド連銀総裁、講演
端午節祝日のため中国市場は休場(25日まで)

23日(金)
★★日本消費者物価指数(5月)
英製造業PMI速報値(6月)
独製造業PMI速報値(6月)
ユーロ圏製造業PMI速報値(6月)
米製造業PMI速報値(6月)
ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
メスター・クリーブランド連銀総裁、講演

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