週末、ロシアでワグネルがクーデターを起こした、
というニュースには驚きました。
結局、何も起きなかったのですが、事態は大きく動きました。
ロシア首都モスクワに向かっていた民間軍事会社ワグネル代表プリゴジン氏は
部隊を引き返させたことでロシア正規軍との武力衝突は回避されました。
プリゴジン氏はベラルーシに向かったとされています。
ベラルーシのルカシェンコ大統領とは20年来の友人だとか。
プーチン大統領は演説でプリゴジン氏の進軍を「裏切りだ」と非難し
軍に断固たる措置をとるよう指示していましたが、
ワグネルが引き返したことを受けてロシア大統領府は
「前線での功績を考えれば誰も罪に問われないだろう」と述べ
ワグネルの戦闘員に対する責任は問わない考えを明らかにしています。
正確な方どうかどうかはわかりませんが、一部に
プーチン大統領がサンクトペトルブルグに逃げたという話も飛び出し、
ペスコフ大統領報道官はこれを否定する発言を行っています。
内戦は避けられましたがプーチン大統領のダメージは計り知れません。
罪に問わないということは手打ちしたと考えられますが
反逆者を追い詰める武力がないことを意味していると思われます。
また、今後ワグネルという民間部隊がロシア軍から撤収し
正規軍だけでウクライナと戦うこととなったわけです。
週明けのマーケットには、大きな影響はないと考えますが、
事態は大きくロシアに不利な状況に傾いたと見られ
戦争の早期終焉の可能性を考えておく必要も出てきそうです。
例えばゴールドには短期的に利食いが先行するかもしれません。
戦争終結は基本、リスクオンのような気がしますが
すでに戦争を無視した形で世界の株価は復調を遂げて上昇しており
戦争終結を好材料にここからさらに株価の上昇につながるとは思えません。
市場はむしろ、先週金曜日に発表された6月欧米のPMIを嫌気、
これが尾を引かなければいいですが、、、。
・米・6月製造業PMI速報値:46.3(予想:48.5、5月:48.4)
・ユーロ圏・6月製造業PMI速報値:43.6(予想:44.8、5月:44.8)
・ユーロ圏・6月サービス業PMI速報値:52.4(予想:54.5、5月:55.1)
先週は特にフランスのサービス業PMI悪化が
ユーロ売りが加速させた印象がありました。
・フランス・6月サービス業PMI:48.0 (前回52.5)
・英・6月製造業PMI速報値:46.2(予想:46.8、5月:47.1)
・英・6月サービス業PMI速報値:53.7(予想:54.8、5月:55.2)
英国はインフレの鈍化ペースが鈍すぎるため
先週のBOEで予想外の0.5%の利上げを決定し金利を5%まで引き上げていますが、
短期金融市場で、英中銀ピーク金利は12月に6.25%に達することが
織り込まれるまでになっています。
それなのに、景気指標が悪化しているということは
スタグフレーションリスクが極めて高まっている。。。ということね。
■英中銀ピーク金利は12月に6.25%、短期金融市場が織り込む
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-23/RWPCOAT1UM0W01
英国の主要株価インデックスFTSEは下落基調に入りそう。
金利先高観からポンドは押し目買いでいいのだろうか・・・・?
週末の概況はPMIの悪化が株売に繋がったとの解説が多いのですが、
単純に月末・半期末のリバランスが嫌気されているのかもしれません。
■世界株に21兆円相当の売り圧力も、機関投資家リバランスで-JPM
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-16/RWBJDLT0G1KW01
▼年金や政府系ファンドのリバランスで、世界株は最大5%下落も!
▼債券へのリバランスとしては、2021年第4四半期以来最大に!
▼今四半期は、株式が債券をアウトパフォームしていることから、
ポートフォリオ・マネジャーは長期目標の達成に向け株式のエクスポージャーを
減らす必要がある。
■日本株市場はETFの換金売りの時期も重なりますね。
■日本株に恒例の需給悪化、1兆円超のETF換金売り-年金再配分も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-22/RWMYFOT1UM0W01
7月上旬は主要なパッシブ型ETFの決算日が集中しており、
推計で7日と10日が決算日となるETFが分配金支払いのために解消するポジションは
合計で1兆1000億円超と過去最大になる見込みだ
ロシアの件はさておき、短期的には
日本株市場リバランス売りに注意が必要です。
かと言ってドル円が下がるかというと、
国内勢のリバランスではドル円は関係ないですね。
海外勢がこの四半期末にリバランスするポジションがどのくらいあるか。
ってとこですが、もし、影響があってドル円が下がっても
そこが絶好の押し目とばかりに買われるんじゃないかな。。。
今週は米国のインフレ指標であるPCEデフレータに注目。
現在のところマーケットは7月の1回の利上げしか織り込んでいません。
FOMCの見通しを信用していないというわけですが
PCEが強ければ、慌てて年内2回の利上げを折り込む形でドル金利上昇、
ドル円上昇となるかもしれません。
PCEはFRBがインフレ指標として最も重要視しているものです。
その他、ユーロ圏やドイツ、フランス、イタリアがCPIを発表します。
欧州圏のインフレが強い結果となるなら欧州金利が上がりユーロ高となるか。
ECBのラガルド総裁はすでに7月会合で追加利上げを実施する可能性が強いと示唆
していますが、逆にインフレ指標の急低下しているとユーロ売りが加速しそう。
今週は中国政府発表の6月製造業PMIや非製造業PMIにも注目です。
先週20日、中国は政策金利と位置づけられるローンプライムレートを
期間1年、同5年超のいずれも引き下げました。
利下げは10ヶ月ぶりですが、これによって人民元安が加速しています。
人民元がドル高をもたらしている側面も否定できず。
中国PMIが悪ければ人民元売りがさらに加速しドル高となるやもしれません。
■焦点:中国の利下げ、「特効薬」にならない理由 財政求める声
https://jp.reuters.com/article/analysis-china-economy-idJPKBN2Y804R
NOTE
■日本の化粧品メーカーに打撃か、中国ネット上で福島原発巡り不買運動
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-23/RWP8FJDWX2PS01
誰がどういう目的でけしかけているのか・・・。
日本の若年層がネットやドンキなどで手軽に韓国や中国の化粧品を
買えるようになっていますが、SNSなどを見ていると
特に韓国コスメは日本国内に当たり前に流通していることが伺えます。
日本の化粧品ブランドは中国に活路を見出していましたが
中国にはこういうリスクがつきものですね。
■アマゾン、インドに2.1兆円追加投資-グーグルは技術センター開設へ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-25/RWSRVXT0G1KW01
時代はインド投資へシフト
ユーロドル 1.9604ドルL
豪ドル円96.48円L ともに金曜にポジションカットしています。
PMI受けてユーロ円ショートしましたが直ぐに手仕舞っています。
ここからはちょっと様子見・・・・
*********今週の主な予定************
26日(月)
5月企業向けサービス価格指数(8:50)
独 6月 Ifo 景況感指数(17:00)
27日(火)
米 5月耐久財受注(21:30)
米 4月 FHFA 住宅価格指数(22:00)
米 4月 S&P コアロジック CS 住宅価格指数(22:00)
米 5月新築住宅販売件数(23:00)
米 6月CB消費者信頼感指数(23:00)
夏季ダボス会議「起業家精神:世界経済の原動力」(29日まで)
28日(水)
中国工業企業利益(5月)
豪消費者物価指数(5月)
ECBフォーラム(26〜28日)
植田日銀総裁、パウエルFRB議長、ベイリー英中銀総裁、ラガルドECB総裁討論会参加
米FRB、銀行ストレステスト結果公表
29日(木)
5月 商業動態統計(8:50)
6月 消費動向調査(14:00)
豪小売売上高(5月)
米 1-3月期 GDP 確定値(21:30)
米 5月中古住宅販売仮契約(23:00)
○株主総会集中日
30日(金)
5月失業率・有効求人倍率(8:30)
6月東京都区部消費者物価(8:30)
5月鉱工業生産(8:50)
中国 6月コンポジット PMI、中国 6月製造業 PMI、中国 6月非製造業 PMI(10:30)
ユーロ圏 5月失業率(18:00)
米 5月個人所得・個人支出(21:30)
米、学生ローン返済の一部免除措置をめぐる訴訟の判決が下される見通し(月末)
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