2023年7月3日月曜日

 先週は、ダウ輸送株が強さが目立ちましたが週末金曜は
米5月個人消費支出(PCE)価格指数の伸びが予想を下回ったことで
米株市場全面高の展開となりました。
どのインデックスも上昇に弾みをつけています。

※米国主要株価インデックス

ナスダック100、1-6月に約40%上昇-上期として過去最大の上げです。
アップルは終値ベースで史上初の時価総額3兆ドル到達がニュースに。

・5月コアPCE価格指数:前年比+4.6%(予想:+4.7%、4月:+4.7%)
                           予想外の鈍化
・5月個人所得:前月比+0.4%(予想:+0.3%、4月:+0.3%)
・5月個人消費支出(PCE):前月比+0.1%(予想:+0.2%、4月:+0.6%)
・6月シカゴ購買部協会景気指数(PMI):41.5(予想:43.8、5月:40.4)

7月FOMCでの利上げは折り込み済みとして。
年内更にもう一度の利上げはないだろう、
というのが現在のマーケットのコンセンサス。

PCEの鈍化を受けてドル安が進行していますが
先週の動きは月末・半期末のリバランスなどの影響もあったでしょうから
このままドル安が継続するとも限りません。
それも今週発表される6月雇用統計次第でしょうか。。。
こんな見方も。

■米10年債利回り、雇用統計次第で4%到達も-投資家を誘い込む水準
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-02/RX5DRSDWX2PS01
~ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は
10年債利回りのピークについて、
4.5%は「控えめな見積もりだ」との見方を示した。

※米国債利回り一覧 10年国債が4%台まで上がる?!
そうなればドル高ですね。

ドル円相場は先週瞬間145円台タッチ。
先週30日金曜には

鈴木財務相
「急速で一方的な動きもみられる」
「為替市場に高い緊張感をもって注視」
松野官房長官
「為替、最近は急速で一方的動きみられる」
「行き過ぎた動きには適切に対応する」

財務大臣、官房長官らから牽制発言が確認されています。
いつ介入が入っても不思議はないのでこの高値をロングできません💦
かと言ってスワップコストが大きく売り継続で待つのも厳しい。
下がれば買いたい向きが多く、一向に下がらない相場が続いています。

介入警戒は強くても、介入はないと見る向きもあるようです。

■円は一段安となる恐れ、日本政府介入の公算小さい-BofA
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-30/RX2BIST0G1KX01?srnd=cojp-v2
150円を超えて「劇的に」下げない限り日本政府は為替介入を控える公算が大きい
~原油価格の下落とインバウンド観光の再開で通貨安の政治的コストも和らぐ可能性

しかしながらこの記事中にあるようにYCC修正の可能性は高い。
7月27-28日日銀の金融政策決定会合が予定されていますが
日銀が物価見通しを修正する可能性が高いと見られる中、
YCC修正を見込む向きがあるのですが、どうなるか。
それまでドル円のじり高が続けば150円の可能性も否定できませんが。。。

ドル円は押し目待ちですが
材料によっては通貨先物市場の円ショートポジションの
解消の圧力で短期的な円高トレンドに繋がる可能性もありますので
指値で買うのも控えておきます。

IMM通貨先物ポジション
https://is.gd/jiJtG3
円ショートポジションも10万枚超えで大きいですが
ユーロネットロングも14万枚と巨大ですね。
ユーロも崩れだしたら大きいのでは・・・。

■0.6620で売った豪ドルドルショートは含み損状態。
29日発表された豪小売売上高が予想を超えていたため
7月の追加利上げの可能性が強まった、、、と。

■豪小売売上高、5月は前月比0.7%増 予想上回る
https://jp.reuters.com/article/australia-retail-sales-idJPKBN2YF03D
利上げの確率が統計発表前の27%から36%に上昇。

先週は豪CPIが弱く、利上げ観測が後退していたんですが💦

■豪CPI、5月は1年1カ月ぶり低い伸び 利上げ観測後退
https://jp.reuters.com/article/australia-cpi-idJPKBN2YE03R

5月の豪月次消費者物価指数(CPI)
前年同月比+5.6%(予想+6.1%上昇:4月+6.8%)
コアインフレ率に当たるCPIの中銀トリム平均値
前年比+6.1%(4月+6.7%)7カ月ぶりの低水準を記録。

豪ドル下落のトレンドはまだ継続していると思うのですが
今週は4日火曜にRBA豪州中央銀行の金融政策発表があります。
その前までにあまりに豪ドルが上がるようなら1度カットしますが、
利上げ後、豪ドルが大きく買われる局面があるならまた売り直したい・・・。

短期的には特にリスク要因が見当たらず、
日米共に株高はしばらく続きそうですが、
ここからは下半期にはいるということで
為替市場の需給に変化が出てくるかどうかに注目。

今週末は雇用統計です。

NOTE
■米最高裁、学生ローン返済免除は権限「逸脱」-バイデン氏は代替策
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-02/RX57PODWRGG001
米連邦最高裁判所は30日、
バイデン大統領が政策の柱とする学生ローン返済免除措置が
政府の権限を逸脱していると判断。「立法が持つ権力を掌握する」行為。

■米学費ローン減免無効判断、米経済に逆風 景気減速を前倒しか
https://jp.reuters.com/article/usa-court-biden-student-loans-economy-idJPKBN2YH1V6
米家計が抱える教育ローンの総額は総額1兆6000億ドル。
パンデミック期間中はローン返済が一時猶予されていたため、
約3年ぶりにローン返済が再開されることとなる。

バイデン政権の返済免除策は約4400億ドルのローンが対象、
学生ローン利用者の40%が負債を免除されるはずだった。

~そもそもバイデン大統領は、
債務上限引き上げ合意の一環として、学生ローン返済の猶予を
9月末をもって終了させる法案に署名しています。
連邦政府学生ローンは9月1日から再び利息が発生、
10月から返済を開始しなくてはなりません。
この学生ローンの返済再開が個人消費に大きな影響を与えると
予想するエコノミストも多く、秋口から米経済の失速が市場に影響を
及ぼすリスクもあるでしょうか。

**********今週の主な予定**********

3日(月)
・日銀短観 (8:50)
・6月新車販売 (14:00)

・中国6月財新製造業PMI (10:45)
・ドイツ6月製造業PMI[確報値] (16:55)
・ユーロ圏6月製造業PMI[確報値] (17:00)
・米国6月製造業PMI[改定値] (22:45)
・米国6月ISM製造業景況指数 (23:00)
・米国5月建設支出 (23:00)
独立記念日の前日で米債券市場が短縮取引、カナダ市場休場

4日(火)
・ドイツ5月貿易収支 (15:00)
・豪中銀政策金利
★米国市場休場(独立記念日)

5日(水)
・中国6月財新サービス業PMI (10:45)
・ドイツ6月サービス業PMI[確報値] (16:55)
・ユーロ圏6月サービス業PMI[確報値] (17:00)
・ユーロ圏5月生産者物価指数 (18:00)
・米国5月製造業新規受注 (23:00)
・FOMC (6月13~14日開催分) 議事要旨 (6日3:00)

6日(木)
・ドイツ5月製造業新規受注 (15:00)
・ユーロ圏5月小売売上高 (18:00)
・米国MBA住宅ローン申請指数 (20:00)
・米国6月ADP雇用統計 (21:15)
・米国5月貿易収支 (21:30)
・米国週間新規失業保険申請件数 (21:30)
・米国6月サービス業PMI[改定値] (22:45)
・米国6月ISM非製造業PMI (23:00)

7日(金)
・5月全世帯家計調査 (8:30)
・5月毎月勤労統計調査 (8:30)
・5月景気動向指数 (14:00)
・消費活動指数 (14:00頃)
・ドイツ5月鉱工業生産 (15:00)
・米国6月雇用統計 (21:30)
・ラガルドECB総裁が講演 (8日1:45)

ラガルドECB総裁、仏シンクタンク経済フォーラム討論会参加

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