2023年8月15日火曜日

 上昇続く米金利。ドル独歩高の様相を呈しています。
先週のCPIは抑制的だったのに、なぜ金利上昇が続いているのかですが、
米経済が強い、リセッション警戒が払拭されつつあることが最大の理由でしょう。

アトランタ連銀が試算するGDP Now
https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow
最新Up DATEでは 7-9月期4.1%予想

※GDPナウとは
GDPに関連するISM製造業景況指数、小売売上高、耐久消費財、個人所得・支出、国際貿易統計、住宅着工件数の6種類のデータが公表される度に速報値(予測値)が公表される。リアルタイムの米国の経済成長率を捉えるとして注目度が高い。


GDPは四半期ごとの発表で遅行指標であるため
この先どうなるかを捉えることが難しく
マーケット参加者の指標にはなりません。
ということでアトランタ連銀が指標が出る毎に更新するGDPナウが
注目されるわけですが、最新の試算では7-9月期のGDP成長率4.1%。
ちょっと米経済強すぎやしませんか?と懐疑的な声も聞かれますが、
それにしても、本当にこの強さならリセッションの心配はありません。

というわけでこれまでリセッション警戒で低く抑え込まれていた米長期金利が
水準訂正されているために上昇しているという見方が大勢ですが
2年金利も上昇しており、再び5%を超える可能性も出てきました。

※米国債利回り一覧  過去高値を超えそうです。

今回の利上げフェーズにおける米市場金利の最高値に迫る上昇です。
10年金利が最も上昇したのは22年10/22の4.244%
2年金利が最も上昇したのは23年3/9の5.076%

ここが目先の注目となりますが、
ここを超えてもなお金利が上昇するようだと
株式市場にとってもあまり良くない展開となりそう。
今夜は米株市場全般小反発基調で、まだ動揺しているようには見えませんが
このまま金利上昇が続くと上値がますます重くなるような気がします。

また、ジャクソンホール会合では「自然利子率(r*)」が焦点となる、
という見方が金融関係者の間で話題。
NY連銀がこのような論文を発表しました。
https://libertystreeteconomics.newyorkfed.org/2023/08/the-post-pandemic-r/
自然利子率とは景気やインフレを加速も減速もさせない
需給が均衡する実質金利のこと。(実質中立金利とも呼ばれる)
簡単にいうと、経済にとってちょうどいい金利はどのレベル?ということね。

この自然利子率、2023年第1四半期は0.5%と試算されていましたが
もっと上がっているのでは?という話です。

元IMFのチーフエコノミストで高名なオリビエ・ブランシャール氏などは
自然利子率は低下していると考えているようです。
サマーズ元財務長官やNY連銀総裁ウィリアムズ氏などは
上昇の可能性に言及しており、見方は別れているというのが実情。

なぜこの自然利子率が注目されているのか?
FRBが金融緩和度合いを評価 するうえで重視する金利です。

この自然利子率0.5%に長期的に想定されるインフレ率2%を足した2.5%が
名目「中立金利」です。
中立金利はFOMC参加者が想定する長期のFF金利見通しです。
この2.5%は長期FF金利のメルクマールということです。

となると、自然利子率が上昇している可能性に言及があるとするなら
今後Fedの長期金利見通しも引き上げられる可能性がある、として
足元、米金利が上昇基調にあるのではないかという指摘もあります。

自然利子率が話題となるとの思惑から(上昇しているとの見解が示される?)
ジャクソンホール会合に向けて金利が上昇しているとも考えられますね。

為替市場はこの米金利上昇でドル独歩高の様相を呈しています。
※通貨インデックス一覧

さらに、人民元下落が加速してきた。
人民元安はドル高でもありますね。
元安ドル高がドル需要を高めてしまっており
他通貨ペア(ドルストレート通貨)にも影響しているとも考えられます。
このところでてくる中国関連のニュースはネガティブなものばかり。
不動産セクターに新たな火種が飛び出しました。

◆中国経済の新たなリスク、碧桂園19%安-オンショア社債取引停止
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-14/RZCSUEDWX2PT01
・碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)
~先週7日の利払いを履行できず、デフォルト回避のための猶予期間が30日を切った
・昨年末時点の負債総額が1兆4000億元(約28兆円)
・同業の中国恒大集団の4倍というプロジェクト数

ムーディーズは、碧桂園の信用見通しをマイナスに格下げを発表しました。
デフォルト危機ですが、昨年話題となった恒大集団より影響が大きいとの指摘も。

◆中国不動産「碧桂園」赤字1兆円…社債利払いできず、デフォルトなら恒大集団より影響深刻か
https://news.biglobe.ne.jp/economy/0812/ym_230812_0543270767.html

中国への投資は急減しています。
人民元をサポートする材料は少ない。。。

◆外資の中国投資最少 4〜6月87%減、米との対立激化懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM095620Z00C23A8000000/
・今年の4〜6月工場建設などに投じた対内直接投資は49億ドル(約7100億円)
~前年同期と比べた減少率は87%と過去最大
・中国新規銀行融資、7月の新規人民元建て融資は3459億元(478億ドル)
~6月の3兆0500億元から急減

◆対中規制、米VCの脱中国に拍車 投資参加3分の1に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN102H80Q3A810C2000000/
・中国スタートアップへの投資95%減

◆中国特化ヘッジファンドが危機-外国勢の関心低下で2年連続損失も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-14/RZCXL1T0G1KW01?srnd=cojp-v2
・22年には中国ヘッジファンドの3分の2余りが損失を被った
・約36%のファンドが20%以上のマイナスリターン

更に中国が団体旅行を解禁したことで
人民元売り、外貨買いの流れが助長されるのでは・・・

◆中国、団体旅行を約80カ国解禁 日本や米国など10日から
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM101660Q3A810C2000000/
・約3年半ぶりの再開
・中国人の団体海外旅行および航空チケット+ホテルセット業務の目的地は
 138か国・地域に展開されることとなる
・中国本土からの訪日客はピークだった19年に約959万人となり、
 訪日外国人(インバウンド)全体の3割を占めていた
 
ただし景気の悪い中国、
以前のように海外旅行する個人がどのくらいいるかは未知数。

ドル高の流れがもう少し続きそうということで
ユーロドルを1.0931でショート参戦。

しかし、米金利上昇もあってドル円は145円台に乗せてきましたが
本邦当局は静かですね。牽制発言がない。
今回の円安は決してスピードが早くない、投機的ではない
ということで150円くらいまでは容認できる円安ということなのかもしれません。
ショートで粘っている向きが全て投げる時に1度吹き上がりそうですが
そのあたりが売り場となりそうな気も・・・。

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