2023年10月9日月曜日

 色々ありすぎて、リスクテイクできない金融市場ですが
週明け月曜は、日本はスポーツの日で祝日休場、米国はコロンブスデーで
債券市場が休場となるため、全てを消化できないというのが辛い…。

【ハマス、イスラエル大規模攻撃、イスラエルは50年ぶり戦争宣言】

10/7(土)・ハマス、イスラエル大規模奇襲攻撃-民間人殺戮と拉致
     ・イスラエル、ガザ地区への報復開始

8日(日)・イスラエル政府は8日、正式に「戦争状態」入り宣言-1973年以来
     ・米が空母打撃群を東地中海に派遣を発表-イスラエルに武器支援も

9日(月)・イスラエル軍、過去最高となる30万人の予備役を招集
     ・イスラエルガザ地区ハマス施設など500箇所超攻撃
      ~双方の合計死者数は約1200人

ハマスとイスラエルの戦闘はままあることですが、
今回はロケット弾3000発~5000発が着弾したとされ、
その規模からハマスを支援する存在があるのでは、
ということが問題視されています。
第5次中東戦争へ、との不穏な観測も出ています。

★WSJはイラン革命隊の関与を報じています。
イラン、ハマスのイスラエル攻撃計画に関与
イラン革命防衛隊が8月から作戦会議に参加、10月2日に攻撃を承認していた

https://jp.wsj.com/articles/iran-helped-plot-attack-on-israel-over-several-weeks-80f7f7b1

★しかし、イラン国連代表部はそれを否定しています。
イラン、ハマスのイスラエル攻撃への関与を否定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR092FU0Z01C23A0000000/

注意が必要なのは、イラン政府とイラン革命防衛隊は違うということ。
イラン革命防衛隊をイラン政府が制御できていないだけ、という可能性もあります。
イランが国家として関与した、という証拠はありません。

★現状では、米国もイランが直接関与した証拠はないとしています。
ハマス攻撃「イラン関与の証拠ない」 ブリンケン米国務長官「誰も予想せず」
https://mainichi.jp/articles/20231009/k00/00m/030/122000c

ただ、イラン大統領は、ハマスを称賛したりして心証は良くないですけど。
イラン大統領がハマス称賛、イスラエル攻撃「勇敢だ」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB090430Z01C23A0000000/

イランがハマスを支援しイスラエルと攻撃した、ということが
事実とされる流れとなるなら、事態はより深刻となる可能性が出てきます。

パレスチナ、イスラエルは産油国ではありませんが
イランは世界第8位の産油国。

バイデン政権はトランプ政権によるイラン制裁の緩和に動いていましたが
それも泡と消えてしまうでしょう。
制裁解除でイラン産原油が市場に回帰するシナリオが消えてしまいます。
(現状でもイランの原油生産量は増加しているのですが)

米国の原油在庫は17日分しか残されていないと報じられており
需給がタイト化していることで、原油価格は95ドル近くまで上昇していました。
(先週は米金利高からリスクパリティの売りが金融市場を襲い、
 原油先物市場も急落していましたが、今日急反発しています。)
 
※WTI原油日足チャート 週明け、一時5%超上昇も

なぜハマスがこれほどの大規模奇襲攻撃に出たのか、という点においては
専門家に任せますが、一節にサウジとイスラエルの国交正常化を阻止
する狙いがあるとも。

ハマス、イスラエルとサウジの正常化阻止が狙いも=米国務長官
https://jp.reuters.com/world/us/KZLGORBOL5MB7PDCIPIGV2L5LE-2023-10-09/

サウジ、UAE,イランといった産油国を巻き込む戦争状態となることが
最悪のシナリオです。原油供給へのリスクを折り込む形で
原油が急反騰したものと考えられますが、
今後の原油市況に注意が必要です。

原油高はインフレの再燃➡米金利高➡ドル高の思惑に繋がります。

【ポジティブサプライズとなった9月雇用統計】

NFP+33.6万人には驚きましたね・・・・

米9月雇用者数33.6万人増、過去8カ月で最大の伸び 失業率3.8%
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/IOQMCE6NXBO2FIW2HVDAY7GKDU-2023-10-06/
そりゃ、米金利上昇加速となりますね。

※米国債利回り一覧 今夜はおやすみ、先週金曜までの図
しかし、金利先物市場では年内追加利上げの折込は高まっていない。

※CMEFEDウォッチ
なぜ?

1・フルタイムはマイナス、パートタイマ‐が伸びていた

Xでの味ポンさん @ajiponduのポスト
https://twitter.com/ajipondu/status/1710280479923130873

表面で見える数字ほど中身は良くないのでは?という見方。
確かに賃金上昇率は低下していましたね。

これだけ強い数字で、米市場金利が上昇する中でも
米株が大きく反発した背景も頷けます。

しかし、それでも+33.6万は強い。強すぎる。
本当に追加利上げは必要ないのか?

2・すでに上昇してきた長期金利、FF金利1回分の利上げ効果?

サンフランシスコ連銀デイリー総裁が
長期金利上昇している事が利上げ1回分相当の効果があり、
追加利上げの必要はないという見方を示した、ということもポイント。

デイリー総裁は24年の投票券を持つ「タカ派」
タカ派の要人がここからの利上げに慎重であるくらいですから
同じように考えている投資家も多いということでしょうか。

追加利上げ観測は意外と盛り上がっていません。

それほどに長期金利の上昇はこの先、米経済に効いてくると考えられているのです。


さて、ここからのポジション構築が難しい。
先週148.71円でショートしたドル円は149円超えで損切りを強いられましたが
JOLTや雇用統計があれだけいい数字で、長期金利が4.8%台へ上昇しても
ドル円相場は昨年高値を超える勢いがない。
介入かどうかは確認できないまでも覆面介入があった可能性は否定できず
上値を追う買い手がいない。

さらに、先週から株下落、
週明けは原油急伸とリスクオフ相場の様相を呈しているのにも関わらず
リスク回避のドル高が来ない。
どちらかと言うとドルは弱いですね。
ドル金利、ドルインデックス上昇はピークアウトしたのでは?

ということで、ドル円、再度売り参戦。
コスト148.98円

ポンドドルとかユーロドルなども反転上昇しそう。。。。

これは、今回の有事が懸念されるほどには拡大することはなく、
FRBはこれ以上は利上げすることはない、ということを
織り込み始めたようにも見えるのですが、
まだ決めつけるには早いか。今夜は米債券市場はお休みですしね^^;

それとドル円で円高基調が強まれば日本株は弱いかもしれません。

今週は米CPIに注目です。
労働市場が強いのはわかった。
ではインフレは?

インフレ再燃の兆候が色濃く出るようだとやはり金利は一段高、ドル高再燃ですが
そうでなかったら、ドル金利上昇一服、ドル高の調整基調が強まるかも。

◆12日(木)21時30分「アメリカ・消費者物価指数(CPI)」
                
                コア予想:前月比+0.4%、前回+0.3%
           前年比+4.1% 前回+4.3% 鈍化予想
                
                総合予想:前月比+0.4%、前回+0.6%
           前年比+3.6% 前回+3.7% 鈍化予想

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