2023年10月26日木曜日

 著名資産家ビル・アックマンが米債ショートを買い戻した!
というんで、米金利が低下してピークアウトか?
というムードにもなったのですが一瞬でしたね。
今夜再び10年30年の長期ゾーン金利が元気です。

※米国債利回り 

やっぱり米国債市場の需給悪化が背景でしょうか。
だとすると買い手不足ということですので話は深刻です。

金利上昇が止まらなくなって、株が大きく崩れるようなら
FRBはQTを停止するだけでなくQE再開に踏み切らざるを得ないかも。。。
そうなると再び緩和に舵を切るわけですから
インフレリスクが高まる、ということになりますね。
そうはならない程度で米金利上昇が止まってくれればいいですが、
中国の米国債売りは8月までで5ヶ月連続で続いていますが
9~10月も売り続けていると思われます、多分。

中国の米証券売却が4年で最大-人民元買い支え資金確保との観測も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-19/S2R7QZT1UM0W01

しかし、このしつこい米金利上昇は不気味ですねぇ。。。
というわけでなかなか株の底入れが見えません。
今夜の米株も全面安ですね。
SOX指数(半導体指数)の崩れ方が・・・


昨日、Microsoftの決算は良くて株が上がっていましたが
アルファベット(Google)株が窓を開けて大きく売られています。

アルファベット、クラウド事業売上高が予想下回る 株価5%超安
https://jp.reuters.com/markets/world-indices/KKC7QWC5NJLNXINPPFMCDCFYMM-2023-10-24/
全体の売上高と利益は市場予想を上回ったものの
クラウド事業の売上高が市場予想に届かず、過去11四半期で最も低い伸び。

好調だったマグニフィセント・セブン銘柄の株価も
アップルが7月に天井をつけたっぽいですし
TESLAも18日発表の決算発表後大きく売られています。
→7〜9月期決算は純利益が44%減の約18億5000万ドル、2四半期ぶりの減益
 売上高は9%増にとどまり売上高、利益とも事前の市場予想を下回った

というわけで債券も売られ株も売られと米市場はリスクオフ。
リスクオフ時は為替市場ではドル高です。

※通貨インデックス一覧 ドル独歩高です

今夜のびっくりは米国の住宅販売件数

・米・9月新築住宅販売件数:75.9万戸(予想:68.0万戸、8月:67.5万戸)
8月が7月と比べてかなり減少していたのでピークアウトかと思ったのですが
9月は大きく増えて今年最大の販売件数となりました。

30年住宅ローン金利が8%近くまで上昇し
住宅ローン申請件数は28年ぶりの低水準だというのに、です。

米住宅ローン金利、23年ぶり高水準 申請は28年ぶり水準に低迷
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2023/10/469876.php

このニュースを伝える
T.Kamada https://twitter.com/Kamada3 さんのポストに
No投資NoLife https://twitter.com/LionHU7 さんが
興味深いコメントを残されています。
「金利が下がってくるであろう時期まで数年間分の金利の一部をホームビルダーが肩代わりする取引があるそうです。ホームビルダーとしては家の価格を値引くより一旦入る額は大きくなるので得策なのかも」

え、ホームビルダーが金利の一部を負担するような取引が発生しているの?
それが販売が衰えない背景にありそう・・・・💦

これ住宅価格が上がっているうちは回りそうですけど、
買い手が減って住宅価格が下落し始めると
実入りが減りますので金利負担だけが重く
のしかかってくるんじゃないかと思うのですが
まあ、今のところは住宅価格指数も上昇基調ですので
それでもうまく回っているということなのか?

まだ堅調に見える住宅指標が目に見えて悪化し始めたら
いよいよ米景気もヤバそうね・・・

そうでなくても、支えとなってきたマグニフィセント・セブン銘柄が
決算を受けて売られるケースが出てきたということと
今年チャットGPT,生成AIブームで買われて来た
半導体セクターが売られ始めたのも良くない傾向。

まだまだリスクオフ相場は終わっていないようです。

今日は豪ドルが急伸する局面がありましたが
やはり戻り高値は売られています。

豪ドルが買われた背景はこのあたり

■豪インフレ率、7-9月は予想上回る伸び-11月の利上げ観測高まる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-25/S32CGTT0G1KW01?srnd=cojp-v2
-9月CPI、前年同期比5.4%上昇-予想5.3%上昇

豪中銀が注目しているコアインフレ率の指標、CPIトリム平均も
前年同期比5.2%上昇と予想を上回った。

豪中銀のブロック新総裁は24日
インフレ見通しが大幅に上方修正された場合、
追加利上げを「ためらわない」と表明していた。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は政策金利見通しを修正。
11月会合で0.25ポイントの利上げを予想。

■中国、財政赤字拡大と国債増発を承認-異例の予算修正で経済支援強化
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-24/S31C75T0G1KW01
今年の財政赤字、GDP比約3.8%に引き上げ-国債1兆元を追加発行
習主席は異例の人民銀訪問-経済と金融市場への支援重視の兆し

2023年の財政赤字を対国内総生産(GDP)比で約3.8%に引き上げる計画を承認。
3月に設定していた3%を大きく上回る水準。

これには10-12月(第4四半期)に1兆元(約20兆5000億円)相当の
国債を追加発行することが含まれ、調達資金は災害救助や建設の支援に
充てられる見通しだと、国営新華社通信が24日伝えた。

中国が年度途中に予算を修正するのは異例。
過去には2008年の四川大地震、1990年代終盤のアジア金融危機の発生を
受けた時など数回しかない。

ということで中国の経済対策への期待というのもあるのですが
どれもこれも「米金利上昇」というリスクに直面する現状に於いては
あまりに無力。

豪ドルドル6.3714ドルで売り参戦。
原油は買い戻して日経など株価インデックス売り。

NOTE
カナダ中銀、金利据え置き 成長鈍化とインフレ高止まり想定
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/I5CLJBENNFO4BNETMIQ7AIOA3I-2023-10-25/

■政策金利5.0%に据え置く
~インフレが24年半ばまで平均3.5%で推移する見通し→追加利上げ余地を残す
~インフレ目標2%達成時期、従来の25年半ばから25年後半に後ろ倒し

■23年成長率見通し 1.2% (7月時点 1.8%)下方修正
■24年成長率見通し 0.9% (7月時点 1.2%)下方修正

素直にカナダドルも売られています・・・

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