先週は米10月CPI,PPIが予想を下回りインフレの減速が確認され、
※米CPI(消費者物価指数)推移
イニシャルクレーム(新規失業保険申請件数)が予想外に増加、
労働市場の逼迫の緩和も確認されたことで
米金利のピークアウト感が強まったことなどが
米市場金利の低下をもたらし、米株市場は堅調に推移。
ドル円はなかなか崩れませんでしたが、週末金曜日
比較的大きめの陰線を示現。
※ドル円
金曜は特に米市場金利が大きく崩れたワケでもありませんし
むしろドル需要に関連する原油は反発して終えていますので
ドル円が崩れる明確な材料はありませんでした。
※米市場金利 2年10年30年
強いて言えば、来週11月23日はサンクスギビングデーで
米市場が休場となることから、週明けから流動性が低下する可能性があり
長期休暇を取りたい向きのポジション調整があった、
ということかもhしれません。
固いポジションなら持ちっぱなしでいいと思うのですが、
やや投機ポジションの積み上がりが気がかりですよね。
ヘッジファンド、円に対し22年4月以来最も弱気-米CTFCデータ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-18/S4AUG9T1UM0W01
上記記事はヘッジファンドポジションのみの数字のようですが
IMM通貨先物ポジションの投機筋ポジション推移を追いかけている向きは
先週火曜までの投機筋のドル円ネットショートが13万枚になったことに
驚いていることと思われます。これなかなかの規模ですよ。
※ドル円 COTポジション ピンクの矢印が過去最大
最新のデータ‐(先週火曜日までの時点)
ドル買い 158,021 ドル売り 27,772
⬇相殺すると~
ネットショート 130,249枚
過去の最大のドル円ネットショートは 2007年 188,077枚
2007年はリーマンショック1年前の6月でした。
日本の投資家、ミセスワタナベによる円キャリートレード全盛期でしたが
投機筋も随分円ショートしていたんですね。
これらが巻き返され、2007年6月に124円台にあったドル円相場は
2008年3月には95円台まで急落しました。
30円もの下落です。その後リーマン・ショックへと繋がっていくのですが、、、
今はその当時の金融危機前とは異なりますので
そこまでのインパクトは考えにくいですが
投機玉が積み上がっているということは
逆回転を始めたときの円高の勢いは大きくなるリスクではあります。
このヘッジファンドなどのリスク選好ポジションについては
先週のブログにも書いたのですが
こちらのコラムに端的にまとめましたので改めて。
【為替】円キャリー取引と原油安に注目
https://media.monex.co.jp/articles/-/23247
というわけで先週は150.62円でドル円を軽めにショートしています。
今週は米国の感謝祭の影響で流動性低下から
米市場には方向感がなくなると思われ
(積極的売買が手控えられ、ポジション整理が優位となる可能性)
あまりドル円ショートがうまくいくかどうか自信はないですが。。。
今週発表される米経済指標の予想との乖離にも注目しておきますか。
21日(火)
米中古住宅販売(10月)予想390万戸:前月396万戸
22日(水)
失業保険申請件数(前週231千件、継続受給1,865千件で2年振り高水準だった)
米耐久財受注(10月)予想▲3.3%:前月+4.6%(前月比)
24日(金)
PMI景況感指数(11月)製造業:予想49.9:前月50.0
サービス業:予想50.4:前月50.6
総合指数:予想50.3:前月50.7
それから今週は日本のCPIにも注目です。
24日金曜8:50発表です。
日本10月 全国消費者物価指数 予想+3.4%:前回+3.0% [前年比]
[除生鮮食品] 予想+3.0%:前回+2.8% [前年比]
[除食料エネ] 予想+4.1%:前回+4.2% [前年比]
9月よりやや強含む?コアコアのみ低下予想。
日本のCPIが強めにでればやはり円高バイアスが強まるのでは?
(ポジショントーク)
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ムーディーズによるイタリアの格下げが懸念されたいたようですが
6日前11/13日の記事
G7の一角、イタリアがジャンク級に格下げの可能性も-17日発表
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-13/S41K6TT0G1KW01
EU信用問題が再燃 金利急騰リスク、財政規律骨抜き警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR15CN50V11C23A1000000/
17日発表され格下げはなし、据え置かれました。
イタリア国債、「投資適格級」に据え置き ムーディーズ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR170380X11C23A1000000/
ポイントはここかな。
⬇
ムーディーズ、イタリア格付け見通しを「安定的」に引き上げ
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/MJYE43RYCBIT5FDOVR3YMSAEJE-2023-11-17/
イタリアの格付けについて、経済、債務、銀行部門が安定化しているとして、
見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。
格下げリスクがある、として警戒されていたわけですが
格下げなし、見通しは引き上げということで
逆にユーロには買い戻しの上昇圧力となった可能性が。
※ユーロドル
そもそも世界の金利はすべからく低下しているのですが
※主要国長期金利(日本も低下)
ドルだけが弱かった、というのが先週の値動き。
※通貨インデックス比較
こうしてみると、ドル金利上昇ピークアウトのコンセンサスが
ドル高の時代の終焉に繋がり円売り一辺倒のトレーディングにも
変化が出てくるんじゃないの?という気もするのですが
これはポジショントークね。
先週のブログで書いた
キウイロングのタイミング、考えるにしても
クロス円ではなくてドルストのほうがいいのかどうか
再考の必要がありそうです。
今週の主な予定
11/20(月)
・10月首都圏新規マンション発売(14:00)
・中国ローンプライムレート(10:15)
・台湾総統選挙(24 年 1月 13日投開票)の立候補届け出(〜24日)
21(火)
・米 10月中古住宅販売件数(22日 0:00)
・10月 30日・11月 1日開催のFOMC 議事録(22日 4:00)
22(水)
・米 10月耐久財受注(22:30)
23(木)
・勤労感謝の日
・11月 HCOB ユーロ圏製造業 PMI(18:00)
・米感謝祭/休場:米
24(金)
・10月消費者物価指数(8:30)
・10月全国百貨店売上高(14:30)
・独 11月 Ifo 景況感指数(18:00)
・米 11月 S&P グローバル米国製造業 PMI(23:45)
・ブラックフライデー、米年末商戦本格化
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