2023年12月25日月曜日

 FRBのインフレターゲット2%のインフレ指標は、CPIではなく、
コアPCE(年率)を重要視しています。
今回のPCEの注目度は非常に高かった。
そして、発表されたPCE価格指数は予想を下回る結果となりました。

米PCE、コア価格指数が予想下回る伸び-利下げ観測を後押し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-22/S62LK9T1UM0W00?srnd=cojp-v2

■PCEデフレーター(前年比): +2.6%(予想:+2.8% 前回:+2.9%に下方修正)
              →予想、前回ともに下回る
              →2ヶ月連続3%を割り込む
               
        (前月比):▼0.1%(予想:0.0% 前回:0.0%)
             →予想、前回ともに下回る
             →前月比マイナスとなるのは20年4月以来初めて
             
■PCEコア(前年比):+3.2%(予想:+3.3% 前回:+3.4%に下方修正)
            →予想、前回ともに下回る
             →21年4月以降で最小
            
     (同月比):+0.1%(予想:+0.2% 前回:+0.1%に下方修正)
            →予想、前回ともに下回る
    


■PCEコア:過去6ヶ月平均 年率+1.9%  
■個人所得:前月比+0.4%(予想+0.4%)3月以来の大きな伸び
■個人消費支出:前月比+0.2% (予想+0.3% 前回+0.1%に下方修正)
 
PCEコア6ヶ月平均がFRBのインフレターゲット2%を下回る結果となりました。
今後6ヶ月前月比でコアPCEの再加速がなければ
6ヶ月後には1.9%になるということで早期利下げ開始を正当化する内容。
 
週末のFedウォッチを確認すると
3月FOMCでの0.25%の利下げ折込みは75.6%、0.5%の利下げ折込みが12.4%で
88%の確率で3月の利下げ開始が織り込まれています。
24年中は0.25%✕6回で3.75-4.0%への利下げがあるだろうと市場は見ています。
12月FOMCでFOMCメンバーらのドットチャートは
0.25%✕3回の利下げ予想でしたが
市場はもっと早く、もっと多く利下げするだろうと予想しているわけです。

しかし、前日22日NY時間にこんな予想記事が出ていましたので
マーケットには大方、今回のPCEが急減速することが
織り込まれていたのかもしれません。

■12/22 予想記事
米PCEインフレ統計、FRBの闘いがほぼ終了したこと示す見通し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-21/S60N40DWX2PS00?srnd=cojp-v2
・PCEコア価格、過去6カ月の年率ベースで2%目標達成した公算大
・向こう6カ月も同様に推移する見通し、利下げの論拠強まる一助に

要するに、事前に織り込まれてドル円は下がってしまっていた、と。
だから23日金曜、P
CE発表を受けてもドル円相場はあまり大きく動かなかったのでしょう。。。

※ドル円日足 ただし200SMAを割り込んだ水準で取引を終えた
欧米勢はクリスマス休暇に入っていますし
IMM通貨先物ポジションを確認しても投機筋のポジションは随分整理されてしまった。

23日発表の最新データー(12/19時点のポジション)
6万4000枚まで円ショートポジションは整理された。
今回の最大円ショートは11/14の13万枚。

144.09円のドル円ショート、継続しています。
200SMAを超えるようなら買い戻します。
1.0889ドルのユーロドルロングもまだ継続。

あ、明日25日クリスマスは東京時間まででFX取引終了です。
欧州~NY時間はレートが止まりますのでご注意を。
東京時間も流動性が著しく低下しているでしょうから
突発的な価格変動があるかもしれません。
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そして先週は日本の消費者物価指数も出ています。

■全国消費者物価は2カ月ぶり伸び縮小、食品・エネルギーが下押し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-21/RY2T03T1UM0W00

11月全国消費者物価指数(CPI)前年比+2.8%(予想:+2.8% 前回:+3.3%)
          (コアCPI)前年比+2.5%(予想:+2.5% 前回:+2.9%)
コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数)は+3.8%とまだ高め。

コアCPI(生鮮食品を除く)は+2.5%に低下してきました。
今年1月には+4.2%もありましたが趨勢的にはインフレは鈍化傾向です。
サービス価格は2.3%上昇、1993年以来30年ぶり高水準の伸びが続いています。

マーケットに大きな反応は見られませんでしたが
24年のマイナス金利解除、YCC撤廃予想はコンセンサスになりつつあります。
そのタイミングが、1月7日4月なのかが焦点となっています。

24年、日米金利差は縮小方向ですので円高の予想が増えてきましたが
151円から140円台まで10円下げましたので
一相場は終わった可能性も無きにしもあらず・・・。ですね。

ここからは140~146円のレンジ相場になりそうな予感。

NOTE
■新NISA積み立て予約、月2000億円規模に ネット証券5社
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2226N0S3A221C2000000/

1月に始まる新NISAですが
ネット証券大手5社の聞き取り調査(証券会社の6割強のシェア)で
積み立て投資の予定金額は20日までの集計で月間2300億円ですって。

年間で2兆円を超えるのですからインパクトは大きい。

しかも、購入予約し銘柄は、
世界株や米国株に投資する投信に人気が集中。

1・「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が725億円
(組み入れの6割は米国株への投資)
2・「eMAXIS Slim 米国株式」605億円
3・「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」169億円 など。

総じて日本株投信の存在感は薄いといい、
米国株への投資が人気であることがうかがえる内容で
これって、コンスタントに「円売りドル買い」が出るんじゃないの!?
と心配になってくる話です。

2000兆円もの個人金融資産(うち、現預金は1000兆円程度)が
ドル資産にシフトする流れを国策で支援していくという話です。

私はこのニュースを受けて日本株に絞ろうと思いました。
なんだかちょっと嫌な予感。。。
そもそも積み立てて米国株投資はすでに行っていることもあり・・・

というわけで、来年は金融政策云々も重要ですが
こうした市場の需給の変化にも目配りしないといけませんね。

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