2024年1月7日日曜日

 先週末金曜日は米雇用統計~ISM非製造業景況指数の数字で乱高下。

※ドル円日足 結局は上下に行って来いで十字線に近い足で終わった・・・・

22:30発表の雇用統計で上昇し、24:00発表のISM非製造業景況指数で急落。

ドル上昇をもたらした雇用統計(12月)は
見かけはいい数字ですが、よくよく見るとそうでもないとの指摘も。

米12月雇用、21.6万人増で予想上回る 賃金の伸び継続 失業率3.7%
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/CDICLQDRHZOV5OYFW7FY7FOB6E-2024-01-05/

・12月非農業部門雇用者数
                :+21.6万人(予想:+17.1万人、11月:+17.3万←+19.9)
            ~11月から鈍化予想に反し拡大し、9月来で最高 
        失業率:3.7%(予想:3.8%、11月:3.7%)
       平均時給:前年比+4.1%(予想:+3.9%、11月:+4.0%)

ただし、NFPは10月分、11月分は計2カ月分で7.1万人下方修正・・・
 
安田佐和子氏の分析
米12月雇用統計、NFPは好調もフルタイムが20年4月以来の落ち込み
https://mybigappleny.com/2024/01/05/jr23dec/
(労働市場にネガティブ/ニュートラル)
・過去2カ月分は下方修正
・週当たり労働時間、財が押し下げ2020年4月以来の低水準
・労働参加率が2020年2月以来の高水準から低下
・就業率が2022年12月以来の低水準
・不完全雇用率は2022年2月以来の高水準近くへ戻す
・フルタイムの減少幅、2020年4月以来で最大
・家計調査の就業者数、2020年4月以来の落ち込み
・「病気が理由で働けない」人々、2015-19年平均超えが続く

zerohedge分析
https://twitter.com/zerohedge/status/1743273722050408748
■フルタイム労働者は1か月で150万人減り、2023年2月以来の最低水準
■パートタイム従業員が76万2,000人増加し、過去最高を記録
■職を掛け持ちする副業雇用者数、過去最高の856万5000万人に達した

正規雇用者は前月から150万人も減って
パートタイマーが過去最大にまで増えているようですね。

しかも、毎度毎度前回分の統計が下方修正されています。
見かけほど労働市場は強くないのでは、という見方もある中、
ISMの数字が悪くて、一気にドル売りとなりました。

米ISM非製造業総合指数、12月は50.6に低下 雇用3年半ぶり低水準
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/JVCSYLR4JBPPNKL33XQEZAHR34-2024-01-05/

・12月ISM非製造業景況指数:50.6(予想:52.5、11月:52.7)
             ~23年5月以来の低水準 
             ~米経済の約3分の2を占める非製造業部門の大幅鈍化
             
米12月ISM非製造業景況指数サブインデックス

事業活動/ 生産 56.6 前月55.1 +1.5
新規受注    52.8 前月55.5 ▼2.7
雇用      43.3 前月50.7 ▼7.4 雇用:20年7月以来の低水準
入荷遅延    49.5 前月49.6 ▼0.1
在庫      49.6 前月55.4 ▼5.8
仕入価格    57.4 前月58.3 ▼0.9
受注残     49.4 前月49.1 +0.3
輸出新規受注  50.4 前月53.6 ▼3.2
輸入      49.3 前月53.7 ▼4.4            
              
ISMは「製造業景況指数」のほうは低下が止まり再浮上しそうなのですが
(それでも好況不況の分水嶺である50を下回っているが)
非製造業=サービス業分野が急速に減速し始めました。

池田氏作成のグラフが大変見やすいので参考に。
https://twitter.com/sikeda23/status/1743287441560334509
というわけでドル円、というよりドル金利が急上昇~急反落となったため
ドル円相場もこれに連動して乱高下したということね。

※米国債利回り 5分足 赤2年 黄緑30年 緑10年

※ドル円 5分足
ただ、ISMで急落したドル金利、その後ゆるゆると反発しており、
日足レベルで俯瞰してみると長期金利はプラス圏に浮上、下がっていないんですよね。

※米国債利回り 日足 10年金利は4%台回復しています
というわけで、結局ドル円も崩れた分を取り戻し、十字線。
何もなかったのと同じレベルに戻って終わったのでした。
しかしこの値動きにはついていけませんね。
イベントトレードに成功した方は素晴らしい。
私にはこの値動きは事前に予想出来ませんでした。
というか、雇用統計前にはドル円のポジション手仕舞っていましたので
巻き込まれずには済んだのですが、、。

ここからの次の一手、現時点では思い浮かびません。
相変わらずFEDウォッチは3月FOMCの利下げを織り込んだままですので
過度な金利安の修正はまだ続く気もしますが、
ISMのあとすぐにドル買いする勇気はありませんでした。
米株市場は比較的堅調、利下げ期待は根強いようです。

次の戦略は週明けからの値動きをみてからでしょうか。
今週は11日に12月の米消費者物価指数(CPI)が発表されますので
ここに注目かな。。
CPI予想は前年比+3.3%、先月から若干上昇。
コアCPI前年比は+3.8%と前回から鈍化予想です。             
              
----今週の予定-----
[8日]
16:00 独11月製造業受注
16:00 独11月貿易収支
18:00 南ア12月製造業PMI
18:30 ユーロ圏1月投資家信頼感指数
19:00 ユーロ圏12月消費者信頼感[確報]
19:00 ユーロ圏12月鉱工業信頼感
19:00 ユーロ圏12月経済信頼感
19:00 ユーロ圏12月サービス業信頼感
19:00 ユーロ圏11月小売売上高
26:00 ボスティック・アトランタ連銀総裁、経済見通しについて講演
29:00 米11月消費者信用残高

[9日]
08:30 東京区部12月消費者物価指数
08:30 日11月全世帯家計調査
09:01 英11月BRC小売売上高
09:30 豪11月小売売上高
09:30 豪11月住宅建設許可件数
14:00 日銀「需給ギャップと潜在成長率」試算値公表
16:00 独11月鉱工業生産
16:45 仏11月貿易収支/経常収支
19:00 ユーロ圏11月失業率
22:30 米11月貿易収支
22:55 米レッドブック週間小売売上高
26:00 バーFRB副議長、銀行規制について講演
26:30 ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
27:00 米財務省3年ハイイールド債入札

[10日]
08:30 日11月毎月勤労統計
09:00 NZ12月ANZ商品価格指数
16:45 仏11月鉱工業生産
16:45 仏11月製造業生産
18:00 伊11月小売売上高
21:00 米MBA住宅ローン申請指数
24:00 米11月卸売在庫[確報]
24:00 米11月卸売売上高
24:30 EIA週間石油在庫統計
27:00 米財務省10年ハイイールド債入札
29:15 ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、2024年の経済見通しについて講演

[11日]
06:45 NZ11月住宅建設許可
09:30 豪11月貿易収支
14:00 日11月景気動向指数[速報]
14:00 日銀地域経済報告[さくらリポート]
18:00 ECB[欧州中銀]経済報告
22:30 米12月消費者物価指数
22:30 米新規失業保険申請件数
24:30 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
28:00 米12月財政収支

[12日]
08:50 日11月国際収支統計
09:30 豪11月持家住宅ローン件数
10:30 中国12月消費者物価指数
10:30 中国12月生産者物価指数
14:00 日12月景気ウォッチャー調査
16:00 英11月鉱工業生産
16:00 英11月製造業生産
16:00 英11月商品貿易収支
16:00 英11月サービス業指数
16:00 英11月建設支出
16:45 仏12月消費者物価指数[確報]
16:45 仏11月消費者支出
21:30 レーンECB理事、講演
22:30 米12月生産者物価指数
24:00 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、経済会議で講演

[13日](土)
台湾総統選挙・立法院選挙 とても重要です。

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