2024年1月18日木曜日

 今日17日(水)の日経平均は印象的な上ヒゲ陰線がつきました。
チャート形状としてはあまり良くありません。


下落のきっかけは中国発のこのニュースではないかとの指摘もあります。

上海上場の日本株ETF、売買過熱 一時売買停止に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM171M30X10C24A1000000/
中国・上海証券取引所は17日午前、日経平均株価連動型のETFの売買を一時停止した。
(中国の資産運用大手、華夏基金管理が設定する華夏野村日経225ETF)

理由は「取引価格がETFの基準価額を大幅に上回り、
    投資家が重大な損失を受ける可能性があるため」
  
要するに、中国投資家の買いニーズが強すぎてETF価格が
基準価格を上回って高くなりすぎたということですね。

確かにこれはリスクが高いとも言えます。
これ中国当局が停止させたわけではなく、運用会社が投資家保護のために
売買停止したということですので、嫌がらせとかそういう話じゃありません。
しかも売買が停止されたのは1時間です。

取引は1時間後に再開されています。

日本株ETFに中国の投資家殺到-運用会社のリスク警告も無視
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-17/S7DUB4T1UM0W00
「チャイナAMC野村日経225」ETFは現地時間午前10時半(日本時間同11時半)に
取引が再開された後に上昇。値幅制限いっぱいの10%高となる場面もあった。
16日に純資産価値に対するプレミアムが9.5%に上昇し、
運用会社が警告を発したことを受け、17日は1時間にわたり売買が停止された。

自国の株はこんなだしね・・・
中国の投資家、自国の株を持ちたくないのも理解できます。
上がるものに飛びついているということですね。

※上海総合指数
※香港ハンセン指数
中国は5%成長をクリアしているんですけど・・・
まあ、この数字を信用するかどうかは別の話よね。

中国、23年の経済成長率5.2%-今年はマクロ政策強化の方向
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-17/S7DV13T0G1KW00
中国は2023年の経済成長率目標を達成した。

しかし、取引が再開されているのですから、
これで日本株が下落に転じた、というのも材料としては弱いです。

これは単純に相場の需給で、ひとしきり踏み上げが終わって
上昇の燃料が切れかかっているところに飛び込んできた
利食いのきっかけだったのでしょう。

若干の調整が入った後には、再び反転上昇するのでは!?と思います。
日本株市場を取り巻く環境は昨日と今日では
相場の需給以外何も変わっていません。
押し目を狙って株を拾うこととします。

それから今日もドル円は上昇を続けています。

※ドル円日足 90SMAも超えてきた💦
理由は明白で、ドル金利反発上昇が加速しているから。

※米国債利回り一覧 
2年金利が再び30年を上回ってきた。
2年金利はFFレートとの相関が強い。
これだけ上昇するということは市場の利下げ開始時期の観測が
やや後ズレしたか、利下げ折込回数が現象したか、です。

答えは・・・
昨晩のウォラー理事の発言にありました。

物価目標達成「射程圏内」、利下げ急ぐべきでない=ウォラーFRB理事
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/PZPNB7PJYNLSJEJ6NT57JB6TAU-2024-01-16/

「インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでない」

これを受けて一時は80%近くあった(PPI:生産者物価指数発表後)
金利先物市場の3月の利下げ折込みが55%にまで低下しています。

思い返せば昨年11月、ウォラー理事の発言で、
ドル金利低下、ドル円低下が加速したんですよ。
この方はタカ派の代表格でしたが、11/29に初めて利下げに言及したんです。
タカ派のウォラーさんがハト派に転じた~!!っていうんで
ドル金利は更に下がりドル円相場の下落をもたらしました。

そのウォラーさんが今度はハト派姿勢を緩和させました。
市場があまりにも過度に利下げを折り込むので、牽制したのでしょう・・・。
ちょうど米金融政策のピボット、転換点だからでしょうか、
要人発言の影響力が大きいですね。

また、市場では新NISAスタートでドル買いが旺盛であるため
ドル円が押し上げられているという見方も広がっています。

たしかに日本の投資家のNISAの買付設定ランキング1位は
オールカントリー(6割米株投資)ですし、
その後ずらりと8位くらいまで?米国株投信が並んでおり、
ある試算では年間5兆円規模の円売り・外貨買い需要が発生、
これまでより年2兆〜2.5兆円ほど円売りが増える可能性が指摘されています。

しかし、他方でインバウンド消費も5兆円突破しており、、、

訪日消費額、初の5兆円突破 コロナ前超え、円安追い風―23年
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024011700872&g=eco

訪日外国人の「人数」はまだ
コロナ禍前のレベルの80%程度までしか戻っていないのですが
消費金額は過去最高を突破。
コロナ禍以前の人数にまで訪日外国人が戻ってくれば
消費金額はさらに膨らむ可能性がありますね。
日本に来る外国人は自国通貨を「円」に替えて日本を楽しみます。
この5兆円は円買いとなるわけね。

ということもあって、NISAのドル買いが需要が強いからと言って
ドル円相場がどこまでも円安ドル高になるとも思えないのですが
確かにこの1月は「年初一括勢」と呼ばれる
新NISAの成長枠投資枠240万を年初に一括で一気に買う、
という投資スタイルのドル買いのインパクトも大きかったと思います。

積み立て投資枠ではポイントが付くカード引き落としの設定日とか、なんとか
証券会社によって特徴もあるようですが
こちらも月初1日の設定が多いようですね。
X高城さんのポストから
確かにこれらの買い切り玉のドル需要が
足元のドル金利上昇と相まって思わぬドル円上昇を演出していると考えられますが、
しかし、成長枠投資の年初一括勢は2月以降は出てこないわけで
新しくNISAを始める人がどのくらい増えていくか、
そして米国投資に偏っていくものなのかと
年間を通じて見極める必要があろうかと思います。

日米金利差が極端に縮小すれば
その時はやはりドル円相場は円高に行くのではないかとも思っていますが、
その日米金利差縮小は具体的にいつから始まるんだ、というのが
まだ確信が持てる段階になく、
指標や要人発言で右往左往しているのが今の相場でしょう。

とはいえ、まだドル円ロングは持っています。
150円台目指しているような強さよね。
ドル金利が急低下すれば失速しますが・・・。
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今日はポンドに好機があった!

英インフレ、昨年12月に予想外の加速-金融緩和期待が大きく後退
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-17/S7EC7KT0G1KW00?srnd=cojp-v2

・12月消費者物価指数:前年比+4.0%(予想:+3.8%、11月:+3.9%)
 
            コア指数:前年比+5.1%(予想:+4.9%、11月:+5.1%)           

英国、10カ月ぶりのインフレ加速.

トレーダーは今年の金融緩和期待を大きく後退させました。
先月まで年内6回の利下げを織り込んでいましたが、
CPIを受けて4回に利下げ折込回数が低下しています。
5回の確率は約50%。

コアCPI5.1%は高いですよねぇ。。。
利下げしたらまたインフレ上昇しちゃいます。
ということで英国の利下げ開始時期もあまり早くないだろうと思われ
ポンドが急伸しました。

ポンドドルよりポンド円の上昇がトレンドを加速させています。

※ポンドドル日足

※ポンド円日足

ただし、ポンドインデックスの上昇の勢いは続きませんでした。
なぜって、ドルのほうが強いからでしょうね。

今日もドル独歩高。
そしてオセアニア通貨の下落が大きい。中国の影響でしょうか。

※通貨インデックス一覧


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