2024年1月19日金曜日

 17日(水)夜に発表された米小売売上高、強かったんですね。

■米12月小売売上高0.6%増、オンライン好調 3月利下げ観測後退
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/324HGQM64NNINJXCN7USSCEGI4-2024-01-17/

前月比  +0.6%(予想+0.4% 前回+0.3%)
自動車除 +0.4%(予想+0.2% 前回+0.2%)

・インターネット通販や衣料品の販売が好調で、米消費は想定を超える強さ
・売上高は9644億ドルで過去最高
・22年同期比の伸び率は3.8%で、3~4%増としていた事前予想の上限値に近い結果

今週のウォラー理事の発言はこれを事前に把握していたのかも、という指摘も。

しかし、今夜18日(木)発表のフィリー指数は予想よりやや悪い。
  ■1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数:▼10.6(予想:▼6.5、12月:▼12.8)

今週は16日(火)に発表されたエンパイア・ステイト指数モ驚くほど悪かった。
  ■1月NY連銀製造業景気指数 ▼43.7 (予想▼5.0 前回▼14.5)

このところ発表される米経済指標は玉石混交。
良くない指標もボロボロあります。

例えば先週金曜12日に発表された12月PPI,生産者物価指数の低下で
米金利は大きく低下したのですが
その後、エンパイアステート指数やフィリー指数が悪くても
金利は下がらなくっています。

これはウォラーFRB理事だけではなく、
足元でFRB要人による市場の過度な利下げ思惑を牽制する発言が
相次いでいることが関係しているように思います。

整理してみると

1/12 メスター米クリーブランド連銀総裁
「12月CPIの結果は我々の仕事がまだ終わっていないことを示唆」
「3月は利下げには早すぎる」

1/14 米シカゴ連銀のグールズビー総裁、
「金融市場は今年の積極的な利下げ軌道を想定しており、
 政策当局者らよりも先走っている可能性がある」

1/16 FRBウォラー理事
「インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでない」

今夜 1/18 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「最悪の結果は利下げしてから再び利上げしなければいけないこと」
「7-9月(第3四半期)になるまで当局が利下げを実施するとは予想していない」

黄色の指標は好結果、赤の指標は悪い結果。
悪い指標で戻る金利上昇のトレンドに。

というわけで、一時80%近くあった3月FOMCでの利下げ確率が
足元で55.7%まで下落しています。

利下げ開始が遅くなる、年内利下げ回数は市場が今織り込んでいるより
少なくなる可能性がある、というのが足元のドル金利上昇、ドル高の背景ですね。

というわけで24年に入ってからドル金利は反発基調にあり、
ドル円相場は上昇トレンドを描いているというわけね。

結局は日米金利差にきれいに相関しているだけかも。
※日米金利差(10年)とドル円
何故か昨年から長期金利との相関が高い。
本来FFレートとの相関が強いのは2年なんですけどね。

というわけで、まだドル円ロング粘っています。
3月FOMCの利下げ確率、現時点では55%と利下げ折込が高いですが
もしかすると3月はなくなるかもしれません。
その折込後退がドル金利のさらなる上昇とドル高をもたらす可能性が
まだ残されていると思われます。

ただし、要人発言が出るのは今週まで。

土曜以降ブラックアウト期間となり要人らの発言は出てきません。
※政策決定会合の前後の時期に金融政策に関して踏み込んだ発言を行うことを禁じたルール
※FOMCの12日前から。具体的期間はセントルイス連銀のサイトに記載されている。

そして、来週は火曜23日我日銀の金融政策決定会合。
ここでマイナス金利解除についてどのような指南があるか。
今月の解除は予想されていませんので基本ノーイベントでしょう。
植田総裁の発言で動く可能性があるくらいです。

また、来週26日には米国PCE価格指数が出てきます。

先週のPPI生産者物価指数で米金利があれほど大きく反応して低下したのは
PPIのデータから試算されるPCEのインフレ率が
かなり大きな低下となることが予想されているためです。
3%を割るかも!?
この数字があまりに低くでるようなら、
ドル金利低下、ドル安に反応するかもしれません。
市場が予想する数字に対してギャップがあるかどうかが注目ですね。

現時点でのPCEコアデフレータ(前年比)予想は    3.0% 前回3.2%

ですが、市場関係者の間では2%台まで下がるという試算があります。
そうなると、やはり3月利下げはあるかも~というセンチメントになるかも。
来週までにはドル円ロング手仕舞うと思います。
 -----------------------------------
今日は台湾TSMCの決算が注目されました。

TSMC、底堅い成長への回帰見込む-24年の需要回復期待を示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-18/S7FZR3T0G1KW00
10-12月期の売上高が前年同期水準にほぼ回復し
最先端プロセスの3nmが売上全体の6%から15%に拡大。
結果、TSMCの株は窓開け上昇。


これを受けて今夜の米国株市場、SOXやナスダックが跳ねていますね。
このまま米株市場買い上がっていけるのかはわかりませんが、、、

半導体市況は回復基調にあります。

たけぞうさんのポストから
https://twitter.com/noatake1127/status/1747902601222602908
日本半導体製造装置協会(SEAJ)は18日、日本製半導体装置の売上高が2024年度に2年ぶりに増加に転じ、前年度比27%増の4兆348億円となる予測を発表した。4兆円を超えるのは初めての見通し。  
NOTE

■積水ハウスが米住宅企業買収、総額7262億円-現地で事業展開加速
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-18/S7GIZUT0G1KW00
日本企業による米企業買収、借り入れで実施ということですから
キャッシュで株を取得するということかな。
これもドル買い需要につながる話ですね。

■今年の石油市場は潤沢な供給に、OPECプラス以外で増産-IEA
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-18/S7G93KT0AFB400?srnd=cojp-v2
24年は原油高によるインフレ再浮上リスクはあまり高くなさそうです。
つまり原油高がもたらすドル高(ドル需要増)はなさそうだということね。
この点は日本にとってとても助かります。

■中国株が急反発、主要ETFの売買急増-国家隊介入の指摘も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-18/S7GBUPT1UM0W00
指数が午後に入り急反発、政府系ファンドの買いが急反発の裏にあるとの臆測

中国には「国家隊」と呼ばれる政府当局による株のテコ入れが入った模様です。
しかし、下落を食い止める事はできたとしても押し上げるまでには行かないでしょう。

ひろこのTwitter

いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ




※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社