週末、22日金曜日のNY市場の動きはやや不気味です。
なにか良からぬ前兆とならないといいですが、
まずはゴールドの急落。
※COMEXゴールド日足
年内3回の利下げ予想と6月利下げ開始予想が動かなかったことで、
(インフレが強いのに、、、大統領選に阿ったのでは?との指摘も。
パウエル議長の会見は非常にハト派的だった)
ゴールドは年内3回の利下げを改めて織り込む形で
22日木曜に2225ドルまで急伸(史上最高値)していたのですが
週末金曜に大きく反落。ほぼFOMC前の水準へと沈んでいます。
金がこれだけ急に売られたということは、ドル金利が上昇したか?
と確認すると、ドル金利はご覧の低下。
※米国債利回り一覧 この金利低下はゴールドの上昇要因として働くはずです。
しかし、ゴールドは売られている、、、う~ん。なぜ??
ポイントは米金利低下でも通貨市場では「ドル高」となっていること。
※通貨インデックス比較
ドル独歩高です。
ドル金利は低下しているのに、ドル高なんですよね。
ゴールド下落はこのドル高に反応したものと思われます。
ではなぜドル高なのか。
ドルストレート通貨を眺めていると、人民元が急落したことに気が付きます。
※左上からドル/人民元 ユーロ/ドル ポンド/ドル
NZドル/ドル 豪ドル/ドル ドル/カナダ 日足チャート
ドルストレート通貨は軒並み売られ、ドル独歩高ですが
金曜日1日の動きとしては人民元安が異常ですね。
検索するとこんな記事が。
■中国人民元が4カ月ぶり安値、当局は通貨安容認の構えか
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-22/SAQBSHDWX2PS00
・主要な水準である1ドル=7.20元を抜けて人民元安へ
~昨年11月以来4カ月ぶり
・中国人民銀行が元の中心レートを2月初め以来最も大幅に引き下げた
中国の通貨当局が人民元安誘導に動き始めたようです。
景気テコ入れ策でしょう。
エミンさんがnoteで書かれていますが
■「中国は人民元の切り下げに動いた!人民元安は中国にとって諸刃の剣!
2015年チャイナショックの再来はあるのか?」
https://note.com/eminyurumazu/n/n4fccf704d37b
2015年、チャイナショックと呼ばれる世界株安がありましたが
きっかけは中国当局による人民元切り下げでした。
その時の記事。(過去記事)
■8月21日 「チャイナ・ショック」で日経平均2万円割れ
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34335260Q8A820C1EAC000/
今回、2015年のチャイナショックが起きるとは言いませんが
~当時は世界から中国への投資が盛んで中国経済が減速しているという
事実は世界経済に波及するリスクと捉えられていたが
現在はすでに中国への投資は引き上げられ中国経済の鈍化減速は
驚きに値しないため~
ドル金利低下でもドル独歩高となる為替市場の動きには
注意が必要かと思います。
ドル高なのでドル円は大きく崩れていませんが
クロス円は崩れだしました。
※ドル円とクロス円日足一覧
とはいえ、クロス円チャートの上昇トレンドが崩れたワケではないため
単なる押し目に終わる可能性もあります。
しかし、クロス円下落が止まらず(ドルストレート通貨下落が止まらず)
世界の株式市場も崩れだすようだとリスクオフ相場の展開となり
ドル円相場も結局は円高方向に引っ張られるリスクは否定できませんので
今週は人民元の動向、株式市場への波及リスクなどを注意深く
見ておく必要がありますね。
リスクオフ時の値動きは「ドル高であり円高」です。
151.05円で買い直したドル円はまだ持っていますが
コスト近辺まで下げてくるなら利食えるうちに手仕舞います。
先週はスイスが主要国で初めて利下げを決めましたが
世界が利下げに舵を切ることの象徴として先陣を切ったことが
株下落の口火を切った可能性があるとか?
米国利下げは米国株の下落をもたらしてきた経緯があります。
※米利下げとS&P500
まだ米国が利下げしたわけではないので、その可能性は
限りなく低いとは思いますが、
先週はスイスの利下げ、人民元安誘導などがあり、
世界は景気減速への警戒、利下げ開始時期を模索しているという点で
一致していることには注意が必要ですね。
週末の米国株市場はこんな感じ。
※米国主要株価インデックス一覧
人民元の急激な下落で週明けの日本株市場がどの様に反応するかにも注意。
********今週の主な予定***********
25日(月)
日銀議事録(1月22日-23日開催分)
マン英中銀委員、経済協会年次会議に出席
26日(火)
米消費者信頼感指数(3月)
コンウェイNZ中銀チーフエコノミスト、金融政策について講演
27日(水)
田村日銀審議委員、講演
豪消費者物価指数(2月)
中国工業企業利益(2月)
ウォラーFRB理事、NYエコノミッククラブで経済見通しについて講演
28日(木)
日銀主な意見(3月18日-19日開催分)
豪小売売上高(2月)
米シカゴ購買部協会景気指数(3月)
米ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(3月)
グッドフライデー前日で米債券市場は短縮取引
29日(金)
日本雇用統計(2月)
東京都消費者物価指数(3月)
米個人所得支出(2月)
米個人消費支出(PCE)価格指数(2月)
パウエルFRB議長、討論会参加(質疑応答あり)
グッドフライデー祝日で米国・英国・欧州・香港・オセアニア市場は休場
31日(日)
中国製造業PMI・非製造業PMI(3月)
英国・欧州市場は夏時間へ移行
今週の注目は29日の米PCEデフレータ。
これでドル金利がリバウンドすればますますドル高に、と思ったのですが
ただし今週金曜はグッドフライデーで米国市場は休場。
為替市場は動いていますが流動性が低下しますので注意。
■米PCE価格指数は高い伸びか-利下げに対するFRBの忍耐を正当化
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-24/SAUCQRT0G1KW00?srnd=cojp-v2
・コア価格指数は2月に前月比0.3%上昇予想。過去1年で最大の伸びとなる見込み。
・総合指数は0.4%の上昇予想、昨年9月以来の大幅上昇予想。
コアPCE予想 前月比+0.3%(前月+0.2%)
前年比+2.8%(前月+2.8%)
総合PCE予想 前月比+0.4%(前月+0.3%)
前年比+2.5%(前月+2.4%)
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