2024年5月1日水曜日

 やはり29日(祝)のドル円の急変動に裏には介入があった模様。
正確には5/31に発表される「外国為替平衡操作実施状況」(財務省)
で確認できますが、その前でも日銀の当座預金見通しから
推計することが可能なんですね。

■29日の為替介入は5.5兆円規模の可能性、日銀当座預金見通しが示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-30/SCQQP4T0G1KW00

1日で5兆円使いましたか(゚ロ゚)w これはそこそこ大きいゾ。
22年の計3回の介入では総額9.2兆円使っていますが、
10/21が5.6兆円、1日の加入規模ではこの日が過去最大でしたが、
この時に並ぶ規模で行われた可能性が高い。

この規模の介入だと、後1回くらいしか介入はできないかな・・・。

というのも、GDP比2%以上の介入総額となると
米国が定める為替操作国認定条件に抵触してしまうのです。

米国は年2回、財務省が貿易相手国の為替政策を分析・評価した報告書を
議会に提出します。これが「為替報告書」

この報告書にて米国から「為替操作国」と認定され、
交渉による問題解決措置が取られない場合、
米国から関税をかけられるなどペナルティを科せられてしまいます。

為替報告書はオバマ政権下で3つの認定基準が導入されました。
(為替操作国に加え「監視対象国・地域」も追加されている)
バイデン政権下で認定条件が一部変更されたとのことですが、
現状では下記が為替操作国認定となる基準となっています。

1.対米の財・サービス貿易黒字額、年間150億ドル以上
2.経常黒字がGDP比3%以上、または為替レート評価フレームワークを
  用いて財務省が実質的に経常収支「ギャップ」があると推定した場合
3.持続的で一方的な為替介入
(過去12カ月間のうち8カ月以上の介入、かつGDP比2%以上の介入総額)

この3番ですね。
日本の2023年のGDPは591兆円。
1%が5.9兆円ですから2%で11.8兆円程度。
今回およそ半分を使ってしまっています。

22年の介入総額は9.2兆円でしたがこの年のGDPは548兆円。
2%は10.8兆円ですからこの範囲内に留めたことが伺えますね。

日本の外貨準備高は潤沢ですから
米国債を売ってドル資金を捻出することもできますし
スワップ協定を使えば無制限に介入を続けることは可能ですが
そのようなことは米国が決して許さないということです。

となると、次の介入はより慎重にタイミングを伺うはず。

とはいえ、今週は米FOMCや米4月雇用統計が発表されますから
ここで再びドル円が160円に乗せるような上昇を見せれば
放置はできないのでは、、、と思います。
逆に言うと、そうした大きな動きが出ないことには
しばらくは(FOMCや雇用統計で大きく動くまでの間)
様子を見るのではないかと思います。
 
日本の通貨当局が慎重に慎重を期して2回目の介入をやるだろう、
すぐにはやらないだろう、との見方が広がると、
やはり日米金利差が大きい通貨ペアですから、
自然にドル高円安となっていきます。

今日すでにドル円相場は157.50円台まで上昇していますね。
それも仕方ないですね、、、今夜も米金利は上昇しています。

※米国債利回り

今夜の住宅価格指数が強かったことなども金利高の背景か。
しかし、この2月の急伸は一体何でしょうね?!

■米住宅価格指数、2月は前月比1.2%上昇 1年10カ月ぶり大きさ=FHFA
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/JR2V2UQM3RKK5OC5URSLYVNT7U-2024-04-30/
前年同月比上昇率は7.0%と22年11月以来、1年3カ月ぶりの大きさ

■米雇用コスト、第1四半期1.2%上昇 予想上回る
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/GGCZNCTLBVOUZAOY6S52KS3NVI-2024-04-30/

24年Q1雇用コスト指数(ECI)前期比+1.2%
 ~伸びは前四半期の+0.9%から加速
前年同期比では+4.2%、伸びは前四半期と並んだ。


インフレの指標が再上昇の機運にあります。
これが今夜の金利高の背景と思われますが、
しかし、今夜発表された米指標、決して強いものばかりではありません。

■米CB消費者信頼感、4月は97.0に低下 約1年半ぶり低水準
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/PRDD2SN3C5J3RBEHA36RHX4WPY-2024-04-30/
・4月の米消費者信頼感指数、97.0(3月103.1) 
  ~22年7月以来の低水準(100を下回るのがこの時以来)
・消費者の間で将来のビジネス環境や雇用機会、収入に関する懸念が増している


コンファレンス・ボード消費者信頼感指数は消費者に対するアンケートですが
アンケートの対象が5000名で、同系統の指標であるミシガン大学消費者信頼感指数に
比べて規模が大きい。

米国のGDPの7割が個人消費ですからね。
消費者のマインド低下は景気の減速のシグナルかもしれない?!

ということで今夜の米株はご覧の大幅反落です。
あるいは、金利の再上昇を嫌気しての反落かもしれませんね。
日足チャートでチェックすると今回の急落から半値戻しを達成するも
半値以上に買い上げる力がなかったようにも見えます。
金利が下がってくれないと最高値更新は難しいでしょう。
このまま再び大きめの調整がはいるかもしれませんね。
※米主要株価インデックス日足 
株が大きく下げるならドル円も、、、と言いたいところですが
米金利が高いので、なかなかドルロングの解消には繋がりませんね。
ドル円相場は次の介入を催促する上昇が続くと思われます。

注意しなくてはならないイベントはFOMC,雇用統計でしょうか。

昨日156円台から買い始めたドル円相場、
昨晩はやや早めに寝てしまったのですが
156円を割り込む介入もどきのような動きがあり
ロスカットされちゃいました(T_T)

今日また156.51円で買い直しています。
157.50円近辺まで上がってきました!
もちろん逆指値は忘れずに。
157円割れに逆指値をおきます。
今回は利食いで終われるように。
158~9円台では手仕舞おうと思いますが、値動き次第でその前に止めるかも。
そこまで介入がなくじわじわ上がってくれればいいですが。

ひろこのX

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