2024年6月5日水曜日

 月曜のISM製造業景況指数の低下を受けて下落が始まったドル円相場、
4日火曜も円高基調が続き155円大台を割り込んできました。

※ドル円

ドル円の下落には、複合的な背景がありそうです。

①日銀が来週の6月会合で量的緩和策縮小に踏み切るとの思惑の高まり

■円上伸、対ドルで一時155円21銭-円安は幅広い影響と日銀副総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEJRB0DWRGG000
日銀の氷見野良三副総裁は日米の金融政策をテーマにした
パネルディスカッションで、円安が幅広く影響、為替に注意を払う、と
発言したと報じられました。

「金融政策で為替レート自体をターゲットにするのは適切ではない」
と述べたうえでの発言なのですが、来週日銀会合を控えているため
メッセージ性を持って報じられてしまった側面が強いような気がします。
しかし「我々が見ているいくつかの測定結果は、
基本的なインフレ率はまだ2%には達していないが、
徐々にその水準に向かって加速していることを示している」とも発言しており
タカ派的な印象は否めません。

更に、夕刻ブルームバーグから日銀政策へのリーク記事が。

■日銀、早ければ今月会合で国債買い入れ減額を具体的に検討も-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEJJB3DWRGG000

日本銀行は早ければ来週に開く会合で、長期国債の買い入れの減額についてより具体的な方針を示すことの是非を含めて議論する可能性が大きい。複数の関係者への取材で分かった。
関係者によると、日銀は減額によって金利形成を一段と市場に委ねていきたい意向~

関係者によると、って完全にリーク記事ですね。

本当に国債買い入れ減額=量的緩和縮小に踏み切るのでしょうか。
さすがに円ショートを積み上げてきた投機筋もポジションを落としたと見られます。

②米金利は更に下落

今夜発表されJOLTS求人件数、予想を下回りました。

■米求人件数、4月は805.9万件に減少 3年超ぶり低水準
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2024/06/501024.php
・4月JOLT求人件数:805.9万件(予想:836.0万件、3月:848.8万件)

米金利は今夜も低下。
※米国債利回り
よって日米金利差縮小トレンド継続。

③メキシコペソ円の急落(クロス円急落)

■ペソ急落、メキシコでトリプル安 新政権に懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN03CNS0T00C24A6000000/
6月2日投開票の総選挙、大統領選挙で与党3党と擁立候補が大勝し、財政悪化懸念台頭。

シェインバウム氏はMORENAの創設者でもあるロペスオブラドール現大統領の政策を継承すると公約し、女性初の大統領に当選した。安定的な国会運営が可能になり、場当たり的なインフラ建設による財政悪化や国有企業優遇も続くとの懸念が強い。

コロナ後、圧倒的な強さと人気を誇ってきたメキシコペソですが
まさか選挙でこれほど崩れるとは予想できませんでした・・・。

※メキシコペソ円
チャートが著しく悪化。
こうしたクロス円の下落がドル円の足を引っ張った可能性も否めません。
リスクオフ相場の典型ですね。

ドル円、クロス円チャート
④インド株急落

■インド株や通貨ルピー急落-与党連合リードも圧勝困難な情勢
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEJFDRT1UM0W00
・ニフティ50指数、一時8.5%安-取引時間中としては4年ぶり下落率
・改革実行能力を十分発揮できないとの指摘も-政権弱体化なら

インドの総選挙、出口調査の段階ではモディ首相率いる与党圧勝と
報じられ、インド株は大きく上昇していました。

ところが、蓋を開けてみたら意外と接戦だということがわかってきて
改革実行に疑問符がついて、買われた分を吐き出したということのようです。
しかし、この下落、ちょっと怖いですね。

NIFTY50
日をまたいで、与党が単独過半数割れとのニュースが入ってきました。

■インド総選挙、与党が単独過半数割れ-モディ氏は続投の意向表明
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEK6IPDWRGG000

⑤OPECプラス減産延長でも原油下落

OPECプラスは協調減産の枠組みを
2025年末まで1年間延長すると発表しました。
 来年末までの延長はサプライズですが、
同時に10月から減産幅を段階的に縮小すると発表。
 
 日量約200万バレルの自主減産は、
6月末で失効する予定でしたが、
今回の合意で9月末まで現状の減産の枠組みで継続され、
その後は1年かけて段階的に減産枠が縮小されていくことになりますが
この決定が市場から嫌気されたようです。

そもそも長期に協調減産を続けているのですが
原油価格はあまり上がらなくなってきています。
需給が緩い=世界景気はあまり良くないということかと思いますが
原油下落は、インフレの低下をもたらし米金利低下圧力を強めますので
ひいてはドル円の下落圧力となります。
日本からみれば輸入コスト圧縮にもつながり赤字縮小に寄与しますしね。

 上記のようなニュースがドル円の下落を加速させたと見られます。
要するにリスクオフ相場へ発展する警戒が強まったということですが、
今夜の米国市場、またも楽観が支配。

※米国株市場AM3:50

金利が下がればやっぱり買われる米株市場・・・
NY時間に入ってドル円下落も一服しています。
結局、米国市場が揺るがなければ、
全面リスクオフ相場へ発展ということにはなりませんので、
円高加速期待はあまり持てないのですが
しかし、クロス円などはWトップ的になっているものも多く、
個人的には戻りを売りたいと考えているのですが、、、

今日は急落時にペソ円、豪ドル円などをディトレで取引しましたが
結構大きく下げたので、リバウンドが怖くてポジション持ち越せませんね。

1.0852ドルのユーロドルロングは継続したままです。

明日ECB理事会です。

■ECB利下げへの期待、最初の一歩を前に崩れ始める-年内2回のみも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEJDIPT1UM0W00
ひろこのX

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