2022年1月30日日曜日

 1・週末米株高、長期金利低下も
  イールドカーブフラットニング傾向
  ~タカ派的だったFOMC受けても上がらぬ長期金利
2・天候リスクからの食料価格上昇のリスク
3・OPECプラス会合~WTI原油100ドル超え見通し渦巻く
-------------------------------------------------------
先週はFOMCを受けて米株の下落、金利の上昇が顕著となりましたが
週末にかけては米株が反発、長期金利はやや低下して引けています。
週末リスクを回避する買い戻しなどがはいっただけ、とみています。

短期金利の上昇は、市場が年内3~7回の米利上げを織り込む格好ですが
(JPモルガン5回、バンカメ7回、モルガンのダイモン氏7回)
長期ゾーンの金利は抑制的、特に先週末、長期金利は低下して1週間を終えています。

このまま長短金利が縮小ーフラットニングし続け逆転などしようものなら
それは景気後退のシグナルとして再びマーケットには緊張が走るでしょう。

※米国債券利回り一覧
トレンドがわかるようにラインを引いてみました。
長期が上がらず、短期が急上昇中、金利が縮小していますね。

今週はISM製造業/非製造業景況指数や雇用統計など米国の重要指標が
色々でてきます。先週26日にFOMCのスタンスが示されたばかりですが
今年7回の利上げなどと市場が前のめりになっているため
ISMの価格指数や、雇用統計の平均需給などインフレに関連する数字には
市場が敏感に反応すると思われます。

22年の利上げ予想やQTの議論から察するに市場は現時点では、
FRBの現在のスタンスではインフレは収まらない、と見ているのですが
今週発表される指標で雇用指数や平均時給が落ち着いていればドル高一服か。
加速していればドル高はさらに進行するかもしれません。

※通貨インデックス一覧  ドル独歩高です。今週はやや修正もあるか?

ところが、景気の先行きはどうでしょう・・・。
ってのが今週のみどころですが、アトランタ連銀が公表している
GDPNowをチェックすると米国の22年第1四半期のGDP成長率は0.1%!!
https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow

景気はピークアウトし減速していく予想の中での利上げです。
一旦、株が戻りを入れるフェーズに入るかもしれませんが、
戻りは売られるのではないでしょうか・・・。

※米主要株価インデックス


そして、通貨市場ではドル独歩高です。
米金利上昇基調であることに加えて、米株や米債が売られているため
キャッシュ化によるドル高=リスクオフ相場なのだと思います。

今週は、RBA豪州中央銀行の金融政策
    ECB欧州中央銀行の金融政策
    BOE英国中央銀行の金融政策 が予定されています。
    
英国はCPIの上昇から、今月の利上げ観測が強まっていますね。
上記主要国の金融政策が市場のコンセンサスよりタカ派的となれば
豪ドル高、ユーロ高、ポンド高といったようにドル安となる局面があるかも
しれませんが、リスクオフ相場が続く限りはドル高基調は変わらないと思います。

そして、そもそもリスクオフ相場に何故なっているのか。
「景気減速局面入りなのにインフレ退治で金融引締を急ぐFRBが
 株や大きく下がっても再度緩和政策に戻ることはない」ことであって
株が崩れようともFRBは助けてくれないことが明らかとなっていることにあります。

というわけでドル高ポジションは継続していますが
ドル円だけは手仕舞っています。
リスクオフならドル高円高なので、円高となるリスクもありますね。
FOMCという大きなイベント通過で一旦ドル円は115.50円を超えるところまで
ドル高が進んだのですが、クロス円の下落を見ていると
こちらに引っ張られてドル円は今年の高値を超えるような上昇には
ならないだろうと考えています。

NYダウ 34564ドルS → 34282ドルで一旦買い戻し・・・
    戻り売りスタンス
ユーロドル1.1262ドルS 継続
キウイドル0.6650ドルS 継続
ドル円113.96円L →  115.23円で利食い
    ドル円はレンジトレードになりそう、、、
    ここからはクロス円の戻り売りがいいかも。

2・ウクライナ緊張だけではない、ブラジルの天候リスクでの穀物高

Seca e chuva aumentam custos no campo e devem pressionar inflação dos alimentos em 2022
https://g1.globo.com/economia/agronegocios/noticia/2022/01/22/seca-e-chuva-aumentam-custos-no-campo-e-devem-pressionar-inflacao-dos-alimentos-em-2022.ghtml

ラニーニャ現象の結果、ブラジルの北部と北東部では大雨、
南部では干ばつが発生しています。
農畜産物の生産に損失が生じ現場でのコストが増加。
今年の消費者の食品インフレを圧迫する見通し。

干ばつの影響を最も大きく受けているのは、
南部と中部・西部の一部で栽培されている大豆とトウモロコシ。
昨年末からの雨不足により、植物の生育が損なわれ、
多くの農場で生産量が減少している。

鶏肉価格も上がるかもしれません。
~家禽の飼料はトウモロコシと大豆粕で構成されており、
穀物の価値が高いため、この分野のコストは上昇。
21年にはすでに鶏肉の価格が上昇しているが、生産者によると、
現在のコストが今後数ヶ月のうちに消費者に転嫁される可能性が~。
【REPORT】世界最大の鶏肉輸出国 ブラジルの鶏肉事情
 https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_001300.html

先週、ロシアのウクライナ侵攻が緊迫化する中で
ロシアの小麦、ウクライナのとうもろこし輸出が影響が有るリスクについて
ブログを書きましたが、大豆、コーンの上昇は
こうした地政学リスクだけの上昇ではないということです。
1/26 ウクライナ緊張で穀物高へ
http://hiroko.yutaka-shoji.co.jp/2022/01/vix30.html

大豆、とうもろこしともに2019年の輸出量はブラジルが世界一です。

※大豆

※コーン


3・OPECプラス、3月も現行の増産ペース維持の公算=関係筋
https://jp.reuters.com/article/oil-opec-idJPKBN2K01I7
日量40万バレルの増産、予定通りにやるだけでしょう、というのがコンセンサス。

OPECプラスの「プラス」にはロシアが含まれています。

バイデン政権はガソリン高、インフレで支持率が低迷、
OPECに原油の増産を要請していますが、仮にロシアがウクライナ侵攻に
踏み切った場合はロシアに制裁を発動するとしています。

制裁を発動するかもしれない相手に、増産オファーってのも変な話ですよね。

もしそんなことになればロシアのエネルギー供給に頼るわけにも行かず
原油価格はますます高騰するリスクが囁かれているのです。

そもそも需給がタイトであることも価格高騰の背景ですが
それに加えて地政学リスクも出てきたということですね。

夏に原油100ドル乗せ、ウォール街の予想強まる
先進国の在庫減や需要増、OPEC増産の不透明感が一段の原油高予想を裏付けている
https://jp.wsj.com/articles/whats-behind-wall-streets-100-oil-forecast--11643326365

原油高騰、見えぬ商品混沌の先 見通し軒並み100ドル超
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB173RY0X10C22A1000000/
未来が予測できない先行き不透明な情勢を「VUCA(ブーカ)」と呼ぶ。
コモディティーはまさにVUCAの時代に入った。

最も最悪のシナリオは、米国が金融引締めに動いて株価は下落し
景気減速に拍車をかける可能性があるのに
インフレは全く沈静化しないこと。
世界がスタグフレーション化するかもしれません💦

※WTI原油日足



4・今週の注目経済指標、イベント

31日(月)・中国春節休場入~2/6まで
     ・ドイツCPI
     ・米シカゴ購買部協会景気指数(1月、予想62.5、前月64.3)
     ・米ダラス連銀製造業活動指数(1月、前月19.2)
         
2/1(火)・RBA豪州政策金利
    ・米ISM製造業景況指数(1月、予想58.0、前月58.7)
    ・OPECプラス閣僚級会合 

2日(水)・NZ雇用統計
    ・米ADP雇用統計

3日(木)・BOE英国 政策金利/インフレリポート
     ~0.25%の利上げ予想
      利上げがなければポンド安。
      12月CPIが強かったため利上げ見込み。

      
     ・ECB欧州 政策金利
     ~ラガルド総裁はFRBほど積極的な金融正常化は行わないとしているが
      ECB内で足並みが揃うのか?

     米ISM非製造業景況指数

4日(金)・カナダ雇用統計
     ・RBA 豪州四半期金融政策報告
     ・米国雇用統計(1月)NFP 予想+238千人(前月+199千人)
              失業率 予想3.9%、前月3.9%
              平均時給 前年同月比、予想+5.1%、前月+4.7%)

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2022年1月28日金曜日

 1・1月FOMC、パウエル議長Q&Aを市場はタカ派と受け止める
2・21年の米成長率、5.7%、1984年以降37年ぶりの大幅な伸び
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米利上げ、年内4回超織り込みへ FRBタカ派姿勢で短期市場
https://jp.reuters.com/article/usa-bonds-fedfunds-idJPKBN2K105Q
強まる米FRBのタカ派色、機関投資家は「守りの運用」へ
https://jp.reuters.com/article/analysis-investors-portfolio-idJPKBN2K10SM

政策の変更はなかったものの、パウエル議長の会見を受けて
マーケットはタカ派的と解釈した、
としか言いようがない株価と金利の反応。

※米国債利回り一覧 長期ゾーンが下がり始めたってのは良くないですね。

長短金利のフラット化。
これは短期では利上げを織り込んで上昇しているということですが
長期的にはそれによって景気が後退するかも、、、
というリスクを織り込み始めた、とも言えます。

※米主要インデックス


今夜は戻りを入れる相場展開となっていますが自律反発じゃないかな・・・
米主要株価インデックスは軒並み200SMAを
割り込んでいるということをお忘れなく。

中小型銘柄のラッセルの下落がきついのは景気の先行きを暗示しているようですし
SOX指数(半導体指数)も下落基調に入ったことは
ハイテク、グロース銘柄の一旦の終焉を思わせる展開です。

そして日本株市場は目も当てられません。
SNSでは #岸田ショック と称されて日本株の先行きに諦めのムードも。

東京時間から戻り相場に入ったのでポジションは動かしています。

NYダウ34604ドルS → 34401ドル買い戻し
改めて 35564ドル ←タイプミス 34564ドルで売り直し

為替ポジションは継続
ユーロドル1.1262ドルS
キウイドル0.6650ドルS
ドル円113.96円L

米短期金利上昇にドルが連れ高となっていることに加え
リスク回避でリスク資産が売られキャッシュ化していることもあり
ドル高が進行中。これ暫く続くのでは・・・?

2・21年の米成長率、5.7%、1984年以降37年ぶりの大幅な伸び

これはあくまで去年の数字。過去の数字です。
去年がピークだったと見ていますので、この数字に反応してはいけません。
足元では良くない経済指標がポツポツで始めていますね。

米・12月耐久財受注速報値:前月比▼0.9%(予想:▼0.6%、11月:+2.6%)
米・12月中古住宅販売成約指数:前月比▼3.8%(予想:▼0.8%、11月:▼2.2%)

今週のひろこのウィークリーGOLDは
金を始め、プラチナ、パラジウム、シルバーと貴金属全般の現状と今後を
貴金属スペシャリリスと池水雄一氏に解説いただいています。

http://dlvr.it/SHrBMV

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2022年1月27日木曜日

 1・FOMC、市場の事前予想よりタカ派化するサプライズはなし
2・カナダ中銀、金利据え置き
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まずは先程発表になったばかりのFOMC
皆さんが起きる頃には日経新聞も詳しく報じているでしょうから簡単に。

・政策金利は0-0.25%で据え置き
・0.5%利上げには言及なし
・テーパリングはこれ以上早めず予定どおりに3月終了
・QTは売却でなく自然償還で晴らす

パウエル議長
「利上げ後にQT、時期と規模はまだ決めていない」などなど

今会見中なので終わるまで待ってられません~

無難な内容で、初動こそ株は上昇で反応しましたが続きません。
戻り待ちの売りが控えているのでしょう。

NYダウを34604ドルで売ってみました。

ドル金利は一斉に上昇しています。
サプライズはなかったものの金利は上がってきました。


昨日113.96円でロングしたドル円は利が伸びています。
これは継続。

ユーロドルを1.1262ドルでショート
キウイドルを0.6650ドルでショート参戦。

※ユーロドル レンジを下抜け


キウイドル 下値を売り込んじゃったかな💦

2・今日はカナダの金融政策の会合も。

カナダ中銀、近い将来の利上げ示唆-感染再拡大の中で金利据え置く
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-26/R6BORFT0G1L001?srnd=cojp-v2

・カナダ中銀:政策金利を0.25%に据え置くことを決定
・21年のGDP見通しを4.6%に引き下げ(従来5.1%)
 ~22年4.0%(4.3%)23年3.5%(3.7%)と経済見通しを軒並み引き下げ。。

一部では今回の会合での利上げ観測もあったほか、
2回目の利上げの可能性まで織り込んでいたためハト派的結果となりました。
3月の利上げ確率も大幅低下しています。
中銀がタカ派姿勢を弱めたため早期利上げ観測が後退しカナダドル売りが加速した。

ただ、カナダは原油が強いことに支えられているのか
キウイなどに比べるとあまり下げないのよね。
というわけでカナダ売りは避けています。
※WTI原油

■今日米株が上がってくれないと、、、
明日の日本株市場も下がってしまうと本格下落トレンド入りするかも。

日経平均は昨年8月の安値を更新、ここを下抜けると下落が加速します。


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2022年1月26日水曜日

 1・ウクライナ緊張続く~穀物価格上昇へ
2・株式市場乱高下:VIX指数30超え
3・IMF:22年の世界経済成長率予想下方修正
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1・米軍8500人派兵準備を命令 バイデン氏、ウクライナ対処で
https://news.yahoo.co.jp/articles/349577d91a5bb247324184b9bb37033c6af4ab8d

緊迫のウクライナ情勢、いま何が起こっている?
ロシア軍“10万人”にNATOが対抗準備(解説)
https://www.businessinsider.jp/post-249700

侵攻すれば経済制裁も待っている、、、として
ロシア売りとなっている他、インフレへの警戒も強まっています。
ニッケルやパラジウムなどの鉱物資源だけではなく
穀物など飼料、食料価格インフレも警戒され始めているようです。

※小麦

※とうもろこし


ロシアは小麦の輸出量が多い。

ウクライナはとうもろこし輸出が大きいんですね。

穀物輸出は米国が圧倒的な存在感ですが
ウクライナは近年輸出量が増えていて世界第2位(2019)。
ロシアも2018年までは世界第2位です。



図表は 「ロシアとウクライナは穀物輸出の好敵手同士」より
https://globe.asahi.com/article/14098062

2・24日(月)の米株市場は乱高下。
  NYダウの下落幅は一時1100ドルを超えたのですが急激に巻き返しが入り
  終わってみれば99ドル高ですって。ひえー。
  
  どうやら24日のNY市場の寄付きで個別株とETFなどのマージン・コール
  (強制ロスカット)がでたための急落だった模様で、
  それが一巡したところで買い戻しも見られた、ということのようですが。
  
  リテール投資家が米株を一斉売り、反発前に-押し目買いの流れに変調
  https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-25/R68N8HDWX2PT01
  
  これで終わったと思うなかれ。
  NASDAQ100指数の3倍の値動きのレバレッジ米国ETF「TQQQ」などは
  下落の道中でも資金が流入を続けており、押し目買い意欲が旺盛なようです。
  ・・・日本のマザーズ銘柄における信用買残がなかなか減らないみたいな感じ。
  
  逆回転は始まったばかりです。
  日本の個人投資家もレバナスなどの投信が人気ですが
  こうした信用取引におけるロングポジションは
  今後の下落のリスクでもあります。
  
  VIX指数は30を超えてきました。
  やはり、これではリスクは取れません・・・・
  
3・IMF、2022年の世界成長見通しを下方修正-米国と中国が軟化
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-25/R69R6XT0G1KY01
・今年の世界成長率予想を4.4%と、昨年10月時点で見込んだ4.9%から下方修正
・米国はバイデン大統領の政策頓挫、中国は不動産業界が重し
・インフレは当初の想定よりも長く高止まりする見込み

米中の景気がピークアウトするというのに、米国は金融引締に向かいます。
明日は1月FOMC。明日の変更はないにしても質疑応答は見ものでしょう。

今日夕方、ショートポジション全部利食っちゃったのよねぇ、、、
昨日の米株市場をみて、いったん戻りが入るかな?と思って
ちょっとだけドル円、とダウCFD買っちゃた💦

キウイ円77.82円S 77.90円S → 76.18円で利食い
ドル円114.84円S → 113.89円利食い 113.96円でロング
ポンド円156.20円S 継続

113.96円でロング、113.65円割れ(今日の安値近辺)に損切り注文
ダウ34286ドルロング → 34020ドル我で損切り、今はノーポジ

典型的なスケベロング、ってやつですが、ダウはすぐに撃沈しました。
ドル円も明日起きたらポジション消えてるかな??

またどこかでドル円、もしくはクロス円のショートを作らねば・・・
自律反発はないのでしょうか・・・。

明日はFOMCです。

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2022年1月25日火曜日

 1・ロシアのウクライナ侵攻リスク極度に高まる?
2・米PMI予想を下回る悪化
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ロシアのウクライナ侵攻リスクが高まっている模様。
NATO加盟国も東欧に多くの船とジェット機を送るなど
戦力の展開を開始しています。

NATO Allies send more ships, jets to enhance deterrence and defence in eastern Europe
https://www.nato.int/cps/en/natohq/news_191040.htm?utm_source=twitter&utm_medium=natopress&utm_campaign=20220124_allied_contributions

クレムリン(ロシア)は
「ウクライナ東方で軍事衝突が起こる可能性はこれまでになく高い」
緊張が高まっていることを示唆。

米国はウクライナ大使館職員家族に退避命令を出しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220124/k10013446581000.html

今日はロシア株、通過ルーブルが大きく下落しており、
JP モルガンは地政学的な不透明感が高まっているため
残っているルーブルのロングを全て売却したとしています。

※ルーブル/ドル


ロシア株も売られています。

※ロシアRTS指数 エネルギー高で昨年秋までは悪くなかったのですが


今夜はどこもかしこも売られています。全面安ですねぇ。。。
ロシア、ウクライナがなくても、米金融政策の急激なタカ派シフトが
警戒されている中で、今夜発表された米PMIが悪かった・・・

2・米国景気ピークアウトの可能性が強まる

米・1月製造業PMI:55(予想:56.7、12月:57.7)
 ・1月サービス業PMI:50.9(12月:57.6)
 ・1月総合PMI速報値:50.8(12月:57.0)
 
あ~これはまずい・・・。
PMIは企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取り、
景況感についてアンケート調査した結果を指数化したものですが
鉱工業生産や雇用統計などの統計よりも景気先行性があるとされており
今夜のこの数字は、米国の景気のピークアウトを示唆するものなのです・・・。

景気がピークアウトシ鈍化シていくときに、
FRBは利上げをし、バランスシートの縮小に踏み切ろうというのですよ。
これまで楽観相場が続いた株式市場も流石に驚きを隠せない事態に。

※米主要株価インデックス


しかし流石に債券買いになっています。
米国債はほぼ全ゾーンで利回り低下。
これはウクライナ情勢の緊張の高まり、地政学リスクを嫌気した資金が
株から債券へシフトしているように見えます。

※米国債利回り一覧

ここでポイントは、米金利低下でもドル高になっていること。

※通貨インデックス一覧 ドル独歩高

円高、スイスフラン高もリスクオフの動きですが今夜はドル。
ドル高はレパトリのそれでしょう。
米株を売った資金が一部債券に流れ込むだけでなく
キャッシュになっている。キャッシュ化でドル高です。

今夜は原油も下がってます、
コモディティもとりあえず売って現金化ですね。


今週26日水曜は大注目のFOMCなのになぁ・・・
リスクオフポジション保有ですので
ポジションは継続です。

キウイ円77.82円S 77.90円S
ドル円114.84円S
ポンド円156.20円S 継続

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2022年1月24日月曜日

 1・テーパリング早期終了観測、今週1月FOMCで?
~米主要株価インデックス軒並み200SMA割れ
~米長期金利1.9%台へ上昇
2・REIT11日連続下落、地銀の売りか
3・バルチック海運指数、11ヶ月ぶり低水準へ低下
4・ニッケル急騰、ロシアリスクで?
 ~(EV,リチウムイオン電池使用)
5・円高、スイスフラン高の「リスクオフ」続くか 
-----------------------------------------------
1・今週は、米1月FOMCにわかに注目が高まっています。

3月のテーパリング完了、3月FOMC利上げ、程なくしてバランスシート縮小着手が
現在までのFOMC金融政策のコンセンサスとなっていますが
今回のFOMCでテーパリング完了をもっと早めることを決定するのではないか、
という観測が広がっているようです。
要するに資産買い入れはすぐにでも停止する、ということか?

ついこの間までインフレは一時的と言うスタンスだったFRBですが
君子豹変す、正常化どころか引き締めを急ぐスタンスを隠しません。
まだ市場の観測に過ぎませんが、3月FOMCが大注目とされていましたが
にわかに今週の1月FOMCにも注目が高まっています。

というとで米長期金利は1.9%まで上昇したのですが
週末にかけてはすべての年限の米国債利回りが低下しています。

※米国債利回り一覧

これは債券買いです。
ん~ここへきてリスクオフで株から債券に資金シフトか?
ここまで金利上昇が早かった分、
今週のFOMC前後では金利の急速な修正及びドル安方向に動く、
というシナリオも想定しておかねばならないかな。

FOMCが現状のコンセンサスよりもタカ派的となっても
金利は下がり、ドルが下がるという
整合性の取れない動きとなる可能性も否定できない、という話です。
今週は豪州やNZのCPI(消費者信頼感指数)の発表や
カナダの政策金利発表もあり、他通貨が強含む可能性もありますね。

米株がどう反応するかは難しい。
大局的には調整局面入りに見えますが、過度にFOMCへの警戒が強まっての
売りでしたので、FOMC通過で買い戻しが大きく入る週となりそうな予感。
あくまで「戻り」であって今週米株が反発するようなら、
その戻りを売りたいところでもありますが。
要は、この安値を追いかけて売るのは危険、という話です。

※米主要株価インデックス

しかしネットフリックスの急落、ひどいですね・・・
Netflix株急落 会員増、10〜12月820万人も予想届かず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20E0K0Q2A120C2000000/


2・そして気になるのが日本のREIT市場。

REIT、10カ月ぶり安値 10日連続下落
(この記事が出た次の日も下げて11日連続下落です)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1968W0Z10C22A1000000/

REITって日本の地銀が大量保有してますよね。
投げに投げている様子。
米金利上昇で外債投資が傷んでいるのは想像に難くないのですが
外債も慌てて投げていることが円高の一因ではないか、という
推測が成り立つのと同時に、損失穴埋めなのか利食えるうちに、
ということなのかはわかりませんが、ともかく
他資産の手仕舞いにまで波及していると考えられます。
これが次にどのような事象につながるのかはまだわかりません。

3・それから、
  景気の先行指数とも呼ばれるバルチック海運指数の下落も気がかり。

郵船など海運株が軒並み安、バルチック指数の急落を嫌気
https://www.asahi.com/business/stock/kabuto/Ctkkabuto1817282.html
・21年2月16日以来およそ11カ月ぶりの低水準
 ~ピークから70%以上も下落
・中国が1月31日から2月6日まで春節(旧正月)の7連休

単純に中国の春節に絡む下落と言うには大きすぎます。
北京五輪前のゼロコロナ政策の徹底で、経済が停滞しているものと推測。
この指数が下がっている時にはリスクテイクはできませんね。

※VIX指数も30くらいまで上昇してきました。


4・ロシアリスクで上昇するコモディティ

プーチン大統領は、ウクライナ国境に十万以上の兵力を配置していますが
いよいよウクライナ侵攻が近いとのみかたが広がっています。

ロシア軍のウクライナ侵攻懸念受け 米国人退避に向けた動き
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d0ae0b2d9db50a196e6320c61ff7e450282fc27
・在ウクライナ・アメリカ大使館が国務省に対し、
 一部の大使館員や大使館員の家族の国外退避を認めるよう要請
・ウクライナにいるアメリカ市民に対し
 民間機で国外退避するよう来週呼びかけを行う見通し

ただ、ドイツは揺れているようですね。
ドイツ海軍司令官シェーンバッハ中将が
「ロシアがウクライナに侵攻するなど馬鹿げた発想だ。
 プーチンは西側から対等に扱われたいだけだ」と発言し辞任に追い込まれています。
また、NATOがウクライナへの武器供与支援を行っていますが
エストニアがドイツ国内のNATO軍武器をウクライナに輸送しようとしたところ
ドイツがこれを阻止。ドイツが兵器供与を差止めていることで、
イギリスはドイツを迂回して武器を運んでいるとかなんとか、
ドイツはロシアへの態度が決まりません。

これは脱原発でロシアにエネルギー依存してしまっているためなのか?

ドイツ政府は紛争地域には武器を提供しないという規定を遵守しているだけだ、
という指摘もありますが
ウクライナ、クレバ外相は
「ドイツが武器の引き渡しを躊躇したことを、
ウクライナ人はこの先何十年も忘れないだろう」と厳しく避難しています。

メルケル政権からショルツ政権に変わったドイツの行く先が懸念されます。

ドイツのことはひとまずおいといて、
ウクライナ侵攻が現実味を帯びる中、ニッケル、パラジウムなどが急騰中。

リチウムイオン電池に使う「ニッケル」、10年半ぶり高値圏の背景
https://newswitch.jp/p/30534
・軍事衝突が起きればロシアの資源会社に経済制裁が行われる可能性
・ロシア、ニッケル生産量世界3位
 ~世界のニッケル鉱石生産の約1割を占める
 

また、ロシアは欧州に天然ガスを供給していますので
事によっては欧州のエネルギー危機がさらに深刻となる可能性がありますね。
紛争もインフレの一因となりますので
ますます世界の金利上昇を誘う可能性があります。

先週のGOLD上昇などは、地政学リスクを織り込む形での
ETF市場への資金流入が見られたようです。

小菅努氏@kosuge_tsutomu Tweet
https://twitter.com/kosuge_tsutomu/status/1484686648365711360

5・為替市場は円高、スイスフラン高、典型的なリスクオフです。

※通貨インデックス一覧

まあ、株式市場の下落を見れば
リスクオフで円高と言う動きは読みやすかったわけですが
今週もこの流れが継続するか?

なんてったって注目度が急上昇しているFOMCがあります。
その直前までドル高となりタカ派的な展開を織り込むようなら
FOMC後に材料出尽くしor失望と安心感のドル売りの展開もあるかも。

下記に今週の予定のところで注目ポイントを赤字に示しています。

ポジションとしては、ドル円とクロス円ショートを継続中。
戻りを試す1週間となるかもしれませんが、
利を伸ばす方向でも中期保有しようかと思います。
キウイ円77.82円S 77.90円S
ドル円114.84円S
ポンド円156.20円S 継続
■今週の予定
■1/24(月)
・独:1月製造業/サービス業PMI(17:30)
・ユーロ圏:1月製造業/サービス業PMI(18:00)
・米国:1月製造業/サービス業PMI(23:45)

■25(火)
・豪州10-12月期CPI(9:30)
 RBAターゲット中央値の2.5%に近づくなら利上げ観測が高まる可能性
 Q3は+2.1%、今回予想は+2.3%
・独 1月 Ifo 景況感指数(18:00)
・米 1月 CB 消費者信頼感指数(26日 0:00)/米 5 年国
・FOMC(〜26日)
・IMF 世界経済見通し発表

■26(水)
・カナダ銀行 政策金利
 一部に利上げ観測も。利上げならややサプライズでカナダ高?
・FOMC~パウエル FRB 議長会見
・米 12月新築住宅販売件数(27:00)

■27(木)
・NZ10-12月期CPI 
 Q3は+4.9% 予想+5.8% さらなる利上げ観測が強まることで
 NZドル買いとなるかどうか・・・

・南ア準備銀行金融政策決定会合
 0.25%の利上げが予想されている
 
・米 10-12月期 GDP 速報(22:30)
・米 12月耐久財受注(22:30)
・米 12月中古住宅販売仮契約(28日 0:00)

■28(金)
・独 10-12月期 GDP 速報
・12月 個人消費支出(PCEデフレーター)(22:30)

■30(日)
・中国 1月製造業 PMI
・中国 1月非製造業 PMI(10:00)
・中国 1月 Caixin 製造業 PMI(10:45)

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