2022年11月30日水曜日

 1・中国ゼロコロナ政策緩和期待で中国株反発
2・米金利上昇はAmazonの起債のニュースが背景か
3・ドイツインフレ鈍化、ECBの利上げ幅は・・・
************************************
 1・中国ゼロコロナ政策緩和期待で中国株反発

◆中国株が急反発、経済再開への期待拡大-不動産支援強化も材料視
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-29/RM37ART1UM0W01
・香港H株が6.2%高で終了、本土のCSI300指数は3.1%上昇
・長引く制限疲れ、経済再開にかじを切るのが唯一の道との見方

香港ハンセン指数

人民元/ドル 
ほんとに中国株、人民元が反発しちゃってますが、
中国当局が民衆の抗議活動に押される形で
規制緩和するなんてことがあるんでしょうか?
メンツを重んじる、というだけでなく
本当に感染拡大しているようですから、規制緩和はさらに感染を広げるリスク。
中国は自国ワクチンを使っていて
ファイザー・モデルナワクチンは使っていないんですよね。
これがオミクロン株にはあまり有効ではないという指摘も。

民衆が求めるゼロコロナ政策緩和を期待した買いには
ついて行きたくはないですが・・・

実際国家衛生健康委員会から出てきた発表は
ワクチン接種強化、って話で、
ゼロコロナ政策緩和という話ではありませんでした。

◆中国、高齢者のワクチン接種を強化へ-経済本格再開の鍵握る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-29/RM3KCGT0AFB401?srnd=cojp-v2

国家衛生健康委の米鋒報道官は記者会見で、
地方当局は住民からコロナ関連で「合理的」な要望があれば
適時対応し解決する必要があると述べた、
と期待をつなぐコメントも見られたのですが
その後、夜中に出てきたのがこれ⬇

◆中国、「敵対勢力取り締まり」指示 2022年11月30日00時00分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022113000001&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit

敵対勢力というのは何を指すのでしょうか。
抗議活動を指すのであれば、敵は民衆ということになります。
ああ、それって・・・

やはり楽観は禁物のような気がしています。

2・米金利上昇はAmazonの起債のニュースが背景か

今夜は米国債利回りがあらゆる年限でやや上昇しています。

※米国債券利回り一覧 紅組が短期、青組が長期ゾーン
強い経済指標でも出てインフレ再燃の思惑でも広がったか?と
材料を探しても見当たらず。
おそらく材料は、Amazonの起債の報道でしょう。

◆Amazon Kicks Off Five-Part Bond Sale in Second Deal of 2022
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-11-29/amazon-kicks-off-five-part-bond-sale-in-second-deal-of-the-year
最長年限を10年債とし、最大5本立ての無担保優先債を計画
調達資金を借入金の返済や買収に一部充当か
Amazonは前回、4月に127億5000万ドルで社債を売却している

企業の大型起債の報道は、
債券市場内での需給が緩むという思惑につながるということですね。

※日本が大型補正を組んで巨額の国債を発行すると報道されても
ちっとも金利が上がらないというのはどういうわけか。
日本の場合、色々からくりがあって
実際は新規国債発行額が極めて小さいから、です。
巨額の債券発行は債券市場需給を緩めるため金利が上がるものです、普通は。
補正によってGDPを4%も押し上げる債券発行がある、なんてことを
JGB市場では誰も本気にしていないということですね。

そういえば先週の楽天の起債のニュースには驚きました。
年限2年のディスカウント債で、発行額は5億ドル(約700億円)。
利率は年10.250%で、割引分を加味した最終的な利回りは12%。
12%?2年で?
この条件でないと資金調達ができないということでしょうから
事態はかなり深刻だと思われます。。。

◆楽天G、携帯事業継続へ覚悟の「12%」社債
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC252M00V21C22A1000000/

閑話休題。

今夜の金利上昇は持続性があるとは思えませんが、
明日パウエル議長の講演を控えていますので
ポジション調整などもあるのかもしれません。

今夜の金利上昇にドルはついてきていません。

※通貨インデックス一覧



経済指標はむしろ弱いものが出ています。

S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(9月)
結果 10.43%
予想 10.75% 前回 13.06%

◆米20都市住宅価格、3カ月連続の前月比マイナス-さらに冷え込む
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-29/RM4492T0AFB401
これは金利低下圧力となるニュース。

3・ドイツの11月インフレ率はやや減速、ECB利上げペース緩和を後押し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-29/RM41NVT0AFB801
・独・11月消費者物価指数:
                  前年比+10.0%%(予想:+10.3%、10月:+10.4%)
・スペイン、ベルギーでもインフレ減速が報告されている。
・ECBの利上げペース緩和を後押しするか

来月の0.75ポイント利上げ確率、30%に低下しています。

ユーロドルはやはり200SMAが抵抗となり下落に転じるか?
ポジションはありません。

NOTE
◆世界の債券イールドカーブ逆転、米国債に続き-リセッション示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-29/RM3BXFT0G1KW01
世界各国の10年物国債の平均利回りが、期間1-3年の利回りを下回った
ブルームバーグ・グローバル総合債券指数のサブ指数が示したもので、
データを取り始めた2000年代初め以降で初の長短利回り逆転

◆第3四半期カナダGDPは前期比年率+2.9%と
市場予想+1.5%を大きく上回ったがカナダドルが売られています・・・
なんででしょう??
ここ3日、カナダドルガ独歩安の展開ですが
何故なのかよくわかりません・・・。

カナダドルインデックス

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ






2022年11月29日火曜日

 1・中国抗議デモはむしろプラス要因(との声も)
2・人民元安、ドル高・円高
3・ECB高官らからタカ派コメントでユーロ急騰?
4・クリスマス商戦好調スタート
*******************************************
1・中国で「ゼロコロナ」へ抗議拡大-出口戦略促しプラスとの見方も

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-27/RLZWXST0AFB401?srnd=cojp-v2
警察はより強制的な排除に乗り出した
・習主席にゼロコロナ脱却の加速を促し、結果として資産価格の支えになり得る

何でも見方は分かれるもので、中国の抗議デモが
中国当局のゼロコロナ政策の緩和、出口模索を促すため
資産価格のプラス要因になると考える向きもあるようですね。

確かに、週明け28日の世界の株式市場は下落となっているものの
利食いの範疇で、資金が逃げるというような急落ではありません。

10月分のCPIが予想より低下していたことで金利が急低下、
株式市場には楽観が広がっていましたが、利食い場になっただけで
暴落するようなムードはない…?

現在の株式マーケットにとってチャイナリスクはテールリスクではあるものの
今更暴動のニュース慌てふためくということはないようです。

アップルなど直接生産に影響が出るような企業はよくありませんが、、、

 アップル株一時2%安、iPhone出荷台数が一段減少の可能性
 https://jp.reuters.com/article/apple-stocks-idJPL6N32O0A2

2・人民元安、ドル高・円高

ただし為替市場ではリスクオフの様相が色濃く、
中国人民元はご覧の下落。

人民元/ドル

元売りドル高となったことからドルが強含み
ドルストレート通貨が軒並み下落となりました。

ドル円相場、ドル高というよりやや円高が優勢で下落するも
テクニカルの要所で下げ止まり反発。

※ドル円日足 

今年の大相場の起点となった3月安値から10月の151円台までの上昇に対し
38.2%押し水準がサポートされています。
ここで下げ止まるならドル円相場は上昇トレンド継続、
ただの押し目だったということになりますが、さて。

※通貨インデックス一覧 ドル高、円高も円高のほうが優勢


3・ECB高官らからタカ派コメントでユーロ急騰?

ECBクノット氏、インフレ抑制には「長い時間」が必要
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-28/RM1X9ZT0G1KW01
ラガルド総裁、ユーロ圏インフレがピーク付けていたとしたら「驚き」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-28/RM2BT8T0G1KW01
ラガルド総裁は
「ECBはインフレを中期目標まで引き下げることを公約する」と
引き締め域まで金利を引き上げる計画だと表明。
「ECBは必要であるだけ利上げする」とタカ派コメント。

次回ECB理事会での大幅利上げへの思惑が広がったということでしょうか。
フランス、ドイツ、イタリア長期債利回りが上昇。

※主要国10年債利回り
通貨ユーロは欧州時間から急上昇するのですが、
どういうわけか続かず行って来い。

※ユーロドル15分足

※ユーロドル日足 日足でみると長い上ひげが出ました。
今週は11月月末でしょ。月末の特殊フローもありそうよね。
今週はユーロに手を出しづらい。

キウイドル 0.6178ドルロングは 0.6210ドルで手仕舞いました。

4・米サイバーマンデー売上高、過去最高の116億ドルの可能性=アドビ
https://jp.reuters.com/article/holidayshopping-retail-cyber-monday-idJPL4N32O2UL?il=0
・昨年21年のサイバーマンデー売上高は前年比1.4%減少
 ~❤今年は前年から最大8.5%増加し、過去最高の112─116億ドルに達する見通し。
・年末商戦の幕開けとなるブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)の
 25日の米オンライン消費額は前年比2.3%増加し、過去最高の91億2000万ドル

年末商戦好調となりそうですね。
こうした材料も株価を下支えています・・・が、
水曜日にパウエル議長が講演する予定があるため、
もう少し米株は利食いに押されるんじゃなかろうか・・・。

現在ノーポジです。
月末であることに加え、流動性も低下しているため
あまり積極的にポジション持ちたくないですね。

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ


2022年11月28日月曜日

 ブラックフライデー、アマゾンを覗くと
魅力的な価格に割り引かれている商品が溢れていて、、、
イヤホンとかバスボムとか、色々買ってしまいました:D

ちゃんと値下げがフェイクではないか確認してから…
https://chrome.google.com/webstore/detail/keepa-amazon-price-tracke/neebplgakaahbhdphmkckjjcegoiijjo

1・ダウ8月高値超え、年末高となるか
2・中国抗議デモ全国に拡大、ブラックスワンは中国発?
3・米国、ベネズエラ制裁緩和、原油価格は~
************************************************
1・ダウ8月高値超え、年末高となるか

※米国主要株価インデックス ダウが8月高値を超えてきました

◆米主要500社の第3四半期、4.3%の増益見込み=リフィニティブ
https://is.gd/u1IaEa
第3・四半期決算を発表した485社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は70.7%。長期平均は66.2%、過去4四半期の平均は78.1%。

エネルギーセクターを除くと予想を超える利益を上げていた企業の割合は
減少していたということですが
しかし、足元、金利急上昇の影響はそれほど感じられません。
年末商戦も期待が持てそうです。

◆ブラックフライデー、実店舗での売り上げは2.9%増-米年末商戦
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-27/RLZF2NT1UM0W01?srnd=cojp-v2

ナスダック総合指数が上がっていませんね。
ハイテクセクターは金利上昇の影響が上値をおさえているということでしょう。
しかし、その金利上昇もおおよそ来週までで5~5.25%程度ではないか、と
終着点のコンセンサスが醸成されつつありますので
市場金利ももうあまり上がらないのではないか、という指摘も出てきており
マーケットは楽観が支配的となっていますね。

※米国債利回り一覧 3年以下短期ゾーンが赤組、5年以上長期ゾーン青組
長期金利は上がらなくなってきました。

今週は雇用統計が発表されますが、
GAFAM企業から相次いで発表されるレイオフで
いよいよ労働市場にも暗雲垂れ込めてくるのでは?という警戒も
ありますが、こんなニュースも⬇

◆アングル:ツイッター人材流出は「好機」、採用急ぐIT企業
https://jp.reuters.com/article/us-twitter-musk-workers-idJPKBN2SF06U
メタ やアマゾンなどその他の米大手IT企業も、先行き不透明感な経済状況を理由に、この数週間で数千人もの社員を解雇している。
一方で、マスク氏に寄せられた批判からは、業界の一部では優れたスキルを持つIT技術者が強く求められていることが読み取れる。

捨てる神あれば拾う神あり。
拾える強さが米経済にはあるということでしょうか。
今週は雇用統計が発表されますが、

コンセンサスは
NFP +20.0万人(10月+26.1万人から減速)
平均賃金 +0.3%(10月+0.4%から減速)
失業率 3.7%(10月と変わらず)

NFP+20万維持ならそれほど悪くありません。
むしろ平均賃金の減速(インフレの低下)が好感されるかも。

ただし、あまりに市場を楽観が支配してしまうと
株が上昇=インフレがなかなか低下しないことにつながってしまう、
というわけで、今週はパウエルFRB議長の講演に注意。

30日(水)ブルッキングス研究所主催イベント
「経済と労働市場に関する討論会」にパウエル議長参加
・経済見通しと物価と労働市場に関する講演も予定されているようです。
日本時間27時30分(木曜3時30分)、
タカ派的内容で市場の楽観に水を差す可能性も?

今週は米株の下落リスクに留意。

2・中国でコロナ規制抗議拡大、上海では「共産党・習近平退陣」の声
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-idJPKBN2SH029
・24日にウルムチの高層ビルで起きた火災では10人が死亡
・ビルが部分的にロックダウン(封鎖)されていたため住民が逃げ遅れたとの声
・大規模な集団「中国共産党は退陣しろ、習近平(国家主席)は退陣しろ」と叫び始めた

中国のゼロコロナ抗議、上海にも拡大 経済低迷に不満
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM270Z70X21C22A1000000/
・26日新規感染者3万9506人。2020年4月以降で過去最高を更新
・都市封鎖や移動制限の対象者は49都市で約4億1200万人(21日時点)

Twitterでも様々な声が。
https://twitter.com/LinksSonny/status/1596767870331285505
日本の30歳以下の皆さん、中国の8964事件でご存知ですか?
昨夜上海の中心部で↓
「中国共産党倒れ!習近平退陣!」
中国本土でこのような事を公の場で大人数で言い出せたのは33年ぶりです。2022年11月26日、歴史の一日でした。昨夜から一気に全国で暴動が始めました。


https://twitter.com/YSD0118/status/1596827771828785152
新宿西口地下。なにかとんでもないものをみているのではないか。在日中国人の若い人が50人ぐらい集まって「習近平辞めろ!」とかめちゃ盛り上がってる。足震えてきた。

習近平氏の周りにはイエスマンしかいないため
これほどの事態に発展していることを知らぬのではないか、との指摘も。

89年に民主化を求めた学生らを武力で鎮圧した「天安門事件」前夜ではないか、
との警戒の声もあり、中国の体制崩壊に繋がりかねないゼロコロナ政策ですが
事態が悪化すれば、世界経済への影響は否めません。
先週はフォックスコン(アイフォンの製造工場)の反乱も
ニュースになっていました。

◆フォックスコン鄭州工場での11月iPhone生産、30%以上の減少も-報道
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-25/RLW3WADWX2PU01
◆フォックスコン、退職条件に手当支給の申し出 激しい抗議デモ受け 中国
https://www.cnn.co.jp/tech/35196551.html

習近平政権への不満はゼロコロナ政策だけではありません。
経済の悪化も深刻です。
これまで独裁、強権的であった習近平政権に対して民衆が
高度経済成長が続き生活が豊かになってきたためです。
ゼロコロナ政策がなくても2015年に人口オーナス期入りした中国の
経済成長は頭打ちし、減退に向かっていると考えられ、
ゼロコロナ政策がこれを加速させているだけともいえます。

◆中国の工業利益、1~10月も減少-コロナ急増や工場出荷価格低下で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-27/RLZGRQT0G1KW01

そこへ米国からの制裁が次々に発動される事態。

◆ファーウェイやZTEなど中国5社の電子機器、米当局が販売禁止
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-25/RLX4ZBDWX2PS01

次の金融ショックはチャイナ発かもしれません。
それも、意外と早いタイミングで訪れるかも・・・
民衆の不満を逸らす意図での台湾有事という最悪のシナリオは避けてほしいですが。

今週の米株、日本株市場で
中国が材料となって売りが広がる可能性もありそうです。

◆中国、2025年までに内部崩壊する可能性も…未曾有の少子高齢化、工場と人の海外逃避
https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/201.html

3・米政府、ベネズエラへの制裁緩和-シェブロンに石油生産の再開認める

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-27/RLZWXST0AFB401
約3年前からベネズエラでの全ての掘削活動を禁止していた制裁を緩和
(トランプ政権がマドゥロ氏率いる政府を追放するための最大限の圧力作戦の一環として、シェブロンや他の企業のベネズエラでの活動を締め付けていた)

世界最大石油埋蔵量を誇るベネズエラですが
過去最大の生産は90年代の日量300万バレルあまり。
現在は制裁の影響で日量約70万バレルに低下しています。

一部のアナリストは、ベネズエラは中期的に日量100万バレルの
生産に達する可能性があると述べています。
これは同国の国営石油産業の荒廃を反映した控えめな増量、と記事にありますが
3年も生産抑制させられ設備投資がなされていないと
急に生産量を増やすことはできないということですね。

~シェブロンは、メンテナンスなどの必要な作業を行いながら、失われた生産量を回復させる計画だが、42億ドルの負債を返済するまでは、同国の油田に新たな投資を必要とするような大規模な作業は行わない予定である。石油市場の状況にもよるが、2〜3年はかかるだろうという。

制裁緩和で一気に原油が市場に戻ってくるということではないのですが
それでも供給が増えるという話ですから
原油市場では上値を抑える材料になってきます。

中国の停滞も需要減退懸念を強め原油市場の上値をおさえていますね。
※WTI原油 10月安値を割り込みそうです。。。

12月5日からはいよいよEUによるロシア産原油輸入停止が始まりますが
この制裁の影響を緩和するためのG7と豪州によるプライスキャップですが、
先週には決定されず。
検討されている価格がリークされていますが、高すぎません?

◆EU、ロシア産原油の上限価格を65-70ドルで検討-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-23/RLT3XLDWLU6C01
・提案された価格帯は高過ぎる、一部の加盟国は批判
・ロシアの生産コストを優に上回る

ロシアはすでに価格を割り引いて原油を販売しており、
65-70ドルで合意されればロシアは販売価格を引き上げる事ができる。
➡制裁にならないのでは?

しかし、価格上限を決めたところでロシアはこの枠組みに則って
ロシアと取引することを許さないスタンスですので
G7諸国はロシアからの輸入ができなくなるリスクもあります。

◆ロシア、石油価格上限設定国への販売禁止へ 大統領令準備=報道
https://jp.reuters.com/article/ru-oil-idJPKBN2SF1TX
ロシア大統領府が何をもって価格上限の設定に参加していると見なすのかは明確にしていないが、ロシア産石油と石油製品を巡る契約に関する価格上限へのいかなる関与も対象になる可能性がある。

ただ、EUとG7、豪州がロシアからの輸入を止めるとなった場合
ロシアは大丈夫なんでしょうか?
中国、インドなどロシアから原油を購入し続ける国もあるとは思いますが、、、。

ロシア制裁を巡ってエネルギー価格がどのように動くのか、
予想するのはとても難しいですね。。。

ただ、足元の原油価格を見ると
現状では需給が逼迫している状況にはなさそうです。

原油が安いということはインフレ警戒が弱まり
米金利低下圧力となります。
キウイドル 0.6178ドルロング継続しています。

*****今週の主な予定 FRB高官らの発言の機会も多い。

28日(月)
ラガルドECB総裁、講演
★ウィリアムズNY連銀総裁、講演
★ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
EU外相理事会

29日(火)
日本雇用統計(10月)
日本小売売上高(10月)
ドイツ消費者物価指数(11月)
米消費者信頼感指数(11月)

30日(水)
外国為替平衡操作実施状況(10月28日-11月28日)
豪州月次消費者物価指数(10月)
中国製造業PMI・非製造業PMI(11月)
ユーロ圏消費者物価指数(11月)
米求人件数 (10月)
米ADP雇用者数(11月)
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
ボウマンFRB理事、講演
クックFRB理事、講演
★★パウエルFRB議長、ブルッキングス研究所主催イベントで
「経済と労働市場に関する討論会」に参加
・経済見通しと物価と労働市場に関する講演もよていされているようです。
日本時間27時30分(木曜3時30分)

1日(木)
日本企業利益・売上高(第3四半期)
野口日銀審議委員、講演
黒田日銀総裁、アジア開発銀行研究所25周年記念式典で挨拶
中国財新製造業PMI(11月)
米自動車販売(11月)
米個人所得支出(10月)
米ISM製造業景気指数(11月)
ローガン・ダラス連銀総裁、講演
ボウマンFRB理事、講演
バーFRB副議長、講演

2日(金)
黒田日銀総裁、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)主催イベントで挨拶
米雇用統計(11月)
エバンス・シカゴ連銀総裁、講演

4日(日)
OPECプラス閣僚級会合

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ

2022年11月24日木曜日

 サッカーワールドカップで
日本、ドイツに勝利で円が買われた~と
SNSで話題となっていましたが、
冷静に相場を見ると円買いというよりドル売りですね。

※通貨インデックス一覧



確かに今夜、円は上昇しましたがユーロも上昇しています。
W杯の影響だというならユーロ売りになるはずですが、、、

※ただし、ユーロ円は売られているのでクロス円では
多少のユーロ売り円買いの動きがあったのかも?!

※クロス円 15分足 カナダ円も売られてますねぇ。。。
冷静にマーケットをみれば「ドル安」ですが
今夜は米国債利回りが下がっている。

※米長期債(10年)、短期債(2年)利回り 低下
これは今夜発表された米PMIを受けてでしょうか。

◆米総合PMI、11月は46.3に低下 新規受注が2年半ぶり低水準
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-businesssentiment-idJPKBN2SD1F0

米11月PMI(23:45 ドル円が大きく崩れたのはこの時間あたりから)

製造業 47.6(予想 50.2 前回 50.4)20年5月以来の低水準

非製造業 46.1(予想 48.1 前回 47.8)

新規受注 46.4(前回 49.2)20年5月以来の低水準

投入価格 65.7(前回67.0)インフレ鈍化の兆し

◆更にAM4:00発表の11月FOMC議事録受けてドルが一段安。
利上げペース鈍化、「間もなく適切」の意見多数=FOMC議事要旨
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-minutes-idJPKBN2SD1NB
「かなり多数」が、利上げペース鈍化が「間もなく適切になる」との見方に同意

想定していた値動きと違うので粘らずポジションクローズ。
昨日22日の終値を超えて逆方向に動いたところで。

ドル円139.20円ロング ➡ 140.98円で手仕舞い
ユーロドル1.0374ショート ➡ 1.03144ドル手仕舞い

明日はサンクスギビングデーで米市場は休場。
25日金曜日も短縮取引ですので実質米国はもう休暇入り。
流動性が低下しますので、ちょっと休みましょうか。

金利が低下しているためか、今夜の米株は軒並み高。
明日の日本株市場も期待できそうですよ、サッカーにも勝利しましたし、
口の悪い向きは、増税志向の岸田政権が倒れれば株高になると
その先を見据えて株を仕込む動きもあるとかないとか・・・。

◆NZ中銀、過去最大の0.75%利上げ 23年のリセッション警告

https://jp.reuters.com/article/nz-idJPKBN2SD01W
RBNZは過去最大の利上げ(0.75%)を実施
2009年1月以来の高水準となる4.25%へ
(会合の議事要旨によると、中銀は100bpの利上げも検討)
利上げは今回で9会合連続で、
OCRは昨年10月の引き締め開始以降400bp上昇。

政策金利は来年9月に5.5%でピークに達する見通し(従来予想から引き上げ)
24年までこの水準での据え置きを見込む

23年第2・四半期に縮小し始め、
24年第1・四半期までマイナス成長が続くと予想

NZドル、上昇していますね。

この動きも今日のドル安の背景にあるかと思われます。

0.6178ドルでNZドルを少量買ってみました。

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ

2022年11月23日水曜日

 WSJのOPECプラスの増産報道、否定されました。

原油先物、下げ幅縮小 サウジが増産協議巡る報道否定
https://jp.reuters.com/article/global-oil-idJPKBN2SB1Y2

原油価格が急速に切り返し反発していたのは
サウジによる増産否定発言があったからでした。
人騒がせな。。。。

※WTI原油先物 日足 長い下ヒゲが・・・

サンクスギビングの休日辺りから外界勢はクリスマス休暇。
そもそも今年は米国金融政策によってコモディティ先物市場の流動性は
著しく低下する傾向が続いており、ボラティリティが高まっています。

今年に限って言えば為替市場では利益を上げた向きが多かったようで、
この時期からは無理に新規ポジションを取らないで休暇に入るとみられ
為替市場も流動性が低下しているようです。

今日はドル上昇も一服。
特にドル売りの材料があったわけでもありませんが、
明日のNZの利上げが、市場予想より大きくなるのではないかという見方や
ドイツ連銀総裁のタカ派発言などが報じられており
多少はNZドルやユーロの上昇に寄与したんでしょうか?

独連銀総裁、12月の「断固たる」利上げと2023年序盤のQT主張
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-22/RLQY3ODWRGG001
ECBは保有債券売却を来年早期に開始し、利上げを補強すべき

ただし、景気にも配慮。
2会合連続で0.75%の利上げを決定してきましたが
これを0.5%でも強力な利上げだ、と利上げ幅縮小に道を開いたとか。

独連銀総裁、「0.5%でも強力」 ECB利上げ幅縮小に道
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-bundesbank-idJPKBN2SC1HW

EUは12月からロシア産原油輸入を停止しますからねぇ、、、
他の国から高い値段で調達しなくてはならないわけで
(ウクライナ侵攻後、ロシア原油はブレンド原油比較で20ドルあまり安い)
インフレは長期化するだろうと思われますが
景気への悪影響は深刻です。

というわけでこんな話も。

◆EUのガス価格上限、1MWh275ユーロで提案 23年から=欧州委
https://jp.reuters.com/article/eu-energy-gas-idJPKBN2SC1JV
・メガワット時275ユーロ(282ドル)に上限設定を提案。
(現在の約120ユーロを大きく上回る水準も夏に被った高値よりは低い)
・23年1月1日から1年間にわたり適用
発動条件:オランダTTF先物が2週間に渡ってこの水準を超え、
TTFと液化天然ガスの価格差が10日間に渡って58ユーロ以上となった場合に発動
・24日開催のEU加盟27カ国のエネルギー相会合で協議される予定


価格固定は日本でもガソリン価格に対して基準価格を超える部分に
補助金を出す政策を取り入れていますが、
ガス価格の上限を決定することが可能なのでしょうか。

明日は23日勤労感謝の日で祝日。
日本時間の流動性が著しく低下していますので
FX取引をされる方は急激な価格変動に注意が必要。

ドルロングポジションまだ持っていますが
明日もダラダラ下げ続けるようなら手仕舞います。。

今週のひろこのウィークリーゴールドは
マーケットエッジ代表小菅努氏
中央銀行の外貨準備における金保有ですが
7-9月期は過去最高の399トンの金買いが確認されました。

なぜ世界の中央銀行は外順にしめる金の割合を増やそうというのか?
また、どの国が金を買っているのか。
動画をぜひ~
https://youtu.be/Sq7J8E6lYf0

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ

2022年11月22日火曜日

1・OPECプラス、12月会合で日量50万バレル増産?
2・中国コロナ感染拡大とロックダウン強化で人民元、銅など下落
3・ファンド運用者のドルショートに拍車
**************************************************
1・OPECプラス、12月会合で日量50万バレル増産?

 ◆Saudi Arabia Eyes OPEC+ Output Increase Ahead of Restrictions on Russian Oil
https://www.wsj.com/articles/saudi-arabia-eyes-opec-production-increase-ahead-of-embargo-price-cap-on-russian-oil-11669040336

12月5日からEUがロシア産原油の90%の輸入を停止、
同日、G7によるロシア産原油のプライスキャップが導入されますが、
その前日、12月4日がOPECプラスの会合でしたね。

この12月のOPEC総会で
日量50万バレルの増産が検討されているというスクープ。

先月11月のOPECプラス総会では、
日量200万バレルの減産が決定されたばかりですが…
WSJの記事を読むと
バイデン政権が連邦裁判所の判事に、
ジャーナリストのカショギ氏の残虐な殺害に関連する米国連邦訴訟から、
ムハンマド・ビンサルマン皇太子は主権免除を受けるべきだと
述べたことを受けて増産の話が浮上した、とあります。

この免責の決定は、事実上の支配者としての彼の立場を強化するものであり、
ムハンマド皇太子への譲歩に相当するものだ。ということで
米国によるサウジに対する人権問題は棚上げするという
譲歩の結果ということでしょうか。(それでいいのか?民主党政権)

◆サウジ皇太子に免責特権 バイデン政権が判断 米報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/f99f4276c1ff69021927f18c99072cfede482031

また、米国の働きかけとは別に
イラクとUAEの2つの巨大生産国が、原油生産量上限の引き上げを求めているそうで、
これが認められる形での増産なのかもしれません。

U.A.E.の生産量の大半を占める国営アブダビ石油の生産能力は日量445万バレルで、
2025年までに日量500万バレルを達成する目標を加速させる計画。
アブダビは長い間、OPECの割当量を増やすよう求めてきたが、
これをサウジが拒否しているのが現状。

UAEとしては脱炭素を掲げる世界の石油需要が減退する前に
できるだけ多くの原油を販売したいという思惑が。

また、イラクの首相が今月初め、
OPEC第2位の原油生産国である自国が、次回の会合で
他の加盟国と新たな生産枠を協議すると述べており、
12月会合ではそこそこの増産が実現しそうなムードですね。

WSJは、
増産の話はOPEC+の2大生産国であるサウジアラビアとロシアの間で
潜在的な争いを引き起こすことになる。
と書いていますが、
しかし、すでにサウジはロシアから原油を輸入しているそうです。
安いロシア産原油を輸入し、自国生産の原油は高値で売る、というサヤ取りかな。
ロシアとはうまいこと付き合っているようです。

◆サウジ、ロシア産燃料油の輸入量を倍増 国産原油を高値で輸出
https://newsphere.jp/world-report/20220722-2/2/

今週はG7によるロシア産原油輸入価格上限のプライスが発表されるとあって
原油価格がどこに落ち着くのか全く予想できませんが、
今夜、サウジ増産検討とのニュースで原油過客は今年の安値を更新、
その後急速に買い戻されて下ヒゲとなりそうです。

※WTI原油

原油が大きく下がってくれればインフレ圧力が低下し
米金利下落、ドル安株高というシナリオが描けるのですが、さて。
日本にとっても貿易赤字縮小へつながる話になりますので
過度な円売りは止まってくれることになるわけで
原油価格はもうちょっと水準を下げてくれれば世界はハッピーなんだけど。

2・中国コロナ感染拡大とロックダウン強化で中国アセット再下落

◆中国・香港株と人民元、下落-コロナ死者と制限再強化で楽観論後退
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-21/RLOCUCT1UM0W01

※香港ハンセン指数 反落
※人民元 反落 結局ドル高に・・・・
※銅 景気先行銘柄ですが、、、
3・ファンド運用者のドルショートに拍車-米利上げピーク近いとの観測で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-21/RLOJ1ST1UM0W01?srnd=cojp-v2
ファンド勢は早くもドル売りに転じているようですが、
足元では再びドル高ですね。

米金利は横ばっていて上昇していませんが、
今日はドル高が顕著に。

※ドル円
※ユーロドル

※通貨インデックス一覧
米金利高でドル高になっているわけではないので
・ドル需要が強いのか(年末に向けて?ちょっと早くないかな)
・キャッシュ化が進められているのか(FTX絡み?)
あるいは人民元再下落でドルニーズが強まっていることが
他市場に波及しているろいう見方ができないでもない。

ドル高も今年の高値を超えるほどに進むとは考えていませんので
テクニカルの節目では利食いを考えようと思います。
ドル円はCPIショックの急落前の水準に戻せるかどうか微妙だと思っていますので
143~145円前後では手仕舞おうかと思案中。
ユーロドルは再びパrティ割れまであると思っていますが、、、、

ドル円139.20円ロング
ユーロドル1.0374ショート 継続

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ



2022年11月21日月曜日

為替市場が膠着。
ドル売りは一服していますがかと言ってドル高方向への反発も弱く、
すっかり動きが止まってしまいました。

1・ドル金利、再び上昇
2・G7、ロシア産原油への上限価格水準を23日に発表
3・NZの政策金利発表

*****************************************
1・ドル金利、再び上昇
先週は改めてFRB高官らがタカ派発言を繰り返し
10月CPIに驚いて急低下していた米金利が再上昇。

※米国債利回り一覧

◆ウォラーFRB理事、0.5ポイント利上げへの「違和感弱まる」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-16/RLGKDDT0AFB401
     ・12月FOMCで利上げペースを鈍化させることへの「違和感が弱まった」
◆セントルイス連銀総裁、「最低」でも5-5.25%への利上げ必要に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-17/RLHTMPT1UM0X01
    ・政策金利を「最低」でも5ー5.25%に引き上げるべき
    ・金利水準の算出には、「テイラー・ルール」の複数の別バージョンが用いられた。
◆ミネアポリス連銀総裁、一連の利上げの終着点にはまだ至っていない
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-17/RLIDHQT0G1KW01
    ・1カ月分のデータで過度に納得してはならない

もっともウォール街の金利見通しは割れていて
ターミナルレートのコンセンサスがなかなか固まらない。

◆ウォール街割れる「5.75%から5%」「5%から3.25%」-23年FRB
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-18/RLJ009T0AFB401
・ゴールドマンとウェルズF:5.25%でピーク、23年中は据え置き予測
・UBS:来年中に1.75%利下げ、ドイツ銀:後半に1%利下げ見込む
・野村ホールディングス:5.75%まで引き上げ、その後5%に下げる
・バークレイズ:来年9-12月に0.75%の利下げを想定
・モルガン・スタンレー:利上げのピークは4.75%
・バンク・オブ・アメリカ(BofA):来年12月に25bpの利下げ
・JPモルガン・チェース:5%に到達後24年まで動かない

            PEAK    END OF2023
Nomura Holdings     5.75%    5.00%
Goldman Sachs      5.25%    5.25%
Wells Fargo        5.25%    5.25%
Bank of America      5.25%    5.00%
Barclays        5.25%    4.50%
JPMorgan Chase      5.00%    5.00%
Bloomberg Economics    5.00%    5.00%
Deutsche Bank      5.00%    4.00%
UBS           5.00%    3.25%
Morgan Stanley      4.75%    4.50%

ドルはなかなか上がりませんが、投資家の売りポジションは増えていて
IMM通貨先物ポジションは21年7月以来のドルショートに転じています。

◆IMM通貨先物、ドルが売り越しに転じる 昨年7月以来
https://jp.reuters.com/article/idJPL4N32F048

ドルショートが積み上がりつつあるところへ
ドル金利が持ち直して上がってくれば、ショートカバーだけでも
ドルが上がりやすい地合いになってきているのでは・・・?

ということでドルロングポジションはまだ継続することに。

ドル円139.20円ロング
ユーロドル1.0374ショート

ユーロドル日足、200SMAが抵抗となって反落となるか。
2・G7、ロシア産原油への上限価格水準を23日に発表する計画-関係者
https://news.yahoo.co.jp/articles/087a0931aa749dcd3d8c7e656b673f7c48054d03
・合意された水準を上回る価格で取引された場合、
輸送に必要な保険、仲介、資金支援などのサービスや運航の提供を企業に禁止する
・発効は12月5日以降
・EUとG7の大半の国はロシア産原油の輸入を年内で打ち切る

そもそも何故G7とオーストラリアはロシア産原油の輸入価格に上限を設定するのか。

これは、EUがロシア制裁として12月5日からロシア産原油の90%の輸入を
停止することが決められていることが発端です。
(10%はパイプラインでつながっている国で免除せざるをえない)

あまりに厳しい大型制裁導入が決められたわけですが
これを厳格に遵守できるわけがありません。
いきなりロシア生産の原油が市場から消滅させることは不可能です。
そんなことをすれば、中東や米国など他の生産国の原油価格が暴騰します。
エネルギー輸入国はエネルギーが調達できずいんふれに苦しむことに・・・
インフレで済むならまだいいですね。
全く輸入ができなくなれば産業の停止、生活インフラの停止で命のリスクにも。

というわけで、EUのロシア産原油全面輸入停止を補助するための策として
輸入はしてもいいが、○○ドル以下の価格で買うように、と価格上限を決めて
ロシアからの輸入が継続されてもロシアの収入が減るようにしよう、というわけ。

うまくいくかどうかは全くわかりません。

そもそも中国やインドなどはこの枠組に入っていませんので
G7が決めた価格で買うかどうかわかりません。

ロシアは、G7が決定した価格より安い価格では売らないと宣言しています。
G7側は、決定した価格より高く買った場合は
輸送に必要な保険、仲介、資金支援などのサービスや運航の提供を企業に禁止する、
としています。皆さんならどうしますか?!

12月5日からのEUのロシア産原油の停止の影響で
IEAは、来年の同国の産油量は日量140万バレル減少すると予想。
その分の市場流通量が低下するわけで
中東や北海、米国産原油が上昇する可能性はありますが、
先週のマーケットトレンドプラスでエネルギーアナリスト大場紀章氏に
お話を伺っているのでこちらもぜひ。

◆EU、12月5日からロシア産原油輸入停止
https://www.radionikkei.jp/trendplus/eu125.html

ちなみに現時点ですでにロシア産原油価格を避ける動きは
進められており、ブレント価格とウラル原油のスプレッドは23ドル、
ロシア産原油がディスカウント状態にあります。
これがさらに広がるのか、それとも縮小していくのかに注目。

https://www.neste.com/investors/market-data/urals-brent-price-difference

※WTI原油価格日足 とは言え、足元原油価格は冴えない展開が続く。

◆中国 コロナ感染急拡大 約半年ぶりに死者 景気回復進まず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221120/k10013897701000.html

感染者数、死亡者数の数字の信憑性はおいておくとして
感染拡大に中国当局が躍起になって抑え込もうとしていることは事実のようです。

景気回復への期待がなかなか盛り上がらないことが
原油市場の上値を抑え込んでしまっているものと考えられます。

3・NZ、11月RBNZで史上初の0.75%利上げ実施予想

◆New Zealand's RBNZ seen raising rates by historic 75 bps
https://www.reuters.com/markets/rates-bonds/new-zealands-rbnz-seen-raising-rates-by-historic-75-bps-2022-11-17/
史上初めて75bpの利上げを実施し
すでに積極的だった金融引き締めのスピードを上げる見込み

インフレ率は7.20%とRBNZの目標範囲である1~3%を大きく上回っている

RBNZの最新の調査によると、インフレは来年にかけて小幅にしか緩和されず、
以前の予測よりも高くなると予想されている。
11月8日に公表されたNZ中銀四半期調査による2年後のインフレ予想は3.62%、
前回の3.07%から大きく上昇し、1991年以来の高水準に。
1年後のインフレ予想も4.86%から5.08%に引き上げられてた。

ロイターの別の世論調査では、インフレ率がRBNZの目標内に収まるのは2023年末。

昨年10月にいち早く利上げ(0.25%)に踏み切ったNZですが
3月会合で1%にまで金利を引き上げてきましたが
4月会合で予想外に利上げ幅を0.5%に広げ、
その後10月noRBNZまでの5会合連続で0.5%づつ利上げしてきました。

現時点での政策金利は 3.5%。

これだけ急ピッチで利上げしてきたものの、9月には米国に抜かれているんですね。
米国は6月FOMCから4会合連続で 0.75%づつ利上げを実施しています。

政策金利、オレンジがNZドル 青が米国


ここでまた米国を追い抜こうということでしょうか。

今回の会合では0.75%に利上げ幅拡大が見込まれています。

※NZ中銀金融政策会合は年7回ですが、ここから夏休みに入るため
次回のRBNZ会合は2月22日で、約3カ月期間が空くということもあり
0.75%一気に引き上げる見込みとなっています。
NZは今から夏なんですよね、南半球なので。

これが素直にNZはドル買いの材料になるのかどうかに注目。

NZドル日足 200SMAで頭を叩かれて反落しそうですが、、、
Nドル月足 月足では反発局面入しているようにも見えます
マクロマーケットがドルの巻き返しのターンに入ってしまうと
NZドル単体で上昇していくかどうかは疑問ですが、
アノマリー的には12月はNZドルは上がる時期なんですよね。

これは貿易収支の季節性に起因しています。
こんなに貿易収支にきれいにサイクルがある国も珍しいですよね。。。

※貿易収支

**************今週の予定****************
21日(月)
FIFAサッカーW杯2022(~12月18日)

22日(火)
日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」公表
ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)
セントルイス連銀総裁、講演
クリーブランド連銀総裁、講演
OECD経済見通し

23日(水)
勤労感謝の日祝日のため東京市場は休場
NZ中銀政策金利

ドイツ製造業PMI速報値(11月)
フランス製造業PMI速報値(11月)
ユーロ圏製造業PMI速報値(11月)
英製造業PMI速報値(11月)
米製造業PMI速報値(11月)
米FOMC議事録(11月1日-2日開催分)
クレディスイス臨時株主総会

24日(木)
月例経済報告(11月)
ECB議事録(10月27日開催分)
ドイツIFO企業景況感指数(11月)

米感謝祭祝日のため米株式・債券市場は休場

25日(金)
東京都消費者物価指数(11月)
EU外相理事会
ブラックフライデーのため米株式・債券市場は短縮取引

26日(土)
台湾統一地方選

27日(日)
雨宮日銀副総裁、日本金融学会2022年度秋季大会で講演
中国工業企業利益(10月)

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ

※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社