2022年8月31日水曜日

1・米株続落、パウエルショックの余波続く
2・原油、鉄鉱石などコモディティ軟調、資源通貨下落
3・金利急上昇でも上がらぬポンド
******************************************
1・米株続落、パウエルショックの余波続く


※米主要株価インデックス

今日30日火曜、日本株市場は反発していましたが米株はまだ弱気継続。

9月の利上げ幅というより(0.5%か0.75%か、すでに織り込まれている)
9月からQT(バランスシート縮小)が加速するすることへの警戒も強そう。

FRBのQTが9月に「本格化」、9兆ドルのバランスシート圧縮加速
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-29/RHE7QEDWRGG001

米国債 300億ドル ➡ 600億ドル
住宅ローン担保証券(MBS)175億ドル ➡ 350億ドル 

600億ドル+350億ドル= 950億ドルへ 倍増

ただし米財務省の国債発行も減るため需給がバランスするため
金利への影響は大きく無いとしてきする向きも。
何がおきるかは始まってみないとわかりません。

FRBの量的引き締め加速、市場の流動性とリスク資産に脅威-チア氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-29/RHDPOWDWX2PS01?srnd=cojp-v2
リスク資産には未知の事態が待ち構えている~

今週は8月最終週ということもあり
足元の株下落にはリバランス玉などの影響もあるかと思います。
9月に入った途端、ガラリとムードが変わる可能性もあると思ったり。。。

気がかりなのは3ヶ月金利の上昇が止まらないこと。

※米国債利回り一覧
2・原油、鉄鉱石などコモディティ軟調、資源通貨下落

※WTI原油 このところ下値を切り上げていたが、、、今夜急落
その背景にはこんなニュースが。
イラク首相府で衝突、少なくとも15人死亡 有力指導者の引退発表で
https://www.bbc.com/japanese/62719984

イラクの政治空白が続いていますが、サドル氏、引退表明?
ますます混迷を極めるのでは、、、と不安ですが
今回の混乱で原油生産、輸出には影響がないことがわかったということで
今夜は原油価格が下落している模様。

イラクは昨年10月の議会選でイスラム教シーア派指導者ムクタダ・サドル師派が
最大勢力となりましたが、イスラム教スンニ派やクルド系などとの
協議が行き詰まリ、政治空白が続いています。
7月にはサドル師を指示する群衆が国会議事堂を占拠する事態に発展、
衝突が続いていましたが、とうとうサドル氏が引退を発表。

イラクはOPEC原油生産量2位(産油量日量450万バレル)
その存在と影響は甚大なのです。

Oil Slumps in Low-Volume Trading After Iraq Calms Supply Nerves
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-08-29/oil-holds-gain-as-investors-assess-supply-possible-opec-cut

イラクの国営販売会社が、
バグダッドでの激しい衝突による輸出への影響はないと発表。
イラクの国営石油販売会社SOMOのアラ・アルヤシリ事務局長
「イラクはすべての目的地への輸出を増やす能力があり、
石油の増産要請を拒否することはない」

ホッと一安心ではありますが、上記記事にはこのような指摘が。

「原油先物市場の流動性は6年ぶりの低水準に低下し続け
平均を下回る取引量となり値動きが大きくなっているため原油急落」

とあります。

原油市場はこのところ1日の値動きが5~10%近くもになることも多く
非常にボラティリティが大きいのですが
この背景には流動性の低下があるでしょう。

これは株式市場には効いてこなかったとされるQTの影響が
商品先物市場には大きな効果をもたらしているということかもしれません。

サウジのエネルギー相はこの事態に不満を表明しています。

エネルギー相が原油市場の動向に不満を表明
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/08/4768918fc4a4202b.html
~原油先物市場は、非常にわずかな流動性と著しい不安定さという
尽きることのない悪循環に陥り、効率的な値決めに不可欠な
市場の機能を損なうとともに、市場参加者のヘッジ費用と
リスク管理費用を法外なものにした。

こうした先物価格への不満は、減産と言う形で埋めようとする可能性が。。。

さて、イラクの混乱でイラク原油生産、輸出には影響がなさそう、
ということで原油価格、今夜は下落していますが
まだ原油市場を大きく動かしかねない火種はいくつもあります。

今夜0:59のIran International EnglishのTweet
https://twitter.com/IranIntl_En/status/1564644065588793346
「イランと米国は核合意再建の合意に達しており、
今後2、3週間以内に発表されるだろう」とIAEAの元職員。

となると、制裁されていたイラン産原油が市場回帰するとの思惑で
原油が下がるか、、、と考えがちですが
OPECはプラス諸国は減産の可能性に言及していますので
原油が崩れるとも考えにくい・・・。

インフレの指標ともなりますので原油価格動向は重要なのですが
趨勢としては世界の景気後退、中国の需要減などで価格の下落基調が続いています。
そろそろ産油国は増産から減産へシフトしてくるかもしれません。
次回OPECプラス会合は9月5日

そして、気がかりは鉄鉱石や銅などのコモディティ。

※鉄鉱石

※銅

その影響もあってか、今夜は資源通貨が弱い。

※通貨インデックス一覧

3・金利急上昇でも上がらぬポンド


英10年債利回り、月間上昇幅が1986年9月以来の大きさに
https://jp.reuters.com/article/idJPL6N3060CU?il=0

しかしポンドはあがりません。

必ずしも通貨は金利に相関するということでもありませんが
このところの金利とポンドの乖離はひどい。
どうにもインフレを止められないということを表しています。
※ポンドドルと英国10年債利回り
ドル円 136.05円L
NZドル0.6375ドルS  ポジション継続

ユーロは月末リバランスの影響もありやや強い展開。
オランダTTF(欧州ガス価格)がトップアウトしていることも
ユーロ買い戻しの材料となっているようです。

ユーロを売り直す機会待ちですがポンドも売るべきか?_

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2022年8月30日火曜日

 ドイツの電力指標価格が初めて
メガワット時当たり1000ユーロを上回ったそうです。
米国はインフレのピークアウトの兆候が見え始めましたが
欧州はまだまだインフレが進みそう。
というわけで、電力価格抑制に向けてEUが介入する可能性が?

EU、高騰する電力価格を抑制へ緊急介入を計画-欧州委員長
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-29/RHDNIXDWX2PS01?srnd=cojp-v2
欧州委員会のフォンデアライエン委員長
具体的にどうするのかは不明ですが。。。

1・ユーロ下洛一服?ECB利上げ幅巡り
2・円独歩安=クロス円上昇はトレンド化するか?
3・S&P500先物ネットショート過去2年間で最大に
4・原油が下値を固め反発基調へ?
**********************************
1・ユーロ下洛一服?ECB利上げ幅巡り


ECB、サイクル終了まで「安定した」利上げ必要=レーン専務理事
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-lane-idJPKBN2PZ14K
・利上げサイクルが終了するまで「安定したペース」で利上げを行う必要がある

ECBは少なくとも50bp利上げ、75bpも視野-インフレ記録更新で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-29/RHDDWHDWLU6B01
・少数派だが何人ものメンバーが75bp利上げ議論に前向き
・ユーロ安もインフレ高進の要因-重要な考慮事項

31日に発表される8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)上昇率は9%と、
再び過去最高を塗り替える見込みとのこと。
ユーロ安も輸入物価を通じインフレ率を押し上げているとして
欧州の金融政策の一段のタカ派シフトを警戒する動きが
足元のユーロ売りの歯止めとなるか?
週明け29日月曜はユーロ、下げ止まっています。

金融政策にフォーカスされ始めたというだけでばく
欧州ガス価格が週明けから下洛に転じていることもユーロの支援材料。

※オランダTTF EUの電力価格抑制緊急介入の報道も意識されているのかな?

ガス価格が崩れる過程ではユーロの反発がありそうです。
しかし、抜本的なエネルギー不足を解消できる策があるとは思えず
ガス価格は結局高止まりするものと思います。

また、どれだけECBがここから利上げを急いでも
米国の政策金利を超えることはないですので
(景気、経済状況が米国のほうが圧倒的の良いため利上げに耐性がある)
基本トレンドはユーロ売り継続と見ています。
戻り売りの好機待ち。

2・円独歩安=クロス円上昇はトレンド化するか?

通貨インデックス一覧を見ると、週明けは「円安」基調が強い。
よって、ドル円が強いというだけでなく
クロス円全般に強いですね。
今日は日経平均が 762.42円も大きく下げたというのに。
クロス円上昇って、基本リスクオン時の値動きです。

※日経平均 ▼762.42円 27878.96円
緑の75SMAとピンクの200SMA、ゴールデンクロス前夜かも。

ドル円と日経平均がバラバラに動くようになっていますが
この円安は日本株にとって決して悪い材料ではありません。

先週末26日金曜の米株の下落からみれば
週明けの日本株市場、思ったより弱い印象はありませんでした。
安値を拾いたい向きが多いようです。
明日は意外と日本株大きく戻るんじゃないかなぁ・・・。
円安基調が崩れていないですし。

これはジャクソンホール会合で黒田日銀総裁が
「日本のインフレのほぼ全てが商品価格上昇によるものだ」
「日銀は金融緩和策を維持する必要がある」
「日本のインフレ率、年内は2%~3%に近づく可能性があるが、
 来年には1.5%に向けて再び減速すると予想する」と発言し
 
改めて金融緩和継続の強いメッセージを示したことに起因しているかと。

日本株、個別株は拾い時のような気がします。
私は個別株はロング継続しています。

3・S&P500先物ネットショート過去2年間で最大に

Investors Ramp Up Bets Against Stock Market as Summer Rally Fizzles
https://www.wsj.com/articles/investors-ramp-up-bets-against-stock-market-as-summer-rally-fizzles-11661623961
商品先物取引委員会の最新データによると、
S&P500先物は、主にヘッジファンドからなるトレーダーのカテゴリーの中で、
先週火曜日時点で26万枚以上のショートポジションをネットしており、
2020年6月の高値に近い。
ナスダック100を対象とし、
アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどの
代表的な銘柄を含むインベスコQQQトラスト上場投資信託は、
最近ETFの中で空売りが最も多くなっている。
QQQの空売り残高は、水曜日までの30日間に54億ドル(28%)増加、
250億ドル近く(自由浮動株の14%)に達した。

機関投資からは、7~8月のリバウンド相場に懐疑的で
ヘッジの先物売りを増やしていたと見られますが、
個人投資家が楽観的であることの記述も。
個人投資家によるインバースETFの購入は、過去数週間で減少。

さて、どちらに軍配が?

これだけのネットショートは巻き戻される仮定で
株価を押し上げる材料となってきますので
その点には留意しておく必要があるでしょう。

今夜米株は、続落基調も小幅安にとどまっており
ここから売り参戦するのはちょっと怖いですね。。。

4・原油が下値を固め反発基調へ?

先般、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相が
イラン核合意再建でイラン制裁解除ならOPECプラスは原油の減産も検討すると発言、
その後、イラクの国営石油販売会社、クウェートやアルジェリア、
そしてアラブ首長国連邦(UAE)、オマーンなどが
サウジの考えと一致していると表明しており
OPECはWTI80ドルを下回る原油価格を容認しないスタンスのようです。

※WTI原油  減産で供給を絞れば再び原油高となるリスク
今の市場構造からすると原油高はドル高要因。
原油高➡インフレ➡金利高➡ドル高
原油高➡日本など消費国のドル払い増加➡ドル高

NOTE
世界最大の電気街「華強北」を一時閉鎖、コロナ対策で深セン市
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-shenzhen-idJPKBN2PZ0FJ
・世界最大の電気街「華強北」を9月2日まで一時的に閉鎖
・中心地区の福田と羅湖にある24駅で地下鉄の運行を停止

中国の景気はダメですね・・・

ポジションは
ドル円 136.05円L
NZドル0.6375ドルS は継続したまま。 


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2022年8月29日月曜日

 1・パウエル議長講演、市場の楽観に冷水
2・ECB、9月の大幅利上げ高官ら相次ぎ主張
3・オーストラリア LNG輸出規制を検討
4・黒田総裁、日銀は金融緩和策を維持する以外ない

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1・パウエル議長講演、市場の楽観に冷水

パウエル議長、高金利維持する可能性高いと示唆-転換期待裏切る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-26/RH86WMT0AFB401
パウエル議長、23年の利下げ観測に「明確な抵抗」-市場関係者の見方
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-26/RH8B2CT1UM1001

振り返れば昨年21年のジャクソンホール会合では
「インフレは一時的」だとしていたパウエル議長、
今年は、短期的に経済に痛みを強いてでもインフレが抑制されるまで
金利をしばらく高い水準で維持する必要があるとの見解を示しました。

わずか10分程度の短い講演でしたが、
市場の反応はドラスティックなものに。
楽観が支配し始めていた株式市場は大きく崩れました。

※米主要株価インデックス一覧 やはり200SMAは重要ね
ダウ    32,283.40  ▼1,008.38
SP500    4,057.66 ▼141.46    -
ナスダック   12,141.71 ▼497.56   

以下、各連銀総裁のコメント。

◆クリーブランド:メスター連銀総裁
「来年の早い段階で4%超に利上げ後は据え置きを」

◆アトランタ:ボスティック連銀総裁
「長期間、高水準での政策金利を維持すべき」
「最大の懸念は労働市場ではなくインフレ」
「景気抑制」な政策金利のレンジは3.5-3.75%」

◆セントルイス:ブラード連銀総裁
「政策金利年末までに3.75-4%に達するのが望ましい」

◆フィラデルフィア:ハーカー連銀総裁
「政策金利を年末までに少なくとも3.4%に引き上げた後、
 利上げをいったん停止し、経済がどう反応するかを見極めるべき」
「金利をどんどん上げ続け、その後で極めて急速に引き下げる必要はない」
「景気抑制的な金利水準については3.4-3.5%付近」

6月FOMC時点では
年末までにFFレート金利3.4%引き上げがコンセンサスでしたが
今では 4%という数字がFRB要人らから出てきていますし
パウエル議長が経済成長鈍化の痛みを伴ってでもインフレ抑制が最重要で
金利を高い水準に維持する必要があると明言しているのですから
市場金利(FFレートを最も敏感に映す米2年債金利)は
早晩4%を目指すものと考えられます。

※米短期債利回り 現在3.4%
1990年代は常に4%を超える金利だったことを考えれば
40年来のインフレ到来ですので、4%まで上がったって全く不思議はありません。

※FedWatch金利先物市場は26日金曜時点で
 12月FOMCでの4%到達を40.9% 
 1月FOMCでの4%到達を41.9%まで織り込んでおり、
 3月時点になると 4.25%を21.2%織り込んでいます。

現時点でのメインシナリオは早期4%到達で、その後は様子見って感じね。

ただし、インフレ高進は止まっており、インフレはピークアウトした
というのが市場のコンセンサスとなっており
市場の来年後半の利下げ期待は完全に払拭されていません。

26日発表された7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、
前年同月比6.3%上昇と、前月の6.8%から伸びが鈍化。
先週発表された7月の消費者物価指数(CPI)も
前年同月比8.5%上昇と、伸びは約40年ぶりの伸びとなった
6月の9.1%から鈍化していましたね。

インフレの低下が著しい、あるいは再び大きく上昇していくような場合は、
こうしたコンセンサスが再び大きく変化しますので、
あくまで現時点では、という話です。

さて、パウエル議長の講演受けて米ドルが上昇する直前までは
26日金曜のマーケットではユーロが急騰していました。

2・9月の大幅利上げ、ECB高官が相次ぎ主張

ECB9月政策委、最大75bpの利上げ決定を支持-オランダ中銀総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-27/RH8U25T1UM0W01?srnd=cojp-v2
ECBの政策委員会メンバー、クノット・オランダ中銀総裁、
「9月の次回の政策委員会で最大0.75ポイントの利上げ決定を支持する」

この26日金曜のクノット・オランダ中銀総裁の発言の後も
27日にはシュナーベル専務理事、ビルロワドガロー仏中銀総裁、
カザークス・ラトビア中銀総裁が大幅な利上げの必要性をそれぞれ主張しています。

ECBは先月、11年ぶりの利上げを決定。
政策金利を0.5%に引き上げました。
次回9月8日の理事会では0.75%引き上げ、1.25%に引き上げられるか?
という話ですが、エコノミストが1.5%付近と予想する中立金利について、
ビルロワドガロー氏は年内に到達すると発言。
カザークス氏は来年第1・四半期に到達するとの見方を示しているます。

しかし、その頃には米国の金利は3.5~4%に引き上げられている見込みで
ECBが今から利上げを急いでも米国には追いつけません。

というわけで、コレまでのドル高の揺り戻しはあっても
ドルよりユーロのほうが強くなるというトレンドの発声は見込めませんので
ユーロ上昇があっても一時的かとは思います。

この世界の利上げシフト、
最終的にどうなるかは現時点では解りませんが。

独連銀総裁、ECB利上げの終点は明確でない-ジャクソンホール
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-26/RH8CQET0AFB601

欧州の場合、尋常じゃないガス価格上昇もあって
景気への打撃も深刻ですし・・・。

先週ガス価格上昇は加速し続けて最高値更新。
8/31からロシアは欧州向けガスパイプラインノルドストリームの
点検修理を口実にガス供給をストップします。

ロシアはすでに欧州向けガス供給を最大供給時比で20%にまで
減らしていますが、これを3日間ゼロにする予定ですが
供給を絞った分、余剰となったガスは燃やされているみたい・・・

売り先失い焼却処分?一日で約14億円分とも…露の天然ガス 独ではビール価格高騰
https://news.yahoo.co.jp/articles/c41a2994a76588545ceba6cfd2bbeae08a9865f8

1日あたり14億円分ものガスをただただ燃やしちゃうって、、、

グローバリゼーションの終焉、デフレの終焉を象徴するような話題ですが
例えばこんなニュースも。

3・オーストラリア LNG輸出規制を検討

オーストラリア LNG輸出規制を検討 最大輸出先の日本に影響は
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220828/k10013791431000.html

まだ決定ではありませんが、、、、
オーストラリアも自国の安定供給が重用ということです。
オーストラリア資源相「国民のためのガスの確保も重要」

日本にとってオーストラリアはLNGの最大の輸入相手国で
輸入量のおよそ4割を依存しています。
▽オーストラリア 37.2%、
▽マレーシア 13.7%、
▽カタール 11.9%
▽ロシア 8.4%、
▽アメリカ 8.1%

ジェトロは
「各国が入手できる天然ガスの量が減り、価格の上昇につながる可能性がある」
としていますが、世界へ輸出されるLNGの供給量が減るのですからそうなりますね。

そうなれば、益々日本は高いエネルギーを輸入せざるを得ないということで
円安がさらに進む要因となってきます。

あ、ロシアからのガス供給が減ってLNG輸入を増やしている
欧州にとっても同じことでこれはユーロ安要因でもありますね。

米国は中間選挙に向けてガソリン価格が上がらぬよう
精製業者に圧力をかけようと。。。。

U.S. energy secretary urges refiners not to increase fuel exports
https://www.reuters.com/business/energy/us-energy-secretary-urges-refiners-not-increase-fuel-exports-2022-08-27/
米エネルギー長官は国内の石油精製業者に対し、
ガソリンやディーゼルなどの燃料の輸出をこれ以上増やさないよう促し、
工場が在庫を増やさない場合はバイデン政権が対策を検討する必要がある
かもしれないとも付け加えた。

国内の原油生産が増加し世界の燃料需要が回復を続ける中、
米国の製油所は今月、石油製品の輸出を増やしている。

製油所側は、禁止すれば国内市場が燃料であふれかえり、
一部の工場が減産に追い込まれ、供給が減少して
価格上昇圧力がかかる可能性があると指摘している。

これ、バイデン政権の支持率が大事、ということで
企業の立場に立っていないので、話はちょっと異なりますけど。
まあ、自国のことで頭がいっぱいという意味では同じ。

つまりいつどのような形で資源供給が絶たれるかわからない時代になってきた。
岸田政権の原子力再稼働・新設への明言は急務でしたし、英断といえるでしょう。

しかしながら足元の基調が円安で変わらない根底にあるのが
日本だけが(中国は別ね)主要国で緩和姿勢を貫いているということもあって
ジャクソンホール会合で黒田総裁は改めてそのスタンス継続を表明。

4・黒田総裁、日銀は金融緩和策を維持する以外ない
-ジャクソンホール
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-27/RHAL50DWLU6801
「日本のインフレのほぼ全てが商品価格上昇によるものだ」
「日銀は金融緩和策を維持する必要がある」
「日本のインフレ率、年内は2%~3%に近づく可能性があるが、
 来年には1.5%に向けて再び減速する」と予想
 
というわけで、FXってトレードの基本戦略は
リスク警戒が強くなければ円売り継続ですね。

今週も重要な経済イベントが多くあります。

※※今週の予定※※

30(火)
●7月失業率・有効求人倍率(8:30)

●米 6月 FHFA 住宅価格指数(22:00)
●米 6月 S&P コアロジック CS 住宅価格指数(22:00)
●米 8月 CB 消費者信頼感指数(23:00)
●米 7月 JOLT 求人件数(23:00) ◆予想1,047.5万人:6月1,069.8万人

31(水)
●7月鉱工業生産(8:50)
●7月商業動態統計(8:50)
●8月消費動向調査(14:00)
●中国 8月コンポジット PMI(10:30)
●中国 8月製造業 PMI(10:30) ◆予想49.3(7月49.0)
●中国 8月非製造業 PMI(10:30)◆予想52.2(7月53.8)

●米 8月 ADP 雇用統計(21:15)◆NFP予想+30.0万人(7月+52.8万人)
               失業率予想3.5%(7月3.5%) 
9/1(木)
●4-6月期法人企業統計(8:50)
●8月自動車販売台数(14:00)
●中国 8月 Caixin 製造業 PMI(10:45)
●ユーロ圏 7月失業率(18:00)
●米 8月 ISM 製造業景況指数(23:00)

2(金)
●8月マネタリーベース(8:50)
●米 8月雇用統計(21:30)
●米 7月製造業受注(23:00)

ポジションですが、ECBの大幅利上げ観測が強まったことで
ユーロが上昇してきたこともあり
ユーロドルショートをパウエル議長会見前に一旦手仕舞いました。
買い戻しコスト 1.0041ドル

ドル円 136.05円L
NZドル0.6375ドルS は継続したまま。 
ユーロは再度売り直そうと思いますがちょっと様子をみます。

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2022年8月26日金曜日

明日26日23時のジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演控え
動きにくい相場。今日は特筆すべき事項もないのですが
カンザスシティ連銀総裁が政策金利の4%超え水準までの引き上げの可能性に言及。
タカ派発言ですので、ドル高に動くか?と思えばそうでもなかった。

FRBは「さらに利上げ必要」、4%超え当面あり得る-ジョージ総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-25/RH5ERFT0AFBJ01
・当面は4%を上回る地点にもっていく必要があるかもしれない

米金利も今日は上げ一服。
シンプルに金利低下は株にプラスですので
今夜の米国の株は軒並み小幅高です。

ポジション継続していますが
明日の値動きをみて手仕舞うことも考えます。

NOTE

NY原油続伸、95ドル台後半-米原油・石油製品輸出が91年以降で最大
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-25/RH5A3CT1UM0W01?srnd=cojp-v2


これ、ドル高要因ですね。
米国原油の輸出量が最大規模ということは
それだけドル需要がある、ということです。
つまりユーロ安ドル高、とか円安ドル高の一因であるということ。

世界のエネルギー危機がドル高をもたらしている。
米国は産油国でもあるということが通貨高につながっています。

ロンドン在住の松崎美子氏にお話を伺いました。

ジョンソン首相辞任で波乱の英国。
電気代の高騰は洒落にならないレベルですよ。。。
このまま行くと年間90万近くも電気代がかかる可能性が。
(現在ですでに30万を超えているそうです)

猛烈なインフレ、そして深刻な景気後退に直面している英国。
利上げサイクル入りしていますが、ポンドはまだ下がる?
買い転換のタイミングは?
<利上げでも上がらぬポンド、スタグフレーション>
『ジョンソン首相辞任でどうなる英国経済』
youtu.be/aI0FXN6fHjc

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2022年8月25日木曜日

 ジャクソンホール会合を控え、世界の金利が上昇しています。

※主要国短期債利回り一覧(2年国債)

英国とEUの金利上昇のスピードが激しいのですが
ユーロもポンドも下落基調から抜け出せません。
この記事にあるように、
足元では金利が為替市場の主たる材料ではないようです。

ユーロ安に歯止めかからずか、ECBが9月に0.75ポイント利上げでも

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-24/RH3ZFRT0G1KW01?srnd=cojp-v2
JPモルガン・プライベート・バンクのグローバル外為戦略責任者、サム・ジーフ氏は 「金利は特にここ1カ月、為替相場を動かす主な要因ではなくなっている。動かしているのは世界の成長ダイナミクスだ」とし、「インフレ期待を抑えるために成長見通しを悪化させるような大幅利上げは、為替相場の支えにはならない」と話した。

利上げで景気を冷え込ませてしまうような国には資金が向かわないということね。

今日は特に材料がない中、ロンドンフィキシングに絡む
ドル売りユーロ買いがユーロドル相場を大きく動かす局面が。

※ロンドンフィキシング
ロンドン市場において、金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートを決める
値動きを指す。(東京市場での仲値)
その日の両替のレートや企業との取引レートの値決めのこと。
ロンドンフィックスはロンドン時間16時。日本時間24時(冬時間1;00)

※ユーロドル5分足
これがユーロ下落トレンドを変えるというものではないでしょう。

ということでポジションはすべて継続していますが
26日のジャクソンホールシンポジウムでのパウエル議長講演に向けての
トレンドはこのイベント前後で材料出尽くしで転換する可能性もあるため
値動き見ながら手仕舞う事も考えます。

参院選が終わったら安定長期政権となるため岸田首相が動き出すと
指摘されていましたが、早速色々動きだしました。

政府 原発7基 再稼働目指す方針確認 次世代の原子炉開発検討へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220824/k10013785121000.html

今夏、国民に節電を呼びかけることもありましたが
エネルギー供給に不安がある国へ外国人投資家が資金を振り向けるとは
思えない、、、と不安に思っておりましたところ、

欧州、英国は今冬、計画停電も避けられない状況となりそうですが
日本はでは工場停止など産業界へのダメージとなるような
エネルギー供給不足が発生しないという安心感が、
海外マネーを日本に呼び込むことに繋がるかもしれません。

NISA恒久化を要望 資産所得倍増へ「成長投資枠」も―金融庁

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022082300767&g=eco
一般NISAと積立NISAの投資可能期間の恒久化、
非課税期間の無期限化、
そして年間投資枠の拡大に動くようです。
23年度税制改正要望に盛り込むものと考えられます。

国民が保有する1000兆円のキャッシュが
株式にシフトする流れを後押しするものと考えられ
株式市場にはプラスとなると思われます。

その代わりに別の部分で増税するなどと言い出さなければ
日本株市場にとってはいい流れです。

ジャクソンホール会合に向けてマーケットがあまりに構え過ぎな気もしますが
パウエル議長の講演、9月FOMC、QT加速などのリスクイベントで
米株が崩れることがあれば日本株も一緒に下がるとは思いますが
秋の株下洛は来年に向けての絶好の買い場となるでしょう。
私は注目の個別株はすでに買ってしまっています。。。💦

今週のひろこのスペシャリストに聞く!は
ロンドン在住の松崎美子氏にお話を伺いました。
ジョンソン首相辞任で波乱の英国。
電気代の高騰は洒落にならないレベルですよ。。。
このまま行くと年間90万近くも電気代がかかる可能性が。
(現在ですでに30万を超えているそうです)

猛烈なインフレ、そして深刻な景気後退に直面している英国。
利上げサイクル入りしていますが、ポンドはまだ下がる?
買い転換のタイミングは?
<利上げでも上がらぬポンド、スタグフレーション>
『ジョンソン首相辞任でどうなる英国経済』

youtu.be/aI0FXN6fHjc
是非動画を!

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2022年8月24日水曜日

 今夜は弱い米指標受けてドルが急落する局面が。

◆米8月製造業PMI:51.3(予想:52.0 前回:52.2)
  サービス業PMI:44.1(予想:50.1 前回:47.3)

※製造業PMI
 

※サービス業PMI 景気の分かれ目、50を大きく割り込む
◆米7月 新築住宅販売
 販売件数 51.1万戸(予想 57.5万戸、前回 59.0万戸)
 中間価格 43.94万ドル(前回 41.49万ドル) 
 平均価格 54.68万ドル(前回 45.73万ドル)
 在庫水準 10.9ヵ月分(前回 9.2ヵ月分)

米国の住宅販売も悪化、在庫水準が10ヶ月分にも積み上がってきた。
また、サービス業PMIの悪化が激しい。

今日はユーロ圏、英国のPMIも発表され、
欧州、ドイツもサービス業PMIが悪い数字だったのですが、
米国の落ち込みが最も激しいことから
米金利低下、米ドル売りが大きくなったようです。

◆独・8月製造業PMI:49.8(予想:48.0、7月:49.3)
   サービス業PMI:48.2(予想:49.0、7月:49.7)

◆ユーロ圏・8月製造業PMI:49.7(予想:49.0、7月:49.8)
           サービス業PMI:50.2(予想:50.5、7月:51.2)

◆英・8月製造業PMI:46.0(予想:51.0、7月:52.1)
     サービス業PMI:52.5(予想:51.6、7月:52.6)
     
英国は製造業の落ち込みが深刻ですね・・・。

というわけで、ドル売りが大きくなりましたが
ここまで、26日のジャクソンホールシンポジウムでの
パウエル議長の講演に向けてドル買いが膨らんでいたため
ポジション調整が入ったためかと思われます。

ドル買いのトレンドが変わるような重要指標ではありません。
金利を司るのはインフレの指標です。
今夜の住宅販売のデーター詳細をみても、
価格はむしろ先月から上昇しています。

というわけでドルロングポジションはすべて継続。

ドル円が落ちたところを拾っています。
新規ポジション
ドル円 136.05円L

NZドル0.6375ドルS 
ユーロドル1.1438ドルS ポジション継続です。

米株は今夜も下落中。
欧米PMI悪化で景気の先行き懸念でしょうか?
それともドルが急落したものの金利はあまり下がっていないことから
ジャクソンホール会合への警戒が解けないということでしょうか。

NOTE
With Iran deal looming, OPEC+ weighs oil cuts
https://www.reuters.com/markets/commodities/with-iran-deal-looming-opec-weighs-oil-cuts-2022-08-23/

イラン核合意の再建が近い、との期待で
イランの制裁が解除されイラン産原油が市場回帰するとの思惑も重なって
原油価格が下がっていましたが、
イランの生産が回復した場合、OPECプラスは
原油の減産を検討する、との記事。

これを受けて原油価格が切り返しています。

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2022年8月23日火曜日

 1・ユーロドル パリティ割れ2002年来の安値へ
2・進む人民元安=ドル高
3・米株は押し目到来か下落再開か?
------------------------------------------------
1・ユーロが2002年以来の安値に下落、年初来の安値を更新

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-22/RH0W49T0AFB701

とまらない天然ガス価格高騰がユーロ売りを加速させているんでしょう。

※オランダTTF(欧州天然ガス指標)20年は10ドル以下だったのが現在270ドル台(+_+)
すでにロシアから欧州へのガス供給が絞られる中、
さらにロシアはガスパイプライン「ノルドストリーム」を
31日から9月2日までの3日間停止すると発表しています。

ところがドイツは年内で原子力発電を閉鎖する計画なんですよね。

独経済相、原発3基の稼働延長を否定 節ガス効果は限定的と指摘
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-germany-nuclear-idJPKBN2PR0HI
・国内に残る原子力発電所3基について、稼働延長を否定。

※ただし議論は分かれているようでまだ閉鎖決定ではなさそう。
ドイツの脱原発、年内完遂は持ち越しか。緑の党幹部が運転継続に言及
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220830/se1/00m/020/028000c

ドイツはじめ欧州のエネルギー問題は深刻なインフレを齎しており
ドイツがリセッション入りするリスクも台頭。

ドイツ、景気後退の可能性高まる インフレ率10%超も=独連銀
https://jp.reuters.com/article/germany-economy-bundesbank-idJPKBN2PS0ML

というわけで、ユーロ売りはまだまだ続きそうです。

2・中国利下げ22年で3度目 振るわぬ景気、ゼロコロナが壁

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2234J0S2A820C2000000/

中国はもはや「流動性の罠」に陥っているとの指摘。

※流動性の罠=名目金利がゼロ近くまで低下(債券価格が上昇)すると、
将来金利が上昇するだろうと考えるため
債券購入者が増えず、人々は手持ち資産は貨幣のまま保有しようとする。
市場への供給量を増やしても、キャッシュの流動性が増えるだけで
民間投資は増加せず、金融政策の効力がなくなってしまう状態。

中国では不動産バブルが崩壊。
デベロッパーが不動産を完成させられないまま破綻。
ローンだけが残された市民は支払いを拒否➡銀行の不良債権増加
➡市民が銀行破綻を懸念して預金を引き出そうとする、といった形で
あちこちで取り付け騒ぎが起こっています。

中国で相次ぐ取り付け騒ぎは国有銀行にも及ぶ構造問題

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/07/post-99223.php

発端は異なりますが今日はとうとう北京でも。

預金引き出そうと…市民“銀行に殺到” 中国・北京
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000265732.html
北京市が「来月1日以降、預金の使い道は医療費の支払いなどの用途に限定する」
と発表したことがトリガー。これまでは普通預金と同様の扱いだったが・・・。

というわけで中国はあの手この手で経済の立て直しに奔走。

中国、資金難の不動産開発会社向けに特別融資4兆円計画-関係者

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-22/RH0HR5T0AFB501

ただし、ゼロコロナ政策が続けられる中で持ち直すとは考えにくい。
為替市場では人民元安、ドル高が一段と進行する事態に。

※人民元/ドル

この元安ドル高も、為替市場でのドル需要増ですので
全般のドル高を誘引している可能性は否定できないでしょう。

※通貨インデックス一覧 ドル独歩高

3・米株は押し目到来か?下落再開か?
どのインデックスも200SMAを超えられずに反落、あまりに美しいですね。
今週のジャクソンホール会合、パウエル議長講演控えての手仕舞いが旺盛。
200SMAは下降しており典型的なベアマーケットの戻り相場終了に見えますが、
しかし、JPモルガンは米株の強気スタンス維持。
大幅利上げは9月で終わると見込んでいるようですが・・・

FRBの大幅利上げは9月が最後、米株高続く公算大-JPモルガン
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-22/RH0DHXT1UM0Y01?srnd=cojp-v2
・S&P500が現行水準から年末までに平均でさらに3.5%上昇すると予測

揺らぎ始める株高の確信、米国株より現金を選好-モルガンSシーツ氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-22/RH0C8AT0AFB401?srnd=cojp-v2
・バランスシートの圧縮加速が~リスク資産への圧力は一段と強まる見通し
・米国株よりもドル建ての現金保有が魅力的

この先は積み立て形式で長期投資している株式資産が目減りするリスクも
大きいと考えていますが、こういううときは
株価インデックスを売ると言うかたちで資産をヘッジしながら
為替の短期トレードで利益を追求するスタイルで。

ポジション継続です
NZドル0.6375ドルS 
ユーロドル1.1438ドルS

NOTE
◆英国のインフレ率は来年18%超にも、エネルギー価格急騰で-シティ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-22/RH0DHXT1UM0Y01
・来年1月に18.6%でピークか、約半世紀ぶり高水準(1976年)
 ~米シティグループ予想(BOEは6-7%へ政策金利を引き上げる必要があるかも
~BOEは年末時点のインフレ率「13%を若干上回って」ピークを付ける予想

英国のインフレも深刻。ポンドも下落が止まりませんね。

◆サウジ石油相、先物相場の需給逸脱はOPECプラスの「決意」強める
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-22/RH0WCLT0G1KW01
・OPECプラス来月の会合で生産引き締めが必要になるかもしれないとの認識を示す
・先物市場と現物市場の乖離がますます広がっている

OPECプラスはこのところの原油先物市場の下落がお気に召さないらしい。
9月会合で減産するかも、と市場に牽制球。

それで原油価格が再上昇するようだと、ますます世界のインフレが長期化し
金利上昇=株価下落を深刻なものにするリスク。
さて、本気でしょうか?

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2022年8月22日月曜日

 25-27日にジャクソンホール会議が開催され、
26日パウエルFRB議長の講演予定。
例年注目されますが、今年はどうでしょう。
今週はこれまでの米株上昇、楽観ムードが後退するかもしれません。

1・米株、S&P500は200SMAを超えられず反落
2・今週はジャクソンホール会合
3・米金利上昇どこまで?
4・日本の貿易赤字とインフレ率
5・欧州エネルギー危機、ユーロ売りは続く?
6・オセアニア、来年利下げに転じる可能性

******************************************
1・米株、S&P500は200SMAを超えられず反落

9月の米利上げに関しては0.5%なのか0.75%なのか見方が揺れています。

9月米利上げ幅でまちまちのシグナル、地区連銀総裁に温度差
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-18/RGTSUDDWRGG001

バーキン総裁、FRBはインフレ抑制の決意-景気後退リスクでも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-19/RGV727DWRGG001
FRBはインフレ率の2%回帰にコミット-バーキン総裁

しかし株価がこのまま上昇を続ければ、インフレはなかなか低下しない
ということでもあり、ジャクソンホール会合では
パウエル議長からタカ派メッセージが発せられる可能性も指摘されています。

仮にそうなれば金利が上昇するでしょうから
株式市場にはネガティブ。株の反落に注意ということになりますが
S&P500ネット ショート ポジションは建玉の12%にも達しているとか。
これは1990年代後半 (ミニ契約が開始されたとき) 以来の最大。
https://mobile.twitter.com/nicholastreece/status/1560712917510754307
踏み上げのリスクはあって、米株が今週下がると安易に
売り向かうのも怖いんですよね・・・。
しかし、パウエル議長講演には注意が必要です。

2・ジャクソンホール・ショックはあるか 予測の神様は催促
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL00015_Z10C22A8000000/
今年のテーマは「Reassessing Constraints on the Economy and Policy」
(経済と政策における制約の再評価)

・6月から保有資産を減らす量的引き締め(QT)を始めたが、
 8月17日時点の総資産は8兆8497億ドル(約1200兆円)と
 5月下旬から645億ドル(0.7%)しか減っていない。
~上限額いっぱい消化できていれば2カ月半で1100億ドル以上圧縮されていた。

・住宅ローン担保証券(MBS)は200億ドル(0.7%)増えた。
 異例の高速利上げでローンの借り手による借り換えのための
 繰り上げ返済が進まず、MBSの償還が遅れているのが一因

・9月から資産削減の上限額を毎月950億ドルに倍増するが、
 MBSは償還を迎えた証券の再投資を絞るだけでなく
 市場売却が俎上(そじょう)に上る可能性も低くない。

・1980年代前半に金利低下への大転換を的中させ
「予測の神様」と呼ばれるカウフマン氏は
 FRBのインフレ対応が手ぬるいと考え、
「市場にショックを与えなければいけない」と話す。

6月スタートしたGRBのバランスシート縮小ですが
あんまり減ってないんですよね。
特に住宅ローン担保証券(MBS)は借り換え需要も旺盛で
償還分が少ないことが影響しているようですが
ひょっとしたら、償還を待つのではなく市場で売却という話が
飛び出すかも、、、という予想もあるようです。

それでなくても9月からはQTのピッチを上げる計画ですので
過剰流動性マネーはいよいよ本格的に絞られていくはずなんですよね。

世界のマネー、3年ぶりに減少 株式や商品に逆風
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB189AJ0Y2A810C2000000/

経済協力開発機構(OECD)によると、
企業や家計が持つ現金や普通預金など、すぐに使えるマネーを指す「M1」は
22年4月に3年ぶりの減少に転じ翌5月も減少。
2カ月連続の減少は1980年以降で初めて。

欧米各国はコロナ禍の企業向け資金支援を次々に打ち切っているほか、
経済活動の再開に伴い賃金の増加傾向が続き、
所得税収などが増えていることがマネーの吸収につながっている。
※ただしM1に定期預金などを加えた「M2」は依然増加している。

金利急騰やリセッションなどへの警戒は6月までの下落時に
織り込んでしまったためマーケットの恐怖はかなり後退していますが
株価が最高値を更新できるようなハッピーな投資環境にないことは明らか。

そろそろ米株の上値も重くなってくるんじゃないかと思うのですが
そのトリガーがやはり今年もジャクソンホール会合にあった、
ということになる可能性はゼロではないのかもしれません。

逆にS&P500が踏み上がる可能性もゼロではないんだけど。

そうそう、7~8月の日経平均の上昇は
海外投資家による先物買い主導でしたが
裁定買残は昨年9月や今年3月のピーク水準に接近。
先物ロングが整理されれば下がる日経平均が下落する可能性もありそう。

NT倍率が上昇、海外短期筋が日経先物買い戻し
https://jp.reuters.com/article/tokyo-stock-nt-idJPKBN2PN0HR
・7月第2週以降の海外勢の先物取引を累計すると1兆2000億円の買い越し
・長期投資家が売買の中心とされる現物株は、
 海外投資家も7月第2週以降、3400億円超の売り越し

・海外短期勢の先物ポジションは年初からの累積で、
ショートからロングに変化してきた
「調整時には日本株の反応が大きくなりそうだ」

日経平均上昇は長期投資家らの現物買いが入っていないので
先物主導の短期筋によるショートカバーだったか。

今週は日米ともに株価インデックスの下落に注意が必要ですね。

3・米金利上昇どこまで?

Fed’s Bullard Leans Toward Favoring 0.75-Percentage-Point September Rate Rise
https://www.wsj.com/articles/feds-bullard-leans-toward-favoring-0-75-percentage-point-september-rate-rise-11660842768
セントルイス連銀総裁ブラード氏は、
インフレがピークに達したと言う準備はできておらず、
年末までに目標金利を3.75%から4%の範囲にすることが重要であると述べた。

ほぉ~ブラード氏がこんなタカ派発言を行っていたか。

6月FOMCのボードメンバーらのコンセンサスは年末3.4%だったはず・・・

今週はジャクソンホール会合でタカ派メッセージが出れば
短期金利は6月につけた3.4%台を再び目指す展開となり
それをさらに超えて4%くらいまで上がるかもしれません💦
短期金利(2年債利回り)はFFレートを映す金利ですので・・・。
その場合今年の高値139円を突破氏140円を超える可能性も。
ドル円は押し目買いかな・・・

4・日本、貿易赤字7月最大の1兆4367億円 資源高で12カ月連続
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA170KU0X10C22A8000000/
・7月の貿易統計、1兆4367億円の赤字
~赤字は12カ月連続となり、赤字額は7月としては最大
 赤字額は比較可能な1979年以降で7番目に大きい額
・輸入額が前年同月比47.2%増の10兆1895億円となり、5カ月連続で過去最大を更新
原油、ガス、石炭の鉱物性燃料の輸入額の急増
事態の打開にはエネルギー政策の転換、原子力の有効活用が欠かせないと
上記日経記事コメント欄で滝田編集委員。全くもってその通り。

今年のドル円上昇の背景には日米金利差だけでなく
貿易赤字拡大が寄与していることは言うまでもありません。
ただし、原油価格はじめ素材価格も下がってきているので
年後半は赤字幅も縮小してくれるんじゃないかと思うのですが、、、・

しかし趨勢的には円安持続の材料。

◆7月消費者物価指数 軒並み上昇
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
総合指数 前年同月比+2.6%(前月比 +0.4%)
コア指数 前年同月比+2.4%(前月比 +0.5%)上昇率は4か月連続
コアコア 前年同月比+1.2%(前月比 +0.5%)
日本の物価上昇率のピークは海外に遅れる:物価上昇の家計圧迫は続く
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0819
コアコアでみるとまだ1.2%、賃金の伸び率は2%を下回る水準ですので
日銀の物価目標と比して不十分な伸びに留まっており、
政策の転換、修正期待は時期尚早。まだ円安基調は続くでしょう。。。 

5・欧州エネルギー危機

ロシア、また欧州に揺さぶりをかけています。

ノルドストリーム一時停止 保守点検理由に3日間
https://www.sankei.com/article/20220820-LPXZ4LOEQVKS5PSCI7SDWVNV5Y/
ロシアからドイツ経由で欧州へ天然ガスを送る海底パイプライン
「ノルドストリーム」を31日から9月2日までの3日間停止すると発表
~メーカーとの契約に基づく作業と説明

また点検ですか。
点検という名目でガスを止めるんですよ。
再開する際にはまたガス供給料が減らされているかも・・・。

というわけで、欧州ガス価格は更に上昇。

これはユーロ売り、ドル買い要因ですね。
ユーロドルショート継続です。

独のガス貯蔵、今冬越えに十分な確保依然難しい
https://toyokeizai.net/articles/-/611911

6・豪州・NZ中銀、利上げ継続へ 住宅価格変調で暗雲も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1027K0Q2A810C2000000/
・7月のNZの住宅価格は中間値が81万NZドル(約6900万円)となり
 前年同月比で1.8%下落した。前年を割り込むのは11年ぶり
 
・豪州住宅市場下落から3カ月、下落率は08年の金融危機時に匹敵
~7月の豪住宅価格の中間値は74万豪ドル(約7000万円)と前月比で1.3%下落

NZ、豪州は23年中に利下げに踏み切る予想とのこと。
オセアニア通貨の反発のフェーズは終了したかも。
来年の利下げを織り込む動きが活発となればオセアニア売です。

しかも、こんなニュースも。

◆ソブリン債へのシフト加速か、相場下落で妙味増す-豪州年金運用者
https://bit.ly/3AaUJg8
・2兆4000億ドル(約324兆円)規模のオーストラリアの年金基金の運用者は、
 比較的リスクの高い資産を選好してきたが、今はソブリン債を購入

・このシフトは、ファンド業界および世界市場全体に波及する見通しだ。
 6月以降に相場は反発し、債券への資金流入は増加している。

これまでの金利上昇=債券価格下落で債券への投資妙味が上がっているということね。
となると、債券買いとなりますので金利は低下圧力がかかります。

どこの債券かは書かれていないのでオセアニアの金利が下がる、と
言い切れませんが、米金利に関しては上記理由でまだ上がるリスクがあります。
米債以外、ってことで考えるとオセアニア、、、?
金利低下するなら通貨も下落圧力が強まります。

ポジションは継続しています。
NZドル0.6375ドルS 
ユーロドル1.1438ドルS

NOTE
◆中国四川省、工場の電力供給制限を延長-トヨタなどへの逆風強まる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-21/RGYVMRT0AFB501
中国内陸部の四川省や重慶市などでは、連日40度を超える猛暑となり、
需要が急増した家庭用電力を確保するため、8月15日から20日までの間、
電力消費量の多い企業を対象に、工場の生産を停止していましたが
25日まで延長するとのニュース。

◆「中国で産みたくない」、ゼロコロナで出生数減少に拍車
https://jp.reuters.com/article/china-economy-demographics-idJPKBN2PF0OD
今年の出生数は過去最低の見込み。
昨年の1060万人でさえ2020年に比べれば11.5%も少なかったが、
今年は1000万人を割り込む見込みだ。
国連の専門家は中国の人口は2050年までに1億900万人減少すると見ている。
これは前回2019年時点での予測に比べて3倍以上の減少幅

今週の主な予定
 8月22日 (月) ――
◆国内経済
 ・7月首都圏・近畿圏マンション市場動向 (14:00)
 ・7月コンビニエンスストア売上高 (14:00)
★中国人民銀が8月の最優遇貸出金利を発表 (10:15)

 8月23日 (火) ――
◆国内経済
 ・7月食品スーパー売上高 (13:00)
 ・7月全国百貨店売上高 (14:30)
◆国際経済etc
 ・ドイツ8月製造業PMI (16:30)
 ・ドイツ8月サービス業PMI (16:30)
 ・ユーロ圏8月製造業PMI (17:00)
 ・ユーロ圏8月サービス業PMI (17:00)
 ・米国8月製造業PMI (22:45)
 ・米国8月サービス業PMI (22:45)
 ・米国8月リッチモンド連銀製造業指数 (23:00)
 ★米国7月新築住宅販売件数 (23:00)
 ・ユーロ圏8月消費者信頼感 (23:00)
 
 8月24日 (水) ――

 ・米国MBA住宅ローン申請指数 (20:00)
 ・米国7月耐久財受注 (21:30)
 ・米国7月仮契約住宅販売指数 (23:00)
 ・米国週間石油在庫統計 (23:30)
 
8月25日 (木) ――
◆国内経済
 ・7月企業向けサービス価格指数 (08:50)
 ・7月外食売上高 (14:00)
◆国際経済etc
 ・ドイツ4-6月期GDP[改定値] (15:00)
 ・ドイツ8月Ifo企業景況感指数 (17:00)
 ・ECB理事会議事要旨(7月20~21日開催分) (20:30)
 ・米国4-6月期GDP[改定値] (21:30)
 ・米国週間新規失業保険申請件数 (21:30)
 ・米7年国債入札
 
 8月26日 (金) ――
◆国内経済
 ・8月東京都区部消費者物価指数 (08:30)
◆国際経済etc
 ・ドイツ9月GFK消費者信頼感調査 (15:00)
 ・米国7月卸売在庫 (21:30)
 ・米国7月個人所得 (21:30)
 ・米国7月個人消費支出 (21:30)
 ・米国8月ミシガン大学消費者態度指数確報値 (23:00)
 ★パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で講演 (23:00)

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